MP3のエンコダーです。
手持ちの音楽CDの数が把握できないほどに増えてしまいCDプレーヤーも故障してしまったので、MP3化計画を実行中です。それで、どうせエンコードするのなら音は良い方がいいと思い、いろいろなエンコーダーを試しました。
中でもこのAudio Active Production studio Proは音がよいと評判のFraunhofer-IIS(FIIS)のMPEG Layer-3 codecを用いたぶっちぎりのクオリティで、他社のエンコーダーとは次元の違うMP3ファイルを作ってくれます。
まあ、なんてったってMP3の規格を開発したところですからそりゃMP3のこと知り尽くしてるわ。
一般に出回っているパッケージの大概が採用しているXing Technology製のエンコードエンジンなんか問題になりません。
っていうか、現在入手可能なエンコードエンジンは上記の二つの他には、ISOのパブリックソースに基づいた物しかないわけです。
ネットで出回っているフリーのエンコーダーはこれにあたるわけです。
しかし、FIISがMP3のエンコードに関する基本特許権をアメリカとドイツで所有しているために、 この二国では例えISOのオープンソースに基づいたエンコダーであってもFIISに特許使用料を支払わんなければならないそうです。 実際、Xcing TechnologyってFIISに特許料払ってるらしいです。 話がそれてしまいました。
それたついでに本題に戻る前にもうひとつ話をしておきます。
ピアノの「ド」とバイオリンの「ド」どちらも同じ音の高さを持つ「ド」なのですが音色が違うので、
こっちは「ピアノだ」と判るわけです。
で、この音色の違いというのは何なのかといえば、含まれる倍音の違いなのです。
今度は「倍音とは何か」というとですが、楽器から出た音をオシロスコープで見ると判るのですが、
その波形は単純な正弦波とはなっていません。例えば「ド」なら「ド」の周波数に加えて
n倍の周波数成分つまり「倍音」が含まれるのです。
この倍音の含まれ方の違いが、聞いたときに音色の差となって感じられるのです。
で、かんじんのProduction studio Proの音質に関してですが、MP3という圧縮方式はその規格上
15kHz以上の音域についてはほとんど削られてしまいます。ということは、楽器のニュアンスを表現するのに重要な
高音域が再現されないということです。
つまり高音質な音声圧縮方のキモはビットレート(bit/sec)つまり、圧縮率を高くしつつ高音域も再現することなのです。
で、倍音とは元の音のn倍の周波数となるので、再現性を高めるためには
もともとの楽器の音自体が高いほどにより高音域まで必要になります。
長々と前振りをしましたが、で、何なのかというとProduction studio Proでは
ハイハットの複雑な倍音もかなりうまくに圧縮してくれているようで、聴いた感じおかしな変調感もあまり目立ちません。
たいしたもんです。
ここまでは定量的な話なので、スペクトラムアナライザーを使うと目に見える形で実証できるのですが、 以下は、私の主観によるものです。
音像の拡がり方が他のエンコーダーとはぜんぜん違う。
他のエンコーダーだとスピーカーからまっすぐ前にしか音が出ていないのですが、Production studio Proでは
横方向にもかなり音が広がります。上下に関しては横ほどではないですが結構出ています。
あと、一応前後方向に関しても多少は表現されてるみたいです。
音の分離が違う
倍音成分の再現が良いので、各楽器のアタックとリリースがまわりの音につぶされず識別できる。
低音をアホみたいに強調しなくてもベースの音が聴き取れる。
また、各楽器の細かい演奏ニュアンスもわかりやすい。
とまあざっとこんな感じです。ベタ誉めですがそれでも所詮圧縮するものなので、これならMP3でも良いかってレベルです。
CDと比べるなんて言語道断です。
まあそれだけ他社のエンコーダーがあまりにも酷くて話にもならんということなんですが・・・
あの程度の音質なら金払う価値はありません。それならフリーのSCAMPXとか8hz-mp3とかを使いましょう。
MP3を作るのに多少なりともお金を払っても良いという人にはAudio Active Production studio Pro強力にお勧めです。
といいたいところなのですが、なんとFIISの最新エンコードエンジンを搭載した「MP3 BeatJam」という製品が
ジャストシステムから
12/03に定価¥4800で発売されるらしいです。
実際に使っていないのでなんともいえないんですが、
日本製ってこともあるので使い勝手や付加機能に関してはこっちのほうが良いような気がします。
ホームページの紹介では、Variable Bit Rateに対応って書いてあったので、ここのチューン次第では
Audio Active Production studio Proを超えるものになる可能性を秘めているといえるでしょう。
結構気になります。