小ネタの部屋別館

「100日チャレンジ・午後7時に家族揃っていただきます言えたら100万円」 

このチャレンジは、4人以上の家族で挑戦。毎日、午後7時に全員揃っていただきますを言ってもらいます。全員揃っていれば、外食もあり。無事に100日、いただきますを言い続けることができるでしょうか!

チャレンジしていただくのは、こちらのご一家。

☆お父さん:中居正広(26)
SMAPのリーダーとして、一家の大黒柱として、毎日忙しいお父さん。お酒も大好きなので、仕事の後の飲み会を振りきって来れるのでしょうか。
☆お母さん:木村拓哉(26)
週に3日のパート以外は専業主婦のお母さん。夕食の準備はばっちりのはずですが、趣味のサーフィンに出かけることもしばしば。
☆お姉さん:稲垣吾郎(25)
意外にアクティブなお姉さん。広い交友関係からのお誘いが気になります。
☆お兄さん:森且行(25)オートレーサーのお兄さん。仕事場が時々変わるのが心配です。
☆つよぽん:草なぎ剛(24)
素直で元気なつよぽん。お仕事はお父さんに負けないくらい多いので、ちゃんと帰ってこれるでしょうか。
☆慎吾:香取慎吾(22)
明るい一家のムードメーカー。この100日で、さらなるダイエットに励みます。


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81日目

午後6時50分。
「ただいまー。ごめん遅くなって。あっ、今日はオムライスだ。」

あわてて自分の席について、初めて吾郎はいつもと違う雰囲気に気がついた。挑むような視線の木村、他の4人は気まずそうにそれぞれ違う方向を向いている。当然口火を切ったのは木村だった。
「吾郎、ときわっちに電話でもメールでもいいから連絡してくれねーかな。いい加減お前の話し聞かされんのやんなってんだよ。」
「すげー!吾郎ちゃんってCMで一緒になっただけだよね。なのに電話番号もメルアドも知ってるんだ。」
と、慎吾。
「あ、僕もやられた。吾郎ちゃん攻撃。」
と、剛も続けた。

「ドラマで最初に会った時、『吾郎ちゃんってかっこいいね。』って言われて、ゴロちゃんの話をしてね。2度目に会った時『吾郎ちゃんって本当にかっこいいね。』って言われてまたゴロちゃんの話した。」
「剛、確かビストロで、ときわちゃんと会ったのは顔合わせと打ち上げの2回だけだって言ってなかったか?」
「うん、2回ともゴロちゃんの話しだけ。」
「中居なんて1クールもいっしょにドラマやって一度も喋った事ないんだぜ。な、中居。」
「ごめん、木村。俺嘘ついた。」
中居が、重い口を開いた。

「1日だけずっと話し掛けられた事がある。ときわちゃんが吾郎の舞台見に行った次の日。リハもランスルーも本番の直前、ベッドの中でも吾郎がどんなに凄かったか喋リ続けてた。」
「お前今ベッドの中って言わなかったか?」
「うん、俺の初めてのラブシーンの日。」
「そ、それはあんまり中居君が緊張してるからリラックスさせようと思ったんだよ、ときわちゃんは。」
ここは弁解しないとやばい,と吾郎は思った。
「ふーん。よく判ってるんだ、ときわちゃんの気持ち。」
「年に2回くらい連絡あんだってよ。吾郎から。」
と、たたみかける木村。
「週に1回女と電話するとして、年に2回という事は女が26人いる事になるね。」

こういう計算だけ、なぜか早い森は、にこにこと悪気ない笑顔で言った。
もう何を言っても無駄だという事は明らかだった。
「あっ。もう7時だよ。みんな声合わせて。」

「「「「「「いただきまーす。」」」」」」

「うっ、うぐぐぐぐ。」
一口食べてあまりの辛さに吾郎は固まってしまった。
「そのオムライス。ケチャップの代わりにタバスコで味付けしてあっから。」
「せっかく木村が作ったんだから全部食べんだぞ。」

涙を流しながら食べ始めた吾郎は、途中から味が変化した事に気がついた。
―このオムライス辛いのは外側だけで中はちゃんとケチャップ味だ―
吾郎はそっと木村のほうをうかがった。木村は横顔で“あとで話しあっから。”と、告げている。
―しょうがないな。僕の電話番号聞きだしテクのうち、ひとつだけ木村君に教えるか…
。ただし、木村君が使ったら逆効果になりそうなやつ―
相変わらず辛いふりをしながら、どれにしようか考える吾郎だった。
 

(byもよ様。あぁ・・・!ごめんなさい!すっごい前にいただいていたのに!!!すみませんでしたーー!ときわっち、えらいことやってんな・・・(笑)ありがとうございましたー!)


82日目

「「「「「「いただきます!」」」」」」
今日も無事「いただきます」と6人声をそろえることができて、中居は至極満足だった。
5人の作る晩ご飯は文句のつけようもなく、非常に充実した食生活を送っている。
本日も満腹になり、猫だったらノドの一つも鳴らしてやりたいくらい上機嫌。
本日は土曜。
土曜の7時と言えばサタスマ。
そして、今日のオンエアは。
慎「出たっエレガっ!」
森「うわー、似合うよね中居ちゃん」
剛「…でもぉ」
吾「…気持ちは分かるけど、剛、皆まで言うんじゃないよ」
剛「でも、吾郎ちゃん!」
吾「いいからっ」
メンバーが何を言おうと、中居はどこ吹く風。
しかも今の会話はアイコンタクトのみで行われたものなのだから、中居は余計な反応をしてみせるわけにもいかないのだった。
しかし。
某日本一の男が、口を半開きにして箸が止まっている。
目線の先には、テレビがあった。
画面では、自分があたふたしながら機械を操作している。
これは本当に、タイミングが難しいのだ…。
「木村」
「…」
無反応。
むに、とほっぺたをつまんでやる。
「んあっ!?」
「箸、止まってる」
「ん?あぁ」
指摘されて、木村は蛸と大根の煮物に箸をつけた。
だが、その状態のまま、再び固まる。
エレガってのは、本当に大変だと中居はこの収録の時に思ったのだ。
立ちっぱなしだし、笑い続けるのは頬の筋肉の限界に挑戦するようなものだったし。
見てるだけなら楽そうなのに、本当に楽な仕事ってのはないものなのだ。
他の4人はそーっと自分の食器を流し台に運びだした。
中居の分も、それぞれがそーっと一つずつ持って立ちあがる。
木村は、それにも気づかず、画面を凝視している。
どこか、妄想の世界に旅立ってしまったようだ。
(どこだ、それ…私も行きたい。実際にな!暮らしたい!)
中居は、木村お手製のきゅうりの浅漬けの中から、なるべく薄く切ってあるのを選び出した。
テーブルの上にまだ片付けられずにいた、醤油やソースなどの並んでいる調味料置きの中から七味唐辛子をつまみ出す。
量り売りのおっちゃんに、特別に調合してもらった激辛のヤツだ。
それを、きゅうりの表裏にまんべんなくまぶして、やおら半開きだった木村の口の中にほおりこんだ。
「!!!!!!!」
口の中に入ったものを、半ば条件反射で噛み締めた木村は、飛び上がった。
だが、その木村の口を、中居が後ろからしがみついて押さえつける。
「ん〜〜〜〜っっっっ!!!!」
「食べ物粗末にするなぁっ、おひゃくしょーさんに、怒られるぞっ!楽な仕事なんて、ねーんだからなっっ!」
粗末にしているのは、お前の方だと言いたかった木村だが、それはかなわない。
振り払おうとしても、猿か!?という力で中居がしがみついている。
他の4人はとうに逃げ出した。
しょーがなくて、木村は、ごっくんと飲み込んだ。
それを確認して、中居は手を離す。
木村は台所に走って、冷蔵庫から2リットルペットボトルを取り出し、そのままあおった。
「…てめー、何すんだよっ」
半分以上入っていた水を、飲んだり、うがいしたりで使い切った木村は、中居に文句を言うべく食卓に戻った。
こたつ板の上にあごをのせて、中居は口をへの字にして睨んでいる。
「…なんだよ、お前こそ文句あんじゃねーのかよ」
「あぁ?」
「俺のやってることにケチつけてーんじゃねーのかって言ってんだよ」
「何でそうなるんだよ。サタスマ見てただけで」
画面に目をやると、今日はやたらとテレビ映りが良い中居が、笑ってる。
「ほら、テレビのお前は機嫌良いのに」
「うっせ。文句あんだろ?」
「…いーや、文句なしだね」
なんだか言いまわしがヘンだ。
「あるんだろ」
「ないってば。文句なし!」
「あるんだろ〜〜〜っっ!!!」
「なしなしなしっっ!ないってぇ!」
テレビの画面では、次のコスプレ企画を、慎吾が募集中だった…。

「木村くんは、一体どこに旅立ってしまったんだろう」
「エレベーターだから、さ」
「あ。」
「ああー、エレベーターねっ」
「懐かしー、俺、あのコーナー好きだったな」
「ひげがあるのに?」
「甘いね。木村くんの頭の中にはね、特別な画面変換機があるんだよ…」
「こわっ!その言い方、怖いよ!」
「ひみつ、なんだね」
「そう、ひみつ。誰にも、言っちゃいけないよ…」
「こわーーーっっ」
「いつから怪談に!?」

そんな会話が交わされたことは、ひみつです。

(byH様。ありがとうございましたー!!こちらもほんとに遅くなってすみませんですぅー!!)


83日目

日本一の男、そして日本一のビストロ料理人木村拓哉は焦っていた。
流しで水を出して野菜を洗おうとすると、横から手が伸びる。水に触れて慌てて引っ込む。しばらくするとまた出てくる。はっきり言って邪魔でしかないそのお手伝いは、写真集も出るほどかわいいとされている猫の手。
「猫の手も借りたいっていうけど、ありゃウソだよな」
ボニに声をかけると、お利口なボニは邪魔をしないようにうずくまっていたキッチンの出口のところから、同情するような視線を向けた。
今日は遅くにそろうはずの忙しいメンバーにかわって、週休4日の自分がキッチンを担当する。いつものことなのだが、ふつうは誰かしら、慎吾か森が帰ってきて助っ人をしてくれる。今日は波乗りに夢中になりすぎて、時間がない上に、余計なお手伝い、吾郎の猫ズが、何故かキッチンに興味を示すのだ。
「おめえら、もうえさやったじゃん」
払っても払っても吾郎の猫ズは流し台に飛び乗ってくる。残りご飯をさらったあと、新しく炊こうと水につけてある内釜に木のしゃもじが浮いている。それが気になるらしく、手でちょいちょいつついては首をかしげる。「ああっ、もう!」
一匹払うと、もう一匹乗ってくる。袋をあけると寄ってくる。火をつかうとそばに来る。人様の猫だ、火傷でもするんじゃないかと気をつかう。まあ、賢い吾郎の猫ズはそんなヘマはしないが。
「たっだいまー」
そんな状況で日本一の料理人が焦りまくっているときに、もっとも帰ってきてもしょうがない人物が帰ってきた。中居だ。
「あれ、おまえ一人?もう時間ねえじゃん。まだ何もできてねえの?」
無邪気に言う。吾郎の猫ズはテリトリーの違うもの同志のように、あっという間にキッチンから姿を消した。
「たまには、ひろちゃんが助っ人するべ。料理人はおめえらだけじゃねえって」
上機嫌で寄ってくる。なんかこいつ、ドラマの撮りが押しすぎて、ナチュラルハイじゃねえ? いつもなら疲れきった顔でこたつに直行するのに。木村はため息をつく。まあ、こいつでもいないよりはましかも。
「んじゃあ、これ洗って。3センチぐらいに切ってね」
と湯がいたほうれん草を渡す。
「ああっ、もうっ、まくれよ。そで」
見れば中居のいつもブラブラしているカフスがまな板に触れてびしょびしょになっている。中居は困った顔で両手を突き出す。から揚げの鶏肉をこねていた手を止めて、洗って手をふいてから、丁寧に袖をまくりあげてやる。
「イテッ」
しばらくすると、声があがった。ああ、もうこれだよ。油の火をとめてバンドエイドを取りに行き、包丁で切った指に巻いてやる。
「……じゃあ、そこの棚から鍋とって、12センチと16センチのやつ」
ため息をつきながら、お願いする。
「ギャアッ」
と悲鳴が聞こえ、派手に鍋が転がる音。ついでにニンジンの千切りに集中している木村の背中に中居が抱きついてきた。
「なんだよっ!あぶねえよ。手ぇ切るだろ!」
「あそこ、あの箱んなか……なんかいる!」
木村の腕にしがみついたまま、中居は怖々と指差す。見れば塩焼きにでもしようと海岸から買ってきた、生きたエビの入った箱がひっくり返っている。おがくずの中で生きてるエビはもがいて這い出そうとしている。ばあか、と木村はまた深いため息をついた。手早く床を掃除して、生きたエビを水洗いし、もがくエビをぐさぐさ串刺しにしていく。中居は眼を丸くして見ている。
「すっげえ、おめえってザンコクな男だな」
うっせえ、ばか!
「もう、何にもしなくていいから、そこ座ってて!」
ついに料理人は厳命を下した。中居は不満そうな顔でキッチンのすみの高いスツールに腰掛け、足をブラブラさせている。しばらく料理に没頭して、こりゃ究極のささがきかもってほどきれいにゴボウが切れたとき、
「アッチィ!」
って中居の声。びっくりして見るとから揚げの鍋の前で手を押えている。
「ばか、なにやってんだよっ!」
あわてて手を取って出しっぱなしにした水道の下に持っていく。
「…ちょっと揚げ物ぐらい、手伝おうかと思って…」
小さな声で言う中居。こいつ、吾郎の猫よりしょうもねえ。
ああ、この世の中で一番いらないものって、猫と中居のお手伝いかも。

7:00 「いっただっきまーす」

「本日の夕食は、中居、木村チーム!」
と大声で宣言する中居。
「へえ、めずらしい。中居くんが? うちの猫より役に立たないかと思ってたのに」
と吾郎。
「どーしたの?木村くん?なんか疲れてんじゃん、きょう」
慎吾はから揚げをほおばりながら、不思議そうに言った。

(byMAKO様。可愛い〜♪中居の手伝い(笑)!!)


84日目

 ポカポカとうららかな陽気に、珍しく6人全員揃ってまどろんでいた、そんなある日の午後。誰が一番初めにそんなことを言い出したのか今となっては定かではない。だがしかし。確かにそこにはとてつもなく大きな爆弾が投げ込まれたのだ。
「ねえ、そういえば、100日達成したときにもらえる100万円。どうするんだったっけ?」
 途端にその場の空気がぴきっと凍りつく。
中「ハワイは却下」
慎「まだ何にも言ってないじゃん!」
木「温泉もやだからな」
中「まだ何にも言ってねーっつーの!」
森「みんなで山分けってのは………………」
 途端にツートップに完璧に揃ったタイミングで睨みつけられ、森は小さな声でごめんなさい、と呟いた。
木「よし。じゃあ勝負だ」
吾「えええ?やだよそんなの。俺絶対損だもん」
慎「ごろちゃん、そんなのやってみないとわかんないじゃん」
森「そうだよー。慎吾なんていっつもこう言って負けてんだから」
慎「森くん……それってやっぱり悪気はないんだよね……」
森「え?なになに?俺なんか変なコト言った?」
慎「いや、いいよ……」
中「勝った奴の意見に従うんだな。わかった。何で勝負する?」
 その言葉を聞いて、木村はわずかに唇の端を引き上げた。
木「そんなもの決まっている。古今東西勝負といえば、あっちむいてホイだ!」

 かくて多分厳正なる抽選と推測されるものが行われ、対戦相手が決まった。
 予選Aブロック、@ 吾郎VS剛、A 木村VS@の勝者
 予選Bブロック、B 森VS慎吾、C 中居VSBの勝者
 決勝戦、Aブロックの勝者VSBブロックの勝者
 これは八百長ではないか、などと言ってはいけない。なにしろ厳正なる抽選で決められた組み合わせなのだから、多分。

 第1回戦 吾郎VS剛
「「じゃんけんぽん!あっち向いてホイ!」」「「じゃんけんぽん!あっち向いてホイ!」」
「「じゃんけんぽん!あっち向いてホイ!」」「「じゃんけんぽん!あっち向いてホイ!」」
「「じゃんけんぽん!あっち向いてホイ!」」「「じゃんけんぽん!あっち向いてホイ!」」
「「じゃんけんぽん!あっち向いてホイ!」」「「じゃんけんぽん!あっち向いてホイ!」」
「「じゃんけんぽん!あっち向いてホイ!」」「「じゃんけんぽん!あっち向いてホイ!」」
 ……延々繰り返される果てしのない闘いにいい加減誰もが切れかけたそのとき、その場の空気を感じ取ってしまった吾郎の集中力が乱れ、ようやく決着がついた。剛の勝ち。

 第2回戦 木村VS剛
木「剛、愛してるよ」
剛「……木村くん、俺もだよ(照)」
 開始直前木村が精神的な揺さぶりをかける。すでに何度目になるかわからないほど繰り返されたこの技が、今回も勝負を左右した。木村の勝ち。

 第3回戦 森VS慎吾
慎「行くよ!森くん」
森「え?ちょちょちょ待ってよ慎吾」
 心の準備がまだ整っていないのに突然仕掛けられ、森はアドリブの弱さを露呈する。一度焦りだすともう止まらなかった。慎吾の勝ち。

 第4回戦 中居VS慎吾
慎「今度は中居くんの作戦には乗らないからね」
中「ああ?タレント気取りかぁ?」
 中居の目を見たら負けだ!との読みは間違ってはいなかったのだが、やはりボス猿中居には頭が上がらず。中居の勝ち。

 そして、決勝戦は木村と中居という、好勝負が期待される組み合わせとなった。
 ちょっと都合が良すぎるんじゃないか?などといってはいけない。これは厳正なる抽選のもと、必死に戦った結果なのだ。多分。

 決勝戦 木村VS中居
「「最初はグー!じゃんけんぽん!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!……………………」
 異常なまでの息の合い方を披露している木村と中居の姿に、見ているものは一種感動すら覚えていた。そのとき。

「ねえ……今何時?」
「「「「「あーーーーーーっ!!!!!」」」」」

 時刻はすでに6時半を回っている。まだ日も高いうちからずーっとこんなことをしていたのだから、当然夕食の準備など何もしていない。
「缶詰探して缶詰!」
「ご飯冷凍してたのがあったよね。チンして食べよ」
「木村、きゅうりの浅漬け食べたい」
「てめっ、この忙しいのに何言ってんだ!」
「とりあえずお湯沸かすね」
「マヨネーズはあったよね、確か」

「「「「「「いただきまーす」」」」」」

 今日の食卓は、一昨日余って冷凍していたものを解凍したご飯(一部の者は、ご飯の上に大量にマヨネーズがかけられている)。ツナ缶。サバ缶。きゅうりの浅漬け(笑)。
 当然勝負はお流れになり、そのまま100万円の行方はうやむやになってしまった。

(byひろひろ様。ありがとうございましたー!あぁ、恐るべしあっちむいてほい(笑)!)


85日目

 始まる前から予測はついてたことだけど、なんかすげーきついんだよ。今度のドラマは押しに押してて、しかもまっちゃんはさすが原案ってだけあってすっごい力入ってて、突然の打ち合わせで29時上がりなんてことも珍しくない。29時よ、29時。朝5時だよ。一応それからうちに帰るけど、翌朝8時集合なんてこんなの人間の生活じゃないよなあ。
 それでも、100日間みんなで午後7時にいただきます、なんてのも容赦なくやってくる。ったくよぉ、何でこんなのやるなんて言っちまったんだよ、あのときの俺。
 マネージャーにもぶつぶつ言われながら木村の家まで送ってもらう。あれ?誰もいないじゃん。7時まで後1時間も無いってのに何やってんだよみんな。しょうがねえな。俺はため息を一つついて合鍵を取り出した。

「中居くん、中居くん」
「駄目だよ、本気で寝てるって」
「仕事のときだと、すぐに目を覚ますのにね」
「てめえら!くっちゃべってないで手伝え!」
「あああ。木村くん、静かにしないと中居ちゃん起きちゃうってぇ」
「ったく誰だよ、今日の場所変更になったこと中居に電話するって言ったの」
「「「「木村くん」」」」
「……そうだっけ……」
「そう、はっきり言ったよ。すごかったよね、場所変えるって話をしてから0.5秒くらい」
「そうそう。誰も割り込む隙なんかなかったもん」
「それなのに電話しなかったんだ」
「可哀相……。中居ちゃん、今ただでさえ忙しいのに……」
「だーかーらー。忙しいからいつ電話したらいいだろうってためらってたらだんだん時間が迫ってきて、今日は何作ろうかなって考えてたらどんどん時間がすぎていって……」
「だから、つまり忘れてたんでしょ?」
「……あっ、こんなことしてる暇ないっつーの。ほら、早く皿出して盛り付けろよ」
「あっ、逃げた」
「逃げたー」
「うるっせえ!」

 何だよてめえらうるせえな。そんなことを思って目を開けると、そこにあったのは慎吾の顔。
「なんだよっ、てめえ」
「あっ、中居くん起きたよー」
 俺いつの間に寝てたんだっけ?気がつくと部屋中いい匂いが漂っていて、テーブルも綺麗に整えられてる。
「中居くん聞いてよー。今日はね、いつもと趣向を変えて、俺んちでやるはずだったのにさ、木村くんが中居くんに連絡し忘れてたんだって」
「それでね、俺たちみんな慎吾の家に集まってたんだけど、慌てて荷物もって車に飛び乗ってきたの」
「そうそう。すごかったよ、木村くんなんて。あれもし警察につかまってたら、新聞沙汰だよね」
「『SMAP100km/hオーバー。運転していたのはキムタク』って感じ?」
「キムタク言うな!」
 なんだよお前ら。俺の寝起きが悪いことくらい知ってんべ?いきなりそんなふうにまくし立てられてもわかんねえっつうの。つまり要するにあれだ。木村が悪いってことだべ?
「そういえばさあ……」
 そんなふうに言葉を途中で止めてしまうのは吾郎の悪いくせだ。しかもこういう喋り方をするときはろくなことじゃない。
「中居くん、木村くんの家にどうやって入ったの?」
「どうやってって、合鍵で入ったに決まってんじゃん」
「……中居くん、合鍵もってんの?」
「持ってるよ。だって100日チャレンジ始めたときに木村がくれたじゃん。仕事が終わる時間なんてみんなバラバラなんだからさ、木村の家でやるときとか一人で先に来たら困るし」
「……」
 え?どうかした?何でみんなため息なんかついてんだよ。

「「「「「「いただきまーす」」」」」」

 なんか今日の晩メシは、妙に静かで気持ち悪い。このメンバーでメシ食ってて話がはずまないなんて初めてじゃない?何でだろう。俺なんかへんなコト言ったっけ?
 木村んちの合鍵持ってるって話くらいだよなあ。……そういえば、木村からはそう言って合鍵もらったけど、他の奴らからはもらってないし、確かこの間剛が木村んちに早く来たときは入れなくて困ったなんて言ってたような……。あれ?なんで?……なんかちょっとこれって変だよねえ?

(こちらもひろひろ様!ありがとうございましたー!!いつもたくさんっ!)


86日目

18:40

「ただいまー」
「あ、おかえんなさい。」
玄関から聞こえた中居の声に食器を並べていた吾郎が振り返る。
「・・・て、何で木村君が一緒なの?」
吾郎の問いかけに同じく食器を並べていた3人も振り返った。

中居の横には当然って顔で木村が靴をぬいでいた。
「中居くん、今日は「うたばん」の収録じゃなかった?あ、もしかして木村君、映画の宣伝ででたの?」
「やめろよ。吾郎じゃあるめぇし。」
剛の無邪気な問いかけは本当にいやそうな木村の一言で片付けられてしまう。
「あ、違う違う。今日しし座の運勢最悪でさぁ。で、赤がラッキーカラーだって言うから。」
中居が代わりに答えるが、これではまったく答えになっていない。
「で、何でそれで一緒に帰ってくるわけ?」
少しむっとしたように問い掛ける吾郎。
「だからな。」
中居は自分の席に座り込んで本格的に話をする態勢にはいった。
「ラッキーカラーが赤だって言われてもここに持ち込んでる服の中に赤がなかったからさぁ。木村に赤い服持ってないか聞いたら持ってなくて、そんで送り迎えしてくれたの。」
中居の説明はあいかわらず、まったく説明になっていない。
「いや、だからなんで・・・。」
さらに問いかけようとした慎吾の声は
「「だって赤松じゃん。」

という両親の見事なユニゾンにさえぎられてしまった。
・・・・・一瞬の間の後で全てを理解した3人はその場にかたまってしまった。
森だけは理解できずに
「え?なんで?」
と首をかしげている。
「だからさ、中居って結構占いとか気にするじゃん。でも身に付けとく赤いモンがなかったからさぁ、
赤松の俺がついてってやったの。ったくめんどくせぇったら」

「「「「絶対うそ!!」」」」
顔の筋肉を緩めまくって「めんどくさい」などと言う木村に4人は同時に心の中で突っ込んだが誰もそれを口にする勇気はなかったのだった。

19:00

「「「「「「いただきます」」」」」」

「いやー、木村が居てくれて助かったべ。俺、今日運勢最悪だったしさぁ。もし、赤松居なかったら7時に間に合わなかったかも。」
運勢最悪なはずの中居がうれしそうに話し、隣で木村が笑っている。突っ込みたいことは山ほどあったが「今の両親に何を言っても無駄!!」と分かっている 子供たちはただもくもくとはしを動かしていた。

(by上原hitomi(笑)あぁ、上原!可愛いわ!赤松(笑)!)


87日目

世の中は売り言葉と買い言葉でできている。
その日、SMAPの下4人はそう思った。
中「いいか!おまえらぜってー!手ぇ出すなよ!木村は出来るっつったんだからなっ!」
木「んなもんできるっての!俺が何年料理やってると思ってんだ!」
一人暮し暦がその数倍に及ぶ作者の胸を深く刺した上、ぐりっとえぐって空気をいれトドメをさすセリフを吐きながら、木村は一人厨房で奮闘していた。
森「そ、そんなこと言ったって・・・」
吾「もう、時間ないじゃない・・・」
じっと4人は時計を見た。

18:40

後、20分しか余裕はなかった。
慎「なんでこんなことになったのよ!!」
中「木村が晩御飯なんか20分もありゃ作れる、普通、ってゆったんだよ、『普通』!って」
剛「なんでまた・・・」
吾「あ、これだ・・・」
テレビの前の家具調コタツの上には、「20分で晩御飯」という雑誌があった。
慎「な、なんて影響されやすい・・・!」
中「さー!座ってよーぜぇー!美味しい晩御飯ができるまでー!」

20分で晩御飯というのは、木村には不可能なことでは全然ないだろう、と下4人は思っている。思っているが、一体どこでどうしてそうなったのかが解らない。
中「できなかったら解ってんだろうな!」
木「うるっせぇ!」
どうして、あぁも挑戦的なのかも解らない。100日チャレンジは、全員で協力しなくてはいけないのだ。毎晩7時にそろっていただきます、以上に20分で晩御飯までチャレンジに加える意味はない。
100万・・・!
慎吾は空を仰いだ。そりゃあ長者番付アイドル部門ワンツーフィニッシュの兄さんたちには関係ないかもしれないけれど、100万だよ、100万・・・!
森「ね、ねぇ、中居ちゃん・・・」
中「あ?」
森「お皿の用意くらい・・・」
中「御飯ってのは、皿に盛らなきゃ食えねぇだろが!」
がばっ!と中居は仁王立ちになった。
中「まさかおまえ!俺たちに鍋のまま食えなんて言わねぇだろうな!」
木「おまえらを動物だとは思ってねぇよ!」
剛「なんで・・・?」
絶望的な気持ちで4人は言い争う二人を交互に見つめていた。

18:58

木「できたぁ!」
森「うそぉ!」
吾「はっやー・・・!」
木「どけっ!」
中「何ぃ!?」
こたつの上には、中居の広げたスポーツ新聞が敷き詰められていた。
木「とっととどかせろ!」
剛「はいっ!」
中居以外の全員がスポーツ新聞を引き落とし、木村は大きなプレートをまず二つテーブルにおいた。
吾「なるほど!」
ディナープレートだった。一つのプレートに、サラダ、混ぜご飯、鶏の竜田揚げなどが綺麗に盛り付けられている。
木「ほらっ」
プレートを4つ同時に運び、びしっ!びしっ!と箸を湯のみを全員の前に置き、後ろからお茶も注いでいく。

19:00

「「「「「「いただきまぁーーす!」」」」」」

慎「すごー!木村くん、すごいね!」
木「ふふん。普通だっての」
木村は得意満面だった。料理は綺麗で、美味しい。下4人も満足だった。
が。

中「ち、・・・っきしょぅ・・・!」
慎「畜生ってなに?どゆこと?もう100万なんかどうでもよかったってこと!?」
森「えー!なんでだよー!中居ちゃーん!」
中「だって・・・っ!だって・・・!高橋のバットがぁ!!!」

6時ごろ、木村と中居は二人でうちにいた。そこで、木村が試しに買ってみた20分で晩御飯を元に、そんなことはできない、できるで言い争いになれ、できなかったらあの高橋のバットをよこせ!!という話になったのだった。
剛「何考えてんだよ!」
慎「高橋のバットのために100万棒に振ろうとしてたの!?」
中「バカヤロ!高橋のバットと100万だぞ!?それに江川のボールもつけてだぞ!?」
森「もー・・・、中居ちゃん、バカなんだからー・・・」
吾「じゃあ、できたらどうなるの?」
木「え?」
吾「だって、木村くん、20分で晩御飯つくったんじゃん。出来たときは?」

木「・・・・」
このあたりが木村のいいところであり、抜けてるところ。自分はできて当たり前と思っていたのに、じゃあ、できたら何をよこせ、と言う方向に話は向かわない。
木「そーだなー・・・」
中「解った」
ぺしっ!こたつの箸を置き、中居は正座しなおした。
きゅっ!と木村の方に向き直り、ずずい、と迫ってくる。
中「江川と、高橋の分の」
木「何?」
中「ちゅーーーー!!!してやるぅーーー!!」
木「やーめーろーーー!!!」
剛「あーーー!!中居くーーーーん!!!」
森「やめてあげてーーーー!!!」
木村の頬をがしっ!と両手で挟み、ぐぐぐぐ・・・!と顔を寄せてくる中居。その中居の額に手を置き、向こうへ押しやろうとしている木村。
吾「タコじゃないんだからやめなよー!!」
慎「何、その足ー!絡めるのやめなよー!中居くーーん!!」

果たして木村の貞操は守られるのか!!どうなる100日チャレンジ(笑)!!

(原案 by彼方様。原案とは随分ずれてしまいました・・・(笑)すみませーん(笑))


88日目

ある日のスマスマ収録スタジオにTOKIOのリーダー城島茂がビストロのオーナーの衣装をまといセットの中にいた。
リーダー城島はひっそりと怒っていたのだ。
夜7時に全員そろっていただきます言えたら100万円?
100万円!?
長者番付アイドル部門でワン・ツーを決めた二人がいるグループが100万円!?

潰してしまえ・・・!
同じお小遣いタレント、お小遣いリーダー
小ネタの部屋参照)としていてがんばってきたはずなのに!中居のウソつき!
リーダーは軽く錯乱していた。

剛「あれ??中居くん、今日早いじゃん」
吾「あ、ホントだ」
シェフ姿の二人は、自分たちに背中を向けている姿勢の悪い男がリーダー城島とは思わず、打ち合わせのためキッチンに入る。
慎「今日のメニューってなぁんだっけぇ〜っっ♪」
眠さをテンションでごまかそうとしている慎吾もスルー。
しかし。
木「・・・待てよ。こいつ、中居じゃねぇよ」
吾・剛・慎「!!!!!!!!!!!!!!!」

茂「はーはーはーはーはーー!!!気ーづーいーたーかぁーーー!!!」
慎「はっ!!しっ、茂くん!」
茂「おまえらのリーダーは預かったでぇ!!返して欲しかったら、今日1日、俺をSMAPのリーダーにせぇ!!」
木「アホか!」
仁王立ちで高らかに笑うリーダー城島の頭を、木村はコック帽で思いっきり殴った。
茂「あうっ!危ないなぁ!喋ってる時にそんなことしたら、舌噛むやろ!」
木「おい」
そのリーダー城島のあごをがしっとつかみ、木村は言った。
木「中居の居場所をうたう気がねぇんだったら、そんな舌、引っこ抜いてやってもいいんだぜ・・・?」
あまった手を後ろに出すと、吾郎がにっこりとやっとこを出している。
茂「ど!どこにそんなものが!!」
木「料理は闘い!そしてこのキッチンは戦場!こんな場所によくも丸腰で入ってこれたなぁ・・・」
ふふふ・・・!
剛「す、素敵だ・・・!」
そんな不敵な笑みに、ぽぉっとなってしまう剛だった。

自分のあごをつかみ睨みつける木村。にこにこと楽しそうにやっとこをがっしゃーん、がっしゃーんと開いたり閉じたりしながら近づく吾郎。ぽぉーっとしている剛。なんだか解らないけど騒ぎまくっている慎吾。
い、一体どうすれば・・・・・・!

長「まったぁーーーー!!!!」
茂「長瀬!」
松「リーダぁー!!」
茂「松岡!!」
国「リーダーを返してくれぇーーー!!」
茂「太一ぃーーーー!!!!」

山「返せもなにも、自分で来てんじゃん」
茂「山口!おまえはなんでそんなに冷たいんや!」

木村の手から離れ、怒鳴ろうとした時だった。
ちょうど移動した場所に、吾郎のやっとこがあり、リーダー城島、自ら、こめかみを持っていってしまい。
茂「きゅう」
長「あーーーー!!!りーだーぁーーーーー!!!」
太「リーダー!しっかりぃーー!!」
くにゃくにゃっ、と崩れ落ちたリーダー城島の体にすがりつくTOKIO一同(除く山口)。
松「ひどい・・・!ひどいじゃん!そりゃリーダーはやることがセコいよ!卑怯なこともするしおやじだよ!だからって殴ることねぇじゃん!!」
山「いや、リーダーが自分で持ってったんだから・・・」
長「ひどいよっ!ひどいよ、山口くんっ!」
きっ!って睨まれても・・・。
いや、自分は関係ないんです・・・という目で、山口は木村を見た。すると、木村の表情が変わる。
怒りのあまり無表情になっていた顔が、途端に慌てたものになる。
木「城島!」
山口は思った。
なんだかんだ言っても友達思いなんだ・・・!リーダー!心配してもらってるよ!よかったね!リーダー!
木「中居どこ隠した!うちの中居!」
きゅう、と意識を失っているリーダー城島の肩を掴み、脳みそ攪拌する勢いで前後にがくがくと振りまわす。
木村・・・。そしてリーダー・・・。山口は、ほっそりとはしていない指先で、そっと涙をぬぐった。
太「やめてくれーー!!リーダーがアホになるぅーー!!」
吾「もうこれだけのことやってたらもう十分って気もするけど・・・」

森「もしもしぃ〜・・・・・・・・・?」
こそーっとドアを開け、森が顔を出した。スマスマの日は、スマスマのスタジオで。どっからどうともしらない方式で、森は毎回スタジオにしのんできている。
山「あれ!森じゃん!」
森「ア!山口くんかぁ!誰かと思ったぁ!」
失礼なことを笑顔で言う森に悪気は一切ない。
森「なんか人多いしさぁ、俺入っていいのかどうか考えちゃったよぉ」
慎「大丈夫大丈夫!TOKIOだもん!」
森「ほんと、久しぶりー!懐かしいねーー。じゃあ、今日はTOKIOも一緒かぁ」
剛「何が?」
森「え?ご飯・・・。だって、時間・・・」

18:30

慎「やばーーい!!木村くんっ!やばいよっ!!」
木「城島っ!吐け!吐けてばっ!この野郎!!」
長「辞めてあげてーーー!リーダーが壊れるぅーー!!」
がっくんがっくんされながら、リーダー城島は、かすかな意識の中で思っていた。そう・・・。中居は・・・。今・・・。
城「ほれー・・・」
木「ほれ?」
吾「あ・・・っ!も、もしかして・・・!」
木「なんだよ!吾郎!」
吾「関西では、捨てることを『ほる』って言うんだ・・・!『ほれ』は、捨てろってことじゃあ・・・!」
木「中居を捨てるってどゆことだぁーー!!こらぁ!!!」
TOKIOのメンバーでなくても、そろそろリーダー城島の首が人形みたいにふっとぶな、と思い始めた時、はっ!と国分太一が顔を上げた。
太「ほれ・・・じゃなくて・・・、保冷!?」
剛「保冷?」
太「保冷車だ!!」

そや・・・、太一・・・・・・・・。
微かな意識の中、リーダー城島は思っていた。俺といえば保冷車やがな・・・!

この日、SMAPはビストロだったが、TOKIOは鉄腕DASHで、リーダーを使っての実験ロケがあった。
リーダーと言えば、保冷車。
中居はそこにいるはずだ!!SMAP&TOKIO一同はロケ現場に走った。

18:57

木「中居っ!!」
中「おっせーよ!おめぇら!!」
保冷車のドアを開けると、その中は白い煙に包まれていた。
そして、中居は。
七輪を前に、一人、焼肉をしていた。
中「あんまりおっせーから、一人焼肉しちゃったじゃねぇかよ!いそげよ!あ!TOKIOじゃん!おまえらも!ほら、いそげいそげ!箸持て!!」

19:00

「「「「「「「「「「いただきまーす!!」」」」」」」」」」

木「なんで保冷車で焼肉・・・?」
中「城島が、ここで焼肉やるから来たらええやんってゆってたぞ。他のメンバーにも連絡してやるからって」
山「今日・・・鉄腕脱臭なんだよね・・・」
吾「脱臭?」
山「焼肉を食べた後の口臭をいかにしたら消せるかって実験」
中「あ?何それ。俺そんな実験しねーぞ?」
山「そりゃ、そんなのリーダーに・・・。リーダー?長瀬、リーダーは?」
長「え?松岡くんが連れてきて・・・」
松「しらねぇーよぉー」
太「・・・置いてきた?」

冷たい床の上に放置されたリーダーは、夢の中で中居に語っていた。
中居、安心せぇ。今日の仕事は焼肉を食べるや!寒さに震えた後、金粉湯にクレーンで吊り下げられる(冷えた体を温めるには何がいいかの実験)とかそんなんちゃうからなー!たらふく食えよーー!!

・・・ゆーてもあいつ。ワンツーフィニッシュやんか。金粉まぶしの焼肉でも食えるわな!!
くやちーーー!!!
夢の中でも、リーダーの錯乱は止まらないようだった。

(byユエ様&元木。どうもありがとうございましたー!!なんかこんな感じになっちゃいました・・・(笑)ど、どぉかなぁ・・・・・??)


89日目

「よし、出来た……」
 木村は額にうっすらとにじんだ汗をぬぐった。その顔には何かをやり遂げたときの満足げな笑みが浮かんでいる。
 時刻はただいま午後5時30分。今日まで80日以上もメンバー全員で午後7時にいただきますをするということを続けてきたが、残り時間も少なくなってきた今、木村にはどうしてもやりたいことがあったのだ。
(今日こそ中居にナスを食わせてやるぜ!)
 思えば今まで数々の苦難と試練と失敗を乗り越え、研究に研究を重ねて、そしてやっと今日がやってきた。他のメンバーは仕事で7時ギリギリにしか帰ってこない。計画を実施するにはまさに今日!空も明るく晴れて、まるで木村を祝福しているかのようだ。
(いける!今日はいける!)
 お玉を持ったまま眼をうるうるさせて空を見上げている木村は、ボニが、どうしよう今日のパパったらちょっとヘンかもねえねえボニどうしたら良い?と軽いパニックに陥っていることなど、まるで気づいてはいなかった。

「ただいまー」
「あ、おかえりー」
 木村に満面の笑みで出迎えられ、慎吾は一瞬固まってしまう。
「ねえ、ごろちゃーん。木村くんどうしちゃったの?」
「さあ。俺が帰ってきたらもうあの調子だったからね」
 そう言って吾郎は肩をすくめて、読みかけの本に目を落とした。
 ごろちゃん、流石だよ。木村くんがいつもとは違う木村くんになっちゃってても全然動じないなんて!と慎吾が感動したかどうかは定かではないが、吾郎はそれっきり自分の世界に入り込んでしまい、慎吾は仕方なく台所へと向かった。
「ねえ、木村く……」
「うわ!慎吾お前はいって来んなよ!」
 まだ台所には一歩も足を踏み入れていないというのにひどい言われようだ。しかし慎吾はそんなことは全く意に介さず、しかもその一瞬でテーブルの上に視線を走らせる。
「すっげー、木村くん。どうしたの、今日は。何かあったっけ?」
 目をキラキラ輝かせる慎吾を、木村は嫌そうな顔で見返した。
「んだよ。入って来んなって言っただろうがよ」
 木村の剣幕に怯えながらも慎吾が、えーでもー、などと言い返そうとしたとき、玄関のドアが開く音がした。
「ただいまー」
 聞こえてきたのはまるで地を這うような低い声だったが、木村はその瞬間慎吾のことは忘れてしまったかのようにいそいそと玄関へと出て行った。
「お帰り。ほら、もうすぐ時間だからさ、手洗って来いよ」
 お前は中居の付き人か!とでも言いたくなるようなタイミングで中居から荷物を受け取ると、木村はかいがいしく中居の世話を焼きはじめる。うざってーんだよ、などと睨みつけられても全く気にしていないその様に、剛に至っては涙を禁じえなかった。

「「「「「「いただきまーす」」」」」」

「すっげー木村、今日まるでビストロみたいじゃん」
 テーブルの上を見ると同時にすっかり上機嫌になった中居は、まるでリスのように口の中に食べ物を詰め込み、それを木村が母親のように心配そうに見守るという構図に、取り残されてしまった4人は見て見ぬ振りで他愛もないおしゃべりを繰り広げる。
「あ」
 突然吾郎が声をあげ、次いでしまった、というふうに口を押さえた。一瞬木村と目線を交わすと、木村はにっこりと微笑んで大きく頷く。
「ねえ、木村くん、これさあ……」
「そう。まだ内緒な」
「え?なになに?」
「何?木村くん」
「後で教えるから待ってろって」
「えー?ごろちゃんだけわかってるってずるいじゃん、俺たちにも教えてよー」
 ずるいよずるいよー、と大合唱が始まりかけたとき、今度は妙に冷静な吾郎の声が割って入った。
「中居くん、どうしたの?」
 振り向いた先には、真っ青な顔をして口を押さえた中居がいた。
「なんか、気持ち悪い……」
 口を押さえてよろよろとした足取りで部屋を出て行った中居を、5人は呆然と見送った。
「中居くん、熱あったっけ?」
「ううん。今日は大丈夫。胃も最近、痛いなんていわないし」
「仕事が忙しくて睡眠時間は少ないみたいだけど」
「でも精神的には安定してるみたいだよねえ」
「……木村くん、この料理さあ……」
 吾郎の言葉に木村ははっと中居の前に置いてあったココット型を見る。
「まさか。嘘だろ?今度こそ!って思ってあんなにあんなにあんなにあんなに考えたのに!」

 今回の勝負、うっちゃりで木村拓哉の負け。通算0勝3敗。ココット型の中身は、ナスのムースであった。果たして後10日ほどの間に木村は中居にナスを食べさせることができるのだろうか。 
 頑張れ木村!負けるな木村!
 神様はいつかどこかで君を見てくれているかもしれない。


90日目

「あれ?木村、お前こんなとこで何しとるん?」
「あ、松本さん、おはようございます。いや、ご飯食べようと思って」
「はあ?メシ?」
「ええ。松本さん、今まで知りませんでした?俺たち今、メンバー全員で午後7時にいただきますってのやってるんですよ」
 知らんがな!そんなものは一切合財全然さっぱり。
 と松本人志は頭を抱えた。今をときめくSMAPのリーダー、中居正広とドラマをやり始めてもうかなりの日数がすぎているというのに、今までそんなことは全く知らなかったのだ。午後7時といえばこの業界ではみんな結構いい感じになってきて、特にこのドラマはとことんまで話をしてその上で撮影しているから、当然二人のシーンが多い中居とはずーっと顔を突き合わせているわけで、それなのにどうして。
 しかしそんなふうにぐるぐると回っている松本の頭の中などまーったく無視して、木村はテキパキと控え室のテーブルの上を整え始める。ふと気づくと、中居以外のメンバーが勢ぞろいして、ここはまるでスマスマの撮影現場か!とでも言うような様相を呈していた。
「ちょっと待てー!」
 松本の声で、その場にいた5人の動きがぴたっと止まる。
「どうしたんですか?」
「いや、ちょっと待てってお前ら。なんや、それってもしかしてずーっと毎日一緒にみんなでメシ食いよるんか?」
「そうですよ」
「そうですよってお前……。まさかお前ら全員が本当にそうやりたくてやっとるって言うんか?」
「はい」
 と5人揃ってこっくりと頷く。
「そりゃー、おかしいやないか」
 なんとなく挙動不審な態度で松本は目をきょときょとと動かしながらぶつぶつと呟き始めた。
「大体お前らみたいな忙しい奴らが毎日毎日全員揃って午後7時にいただきますするなんて、どだい無理な話しちゃうか?お前らはピンでも仕事しよるし、その仕事で舞台とかドラマとか映画とかバイクとか、いろんなところに遠征とかもしよるやろ。そんな状況で一体何日?」
「100日」
「ああ、そうそう、100日、そんな長い期間みんなが本気でずっとやりたがっとるなんて、そんなことはありえんやろ。そうやないか?みんな本当は心のどこかでもういやや!こんなのめんどくさい、何で俺はこんなことやってんねんとか思ってるんやないか?それはもう自発的にやっとるっていうのと違うで。それはメシ食いではなくてメシ食わせられ……」
「何を言ってるんですか南波先生」
「おおっ!風間先生!」
 松本の背後からとっても冷たい声と口調で、中居が切って捨てる。しかしその顔には必死に押さえようとして押さえきれていない笑みが浮かんでいた。
「ほら、木村たちもなにやってんだよ。もうすぐ7時になるっつーの」

「「「「「「「いただきまーす」」」」」」

 今日の夕食は南波先生と風間先生を囲む会となった。
 そしてその会の中には、今まで放送された伝説の教師の筋を全て細かく言える、伝説を持つ男が一人いたという話は、本当かどうか定かではない。

(89日、90日ともbyひろひろ様!いつもありがとうございますぅ〜!後10日〜・・・!がんばれー!SMAP〜(笑)!)


<ぼしゅーちゅー!!>

SMAP100日チャレンジの、ある1日を書いてくれる人、ぼしゅーちゅぅーーー!!こんな1日はどう?というネタだけでも嬉しいの!書き方は自由なので、どんどん書いて、100日チャレンジぼしゅーちゅぅー!!係までお送りくださーい。特別に、何日目かがいいっ!って人は、それも書いてやってくらさいね!集まったら、どんどん発表していくじょ!
不明点がくさるほどあると思うので、お問い合わせくださーい!

 

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