Last update Jul.05,2000

続RAID

Promise製のUltraATA interface card「Ultra66」が炭素皮膜抵抗一個。
つまりたった¥5の追加出費と、ごく簡単な改造によって、 RAID-0,1,1+0に対応した同社製ATA RAID Card 「FastTrack66」に改造できることがネットに広まってから もう、さんざん誰もが書いてきたことなのですが一寸言いたいことがあるので、いまさらという感はありますがやっぱり書いちゃいます。

壱号機の紹介のところに書いたように、 起動ドライブとして使っているのと同じSeagateのBarracudaATA-28GBをもうひとつ手に入れたので満を持してRAIDです。 これで改造して使うつもりで買い置きしてあったPromiseのUltra66も役に立つってもんよ。

しかも、以前三号機で組んだときに使ったのとモデルが同じBarracudaATA(あっちは13GB)なので、 いまさら何の不安もありません。 どの程度のスペックになるかもあらかじめ分かっているし・・・

とか言いながら実際の導入までにはやはりいろいろとありましたが、何とか収まるところに収まりました。まぁ、自作にはつきものですね。

で、結果です。とりあえずなぜか定番のHDbenchから。
が、この結果には納得いか〜ん!
いや、私はこのベンチをあまり信用していないんでスコアが低かったことに対してではありません。 ほぼ同じ構成で組んだはずの弐号機のときと結果が違ったからです。
まぁ、これはただの余興なんだからどうでもいいか・・・

お次は私がHDDの性能を計る際の大本命
「Multi Thread Disk Bench」

こいつはその名の通り、 シーケンシャルリード、同ライト、ランダムシャルリード、同ライト、 ロジカルシーケンシャルリード、ロジカルランダムライト、 の六つの測定方法の中から任意のドライブを組み合わせて、 最大六つまでのスレッド同時に実行できるベンチです。

転送サイズは512B〜64KBまで、ファイルサイズは512B〜16MBまで設定可能です。

紹介はココまで。
で、なんでコイツがわたしにとってHDDの性能を見るときの本命になっているかというと、 わたしは体感速度至上主義なので、各個人の実際のマシンの使用状況に近い形で計測できるベンチでないと データとして参考にならないと思っているのですが、ここでこのマルチスレッドってところが利いてくるんですね。

実際にアプリケーションが動いているときにHDDへのアクセスが一つしかないということはあまり考えられません。
OSは常に動いているわけですから。

まぁ、そんなわけでこの「Multi Thread Disk Bench」はわたしにとって都合が良いというわけです。

最近のドライブはATAでもトップスピードだと転送レートが33MB/secを超えるのなんてあたりまえで、 40MB/secを超える物もあります。 しかし、これはあくまでも理想的な条件下での最大瞬間風速なので、実際の使用時においてこんなスピードが出るわけないです。

とはいっても、同じATAという規格上で転送するのですからモデルによって多少特徴はありますが、同じ傾向を示すので、トップスピーが速いドライブは実際の使用時(ランダムアクセス)においてもやはり速いです。
ただしこれはRAIDを組んでいないときの話。

ATAとはいえRAIDを組んだときには各HDDとデータをやり取りするブロックサイズを指定できるので、この指定ブロックサイズにより、同じハードウェアを使用していたとしても性能というか特徴が大幅に変わります。

どうやってチェックしたかはあまりにもメンドくさいんで書きませんが、 結果的にはネットでもよく言われているようにBarracudaATAは16KBで切るのが一番良かったです。参号機のときもそうでした。

16KBで切ったときが、転送ブロックサイズの大きなものから小さなものまで、満遍なく良い成績を残します。


ひとつ例を挙げるとこんな感じです。


転送ブロックサイズ: 64KByte
測定ファイルサイズ: 64KByte
ディスクキャッシュ: Off

スレッド(1) SeqR c: (Drive c: Mode-1)
シーケンシャルリード 65532KByte/Sec.

総合 65532KByte/Sec.
平均 65532KByte/Sec.


転送ブロックサイズ: 32KByte
測定ファイルサイズ: 64KByte
ディスクキャッシュ: Off

スレッド(1) RanR c: (Drive c: Mode-2)
ランダムリード 19936KByte/Sec.
スレッド(2) RanR c: (Drive c: Mode-2)
ランダムリード 19935KByte/Sec.
スレッド(3) RanR c: (Drive c: Mode-2)
ランダムリード 19934KByte/Sec.

総合 59806KByte/Sec.
平均 19935KByte/Sec.

こんな感じに(といっても、他のサンプルが無いので判断のしようが無いでしょうが・・・) スレッドがある程度増えても各転送レートにあまりばらつきが出ない。 RAIDの隠れた利点です。

ネットを見て回っているとトップスピードにばかり目を奪われている人が多いようですが、 これこそがRAIDの肝でしょう!


ちなみにサブドライブ(RAIDじゃない)であるちょっと昔のMaxtorだと

転送ブロックサイズ: 64KByte
測定ファイルサイズ: 64KByte
ディスクキャッシュ: Off

スレッド(1) SeqR d: (Drive d: Mode-1)
シーケンシャルリード 9002KByte/Sec.

総合 9002KByte/Sec.
平均 9002KByte/Sec.

転送ブロックサイズ: 32KByte
測定ファイルサイズ: 64KByte
ディスクキャッシュ: Off

スレッド(1) RanR d: (Drive d: Mode-2)
ランダムリード 1715KByte/Sec.
スレッド(2) RanR d: (Drive d: Mode-2)
ランダムリード 3986KByte/Sec.
スレッド(3) RanR d: (Drive d: Mode-2)
ランダムリード 2313KByte/Sec.

総合 8014KByte/Sec.
平均 2671KByte/Sec.

いい加減な計測ですがまぁ、ざっとこんな感じです。
スレッドによって転送レートにばらつきがありますね。
ほかにもだっち氏から借りているIBMのDJNAも同じような傾向を示します。 世代が新しいんで性能自体はかなり底上げされていますが。

ちなみに常駐ソフトは一切終了させておらず、(今これを書いているメモ帳も立ち上げっぱなし。あんま結果には関係ないけど)起動後一時間くらいです。

普通こんな状態でベンチ取る人っていないですよね。
不特定多数の環境を比べるための指標としてあげてある雑誌などのようなフォーマルな場合は基準が必要でしょうが、個人が自分の環境をチェックするくらいならこれで十分かと。

っていうか、自作系サイトの皆さん。
単体でHDDを使っている場合ならともかく、 RAIDを組んだ場合にはHDbenchとかHDbenchとかHDbenchとかYbenchなどのHDDベンチ部分のデータ載せられても全然参考にならん。です。 とか言いつつも、わたしが採ったこのデータもファイルサイズが64KBとメチャ小さいんで、全然意味ないんですが。 それはさておき何とかしてください。マジ、頼みます。
あと切ったブロックサイズも明記してください。超重要です。

さて、データはともかく結局のところ体感は速くなったのか?

A.
バリバリです!

さすがにHDDのドーピングはむっちゃ効きます。 もう、すべてが高速!
マイコンピューター・ダブルクリック、スタートメニューの表示、起動、終了、ソフトのインストール、 ファイル検索、ファイルコピー、PhotoshopとかSounForgeといったテンポラリファイルを作りまくるソフトの動作、WMA(Windows Media Audio)のエンコード時間、 とまあすべて加速!

いや〜あ。RAIDって本当にすんばらしいぃぃいっ、Deathねっ!!

今となってはかなり高速なCPUが一万円くらいで手に入るので、その分お金はHDDに回しましょう。

良い子のお約束です。