華麗なる一族

07/03/11

第9話、じゃなくて最終章前編

<第一回証人尋問の鉄平しゃん>

昭和43年10月
裁判所での第一回証人尋問。お父さん入ってきました。場所は神戸地方裁判所。まずはお父さんが証言台に。。
手遊びする鉄平しゃん。
私には原告の訴えが理解できません。
お父さんは、口がうまいです。さーすがーーん。
大「融資撤回は、突貫工事の安全性に危惧したためであり、銀行でとして正しい判断であったと考えます」
はぎー「では、返金を受けたのはいつですか?」
大「確か、2月15日だったと報告をうけております。借入表にもそう記されていたと記憶しております」
はぎー「確かに、証拠として提出されている借り入れ表そのように記されております。阪神銀行は突貫工事を危惧して2月15日に返金を受けた。間違いありませんね」
大「申し上げたとおりです」
ちょっとわくわく、な鉄平しゃん。鉄平しゃんたちが4ヶ月前、6月に見つけたものがありました。
銭高箱から出てきた、違う内容の借入表です。
はぎー「しかしここに、記載内容のことなるもう一つの借入表があります」
銭高さんおろおろ。それを証拠として提出しますってはぎー。
みんな、ざわざわーー。
傍聴席の一之瀬親子にアイコンタクトの鉄平しゃん。
はぎー「これによると融資の返金は1月31日」
さらにおろおろ銭高さん。
はぎー「しかし、1月31日時点では、突貫工事はまだ決定していません。この事実は、あなたの証言とは矛盾することになります」
見ている鉄平しゃんの横顔がきりりとして素敵ん♪
はぎー「もう一度お尋ねします、阪神銀行が実際20億の返還を受けたのは、突貫工事決定以前ですか以降ですか?正直にお答えください。阪神銀行の財務資料を調べれば、いずれ明確になることです」
じーっとお父さんを見ている鉄平しゃん。
が、相手方弁護士から意義が出て、20分の休憩になったのです。

休憩後、実際20億の返金を受けたのは?と尋ねるはぎー。
大「1月31日です」
ざわざわー!
はぎー「先ほどの証言を覆す訳ですね?」
しかし、お父さんは、提出された借入表を信じただけで、ここでお詫びをし訂正を、です。
はぎー「しかしおかしいですね。それでは突貫工事を理由に融資を撤回したというあなたの発言と矛盾するじゃないですか。やはりあなたは、意図的に倒産に追い込んだのではないですか?」
ここでまたまた意義ありー!
はぎー「では質問を変えます」
融資を撤回していたにも関わらず、突貫工事を理由に融資撤回したとゆった発言の矛盾はどうなんだいってはぎー。
手があたっくちゃーんす・・・!になってる鉄平しゃん。
大「・・・いえ、私の発言に矛盾はありません。当行には1月31日時点で、原告が突貫工事をに踏み切るとの予測がありました」
はぎー「どうしてそんな予測が可能なんですか?」
大「帝国製鉄の情報をすでに入手していたからです」
それで製品を作れなくなる鉄平しゃんが、突貫工事に踏み切るのでは、と思ったとゆーのです。
帝国製鉄の銑鉄供給がとまるって知ってたのを言わなかったっていうのは、背信にはならないのかちらー?
銭高さんに虚偽の報告をするように指示したのでは?融資撤回した時点でメインバンクの勤めを放棄したのでは??
はぎーもがんばりますが、お父さんは役者ーーー。だって北大路欣也様〜。
大同銀行を放漫経営とゆっちゃますーーー。
大変上手にやって、席に戻ったお父さんを見ている鉄平しゃん。次は鉄平しゃん、証言台へ。
んー、かっちょいーん♪

相手方弁護士からぐたぐた言われる鉄平しゃん。
鉄「確かに、事故の責任は痛感しています。ですが、今でも高炉建設が間違いだったとは思っておりません」
ざわざわーー。
鉄「・・・資源のないこの国の企業が海外の企業と戦っていくには、優れた製品を創るしかないんです。自分たちの創った鉄で、世界と肩を並べたい。我々はその夢を実現させるために、社員一丸となって技術開発の努力をかさね、ようやくアメリカ企業からも認められ、世界進出の土台を築きつつありました。でも、その夢が、帝国製鉄の銑鉄供給停止によって潰されようとしていたのです。
同じ企業同士で、こんなくだらないことをいつまで続ければいいんでしょうか。我々の、希望の芽を摘まないためにも、どうしても高炉建設が必要だった。そのためには自分たちの技術で
新しい可能性を切り開いていこうとする仲間の思いが託されているんです」
鉄平しゃんのおめめがうるうる。
鉄「それが間違いだと言われるのだったら、我々はどうすればよかったのでしょうか。企業の志を否定するようなことが許されるなら、この国に未来はあるんでしょうか」
一同じーーん、ですが、そうそうじーんとはさせられないのが弁護士。
理想を語るのは結構ですが、なんていうのよっ。やなやつっ。
これで、第一回証人尋問は終わり。次の証人を申請。
鉄平しゃんは、はぎーとアイコンタクト。よしっ。と。
鉄「裁判長!我々は、阪神特殊製鋼、銭高常務を申請します」
お父さん見る鉄平しゃん。銭高さん、あわわーーー。
裁判長「では、採用決定します」
一礼する鉄平しゃんです。きりりっ!

<抵抗される鉄平しゃん>

銭「私が証人などできません」
鉄「あなたの栗から真実を明かにしてほしいんです」
銭「とにかく証人はお断りします」
鉄「銭高さん!」
逃げられたー!

<打ち合わせ中の鉄平しゃん>

世間での関心高まる中、色々と話し合いが続いております。
鉄「三雲さん、このような結果になって、しまいお詫びの言葉も見当たりません」
三「私の心配より、君にはやるべきことがあるはずだ。この裁判で真実を明らかにして、再建の道を切り開き、君の理想を後に続く人間たちに伝える。それができなければ、私が、君にかけた思いもむくわれません。」
社長「しかし報道を見る限り、情勢はきわめて厳しいです」
三「確かに、阪神銀行が根回しをしても、この報道は偏りすぎてます。何か、もっと大きな力が働いているような気がしてなりません」
動いております。もっと大きな力が。

<専務室の鉄平しゃん>

鉄平しゃん書類見てます。
ノック。
鉄「どうぞー。・・・銀平」
銀「兄さん、まだ諦めていないんですか」
鉄「当たり前じゃないか。銭高常務がほんとのことを証言してくれたら風はかわる」
銀「銭高常務が証言するなんて本気で思ってるんですか?裁判後の生活だってお父さんにゆだねてるんです」
鉄「僕は自分にできるだけのことをするだけだ」
にこ。と微笑む鉄平しゃん。
銀「どうして兄さんは、僕に証言を頼もうとしないんですか」
えっ?って銀平を見上げて、首を振る鉄平しゃん。
鉄「おまえには頼めない。ほんとにすまないな。僕のことで、家族みんなに迷惑をかけて」
立ち上がって、ソファに方に移動。
鉄「でも、僕もお父さんの血をひいた子供だったら、どんな兄弟だったんだろうな」
銀「兄さん」
鉄「銀平。お母さんや二子たちのことは、おまえが守ってくれ。頼んだぞ」
にこ、な鉄平しゃん

そうして、鉄平しゃん、まだ会社。
外微妙な色。夜なんだか、朝なんだか??

<銭高家の鉄平しゃん>

家にかえってくる銭高さん。息子が鉄平しゃんとキャッチボール中。
銭「何してるんですか専務!」
鉄「どうも。もう一度裁判のお話がしたくって」
家に入ってろって言われる息子。阪神タイガースの帽子ですよ。西宮ですもんね。
鉄「可愛いお子さんですね」
ちょいちょいドラマなんかで、ヤクザが言いがちなセリフ(笑)
銭「お願いですからお引取りください」
鉄「銭高さん、もう一度考え直して」
銭「いい加減にしてください!私にも家族があるんです!うちの家族がどうなってもいいっていうんですか!」
鉄「銭高さん!」
手が可愛いのよ、鉄平しゃんわーー!おずおずとした手がかわゆす!流行にのっかっていうわ!てらかわゆす!ぎざかわゆす!

<第2回証人尋問前日の鉄平しゃん>

43年12月。第2回証人尋問前日。
鉄平しゃん、会社で寝てます。鉄平しゃんは、銭高さんに会うことができず、眠れない日々が続いていました。
今日もおうち訪問。
鉄「何度もすいません、万俵ですけどご主人はご在宅でしょうか」
妻『主人はしばらく戻っておりません』
鉄「そうですか。でしたら、お待ちしてますと伝えていただいてもよろしいでしょうか。お願いします」
妻『はい、かしこまりました』
んが、当然家にいます。
大亀、銀平も来ています。
銀「ほんとにいいんでしょうか。兄は必死です。私財まで投げ打って、事故で亡くなった従業員の家族や、事故で入院している従業員のために奔走しています。僕は証人尋問での兄を見ていて涙が出そうになりました。このまま真実から逃げ続けていったい何があるんでしょうか」
鉄平しゃんは、とぼとぼと帰ってる最中。
大亀「落ち着いてください」
阪神銀行には阪神銀行の大儀があるというんですよ。
銀「しかし父はその大儀のために、大川先生や兄さんを切り捨ててきた人間です」
大亀「銀平様。そういわれることを覚悟の上で、万俵頭取はすべてを一人で背負っておられます」
うぬーーーな銀平。

とぼとぼと工場に帰ってくる鉄平しゃん。腕時計をみます。階段あがってると。大きな音が!びくっ!
びくっとさせたら日本一!何度でも言うけど!
なんだい・・・?と見に行くと、四々彦がいました。
鉄「四々彦くん。どうしたんだ」
四「あぁ、開発中のベアリング鋼の強度テストが途中だったこと思い出して」
鉄「ほんとに鉄が好きなんだな」
四「この製品が完成すれば、うちも一気に挽回ですよ」
鉄「なあ」
四「はい」
鉄「しばらく、マサチューセッツに行って見る気ないか」
四「えっ?」
鉄「僕が留学してた時に世話になった工場があって、そこだったらほんとに色んなことが学べる」
ちょうどその頃、一度も袖を通したことのない制服を返しにくる錢高がいました。
四「明日、銭高さんは証言してくれるんですか」
鉄「なかなか会えなくて」
四「結局この会社を見捨てた訳ですか」
鉄「そう言うなよ、あの人の立場だったら、うちの父には逆らえない」
四「けど!あんことさえなければ銀行団に見放されることも、会社更生法の申請をすることもなかったと思うと!」
鉄「そのことで一番辛い思いをしてるのは、銭高さんだよ」
四「え?」
鉄「あの人だって犠牲者だ。一緒に戦いたかったはずだ。僕たちが今までずーっと技術開発に打ち込んでこれたのも、銭高さんが経理面でしっかり支えていてくれたおかげだ。高炉建設費用の調達も、一緒に奔走してくれた。あの人だって、鉄鋼マンなんだよ。今は僕たちがふんばって、高炉建設や、海外進出への土台をしっかりつくる番だ。そして僕たちの夢を、次の世代へちゃんとバトンタッチしなきゃな」
四「その専務の想いを銭高さんに伝えられれば・・・!」
鉄「大丈夫だよ。銭高さんは、きっと解ってるくれてるはずだ」
そんな話を聞いていた銭高さん。制服を持ったまま、帰っていくのでした。

でーーーすぺらーーーどーーーー♪♪♪

ジープで高炉まで行って眺める鉄平しゃん。こうして再び法廷での対決の日を迎えたのでした。

<第二回証人尋問の鉄平しゃん>

傍聴席に入ってきた芙佐子、早苗を見る鉄平しゃん。
銭高さんはまだ来てません。
証人尋問は終わってしまうのに、まだまだ来ません。
裁判長「銭高証人はまだ出廷しないのですか?」
はぎー「まだ出廷しておりません」
じゃあ、もうやめたら?いや、待ってください!の騒ぎの中、鉄平しゃんが、ぱっとドア見たら、ドアがあいて。
銭高常務が登場。
立ち上がる鉄平しゃん。
鉄「銭高さん。ありがとうございます」
銭「私だって、鉄鋼マンのはしくれですから」
泣きそうなところをこらえて、ちょっと笑う鉄平しゃん。

はぎー「不正に改ざんされた虚偽の借入表が提出されました。あなたはそれに関与しましたか?」
銭「はい」
はぎー「それは、あなたが単独で行ったものですか?」
銭「阪神銀行の人間から、指示されました」
はぎー「その人間とは誰か、お答えいただけますか」
鉄平しゃんをみる銭高さん。
銭「万俵大介頭取です」

ほんまにゆってくれるんかな!とどきどきでしたがゆってくれましたねーー。

<つづく>