華麗なる一族

07/02/11

第5話

<心配する三雲頭取と鉄平しゃん>

ふくまる旅館の闇献金疑惑の記事の影響があちこちに出ていて、事態を心配した三雲頭取が鉄平しゃんの元を訪れてます。
三「鉄平くん」
鉄「はい」
三「大川先生と三栄銀行。あれは、我々銀行家にとっては別の大きな意味があるんですよ」
鉄「どういう意味ですか」
三「三栄は、都市銀行初の銀行合併を進めているという噂がありました。しかしどこの銀行も金融再編生き残りのために、なんとしても三栄の合併をなんとしても阻止したかった。大川先生は、その合併阻止のための犠牲とみるむきもあるくらいです」
あれー。サンエイ銀行の漢字が解らない(笑)三英だったか?あら?ま、小さいことや。
そのように、鉄平しゃんが苦しい思いをしていたのですが、その確信に一子が迫っておりました。
王様のブランチで、美馬が夫婦共通の趣味、とゆっていた、『立ち聞き』です。美馬夫妻共通の趣味、立ち聞き!やな夫婦だなー(笑)!

<弟と一杯やってる鉄平しゃん>

バーで兄弟飲んでます。
鉄平しゃん、あの記事をリークしたやつをなんとしても見つけ出したいのです。
銀「確かに銀行業界におけるあの記事の意味は三雲さんの言う通りですよ。ここだけの話、うちだって合併相手に三栄を考えていたくらいですから」
鉄「じゃあ阪神銀行が関与してたって可能性は」
銀「さすがにそれはないでしょ。あれだけ閨閥に執着してるお父さんが、大川先生という大事な閨閥を切り捨てるわけはありません。でも、お父さんなら何か知ってるかもしれませんよ」
鉄「じゃあ、おまえは?」
銀「僕?・・・」
鉄「・・・ふっ。ごめん。悪かった」
近場で見てみたいもんですねー。素敵兄弟ーズ。
その頃、妹ーズにも色々と起こっておったのですがね。

<病室の鉄平しゃん>

ふくまる旅館は記事をリークしたんは誰じゃーー!となりながらも、鉄平しゃんのことが心配。
自分のことで高炉建設にも影響がなければいいなと思ってるんですが、容態一気に急変。
鉄平しゃん、飛行機でかけつけますが、乗ってる最中はなんもできないですからね。紙コップぐしゃーー!しながら、祈る形の手が好き♪
病院にかけつけたふくまる旅館との別れですよ。
早苗のお母さんも出てきましたよ。ちらっとしか映りませんけど。
ふく「鉄平くん・・・」
鉄「はい」
ふ「来てくれたんだね・・・」
鉄「遅くなってすいませんでした」
ふ「私のせいで、あんたに、余計な心配かけちゃったな」
鉄「何言ってるんです!お義父さんには今まで、十分なくらいよくしてもらったじゃないですか!」
ふく「鉄平くーん・・・、あの新聞記事をリークしたやつ・・・とうとう最後まで解らなかったよ・・・悔しいよぉ・・・」
鉄「僕が必ず探し出します。お義父さんの無念を晴らしますから」
ぐっと手を握る鉄平しゃん。
ふく「あんたはね、あたしの自慢の息子だよ。あんたの夢は、高炉建設の夢は、世界で戦う男の夢は、必ず・・・」
鉄「必ず成功させます!」
目ぇウルウルの鉄平しゃん!
そうしてふくまる旅館はふくまる旅館に帰っていったのです・・・。お疲れ様ー!

<病院のお庭の鉄平しゃん>

はー・・・。
お庭のベンチでがっくしの鉄平しゃん。ぽつーんです。
そこにやってくるのは芙佐子。この服も可愛いぞー!ふっこー!
芙「聞きました。大川先生のこと。力を落とさないで。てっちゃん・・・」
芙佐子を見つめる鉄平しゃん。まさか後ろから、かつかつかつかつっっ!と相子やっているなどと思いもせず、しっとりとありがとう・・・ってゆってたのに。
相「(かつかつ!きりっ!)鉄平さん。お父様たちは最終で向かわれます。葬儀で万俵家がやるべきことは私の方で詰めておきますので、ご心配なされないで下さい?お久しぶりね、芙佐子さん。鉄平さんとはもう会わないって約束お忘れかしら」
鉄「約束なんて守る必要ない。万俵家の執事を気取っていても、所詮君は」
相「芙佐子さんをひきとって育ててくださった女将さんだって、あなたの軽蔑するお妾さんだってお噂よ?鉄平さんの尊敬する敬介おじい様のね」
鉄「なに言ってるんだ!」
イジワルいいながら、早苗が来てることに気づく相子。
相「どうも万俵家の男性には、正妻よりも他の女性を愛する血が流れてるようね♪」
鉄「それはどういう意味だ!」
相「少しは早苗さんのこと、考えて差し上げたら?」
きぃぃーーってなってる鉄平しゃんも早苗に気づいて、はっ!早苗・・・!くしゅーんってなってる早苗の方にいきますと。
早「そろそろ、父が自宅に戻ります」
鉄「そうか・・・」
芙佐子を振り返る鉄平しゃん。
鉄「失礼します」
と一礼。早苗も一礼。
鉄「行こう」
芙佐子を置いて戻っていく鉄平しゃんなのでした。

<葬儀中の鉄平しゃん>

ひろっ!会場ひろっ!
そんな会議の最中美馬に呼ばれて出ていくお父さん。振り返ってそれを見ている鉄平しゃん、いいーーー!いい顔だーー!
ここでお父さんは役人とのゴルフに行くんですが、その話をすっかり立ち聞きしている一子。夫婦共通の趣味にとりつかれてるがな、一子!
なので、お父さんがいないとなったら言っちゃいますね。イヤミっぽくいっちゃいますね。
一「お父様ならいないわ」
鉄「いない?」
一「ゴルフの約束があるとかで」
鉄「ゴルフ?」
一「そうよね、あなた」
美「おかしな言い方をするんじゃないよ、一子。阪神銀行の存続にかかわらる重要な会合だ」
鉄「葬儀を中座しなければならないほど重要な会合なんですか!」
相「お父様はお忙しいのよ、早苗さんのお父さんことにばかり時間を割いてはいられませんわ。さ、参りましょ」
ゴルフて!よりにもよってゴルフて!と、お怒りの鉄平しゃん。

<例によってお父さんに怒っている鉄平しゃん>

ゴルフ後家に帰ってきて、あーだこーだ打ち合わせ中のお父さんたち。そこに入ってくる鉄平しゃん。
鉄「失礼します。葬儀をゴルフで中座するというのはどういうことですか。今までどれだけ大川先生が万俵家に尽くして下さったか。申し訳ないと思わないんですか?」
大「私だって心苦しかったさ。だが阪神銀行を守るにはやむおえなかったんだ。もし当行が経営が危うくなって、万俵家や、阪神特殊製鋼にまで悪い影響が出てしまえば、大川先生だって余計悲しまれるんじゃないのか」
お父さんはいつだってうまいこと言うんですね。
鉄「結局お父さんは、大川先生を都合のいいように利用していただけじゃないですか。そうとしか聞こえません」
鉄平しゃんはきぃぃーーですけど、早苗が相当恨みがましい感じになってますんでね、それはまたうまいことゆーとかないと。
大「・・・早苗さん。葬儀の件は本当に申し訳ありませんでした。改めて、大川先生の墓前に詫びるつもりでいます。お許しください」
立ち上がったお父さんに頭まで下げられると、早苗もなんも言えません。まぁ、鉄平しゃんも、早苗つれてこんでも・・・感もありますけども(笑)

<ベッドの鉄平しゃん>

割と鉄平しゃんとこのベッドはちんまり目ですね。かーわゆらしーー。
背中向けてる早苗の肩に手を置いたら、早苗もその手の上に手を重ねてきて。
後ろからぎゅーーー!!
鉄平しゃん、そーゆーの好きですね。後ろからーとか、上目遣いーとか。
そんで早苗、かけらもすっぴんじゃありません。これが伝説の寝化粧か!それゆーたら相子の方がすごいか(笑)!

<相子姉さんのダメそうな弟>

そんな相子の弟は、見ただけでもダメそうな弟です。
いや、顔がダメキャラなもんで・・・(笑)
このダメそうな弟ありで、あの姉ありですかね。
それでも、なんかほのぼのと相子がしている間、可愛いワンピースの万樹子は、可愛いアクセサリーしつつ、ノンキに本宅探検。
前から気になっていた部屋をのぞいたら寝室にベッドが3つ。
み、みっつ!と衝撃を受けてると相子が帰ってきて一悶着。相子この後早苗とも一悶着。多分、『嫁』という生き物が嫌いな相子です。
自分が嫁じゃないからかにゃー。

<相子ともめる鉄平しゃん>

つまり珍しくもない鉄平しゃん。
仕事終わって家に帰ると、家の中が静かで、早苗がしょんぼり泣いてます。
鉄「どうした」
びっくし鉄平しゃんは、相子か、こらぁぁーー!!と、本宅へ。
鉄「早苗に一体何を話したんだ」
相「私はただ万俵家の閨閥になんの価値もなくなったことを心配して差し上げただけですよ?それに大川先生という後ろ盾を失って、一番困ってらっしゃるの鉄平さんでしょ?お望みなら新しい閨閥、いつでも探してあげましてよ?」
鉄「何を言ってるんだ君は!僕は、お父さんや、君とは違う」
相「・・・お父様と私の関係がそんなに悪いものかしら。アメリカで差別を受けて、結婚に失敗して、帰国した私を万俵は救ってくれたのよ。希望を失った私の人生まで背負い込んでくれた。私も彼のためだったら、なんだってできる。万俵大介という男が成功していく姿を見るのが私の生きがいなの。愛人と言われてもかまわないわ。普通の女には真似できない、特別な人生を私は選んだの」
初めて聞くような話なんでしょうね。えーーー・・・?ってなるじゃないですか。
鉄「・・・君の生き方は、僕には理解できないな」
ぐったりと座る鉄平しゃん。
相子も、つんっ!とよそ向くんですけども、向いた先には早苗が。一子の趣味が立ち聞きなら、相子の特技はちら見っていうんですか?立ち見って言うんですか?
相「鉄平さん?たとえ愛人でも好きな人に支えてもらえれば、女はそれで幸せですよ。芙佐子さんもきっとそうおっしゃると思うわ」
鉄「君と一緒にするな。僕らの関係はもう終わってる」
相「お気の毒に、芙佐子さん、全部一人で背負い込まなければならないのね」
鉄「何の話だ」
相「女将さんのご病気、かなりお悪いのですって。長くないかもしれないわねぇ・・・。ま、鉄平さんには関係のないことでしょうけど」
かつかつかつっ!待ててめっ!って追いかけていくと、そこには早苗が。
あぁっ、思わぬ場所にいがちな女早苗っ!さらに固まりがちな早苗。
鉄「早苗・・・。これだけは言っておく」
早「鉄平さん。わたくしはあなたを、そんな風に疑ったことなど一度もありません!ただわたくしや、父が、万俵家にとってなんだったのか・・・。ただそれが哀しいんです」
ぐわしっ!!
可愛いやつめ、ぐわしっっ!!
ナレ「鉄平は最大の理解者、大川を失ったまま、その年の大晦日を迎えた」

<大晦日の鉄平しゃん>

42年12月31日

志摩観光ホテルの華麗なる一族たち。
まだ1年しかたってませんでしたか。
去年は色々ありましたわね〜・・・なんて話を珍しくお母さんがゆってますが。
相「来年は二子さんが明るい年にしてくださいますわよ」
ってお見合い写真を二子に見せる相子。
二「相子さん、なんのつもりです」
相「素敵な方でしょう?佐橋総理の甥子さんで佐橋和也さん」
字は知らんけども(笑)
二「待ってください!私お見合いの話など承知していません!」
相「何をおっしゃるの。こんなにいい縁談、めったにあるもじゃありませんわよ?」
ちゃっ!と写真を取り上げて相子につっ返す鉄平しゃん。
二「鉄平お兄様」
大「鉄平」
鉄「嫌がってるのに、無理強いするのやめてください」
あぁん、大介さん!鉄平さんがひどいこと言うっ!って言いつける感じで大介を見る相子。お父さんも、いいからと首を振るのでしぶしぶ引き下がり。
でも、イヤミは言わんことには気がおさまりません。なんせ、嫁という生き物が嫌いな相子ですから。
相「大川先生にあんなことがあった今、二子さんに万俵家のためにがんばっていただかないと?」
うるっせ、ばーか!気分で座った鉄平しゃん。他の話しよっ!と。
鉄「美馬さん、例の記事のリーク元は大蔵省でもまだ解ってないんですか」
美「(誠実ぶりっこ)うん・・・僕もずっと気にはしてるんだけど、なかなか。また機会を見て詳しく探ってみるよ」
鉄「よろしくお願いします」
一子、ききいぃーーー!!

<新年の鉄平しゃん>

華麗なる一族なので、元旦早朝早々から雉撃ちです。猟銃持ってエレベーター降りてくる鉄平しゃん。ホテルのロビーもシーン。
ですが、一子がそっと待ってました。
鉄「どうした、こんな朝早く」
一「・・・明け方まで、私、ずっと迷ってたんです」
鉄「ん?何を?」
一「私、聞いてしまったんです。美馬と、お父様の話を」
鉄「・・・何の話だ」
一「大川先生の、闇献金の情報を、新聞社にリークしたのは・・・」
チーンとエレベータ到着。一子を隅につれていく鉄平しゃん。美馬がおりてきてますね。
鉄「話してくれ」
一「新聞社にリークしたのは・・・、阪神銀行だって・・・!」
鉄「まさか・・・!」
一「確かに聞いたの・・・!お父様も美馬も、私もう信じられなくて・・・!」
鉄平しゃん衝撃!うーわ、どうしましょう、となりつつ。
鉄「・・・そうか・・・そっか。話してくれてありがとう」
妹の肩をぎゅっと握って。
鉄「ありがとう」
鉄平しゃんが去り、立ち聞き大好き夫婦の夫、美馬がやってきてましたね。
美「どういうつもりであんなこと言った」
立ち聞き返し!

<雉撃ちのはずが違うものを撃っちゃう鉄平しゃん>

えらいことを聞いた後での雉撃ち。やっとる場合か!なんですが。
鉄「お父さん、すいません。お話があるんですが。あの・・・」
美「お義父さん、そろそろ始めましょうか」
話されると面倒、と、お父さんを連れていく美馬。そうして雉撃ちが始まるんですが、美馬からお父さんも状況を知ってしまいまして。
お父さんたちからすると、面倒くせーーー、でございましょう。
鉄平しゃんは一人、森の中で色々と考えております。一子の声も聞こえてきますし、あれこれ思い出されますし、苦しそう。
苦しい鉄平しゃんですが、雉が出てきたっちゅーことで、撃ったんです。
あの、この番組CG班、なんだか、生き物班?には問題あると思うんですけども。あのー、普通の雉の映像でええんちゃうんってところが、ものっすごぎこちなくなってるのがどーなん??と。
そしたら、そんな変な雉には弾は当たらず、弾が当たっちゃった木の後ろにお父さんが!
何しとんねん、お父さん!
木を撃ち抜いちゃった弾が当たったんですかね。なんか、痛っ!って思ったら、銃持ってる鉄平しゃんがいて、ええーー!俺ってひょっとして撃たれたってことーー!?わー!血ぃ出てるしーー!のショックからか倒れるお父さん。
きゃーー!それにはびっくりの鉄平しゃーん!

<謝りつつ怒ってる鉄平しゃん>

謝りながら怒る人。竹中直人か。
相「信じられませんわ、息子が父親を撃つなんて」
二「やめてください相子さん!」
銀「兄さんも誤射だって謝ってるじゃないですかすか」
出てくるお父さん。なんか、ショック!な感じで倒れた割に尊大でございます。
大「おまえは、私を殺そうとしたのか」
鉄「何をおっしゃるんです。そんはず、ある訳ないじゃないですか・・・!」
大「本当にそうなのか?」
鉄「お父さんには、僕に撃たれるようなやましい理由があるんですか?」
座るお父さん
鉄「・・・阪神銀行が大川先生の記事をリークしたからですか」
早「父の記事を・・・阪神銀行が」
美「誤解しないで下さいね、早苗さん。そのことについてはお父さんもずっと胸を痛めてきたんです。三栄銀行には平和銀行との合併話がありましたね、それは阪神銀行にとってはきわめて都合の悪いことだった。それで阪神銀行の役員の一人が独断で、その合併を潰そうと闇献金の記事をかかせたんです」
鉄「だったらなんで正直に話してくれなかったんです!」
美「話せば誤解を招く。お父さんはそれを一番恐れていた」
早苗「わたくしはそんな言い訳では納得できません!」
鉄「お父さんの口から納得いくように説明してください」
大「美馬くんの言ったことがすべてた。他に話すことはない」
私が家族なら、その話、二人だけでしてくれるかな、って思いそうなところでございます。
相「もうよろしんじゃありませんか?食事会までいったん解散といたしましょう?」
鉄「申し訳ありませんが、一緒に新年を迎えられる気分ではありません。僕たちはこれで失礼します。行こう」
そうして帰っていく鉄平しゃんたちなのでした。

<自宅での鉄平しゃん>

鉄「早苗・・・。ほんとにすまない」
早苗は太郎を寝かしつけてます。太郎、寝てるシーン多いです(笑)
鉄「一緒に大川の実家に帰ろうか」
早「わたくしは万俵鉄平の妻です。この家で暮らします」
鉄「・・・ありがとう」
しんみり〜・・・、なとこに内線、だか、ベルだか。
四々彦がやてきました。1月1日ですよ。何をしとんじゃっちゅー話ですけども。アメリカンベアリング社から、契約打ち切りの連絡がきたんです!
何1月1日に連絡してきとんねん!ちゅー話ですがな。かくし芸みとえかくし芸!

しかし、激動の1969年が幕を開けたのです。

<つづく>