Good Luck!
2003/3/2
7話
<コックピット>
今日なジェーン様と一緒のフライトの元ちゃん。ランチタイムでございます。
ジ「えぇ〜?フィッシュがない?」
太「申し訳ございません。ビーフかチキンになっております。ビーフをお持ちしました」
ジ「太田ちゃ〜ん、しらすが食いたいなぁ〜、しらすが。今からパラシュートで飛びおりてさ、太平洋からしらすとってきてっ」
太「(冷静)そんな訓練は受けておりません。ミスタージェーンは、いつも俺は肉しか食わねぇとかおっしゃってるじゃないですか。お茶、後でお待ちします」
とっとと帰っていくパーサー太田。
ジ「ダメなんだよ、肉はダメなんだよ、太田ちゃん!」
元「美味しそうじゃないですか」
ジ「おい、けんちゃんよ。明日なんの日か知ってんのか」
元「明日ってなんすか」
ジ「身体検査だよ」
元「あぁあぁ・・・。毎回、毎回、小学生みたいに」
ジ「俺がこの肉をぺろっと食べたら、コレステロール値がぐんぐん上がっちゃって、検査でひっかかったら俺は正常値に戻るまで空を飛べないんだぞ!」
おぉ!これだけ体を管理される職業が他にあるのでしょおか!大変でございます!
<Bドック自販機コーナー>
帰ってきて私服に着替え、荷物を引っ張りながら携帯で話ている元ちゃん。
元「もしもし、新海ですけど」
歩「なんかよう?」
元「こないだごめん。寝ちゃったりとかして」
歩「(平板)いつのお話でしょうか」
ぺこ、と、整備の人たちに挨拶しながら、自販機コーナーに入る元ちゃん。どしたんだろうという目が(笑)!
元「なに?おまえ。怒ってるの?」
歩「全然怒ってません。全く!なんとも!思ってません」
元「全然怒ってんじゃねぇかよ!てかさぁ、おlまえどこにいるの」
歩「いえ」
元「いや実はぁ、今、俺、Bドックの自販機コーナー来てるんだけど、ほんと、おまえどこいんの」
歩「だから家!」
歩実はおうちでぶっっっ!!あつい本を広げてお勉強中〜。
元「あ、そう。じゃあさぁ、今から、出て、こられてりする?ちゃんと埋め合わせすっから」
歩「今日はダメ」
元「じゃ、明日は?」
歩「明日はダメ。明後日もダメ」
元「何なの!根に持ってんの!?」
歩「あたし今試験勉強中なの」
元「あぁ?」
歩「来週、機体システムのグレード2、実技試験受けるの。そっちこそ、そろそろ定期の監査フライトがあるんじゃないの?」
歩実の部屋には、お茶もって、お姉さん登場。あいかわらずでかすぎる目です・・・!
元「俺、明日身体検査。やんなっちゃうよ。年がら年中、検査とか試験とか」
歩「しょうがないでしょ、そういう仕事なんだから。じゃあね!」
ぴっ!と電話を切っちゃう歩実。元ちゃん、整備さんばっかりのところでそんな電話しちゃって・・・。自慢!?自慢なの!?いやーん!やなやつぅ〜(笑)!
元「一緒にがんばろうねとかいえないのかよ。ったく・・・」
その頃、緒川米店では、もう話したら?新海さんに。お父さんと、お母さんのことなんて、お姉ちゃんがゆっていたりするのです。目のでかすぎるお姉ちゃんが。
<健康診断>
今日もまた走っている元ちゃん。そ、そして!検査着姿が!おぉう!妙なコスプレ(笑)!でもめったに見られないお姿ね!
安「ゆうべおまえ飲んだろ。度胸あるなー」
元「時差で寝られなかったらちょっとだけだよ」
ジ「知らないよー、肝機能の異常が出たって♪」
元「俺大丈夫ですよ。ジェーンさんみたいに合コンばっか行って飲んでないですから」
なんだとぅ!?なジェーン様は、肉体年齢25歳って言われるお方♪それに健康診断でOKが出ても、監査フライトが残ってます。
ジ「よしんば香田みたいない神経質なキャプテンにチェックされてみろ。簡単に落とされちまうぞ」
安「おまえヤバイかもよ?」
うふふ、と嬉しそうな安住。
元「なにが」
安「香田さんに愛されてるから」
うぷぷぷぷっ!となった安住に、誰に言ってんの、とクールに言う元ちゃん。
安「おまえのことだよ」
元「立てよこら」
と、持っていたシートで、うりゃ!うりゃ!!と股間を狙っていくおばかちゃんが!おばかちゃんがここに!
そこに、静かにしたまえとやってきたのが、グレートキャプテン山上。グレートティーチャー鬼塚とさもにたり。あのジェーン様では、これは山上キャプテン!と立ち上がってお迎えするほどグレートな方なのです。グレイトというほうが似合うのでしょうか?
グレートキャプテン山上、元ちゃんたちの前で、ん?たばこの匂いがするな、と。すかさずこいつですと元ちゃんを指差すジェーン様。
山「酒はともかく、たばこは百害あって一利なしだ。やめたほうがいい」
正論中の正論を吐かれ、ぺこって会釈の元ちゃん。そしてグレートキャプテン山上は言ってしまい、社内のことをあんま知らない元ちゃんは、あれ誰ですか!?と。
ジ「あれって、貴様ー!グレートキャプテン山上さんだよ!日本でも1・2を争う飛行時間、総理の特別チャーター機を飛ばす時は、あの人が操縦桿握るんだよ。ぐっ!とな」
<検査中>
間違いなく東北弁の得意そうな、そしてアパート経営をやってそうな女医「ぐっと開けてぇ〜?」
ぐっと口をあけさせられている元ちゃん。うぉー!可愛いーー!!!
アパートの住人には山田という売れないマジシャンがいそうな女医「ん〜!?あ!ポリープかなぁ〜?たばこの吸い過ぎかなぁ〜。念のため、すこーし切り取って、細胞を検査にまわしましょ」
元「はい」
山田の家賃が滞りがちな女医「詳しい検査結果が出るまで、乗務停止!」
はんこっ!
元「えっ、ちょ・・・!またぁ〜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まじっすか」
<帰り道>
マジだったのです。元ちゃんは、乗務停止なのです。とぼとぼ帰る帰り道。
たばこを取り出し、その箱を眺め。
取り出したタバコを戻して、箱ごとつぶすのです!
飛んでいく飛行機をみて、あー!もぉーっ!な元ちゃんでした。
<マンション>
とぼとぼとマンションまで帰ってきた元ちゃん。
ユ「しょうちゃん!しょうちゃん、しょうちゃん!」
飛び出してくるユンソナ。こんばんわー!と急いでドアをあける元ちゃん。と!ユンソナも一緒に入ってこようとしているじゃああーりませんか!
おおおお!と体をつかって阻止する元ちゃん!
元「ちょっと何やってんの!ごめんなさい、まじで!まじでまじで!何やってんですかっ!」
ユ「これ飲んで!?」
部屋にはは入れなかったユンソナが差し出すものは!?
元「なんですかこれ」
ユ「秘蔵の黒酢よ?」
元「黒酢!?そいういらないっす」
ユ「しょうちゃん、あなたが今悩んでるのどのことなんて、一瞬にして治るのよ?私には解るの。はい!」
おぉーー!!
さすがユンソナ!彼女を愛して何が悪い!という素晴らしさ(笑)!好きっ(笑)!
ぱしっ!と元ちゃんの腕を叩き、お隣に帰っていくユンソナ。
元「・・・・・・・・・・俺には解んねぇっつの・・・・・・・・・・」
<部屋の中>
しかし明かりをつけない部屋で、ロックグラスに黒酢を注ぐ元ちゃん。あえて!ストレートでぐっといく元ちゃん!むせている元ちゃんも、鼻をつまんでいる元ちゃんも、みんなみんな美しい(笑)
さらにその後、むせちゃって、テーブルにでこをがんがんにぶつけている様だって美しい!シルエットになったまつげがええ感じ〜〜!
<再検査>
二日後の再検査会場で、私服のままびくびくしている元ちゃん。名前を呼ばれた時のびくつき方なんて、さっすが小動物!心は小動物!
そして再びとぼとぼ帰る元ちゃん。しまいにはしゃがみこんでしまったんですが!
それは、安堵のしゃがみ。あー、よかったぁ〜・・・!とにこぉーーっと笑顔になり、跳ねながら帰るのでした!よかったねぇ〜!
<ターミナル>
今日はほがらかに出社の元ちゃん。走ってません。歩いてます。にこやかです。
そんな元ちゃんを発見したのはジェーン様。
ジ「あれ?けんちゃん。乗務停止の身分で何やってんのよ」
元「勘弁してくださいよ。俺ちゃんと再検査パスしたんだから」
たばこを差し出されても、受け取らない元ちゃん。
ジ「そうなの?それじゃぶまんないなぁ〜」
元「つまんないってなんすか」
元ちゃんにくっついて歩いてくるジェーン様、フライトプランをもらいにいったところで、いつものくせで、おっす!元気だったかと、適当に腕を叩いたら、おぉ!その方こそ、グレイトキャプテン山上!失礼いたしました・・・!とジェーン様が謝っちゃうなんて、すごいわ!グレイトキャプテン山上って!
山「こないだの検査結果どうだったの」
ジ「ワタクシは無事クリアでしたが、この男はギリギリでした」
元「ギリギリじゃないですよ!何言ってんですか・・・!」
山「ギリギリはまずいな。鍛えないとな。私なんか、肉体年齢35歳だぞー」
ジ「肉体年齢35歳!さすがグレートキャプテン!な!新海!」
その呼びかけに反応し、ほお、君が、というグレイトキャプテン山上。
元「はい」
ジ「はい!」
元「いや僕ですよ!」
今日は、このグレイトキャプテン山上とフライトなのです。よろしくお願いしますと挨拶する元ちゃん。そして今日は監査フライトでもあってなんだーかんだと大変です。
山「しかし今日は厳しいぞー」
ジ「と申されますと?」
山「担当は香田くんだ」
ジ「あちゃー」
あちゃー!ですな!愛されているのか!?元ちゃん!
<コックピット>
緊張してる元ちゃん、と思いきや、ふと笑顔。シートに座って操縦桿を握ると、嬉しくて仕方ないって顔に。復帰できたのが嬉しいのねぇ〜!
コックピット聞こえますか?という整備さんの声。
元「あ、コックピット新海です」
歩「整備の緒川です。インターフォンの調子はいかがですか?」
元「あのさ、新海ですって言ってんだから、もうちょっと普通に言ってもいいじゃん。全然大丈夫だし」
歩「・・・。今日はいよいよ監査フライトだそうですね」
元「聞いてよ。担当香田さん」
歩「(にこ)せっかく乗務停止が解けたのにね。日ごろの行いが悪いんじゃない?」
元「なんでおまえ、乗務停止って知ってんの?」
歩「ばっかじゃないの?会社中で有名だよ?このさいだからびしびしチェックしてもらったら!?」
元「おめ!うるせえよ!」
ちっ、と外を見る元ちゃん。足元に歩実。
歩「あ、自信ないんだ♪」
元「いや別に?てか、そっちどうなのよ。今日これから試験でしょ」
歩「うん、解んない。感じ的には五分五分かな」
元「なんだ。おまえだって自信ないんじゃねぇかよ。じゃあ、どうする?お互いうまくいったら、お祝いすっか」
歩「(きぱっ)無理でしょ」
元「・・・なんで」
歩「そっちが落とされるから、香田さんに!」
なんだとおまえまちうやがれ!の段階で切られちゃったインターフォン。おえ!!と乱暴にゆーてましたら、グレイトキャプテン山上と、監査のサイボーグ香田登場。
何してんの、と聞かれ、おはようございますとご挨拶する元ちゃん。サイボーグ香田に見られています。
グレイトキャプテン山上は、気軽に元ちゃんの肩を叩き、ブリーフィングいこうかと言うのでした。なお見られている元ちゃん・・・!怖い!怖いです!
<コックピット>
無事離陸し、落ち着いた状況のコックピット。
なかなか余裕あるじゃないかといわれた元ちゃんです。久々の、You Have & I Haveもあったりなんかして。
山「離陸時のスピードのコールも的確だし、コンピュータの操作も危なっかしくない。なぁ、香田くん」
香「監査フライトの結果は、目的地に到着した時点で」
いつも通り、クールなサイボーグ香田。
山「心配するな。あの男、今はあんな顔して後ろに座ってるけど、君とおんなじ、新米時代があったんだから」
元「えっ、じゃあ、香田さんの若い頃をご存知なんですか?」
そうなんです。海外の航空会社からANAに映ってきた時、研修したのがグレイトキャプテン山上。
うわ、と思わず振り返る元ちゃん。目があって慌てて前に(笑)
そんなふんわか空気の中、レーダーになんか気持ちの悪いものを発見した元ちゃん。なんと!積乱雲につっこみそうになってます!おりょーー!
キャビンも突然のことに大騒ぎ!コーヒーが飛んでます!勘弁してー!怖いー!うららは叫んでいるけれど、おねい様たちは笑顔で応対。
高度は下がるわ、元ちゃんがなんかしようとしても、他の方法をとられるわ、元ちゃん、ばくばく!速度あげます!ってスロットルに手をかけたら先にグレイトキャプテン山上の手があったりして、うわあ!どんなデートなんだよ(笑)!
キャビンでは、富樫のおねいさまが落ち着いてアナウンス。オートパイロットも外して、手動で操縦です!
こうして機体は、無事に積乱雲を抜けることができたのです。落ち着いていたCAチームも笑顔。ずーっとキャプテン太田に口をふさがれていたうららもやれやれ(笑)
山「抜けたよ。新海くん」
元「はい・・・」
山「積乱雲に近づくと危険だ。常にレーダー上の積乱雲は気をつけていないとね」
元「ほんと、すいませんでした」
山「いやいや、よくあることだよ。どんまいどんまい」
びくびくとサイボーグ香田を見る元ちゃん。しかし、見てもしょうがないのでねぇ・・・。また前を向きまして。
元「あ、キャビンに説明入れます」
でも、それもグレイトキャプテン山上がやってくれたのでした。
<バンコクの空港着>
無事に着陸で、お疲れ様でしたー、なんてゆっていますと、監査の結果が発表。早っ!
香「新海副操縦士。機長に対する援助業務にたびたび不注意がみられた」
山「(のんびり)そうかなぁ〜」
香「次回のフライトからは注意するように」
はっ!まだ次回がある!よかった!と思いつつ、はい、と大人しく答えます。
香「そして山上キャプテン」
山「はぁ〜い」
香「私は、あなたが、もはや機長としての適正を失われているように判断しました」
えええ!?さすがのグレイトキャプテン山上も大驚き!
山「私にパイロットをやめろというのか」
香「あなたは(なんとか)を忘れておられました。機長としても、パイロットとしても、完全ではないと考えます」
元「(あせっ!)いや、ちょっと待ってください。山上キャプテンの操縦、完璧だったじゃないですか!それに、読みが甘かったのは、自分の方なんだから・・・!」
香「ハイテク機は一人で操縦するものではない。ところが今日のフライトでは、山上キャプテンは、コーパイの君に指示しなければならない部分も、すべて自分の独断で操縦をやってしまった。これは最も必要な、キャプテンとしての、指揮統率力を失われたものだ」
山「・・・ずいぶん、偉くなったものだな!いくら監査の肩書きがあったとしても、そういう言い方は、ちょっと傲慢じゃないのか!」
香「私は冷静に判断した結果をお伝えしただけです」
山「なぜ、そんな風に変わってしまった・・・」
二人の様子をうかがっている元ちゃん・・・。
山「まだ12年前のことで、自由になれないのか・・・!」
香「過去は関係ありません。私は私の仕事をしただけです」
振り向く元ちゃん。おぉー!照明が綺麗〜!
山「・・・君の判断は、よく解った」
こうしてグレートキャプテン山上はコックピットを出ていったのです。呆然としてる元ちゃんが見たのは、涙目でうつむくサイボーグ香田!サイボーグの目にも涙!おぉう!顔を上げたサイボーグ香田と目が合わないよう、慌てて目をそらし、そして、元ちゃんもコックピットを出ていくのです。
<キャビン>
整備の女性にぶつかりながら、慌ててグレートキャプテン山上を追う元ちゃん。しかしすでにその姿はなく、仕方なく戻ったところ、サイボーグ香田が出ていこうとしていました。
すれ違った後、すみません、と呼び止める元ちゃん。
香「なんだ」
爪をいじいじしながら。
元「さっきの監査結果、納得いきません。山上さんが全部自分でやってしまったのは、俺が頼りないからじゃないですか?」
香「一人ですべてを背負ってしまうことは、最も危険なことだ」
元「だからって進退つきつけるのは行き過ぎですよ。俺なんか、たばこの吸い過ぎでのど痛めちゃって乗務停止くらってるのに、あの人ちゃんと健康に気を遣って。さっきだって操縦なんか完璧ですよ?」
香「監査には監査の見方がある」
元「だから・・!」
香「君が何を言おうと判断を変える気はない。また変わるものであってはならない」
元「でもあの人は香田さんの教官をやった方ですよね。うちらの業界では師匠じゃないですか。教官やってくれた人って。それをあぁいう言い方して切るなんて・・・」
香「監査に個人的な感情は必要ない」
元「(むぅ)・・・はい。じゃ、香田さんは納得してるんですね」
そうゆってサイボーグ香田を見ます。
「・・・じゃなんすか、さっきのあの顔。俺、あんな顔した香田さん、初めて見たんですけど」
サイボーグ香田が!サイボーグ香田がうるうるしておったですよ!サイボーグの目にも涙ですよ!
元「てか、さっき、山上さんが言ってた、12年前のことってなんすか。香田さんを変えたことって!」
しかし、さっきまで涙目だったサイボーグ香田は、行ってしまおうとします。
元「ちゃんと聞かせてください」
香「きみには関係ないことだ」
元「一緒に飛ぶ人間として聞きたいんです!」
香「黙れ!軽軽しく他人のことに口を挟むな!おまえはなんでもぶつかっていけば解決できると思っている。なんとかなると思っている。しかし世の中はそう甘いものではない。解ったような口を利くな!」
そうしてサイボーグ香田は去り、元ちゃんはため息をついた後、ちっ、と舌打ちしたりして。
<ホテル>
チェックインするときに、グレートキャプテン山上のことを聞くと、もうチェックインはしてるみたい。メッセージを預かりましょうか?というのにはNO THANK YOUで、後は、手を合わせてご挨拶。
ころころと荷物を引きずって歩く元ちゃんは、バーにいるグレートキャプテン山上を発見しましたが、行くべきか行かざるべきか逡巡。その飲みっぷりを見て、遠くから会釈だけして立ち去ったのです。
しかーし!このホテルがまた豪勢だー!
中国の時のホテルに、友達が行ったことがあるとゆっていたんだけども、それは中国でのこと・・・・・・・・
え!?海外ロケなのか!?このホテルもそぉなのか!?マジに!?
<ブリーフィング>
翌日ですかね。帰り便でのブリーフィングスタート。ここで、グレートキャプテン山上が、この便を持って機長を退くことを発表。
28年、ただひたすらパイロットの道を歩んできたグレートキャプテン山上、そろそろ潮時と考えたのでございます。
山「こうして最後のフライトを皆さんと一緒に飾ることができて、本当に嬉しく思っております。一つ今日はお手柔らかにお願いしたいです。よろしく」
クルーからの、よろしくお願いしますの声を聞きつつ、コックピットに向かうグレートキャプテン山上、その後ろに元ちゃん。
むぅ!気分で、サイボーグ香田をすれ違って行きます。
<コックピット>
山「いやー、いい天気だな。ついてんな、俺は」
元「ほんと、すいませんでした。もし今回のフライト、自分がコーパイじゃなかったら・・・」
山「新海くん。俺は、香田くんを恨んではいないぞ。昨日な、積乱雲に突っ込んだ時、私は、君を信じず、機械を信じず、自分の腕だけを信じて切り抜けていた。しかしあの時、もし同時に別のトラブルが発生したとしたら、私は一人で対処できず、致命的なミスを誘発したはずだ」
そんなグレートキャプテン山上を見る元ちゃん。
ハイテクの飛行機、機長、コーパイ、それらの力を合わせれば、何十倍ものトラブルを克服できるのに、グレートキャプテン山上にとっては、どうもハイテクというものが・・・。ため息、ため息です。
山「年取るとな、つい頑固になってしまって、人に任せられなくなるんだよ。自分だけを信じてしまう。確かに機長としては失格だな」
元ちゃんは、じっとグレートキャプテン山上を見ております。じっとじっと。
山「一度、飛ぶ感覚を味わうと、どうしても自分から辞められなくなる。グレートキャプテンなんて呼ばれるようになると、監査でさえ何もいえない。こんな私に、香田くんは、辞める勇気をくれた。みじめな引き際にならんよう、止めてくれた。香田くんしかできない仕事だったんだよ、これは」
かっちょいーー!!サイボーグ香田ーー!
元「香田さんにしか。・・・どういう意味ですか」
ここで、元ちゃんを見るグレートキャプテン山上。
山「実は・・・。彼は、12年前の、ある飛行機事故に関わってるんだよ」
えっ!元ちゃん、驚き!
実は、当時外資系のグランシア航空にいたサイボーグ香田は、体調不良で風邪をこじらせて休んだことがあったのです。その時スタンバイしていた先輩が飛んでくれたんですが、その飛行機がアリゾナの山中に墜落。
元ちゃんも覚えている、日本人の乗客もいた事故でした。
山「その時彼は、もし自分が操縦していたら運命が変わったかもしれないと自分を責めつづけ、一度コックピットをおりた」
元ちゃんの脳裏を、今までのサイボーグ香田が走馬灯のように(うそ)駆け抜けます(うそうそ)。パイロットは完全でなければならないといつもゆっているサイボーグ香田・・・。
事故の原因はシステムの誤作動。誰がパイロットだったから、というものではなかったんです。そしてグレートキャプテン山上が、全日空にサイボーグ香田を誘いました。当時、キャプテンの下で働いていたCAが、サイボーグ香田と交際していたのです!もちろんそれは、富樫のおねいさまですが。
山「まぁその辺で、時々彼とあった。飛ぶことが心から好きで、曲がったことが嫌いで、すぐ人にぶつかっていった。そんな男が、あの事故以来、変わってしまった。彼女との交際もやめて、他人にも、自分にも、ほんとに厳しいパイロットになった。・・・私は、そんな彼を救うことができなかった。それだけが心残りだよ」
そうして飛行機は着陸へ。
その頃地上では、グレートキャプテン山上がラストフライトであることがアナウンスされ、お手すきの人たちがお出迎えのために集合中。アナウンスを聞いたジェーン様は、思わず十字を切っておりましたねぇ。
<ターミナル>
帰ってきたグレートキャプテン山上&元ちゃん。妙にがらんとした玄関ホールを過ぎて角を曲がったら、そこはお手すきの人だらけ!あぁ、びっくり、と、元ちゃんを振り返り、両側に人のいる道を歩いていくグレートキャプテン山上。斜め後ろからついていく元ちゃん。
人の中に歩実もいるので、試験、どうだった?と、何かを書く仕草をしたりして。
歩実も、指で○って作ったりして。
おまえらーーーー!!!どんなラブやーーーーー!!!!!
そんなラブな元ちゃんは、ラブな歩実に、香田さんは?って聞きますが、そんなもん、知る訳じゃないですか(笑)あんたが操縦してきた飛行機に、さっきまで乗ってた人のことを歩実が知ってる方がドキドキする(笑)
<事務所>
事務所に入っても、やっぱり大騒ぎ、大事になってるなと笑いながら、916便ノーマルでしたと書類を戻します。
元ちゃんも、書類にサインをもらって、ありがとうございます、です。
肩章を外すグレートキャプテン山上。まさか、1話に続いて、これも元ちゃんに!?って、そんな訳はありません。テーブルに置きました。
花束は、ジェーン様と、富樫のおねいさまから。おねいさまに香田くんは?と尋ねるグレートキャプテン山上ですが、おねいさまも、あら?状態。続いて元ちゃんから聞かれても、あれ??
元ちゃんは、グレートキャプテン山上の荷物を持って、お見送りに向かいました。
<玄関>
運転手つきのお車がやってきていて、ドアをあけてくれます。荷物もいれてくれます。
山「新海くん、ありがとう」
そうして車に乗ろうとしところで、サイボーグ香田登場!
関係ないけど、グレートキャプテン山上、井川遥が昔やってた、おうちでカフェができるみたいな商品のCMで、「えらい時代になったもんだ・・・!」とゆっている人にも似ています。つまり、ミスタービーンにも似てるとうことですが。
そんなグレートキャプテン山上と、サイボーグ香田を、歩実も、富樫のおねいさまも見ています。
お目々うるうるさせながら頭を下げるサイボーグ香田。グレートキャプテン山上もうるうる。見ている私もうるうるよ!
うぉーー!!なぜグッドラックで泣かねばならないー!安い!安すぎる!私の涙腺よぉーーー!うるうるうる・・・・・・
その様子に、微笑みながら去ってゆくおねいさま。サイボーグ香田を見ていた元ちゃんは、また目が合いそうになり、やばいっ!とグレートキャプテン山上に、頭を下げるのでした。
建物に戻る時、またサイボーグ香田を見た元ちゃん。サイボーグ香田の視線が動くのを見て、それを追うとその先には歩実が・・・。
そして、サイボーグ香田は去っていきました。
どこからきて、どこへいくのか、サイボーグ香田・・・!
<橋の上>
夜の橋の上。寒そう。死ぬほど寒そう・・・!
元「しっかし、解んねぇよな」
歩「何が?」
元「いや、香田さんはさ、山上さんのことを考えて進退付きつけたじゃん?その山上さんはさ、香田さんの気持ち、全部理解した上で、それを受け入れたじゃん。なんかすげぇよ」
歩「そんなこと、誰にでも解るんじゃない?」
元「あの人もさ、単なるサイボーグじゃなかったんじゃん」
歩「だから、あたしは最初からそうじゃないって言ってんじゃん」
あんたが鈍いだけ、もたいに言われた元ちゃん。じゃ、おまえ知ってんのかよ、って、サイボーグ香田と飛行機事故の話をするのです。
12年前のグランシア航空、アリゾナに落ちた飛行機。
ななな、なんですとーーー!!!な歩実。
事故の話をしつつ、コートを掻き合わせる元ちゃん。せめて車の中で話てちょおだい!
元「俺思うんだけど、香田さんって、そういう事故を二度と起こさないために、なんだろ・・・、人生捧げちゃってるっていうか。今も、その事故と闘ってるんじゃないかな、きっと・・・」
さむー・・・って元ちゃん。なぁ、と隣の歩実に同意を求めてびっくり!
ななな、泣いてます!歩実が!
元「おまえどしたの・・・!おい」
おぉ、大変どうしちゃったんでしょーー!