CHANGE

1話

<SMAP×SMAPにこんなコントがあったなら>

<神林官房長官の部屋>
神林(中居正広)「あの手のタイプは、周りから人が離れるのが一番応えるんです」
白髪のヅラのよく似合う神林(中居)が言う。
美山(深津絵里)「神林先生・・・!」
秘書の声「総理がお見えに・・・!」
乱暴にドアを開けて、朝倉啓太(木村拓哉)が入ってきた。
朝倉「神林先生にお聞きしたいことがあります」
神林「小児科医療対策をつぶしたのはあんたか?そう言いたいんだろう?」
微笑みながら神林は立ち上がる。
朝倉「・・・!」
神林「朝倉くん、君はもう用済みだ。後は、私と美山くんに任せて、君は官邸を出て行きなさい」
朝倉「神林先生・・・!」
ばぁーん!
ドア(発泡スチロール製)が蹴破られる。
韮沢(香取慎吾、コーデュロイのジャケット姿)「おまえ何をしたんだ!神林!」
ひかる(稲垣吾郎、可愛いOLちゃんスーツ。メイクもばっちり)「そうよ!ひどいことしないでよっ!」
壇原(草g剛、黒スーツ)「そ、そうです。総理に、失礼ですっ」
朝倉「美山さん・・・、知ってたんですか・・・?」
美山は、辛そうな顔で目を逸らすばかりだ。
神林「美山くん」
美山「はい、神林先生」
美山は、神林について、そのぶっ壊されたドアに向かう。
朝倉「美山さん・・・」
捨てられた子犬顔で美山の背中を見つめる朝倉。先に行く神林は、大変悪い顔で振り返る。

神林「そうそう。退任演説は自分で作りなさい」

歯を食いしばり、朝倉は言った。
朝倉「作ります!」

<朝倉啓太のうちセット>
神林「はい!それではおまたせしました!『退任演説を作ろう〜!』」
全員「(拍手)」
ダイニングテーブルのお誕生席に神林と、美山。向かって、左側に、朝倉、ひかる。右側に、韮沢、壇原が座る。
神林「という訳で、あなたは総理大臣を辞任することになりました。退任演説ではなんと言いましょう?」
朝倉「何、言いましょうって」
神林「朝倉くん。説明はちゃんと聞きなさいー。退任演説を書いて下さい」
ひかる「全部?」
神林「そのスペースに書けるもんなら、書いて下さい。はい、どんどん挙手してくださいね」
朝倉「はい!」
神林「はい、朝倉くん」
朝倉「これは、何かいただけるんですか」
神林「何がいただきたいんですか?」
朝倉「そりゃーーやっぱり、美山さんのぉー」
美山「えっっ?」
神林「美山さんはダメですよ。美山さんは、そもそも、私の秘書です」
朝倉「えーーっ!」
神林「ちょっと貸してあげてただけです。ねー、美山さん、ねーーっ」
美山「ね、ねぇ〜(笑)」
小首を傾げて同意を求める神林に、無理やり笑顔で答えさせられる美山。
韮沢「はいっ!」
神林「はい、韮沢くん」
韮沢「はい!」
どん!と出したフリップには、非常に恐ろしく描かれた中居神林のイラストが(ショコタンのイラストを想像していただければ目安となるでしょう)
ばこん。
韮沢は手近に座っているので、フリップできっちり殴る神林。
韮沢「どういう退任演説だ!」
ひかる「うまーい(笑)!」
朝倉「え?そういうのでいいの?」
神林「退・任・演・説!って言ってるだろ!」
ひかる「でも、上手い、上手い(笑)」
神林「上手くない!美山さんも笑わないっ!」
美山「す、すみません・・・(笑)」
朝倉「はい!」
神林「はい、朝倉くん。そうですよ?朝倉くんが辞任するんですからね、ちゃんと書いてくれないと」
朝倉「『政治家に一番大事なのは、描画力です』」
フリップのすみっこに、これまたイラストが。こちらは、シンプルな線画で、似てるかどうかはちょっと微妙。
ばこん、ばこん!
朝倉には、二発かます。
神林「余計なことしないでくださいっ?ほら!ほらひかるちゃんが怪しい顔してるでしょ!」
色々考えていたひかるが、顔を上げて、じぃーーっと朝倉と神林を見ている。
ひかる「え、そういうこと?」
神林「違いますよ!退任演説を書けって言ってんですから!美山さん!」
美山「に、似てる・・・(笑)」
神林「似てません!はい!ひかるちゃん!」
ひかる「アイアムソーリー!ははははは!!」
韮沢「ハハハハハハ!!アハハハハハハ!」
韮沢は椅子から落っこちそうなほど仰け反って笑う。
韮沢「似てねぇぇーーー!」
フリップのすみに、あまりにも小さく何かが描かれている。マジックの太さを考えていないため、果たしてそれが何かが解りにくいが、どうやら人物らしい。
ひかる「いや、急に言われたから」
ばこん!
神林は立ち上がってひかるを叩く。
神林「やめろ!ほら!大オチを担ってるやつが必死じゃねぇか!」
壇原「はい!」
神林「・・・はい。壇原くん」
壇原「はい!」
どん!と、出してきてフリップには、草g画伯らしいイラストが描かれていた。ブリーフ姿の男だが、果たして誰なのかはさっぱり解らない。
ばこんばこんばこんばこん!
テーブルを回ってきて、連続強打。
神林「せめてセリフを書け!」
壇原「朝倉くぅーーん」
韮沢「ははははははは!!これ中居くんなんだ!アハハハハハ!」
ばこんばこん!
神林「なんでブリーフだ!おまえさ、もうこれ完全に狙ってるだろ!」
美山「初めてみたーー(笑)」
美山は手を叩いて喜んでいる。目じりにはちょっと涙もにじんでいた。
朝倉「はい!」
神林「はい!朝倉くん!」
朝倉「『専務ぅーー!あっ!そぉりーーーー!』」
神林「言いたいだけだろ!ちゃんと考えてください!」
韮沢「だって、もうアイアムソーリーでちゃったもん。あれでしょ、正解は」
神林「あれはベタだよ。よく言ったよな、恥ずかしげもなく」
ひかる「誰も言わなかったから〜」
韮沢「はーい」
神林「はいっ」
韮沢「啓太!なんばしょっと!」
ばこん!
神林「退任すんだよ!」
席に戻りがてら、後頭部をフリップで殴っていく神林。
韮沢「あれ、可愛かったよね。木村くんの博多弁ね」
ひかる「可愛かったねぇ」
朝倉「お母さん、可愛くない?」
韮沢「可愛い!お母さんの博多弁なんか、めちゃめちゃ可愛いよー」
神林「可愛いのは解ったんで。はい、ひかるちゃん」
ひかる「あいあむべりーそーりー」
朝倉「思い切ったな!」
ひかる「はははは!」
ばんばんばん!
フリップでテーブルを叩く神林。
神林「あんまり出てこないようだと、罰ゲームにしますよ!」
朝倉「はい!」
神林「はい、朝倉くん!」
朝倉「『くでーーちゃーーーー!!』」
韮沢「ははははははは!!」
神林「モノマネするな!!!」
朝倉「くでぇーーーちゃあーーーーー!!」
韮沢「似てる・・・!」
ばんばんテーブルを叩く韮沢。憮然とした神林は。
神林「解りました。用意しましょう。くでーーーちゃあーーーー!!」
朝倉「えっ!ご褒美だろっ?」
神林「美山くん、くでーちゃ、用意して」
美山「は、はい、神林先生・・・(笑)」
神林「はいはい。そんなに飲みたいんなら準備しますよ。いや、しますよ。いいともから持ってきてでも用意しますよ」
壇原「はいはいはい!」
神林「何!」
壇原「くでーちゃ」
韮沢「お茶のイラストってなんだよ!!」
ひかる「苦さ出てるよねー」
朝倉「ある意味すごいよね。イラストで味が表現できるって」
神林「はい来ましたよ、くでーちゃ」
朝倉「うそ!ないだろ、そんなの!ここ湾スタだぞ!」
神林「美山くんは優秀ですいから。すぐ準備してくれます」
ずっと座っていた美山は、綺麗なきっちり笑顔で神林に会釈をする。
美山「恐れいります♪」
朝倉「美山さーーん・・・」

果たして誰がくでーちゃを飲むことになるのか!それは神林の胸先三寸にかかっている!

<つづく>