超能力者、高塚光とは何者か?
あやしいよな、高塚光。超能力サラリーマンだと?近ごろはカタカタで「タカツカヒカル」ときたもんだ。手かざしで肩こりからガンまで治す最近話題の超能力者、しかも、ボランティアと断りカネも取らないイカサマ師らしからぬ振る舞いだ。それもそのはず、彼はあの電通のれっきとした社員なんだからだと。
カネのためではないと言い、そして超能力なんてあやしい、自分でも分からないなんて斜めにかまえて物語る。(だから攻撃したって無駄ですよ)と?奇妙な態度で武装した広告屋超能力者、高塚光。一体何者?
その謎を解く鍵は、意外なところに見えはじめている。それは、近頃東京地検が捜査を進めている不動産会社グランディーとそのオーナー河野正にまつわる疑獄事件がそれだ。周知の通り、先に逮捕(9月10日、「有価証券偽造」容疑)されたこの河野正という人物は、バブル期にのしあがってきたミニ政商として知られ、総額50億から100億を政治献金していたと言われるが、すでに関係する政治家として羽田孜、石井一ら新生党幹部の名があがっているのである。いま、この疑惑事件は新生党を直撃し政局を左右しかねないものとして注目されているところだ。
そして、このミニ政商、河野正こそがかって高塚光と関係の深かった人物(最大のスポンサーだったとも言われる)として言われている。高塚はグランディー所有の不動産、パレロワイヤルに自由に出入りしていたらしいが、彼はその「超能力治療」を通じて得た政界人脈を河野に紹介していたのだ。さらに、記述しておかなければならないことだが、この頃高塚は電通の地域開発部の営業を担当していたのである。広告屋の不動産関係を担当する営業マンである超能力者と、政商である不動産屋、そして政治家、この組合せは何を意味するのか?
推測するに、高塚光はすぐれた営業マンなのだ。つまり、広告業界と不動産業界、そして政界の癒着のまっただなかを動き回って高塚は活動をしているが、こうした汚れた役割から眼をそらさせるための隠れ蓑として彼は「超能力治療」を用いているのではないのか?いわば、大規模な開発や事業に電通が食い込んでいくために必要な政財界人脈づくりという役割を、超能力者という肩書きで隠蔽しているだけなのではないのか?
だから、高塚光の超能力の真偽を云々してもはじまらないのかも知れない。うさんくさく思われても、恐らく彼にとっては別にどうでもいいのだろうし、その方が都合も良いのかも知れない。彼に噛みついた我等が尊敬する安斎育郎教授、正面切って挑んだのはややしくじりだったかもと思いますよ。
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