Last update Oct.15,2001

Ibanez J-custom RG-2

JCRG-2 TRD この写真、写り悪い。本物はもっと美しい。 なんかラインナップが刷新されてIbanezのサイトにも登録されたみたいです。 型番はRG9570に変わってますがこれでしょう。

Ibanezの最上位機種であるJ-Customシリーズの中の最上位機種。 つまりIbanez最強ギター。保証書どころか鑑定書が付いていたり、そりゃもう凄いもんです。 一応これの上にもスペックは同じで指板にインレイで蔦が描いてあるのあるけど。でもルックス好きじゃないし、インレイ入れたらその分音悪くなると思うんだけど。だってバイオリンでこんなことしてるのないでしょ?ま、バイオリンにはフレットがそもそも無いってのがいちばんの理由なんだろうけど

基本はこれと同じで、指板がローズからエボニーに変わっただけ。ってその差がでかいって話しもある、速弾きするならエボニーのほうが音出しやすいです。(材が固いので音の立ち上がりが速いのです) あとは木材のクオリティと仕上げの精度が変わって、ケースがギグバッグからハードケースに変わっただけで八万円も高くなるのはさすがにどうかとも思う。 とりあえずネックの重さが異常。 座って構えたときにナット側が下がる・・・いや〜さすがに材のクオリティだけで下位機種よりも数万円も高いだけはある、マジで別次元の音が出る。

その造りの凄さはいろいろとあるが、ダイレクトマウントのくせにボディ叩いても普通のエスカッションマウントのギターよりも音が乗ってこないとか、生で弾いても並みのセミアコ級にでかい音が上から下まで出るとか、クリーントーンのあまりの美しさに歪ませるのがもったいなくて弾いているうちに思わずどんどんと歪みを少なくしてしまうとか。 とりあえずこのアイバ弾いた後にJacksonのCustom弾くとオモチャにしか感じられない。 それほど持ったときの存在感が違う。

が、アンプを通した最終的なトーンがメタルに向いているという意味ではJackson Customの方が上。なんせメタルを弾くためだけに設計されたギターなので。 っていうのも実はシールド直時の話し。 レンジ自体はアイバのほうが広く、ゴリゴリのディストーションには不必要な音域まで含まれているだけの話しなので、アンプに突っ込む前にEQかませば良いだけ。 メタル以外もやるならアイバのほうが上。っていうかJazzからサーフからロックからメタルからパンクから何でも弾けますわこのギター。

あと弾き易さも素晴らしい。 もう、ボディのカットの仕方とか、ピックアップセレクターの配置とか感涙もの。 あーこんなにサクっと切り替えられていいんでしょうか? 積極的に音を変えて弾いてもいいんですね?これからは。

極めつけは座るよりも立って弾いたほうが楽ということ!! ギターを弾かない人にはわからんでしょうがこりゃドえらいことです。 おまけに背筋が伸びて構えが正しくなる。正しい姿勢になると体に吸い付いてくる。 もう、なんていうかオレはこのギターを弾くために生まれてきた、と感じさせる。そのくらいの出来。

ルックスがなんとなく嫌いだったLo-Pro Edgeトレモロだが弾いてみてびっくり!! こんなに弾き易くていいの???? 右手何にも気にしなくていいんですか?? まったくストレスなくピッキングできるとギターを弾くことってこんなにも楽しいんですか? オレこんなに幸せでいいんですか??

左手のほうは・・・スルーネックなのでハイポジションの弾き易さは犯罪的。 Ibanez独特の攻撃的なまでに極端なカッタウェイのザグリと相まって 24フレットから始まるポジションチェンジなしのスウィープも楽勝、その音域でブロークンコード・・・衝撃的音体験。 でもネックのシェイプだけはアイバのJCMシェイプのほうが微妙に幅広なのもあってJacksonのCustomのほうがさすがに弾き易い。 慣れですむレベルだけど、ネックバランスだけは天才ギタービルダーGroover Jacksonの流れを汲むJacksonのほうが上だな。 ボディのつくりはさすがにアメ公だけあってどうしようもなく大味だけど。セレクターやボリュームポッドの配置とか、カッタウェイのザグリとか。 でもアイバのJ-Customシェイプのほうが幅広いジャンルに対応できて一般受けすると思う。 うむ、さすがは日本製。日本人の体系的特長と手のサイズを知り尽くしてる。

ネックの塗装も素晴らしく、買った瞬間から引き込んでいるかのように手に馴染む。 親父に教えてもらったドイツ製の究極の塗料に迫るクオリティだ。 さすがに日本が世界に誇る木工工房であるフジゲン絡みなだけはあるね。 ナチュラルウッド・バインディングとかフレット一本一本に渡る職人技な丸め処理といい本当に丁寧に作ってある。 パートのおばちゃんが大量生産している工業製品にしか過ぎない普通のギターとはまったく別次元の存在。 鑑定書で、

Ibanez limited edition guitars are manufactured by an ekite groupe of highly skilled Ibanez luthiers to produce instruments of uncompromised quality.

each instrument is masterfully crafted to the highest standards to ensure unparalleled sound, maximum playability and exquisite beauty.

と高らかに謳っているのも納得。工芸品ですわ。 余談だけどエレキギター部長の手書きサインも入ってるし。

以上のように、ネックが尋常じゃなく重たいことと、本当に微妙に厚くて広いことを除ぞけば何の不満もない。 と思っていたのだが今になると不満な点がちらほらと出てきた。 やはり俺の理想とするギターはカスタムオーダーするしかないらしいです。 ていうか、日本人って手が小さいんだから俺と同じこと考えている人間いっぱいいると思うんだけどなぁ。 それとここまで来たら今更2、3万くらい高くなっても何も関係ないからブリッジはこれにして欲しかった。これなら30万しても悩まずに即買いだったのに。 つーか、こんなギター使ってデスメタル弾く馬鹿はオレくらいだろうな。 楽器屋の店員もこんなやつが買うのかよ!? みたいな顔してたし。