華麗なる一族

07/01/14

第1話

<北海道の鉄平しゃん>

あぁーん、違うー!ロケをやったのが富良野だってだけで、鉄平しゃんがいるのは丹波篠山ー(笑)!
1968年、12月31日。
ものっすご重々しいナレーションが。
「丹波篠山では大晦日の折衝が禁じられていた。しかし万俵鉄平は祖父から譲り受けた銃を手に、慣れ親しんだ山中へと踏み入った。鉄平はあの場所にむかって歩いていた。思い出が詰まった、あの大木が聳え立つあの丘に」
あまりの重々しさに、あれ?私副音声聞いてる?と思ったほどでした(笑)
銃を持つ鉄平ちゃんの前に出てきた黒い何か。え!?いのしし!?えっ?いや、熊!?いやいや、いのししか!何か解らなんがな!という生き物も鉄平しゃんから去って行き。
・・・まさかこの後、こんなところにいられるかー!とカメラマンに向かって突進することになろうとは・・・。(去って行く時ははっきりいのししと解ったんです。いのししって、正面より側面から見る方がイメージはっきりするもんですね)
木に手を置く鉄平しゃんの、よわーーー!感じがたまりませんね!

<神戸三宮の鉄平しゃん>

・・・残念ながら、昭和41年12月31日、ワタクシ、すでに生まれておりました。
・・・これ、私が生まれた時代の映像か!?
いやもちろん、意識はないほどの時代ですが、それにしても、これ私がすでに生きてる時代か!?もっと古くないか!?とドキドキしちゃう映像ですが、鉄平しゃんは、チャラくていいですね♪
浮かれてる一之瀬工場長もよいですね。その浮かれる工場長に、危ないですよ!なんて落ち着かせるところはおっとりぼっちゃん感があって〜♪好き〜〜♪
間自動車からの好評価を得て、大晦日なのに働きに行く鉄平しゃんです。

<阪神特殊製鋼の鉄平しゃん>

専務ですよ、専務。鉄平専務。
電気炉の前で、火を見ている鉄平しゃんは、爆発にびっくり。あーーーー。さすが。さすが、びっくりさせたら日本一!こういったシーンは、木村さんのドラマにはもれなくいれこんでいかねばならないシーンですね。可愛い!可愛いですね!
その後、飛び火してえらいことになってしまいましい、火に包まれる工員を助けに行く鉄平しゃん。あぁ、火に包まれておたおたしていたのは四々彦でしたか!
わー、えらいこっちゃーー!と思ってましたら、
「後片付けしてテスト再会!」
えっ!そのくらい!?
電気炉にスクラップを投下した時は、火柱30mくらい上がるの普通らしいっすわ。人が火に包まれるのは普通じゃないと思いますが・・・。
しかし、鉄平しゃんは帰るように言われました。ご一家での恒例行事がございます。
鉄「あーー!みんな正月返上でがんばってるんですから。僕だけ抜けられますか」
工場長「専務・・・!」

<志摩観光ホテルの鉄平しゃん>

昭和42年元旦。華麗なる一族の皆様は、毎年お正月を志摩観光ホテルでお迎えでございます。
鉄平しゃん、遅れて到着。
ホテルの方も、ホっ。この後、なかなか登場することもありますまいに、佐野史郎ですか!
鉄「もうみんな揃ってるんですか」
急ぎつつ、服も直す鉄平しゃん。
鉄「先に始めてればいいのに」
佐「お食事もさることながら、恒例のお写真もありますので」
鉄「写真があった・・・。ごめんなさい、これも終わってますっ?」
と戻ってくるワゴンのナプキンで靴も拭いちゃう鉄平しゃん。
佐「鉄平様!」
鉄「あ、急ぎます!ごめんなさい」
鉄平しゃんがレストランに入ったのは、ギリギリもう始められるところ。鉄平しゃんに文句を言うお父さん。きっ!って言い返す鉄平しゃん。
鉄「皆さんをお待たせしたことは謝ります。ですが、社を預かるものとしてやるべきことをやったまで。経営者として恥じることは何もありません」
そして写真撮影。
ほぉら、あなた、とネクタイ早苗に直されて、前を通ります、すいません、って合図してお父さんたちの前を横切る鉄平しゃん。そういうのちょっと好き。
『これが、僕が万俵家の一族と撮った最後の写真だった』

食事中は、高須相子の独壇場。お見合い話のオンパレードですが、次女二子はそんな結婚は絶対いや。レストランから、バーに移動した後そんな話になった二子に鉄平しゃん、にこ、と微笑み。
鉄「二子は従うことはない」
嬉しそうな二子。
・・・こういうお兄さんがいたら、妹、結婚できないよなぁぁ。どんだけお兄さんが妹に優しいか!!
鉄「そろそろ子供に寝る時間が。悪いが先に」
銀「兄さんだって通産族の大物代議士の娘と結婚したくせに」
鉄「・・・でも僕は、早苗の事が好きだから結婚した」
きゃ♪言われたいセリフ♪こういうのは巡り巡って他の人から聞くと嬉しいですね♪ま、妹たち、わざわざゆーてはくれないでしょうけどね(笑)私がこの兄の妹なら、絶対兄嫁には言わん(笑)!
鉄「おやすみ」
銀「・・・いいよね、兄さんはあんなに一生懸命になれて」

鉄平しゃんはエレベーターの前に。鍵を持って、くるくる回していて、エレベーターがあいたら。あら!ひさこですよ。え?ふさこ?え?ふきこ?
ともかく、綺麗な人ですよ。
逃げる、えっと、芙佐子です。芙佐子。芙佐子を追う鉄平しゃん。
芙「覚えていてくれたんですね」
鉄「忘れる訳ないだろ」
芙「鉄平さん、ちっともかわらない」
そこにやってくる早苗。
鉄「いつ戻ったんだ」
芙「お元気そうでなによりです」
鉄平しゃんの背後から、どんどんやってくる早苗。
早「あなた」
鉄「どうしたの」
早「太郎がお休みの挨拶しようと待ちわびてるんですよ。こちらお知り合い?」
鉄「・・・先代がひいきにしてたつる乃屋ってお店の」
芙「芙佐子です。はじめまして」
早「妻の早苗です。はじめまして」
そうして、エレベーターに戻っちゃう鉄平しゃんたち、見ている芙佐子。
服とか、綺麗ですねー。お上品ー!
エレベーターで部屋のフロアまで行ったら、どこからどう見ても悪人の美馬から、一子の居場所を聞かれます。
・・・ん。鉄平しゃんは、長男だけど、長子ではないのですかね??美馬さんが鉄平しゃんに偉そうに言うから、一子が鉄平しゃんの姉で、美馬さんは義兄かと思ったんですが、年齢が上というだけで、一子は鉄平しゃんの妹でしたわ。
ややこしい間柄ですね。

<部屋に帰った鉄平しゃん>

高須相子と、お母さんの関係性などのナレーションなどもありつつ、部屋の中で家族だけになる鉄平しゃん。
しかし、晩餐の席で妻の座に座ったものが、その夜って。お母さん的にはもうええんちゃうんかな。どうなんかな(笑)
早苗としては、子供は一緒に食事できないのは可哀相とも思ってますし、そもそも、お義父さんは何をするねん!と、大層上品な言葉で思ってます。
早「どうしてお父様は平気であんなことがおできになるのですか?私、我慢がなりません。あなたは、私のことをお母様のように悲しませたりいたしませんよね?」
鉄平しゃんは、寝てる太郎に添い寝中。
鉄「早苗・・・!」
太郎は寝ちゃってますので、そこに早苗を読んで、手を握っての上目遣い攻撃!
鉄「愛してる・・・」
来た!上目遣い爆弾!あくまでも下から行くねー!鉄平しゃん!
翌朝、一人起きてる鉄平しゃんは、早朝からちゃんとしたカッコ。ええとこの子ですねー。起きた瞬間、着替えるんですかねー。偉いにゃー!

<1月4日の阪神銀行>

気になるのは、銀行に飾られている肖像画です。誰!?あれは誰!?敬介って誰がやってるって設定なのよ!
・・・これは、最後に解るんですけどね・・・!
1万円が聖徳太子でしたねー。いやー。

<圧延工場の鉄平しゃん>

後に語られたところによると、ここにいる間は、カルビの気持だったそうです。電気炉のそばにいた時はスルメな気持。実際の社員は、圧延工場内になんか入りません。暑いから(笑)!
四々彦から間自動車からの電話と言われた時は、思わずクリップボードで扇いでましたもんね。
電話で、新型車のギア素材を全部という受注を受けるんですが。それが、月2000トン。
ナレ「その注文に答えるだけの原料を確保できるか不安だった」
鉄を作るのに必要なのは、スクラップと、銑鉄。スクラップは集められても、鉄鉱石を高炉で溶かした純度の高い鉄の塊、銑鉄は自社で作れません。
なので、大手の帝国製鉄から分けて分けてもらうしかなかったんだけども、その量は不十分。
『高炉さえあれば。この会社はもっと大きく発展できる。高炉建設。それは、僕が長年抱いていた夢だった』

<重役ともめる鉄平しゃん>

帝国製鉄から仕事を取る訳にはいかないって上層部と、いつまでも帝国製鉄の顔色をうかがっていてはわが社の発展は望めません、という鉄平しゃん。
工場長「この際高炉を建ててしまう訳にはいかないですか?」
銭「いいですか?高炉というのは一度火を入れたら、365日稼動しつづけなければけないやっかいなものだ!」
社員「専務!またです。帝国製鉄を送れないと行ってきました!」
帝国製鉄は、このように鉄平しゃんの会社から新製品が出るたびに銑鉄供給をやめてきたんです。ちっさい会社ですわ。

<帝国製鉄の鉄平しゃん>

てめふざけんな気分で帝国製鉄に乗り込んだ鉄平しゃんたち。そこで、じゃあ、高炉作ったらいいじゃーーんってゆったりする帝国製鉄。
鉄「解りました。わが社も真剣に考えさせていただきます」
契約書を持って帰る鉄平しゃん。
それは余計なことでした。鉄平しゃん、絶対作ってやらあ!気分になっちゃいました。
銭「どこ行くんですか、専務!駐車場はそちらじゃありまえんよ」
鉄平しゃんは高炉を見てます。
鉄「5500立米かー。せめてうちもこの半分の規模でいいんだけどなー・・・」
銭「専務」
鉄「僕は今日確信しましたよ。やはり帝国製鉄は銑鉄供給を意図的にとめてるんです」
銭「まさか・・・。本気で高炉建設を考えてるんじゃないでしょうね」
考えておるのですよ。鉄平しゃんは・・・!

<丹波篠山の鉄平しゃん>

撮影は北海道ですけどね。丹波篠山ですここは。三雲と雉撃ちにやってきた鉄平しゃん。
12年前鉄平しゃんがマサチューセッツ工科大学に留学していて、その頃、ニューヨークに駐在していた三雲と出会って、親交を深めて行ったのです。
三「鉄平くん、ずいぶん苛立ってるようですね」
鉄「このままでいたら、日本の鉄鋼はダメになります。鉄鋼だけじゃなくて。産業全体がダメになります」
三「ほぉー。ずいぶんと大きく出ましたね」
鉄「日本が先進国の仲間入りをするには、優れた製品を作り続けるしかないんです。そのために必要なのは技術です。技術を生み出そうとする人間の力です」
三「確かにこの敗戦国に資源と呼べるものがあるとすれば、いい物を作ろうと切磋琢磨する人間の熱意だけかもしれない」
鉄「その努力と熱意を忘れた時にこの国の成長は止まり、未来もなくなる。・・・あぁ。いや、ちょうどこの木の下でそんな話をした後に、この銃をおじいさまが僕に譲ってくれたんです」
鉄平しゃんはおじいちゃんっこ。
鉄「ものを作る大元は鉄ですから。しなやかで、軽くて、強い鉄。これからはもっともっと新しい鉄製品が求められていきます。それが自動車、鉄道、建設、電気、あらゆる分野に進出し、日本産業の発展を支えていくとおもうんです」
三「アメリカにいた頃とちっとも変わりませんね。鉄の話にうなると目の輝きが違う」
鉄「あ、なんか久しぶりにお会いしたのに、僕の話ばかりですみません。あの実は、今、大きな決断をしようとしてるんです」
控えめチックで可愛い鉄平しゃん!
三「決断?」
鉄「長年の夢だった、高炉建設に着手しようと思ってます」
三「高炉建設?」
鉄「はい」
三「阪神特殊製鋼がですか?」
鉄「僕には勝算がある。今や技術力ではどこにも負けません。というより、帝国製鉄の横暴に屈したくないんです」
きりっ!な鉄平しゃんですが、コートは大層かわゆらしい。
三「鉄平くん。私は、志の高い企業人を支援することが銀行家の指名だとかんがえます。私も協力は惜しみません。その夢を実現させてください」
にこ、笑顔の鉄平しゃん。
鉄「ありがとうございます」
この時は、オープニングほどに寒そうではない丹波篠山でございました。

<ご自宅の鉄平しゃん>

夜、車で家に帰ってきた鉄平しゃん。車じゃなかったら建物に到達するのも大変でしょうねーて広さです。
結婚した鉄平しゃんは、新築の洋館に住んでいて、本館にはお父さんたちが。
高須相子がいるので、鉄平しゃんは、あまり本館には行きません。今晩は用事があったんで行ってみました。夕食中で、二子のお見合い話があれこれされてます。
今晩の高須相子も感じ悪キャラ。鉄平ちゃん、クキーー!!
でもお父さんに話があるんです。
『お父さんにご相談があってうかがいました』とかって、身内でも目上の人に言うのって好き。憧れ。ちなみに、磯野家でもこの傾向はちゃんとあります(笑)かつおもお父さんにはこういう口の聞き方です。
大「高炉建設だと?役員はなんて言ってるんだ」
鉄「役員会で了承されました」
しかし、ものっすご赤い服ね、鉄平しゃん。
鉄「これからうちの製品はますます必要とされる時代がやってきます。自動車のトヨタ、間、日産、ホンダ、電気の東芝、松下、日立、ソニー、これらのメーカは将来必ず世界に通用する企業になるはずです」
ありがとう。東芝日曜劇場枠だった日曜9時に、東芝もゆってくれて♪
大「総予算250億?」
鉄「簡単な話じゃないのは承知しています。ですからまず、お父さんに内容をご理解いただいて。阪神銀行の協力お願いできればと。できれば、早急に」
そこに、美馬から電話が。
大「鉄平、明日から長期の東京出張だ。準備もある。話は今度にしてくれ」
鉄「解りました。ですが、僕も急いでます。来週の三雲さんの頭取就任パーティー、僕も上京する予定です。その後お時間いただいてよろしいですか?」
大「あぁ」
鉄「よろしくお願いします」
階段の下からお父さんを見上げる鉄平しゃん。そのすぐそばを通っていく高須相子は、猫みたいに、するーーーん、って感じ。猫なのか!黒猫相子なのか!

<就任披露宴の鉄平しゃん>

三雲に挨拶に行く鉄平しゃん。
三「君の決意に変わりはありませんか」
鉄「はい。実は今度、サブバンクの頭取として正式に相談に乗ってもらおうと思っています」
三「解りました。いつでもいらしてください」
そしたら、陽気な声で万俵鉄平くん!こっちだ!と呼ばれます。義父です。浅草で福丸旅館をやってる義父。実の父もやってきてます。銀平と一緒です。
鉄平しゃんは色々と楽しそうですが、銀平はまったく楽しそうじゃなくー。
鉄平しゃんが、お父さんに伝言お願いしてってゆったのに、ムダでしたねって。
銀「大蔵官僚さんと早々に消えましたよ」
鉄「何だって!?」

<つる乃屋の鉄平しゃん>

お父さんを探す鉄平しゃんだけども、いない。お父さんはいないのだー!
なので、義理のお父さんとお食事に。そこが東京麻布つる乃屋。芙佐子のいるところです。
福丸義父は知らなかったんですが、鉄平しゃんはこの店では昔馴染み。座っている鉄平しゃんは、背筋ぴーーん!っていい感じ。
この店のそもそもの馴染みである先代は、鉄平しゃんの写真を持ち歩いておったそうですよ。
女将「鉄平さん、お父様お元気ですか?」
鉄「えぇ。相変わらず忙しくしてます。おかげで今日もすっぽかされましたけど」
なんだか苦しそうな女将さん。体調悪かったんです。だから、娘に後は頼めばいいじゃない?と言う話もあったんですが、娘の芙佐子は外国に行ったっきり・・・。
鉄「え、でも、僕お正月に芙佐子さんに会いましたけど」
女将「あぁ、お正月に里帰りしてたんですけど、またすぐに戻ってしまって」
いやいや。芙佐子はいます。いますよーー。でも会う訳にはいかないのです。色々あるのです・・・。

そうして、鉄平しゃんは、深夜航空便で神戸に帰ったのでした。今もあると便利でしょうね、深夜航空便。

<実家に乗り込む鉄平しゃん>

追いかけてって、水飲んで実家で待ってる鉄平しゃん。お父さんは降りてくると、時間をわきまえたらどうだ。と。
鉄「約束を無視したのはそちらの方じゃないですか」
大「それがメインバンクの頭取に対するものの言い方か」
きーー!ってなるねー、鉄平しゃん!
でもベスト好きにはたまらないですよー!
大「おまえはいつもそうやって大層な夢ばかり語るが、足元にある現実も見据えたほうがいい」
鉄「夢を見ることができなければ未来を変えることはできません!・・・おじいさんが創設した阪神銀行。お父さんが都市銀行まで発展させたように、僕も高炉建設を成功させて、おじいさんの作った、阪神特殊成功を世界でも戦える企業に発展させたいんです。この事業資料を見ていただければ、お父さんにも納得できるはずです」
大「・・・解った。まずポイントをまとめたものを私に見せなさい」
鉄「解りました・・・!10分だけ、時間をください」
資料をまとめにかかる鉄平しゃん。最初は、ちゃんとテーブルに向かっていたんですが、途中からよさげな椅子に座って、足オットマンに置いてのまとめ作業に。
そしたら、それが肖像画の絵と一緒になって、お母さんビックリ!お父さんびっくり!私もびっくり!!
ああああ!あの肖像画は!おじいさんの肖像画は!!ちょいミス兄貴、てっさんじゃないか!!まさか鉄平しゃんのおじいさんがちょいミス兄貴てっさんだったなんてーーー!!!
似てるわーー!そりゃ似てるわーー!!

<お庭の鉄平しゃん>

よく朝。出かける時に池を見ると、お父さんが。
そら素通りはできません。
鉄「お父さん。おはようございます」
大「おはよう」
鉄「夕べは遅くまで本当に申し訳ございませんでした」
大「あぁ」
鉄「でも、お父さんに融資会議にかけると言っていただいて嬉しかったっです。ほんとに嬉しかったです。ありがとうございます」
お父さんに優しくしてもらうとほっこりする鉄平しゃん。
大「鉄平」
鉄「はい」
大「もうずいぶんと将軍の姿をみないな」
鉄「・・・?あぁ。あの金色のでかい、鯉でうか」
大「将軍は不思議なことに爺さんが手を叩かないと姿を現さなかった」
鉄「もう死んだんですよ」
大「いや、おまえが手を叩けばきっと現れるよ」
鉄「まさか」
大「試しに叩いてごらん」
叩いてごらんってゆわれてもー、と戸惑う鉄平しゃん。
鉄「そんな。出てくるはずありませんよ」
大「いいから。叩いてみなさい」
鉄「・・・」
ぽっけから手を出して。手を叩く鉄平しゃん。将軍を探すお父さん。いや、そんなでかい鯉はいません。
鉄「やっぱりもう死んだんですよ」
そしたら、なんか、潜水艦みたいなのが出てきて!魚類としておかしくね!?ピラルクくらいあるんじゃね!?南米原産ピラルクの金色でコーティングしたもんじゃね!?ピラルク、水族館で見ると底に沈んだままじっとしてるから、あれピラルクじゃね!?
大「・・・やはりおまえはじいさんの子だ」
ん?な鉄平しゃん。
鉄平しゃんは、お父さんの息子じゃなくて、お父さんの弟なのです!
てことは、銀平との間柄が大変ややこしいことになります。父方から見れば叔父。母方から見れば兄!
『12年ぶりに、将軍が姿を現した時の父の顔を、僕は一生忘れないだろう。たった1匹の鯉の出現が、僕と、万俵家に憑りつく怨念との戦いを予言していたのかもしれない』

<つづく>