婚カツ!

OL進化論24巻より (秋月りす著)
●結婚の理由
1コマ目:母「あんたもいいトシなんだから結婚のこと考えないと」娘「やだ古くさい。今どきそんなこと言うなんて。ほっといてよ」
2コマ目:母「仕事や趣味や恋愛に夢中になれる人はそれだけでもいいの。でもあんたは違うでしょ」
3コマ目:母「一人でいると退屈するよ。凡人が退屈するとろくなことないんだ。ひまつぶしに結婚しなさい」きっぱり。
4コマ目:友達「うーん。ハラ割ったねぇあんたのお母さん。それ、世間の本音だ」娘「でしょ。なんか言い返せなかった」

09/05/11 『女からの愛の告白』

<ゴルフ合コン、にいないゆっきー>
少子化対策課の婚活事業として行われたゴルフ合コン。
匠は、結婚の前はよくやってましたけどね、と遠い目をするばかりのゴルフ合コン。
今回は参加させれていた春乃と茂だけども、ゆっきーがいない。

<ゆっきー、休日出勤です>
なぜってゆっきーは休日出勤だから。
朝から静かにとんかつあげてる邦夫ちゃん。でかけようとしてたゆっきーは、その匂いにうっ!と。
ゆっきー「よく朝っぱらからトンカツ作れるよね」
邦夫「自分で味見ないで人様に出せるか。俺はお前と違って真っ当な仕事してるんだよ」
ゆっきー「はぁ?」
邦夫「自分の婚活もハンパなヤツが、人様の婚活なんてさ。いつまでウソついてるつもりだよ!」
ゆっきー「ちゃんと結婚相手みつけるって」
邦夫「母さんに泣いて約束したよね。二度とウソをつきませんって」
ゆっきー「は?」
邦夫「学校の教材がいるからって母さんに金もらって、野球カード箱買いした」
ゆっきー「なんだよ、そんな昔のこと」
邦夫「人間何十年たったって忘れちゃいけないことあんだよ!」
ゆっきー「だから俺は!」
邦夫「はぁ!?」
ゆっきー「・・・いってきます」

<茂が×をつけられてる頃のゆっきー>
頼まれてきてるなから、せめて参加料は半額の5000円くらいにならないのかなって!と騒ぐ茂が婚活女王から×をつけられている頃。
匠が、春乃にばんそうこうチェックをいれられている頃。
ゆっきーは厳正なる審査の結果の休日出勤をしてました。すなわちあみだです。
ゆっきー「いらっしゃいませ!こちらのカードの方にご記入お願いできますか?」
満面も笑顔で語りかける相手は、はるみちゃん。
ばん!(←ノンスタイル石田風にデスクたたき)
ゆっきー「はー・・・、来ないよな〜、やっぱ休日は誰も来ないよな〜」
そりゃあ、お休みの日に区役所に婚活相談にくるほど切羽詰ってる方、あまりおりますまい。
やっとおばちゃんがやってきたけど、桜田さん目当て。
まったく仕事にならないゆっきーです。

<ゴルフ場でのあれこれ>
茂は、ゴルフの紙様からのプレゼントとして、春乃にエンゲージリングを渡す計画。当然、受けてもらえるはず!
また、春乃は、婚活女王から45点という採点をくらってました。
なぜスカートじゃないのか。緑は芝をバックにしたらまったく映えない。
ゴルフ合コンはキングオブ合コン。パートナー選びの大切な要素がびっちりつまってます。3パターン用意してあるウェアから、春乃にも貸してあげる婚活女王。
優「ゴルフはね、自分との闘いなの。すべてのプレイは自分次第。だから一緒にやるとその人の性格、価値観、すべて解るのよ」
合コンであるにも関わらず、ついいつもの調子でムキになってしまったりする人だと、どんだけ制御きかんんえ、というような気もしますね。特に男性の振る舞いに注目が集まるというイメージであります。
女子にとっては、料理合コンのハードルが高いように、自信のない男子にとってはハードル高そうなゴルフ合コン。
そんなゴルフ合コンについてまわるキャディーさんの匠たち。大変素敵です。びっくりするほど素敵です(笑)
参加者の中に、大治郎(山口馬木也)様が♪またやってくれないかなー、剣客商売♪

<ゆっきー、ヒマヒマ>
ヒマの余り、婚活サイトをチェック。ほぼ出会い系じゃねぇか?と思いますが、条件の年収は600万以上。
ゆっきー「そりゃダメだよ〜」
まったく仕事する気のないゆっきーの後ろからそろーっとやってくる区長。
区長「お疲れ様」
ゆっきー「あぁっ!!区長!」
区長「せっかく開けてるのに相談者はなし?」
ゆっきー「さっきまでいたんですけど」
区長「そ!待ってればまた来るわね」
ゆっきー「いや、あの」
ゆっきーがあわあわして間にカメラのセッティングがされ、深夜に見たドキュメントに影響された区長が、自分でも相談を受けると言い出し。
しかし、30分たっても誰もこない。
朝から何時間も誰も来てないですから。現場まで1人はきましたけど。
これはいかん、と、匠に電話。
ゆっきー「区長が窓口に座って30分、だーれもこない・・・」
匠『わーまずいよそれー。じゃ、誰か知り合い呼ぶとか』
ゆっきー「おれの知り合い、みなそっち行ってるし!」
匠『あ、そっかー。じゃどーしたらいいのかなぁ。あ!ごめん!俺忘れ物取りに来たところだったんだ!そっちはそっちで区長の機嫌損ねないようにうまくやってよ。ね』
ゆっきー「あーー・・・なんとかって言ったってさー」
増「うんっ」
ゆっきー「はっ!」
増「区長は一度決めたらどこまでも待つ人だ。どうするつもりなのかね。最悪サクラでもいいから・・・!」
ゆっきー「桜、はい・・・」
続いて春乃に電話しようとしてますが、春乃は、ゴルフ合コンとは、というレクチャーを受け続けてるところ。
自分よりプレイが下手なのを見て、優越間に浸るのか、アドバイスするのか。わざと男性よりドライバーを飛ばした時、余裕で拍手を送れるのか、機嫌悪くなるのか。
優「いい春乃ちゃん。ちょっとしたところに本性が現れるの」
そんな大事なところにゆっきーから電話。
春『もしもし、邦ー?なんで呼んだ邦が来ないのよ』
ゆっきー『仕事だからしょうがないだろ。それより春乃さ、友達で区役所来れるヤツいないかな」
春『え?どゆこと?』
ゆっきー「区長が、ぶつ」
つーつー。
ゆっきー「もしもし?」
その電話は優子によって切られてました。
優「ゴルコンに集中しましょ」
春「すいません」
ゆっきー「やっべ、怒ってんのかなー」
次は茂。
茂が今まさに打とうとしてたところで電話。
茂『はい!』
ゆっきー「悪い茂、今大丈夫かな!」
茂『大丈夫じゃない!』
ゆっきー「困っててさぁ、今からおまえの友達」
茂『邦之くん!俺は今超急いでんの!愛のために!ごめん!』
ぶつ!
ゆっきー「なんだ愛のためにって・・・」
さらに周五郎さんにも電話。まぁ、茂の隣にいる訳ですが。
桜『雨宮くん、だから。ごめんなさい。また後で』
あぁ、もう4人に断られた・・・ってゆっきーにむかって投げられるゴルフボール。
上司から睨まれ、次の電話。
ゆっきー「真琴、今大丈夫かな?」
真『大丈夫じゃない、出ちゃったけど』
こちら、座禅合コン中。
座禅合コン・・・!なんか欲望がなくなってしまいそうな。いや、成功すれば、欲望がなくなるはずの。
しかし、お友達から始めるにはよさそうな合コンかもしれません。これまで婚カツ!で紹介された合コンの中で、一番参加してみたいかも!
ゆっきー「例えばその人たちを区役所に連れて来れないかな」
真『どゆこと』
ゆっきー「今うちの窓口に来てくれる人探してるんだけど」
真『それは無理でしょ。お客さんたち巻きこめないよ』
ゆっきー「そうだよね」
真『私にできることだったら協力するけど。今は無理。じゃね』
電話を切った真琴は、まんまと叩かれてしまうことに。
続いての電話相手は、弟。
ゆっきー「なぁ、おまえ頼むよ〜おまえしか頼る人いないんだよー」
弟『せっかくの休みになんでそんなとこいかなきゃいけないんだよ』
ゆっきー「そこをなんとかさー、区長とちょこっと話してくれればいんだよ」
弟『区長ー?』
ゆっきー「ほんと頼むよ!友達一杯るだろ?お客さんでもいいしさ」
弟『飯だから、じゃあね』
区長はいらいらするし、動いてる最中にぶつかって音たてて注目されるし、もう、ゆっきーは電話をし続けるしか!

<ようやく弟がやってきてくれてほっとするゆっきー>
もーーこれはいかん!謝ろう!
ゆっきー「区長」
区長「お昼なら後でいいわよ」
ゆっきー「でも、誰も来ない可能性も」
睨まれるゆっきー。
ゆっきー「は、はい・・・」
そこに、こそっと弟が登場。しかし、まさか婚活の相談とは思ってなかった弟。
自分の兄が何の仕事か知ってれば解りそうなもんですけども。でも、ともかく若すぎる友達が登場。
ちゃす!って言葉にちゃーーす・・・って応えてるゆっきーの、ちゃーすは、ちゃーす。ちゃっちゃちゃーすのザ・パンチみたいでした。
ゆっきー「婚活って感じじゃないだろ」
弟「しょうがないじゃん!だって兄貴が言わないから!」
区長「弟さんなの?」
弟「いつも兄がお世話になっております」
ゆっきー「弟のお友達」
区長「どうぞこちらが婚活窓口よ」
こうして、ようやく区長の窓口リポートをが始まるはずだったのに、個人情報的なものはパスしたいだのなんだの。
ようやく1人書いてくれる子がいて、その子に集中するぞ!なゆっきーでした。

<その頃の婚活女王>
残念ながら道具のせいにする、キャディーさんを名前で呼ばないなどの×が増えてしまい、大治郎様は失格となってました。
残念・・・!

<その頃の婚活関係ない男子>
友達ズ「だって結婚ってなんかめんどくさーっていうか。女子の勢いに引いちゃったり。結婚したら子供はー、とか言われてもさ。貯金とかないし」
区長「やっぱり経済的な問題は大きいわね。で、あなたは、どんな女性がお好み?」
友達ズ「あの。結婚ってしなきゃいけないもんなんですかね?」
区長「え?」
友達ズ「ていうか、必要感じないじゃないですか。実家暮らしなんで、住むとことか食べることとか困らないし。ゲーム好きなんですけど、そういう時間大事にしたいんで」
区長「それだったら同じ趣味の女性をさがせばいんじゃない?」
友達ズ「自分のペース壊されたくないしっていうか。だって無理でしょ、結婚したらきっと。だったら今のまま仕事して、ゲームやって、たまに男友達と気楽にまったり飲んだりしてる方が自分らしくいられるってうか」
区長「でもそれは」
ゆっきー「そうだよなー」
思わずしみじみ口にしてしまうゆっきー。区長に睨まれてしまうが。
ゆっきー「あ、いや俺もさ、結構自由に自分らしくやってきたんだけど、それってすごくやっぱ楽なんだよな」
友達ズ「いいじゃないすかそれで」
ゆっきー「いや、いんだけど、それって、自分の部屋の中でうろうろしてるだけなんじゃないかって」
友達ズ「でも、今はそれでいいっていうか。外に出るのも」
ゆっきー「まぁな。いや確かにそっから外に出るとさ、知らない人から訳の解らないこと言われたりして(杏奈が思い出される)いやーでもね、なんだろな。外に出るの、悪いことばかりじゃないと思うの(カップルをつれて走ってきてくれた周五郎さんが思い出される)。例えばさ、みな友達でしょ」
友達ズ「美容学校の同期だけど」
ゆっきー「友達がいてよかったでしょ?」
友達ズ「まぁ・・・」
ゆっきー「ほらそこ!そこに、最高の出会いがあったってことだよね。だから外に出るっていうのは、結構面白いんじゃないかって」
友達ズ「俺たちはたまたま」
ゆっきー「そう!たまたま!たまたまなんだよ!それが(邦夫ちゃんの奇跡話が思い出される)それが奇跡なんだよ!その奇跡の出会いが、男と女の間にも起こる可能性があるんじゃないのかなって」
手がぐーってなってるのが可愛いですわー、ゆっきー。
区長「それが結婚ね」
友達ズ「そんなの誰にでも」
ゆっきー「起こるか起こらないか解らない。だから面白いんじゃないか。ゲームだってさ、自分で最後決める訳にいかないし、エンディング解ってたら最初からやらないでしょ。それってさ、第一歩を踏み出す勇気が必要なんじゃないかと思うんだよね。一歩目があるから2歩目があってその間にいい出会いがあったり、やな出合いがあったりして、揉まれて、なんかこう人って成長できるんじゃないのかなって」
そんなゆっきー見てる一同。見られて、はっ!となるゆっきー。
ゆっきー「・・・言える立場じゃないっていうか」
そこでカット。なんか、いいことゆった!みたいないい雰囲気になりました。
よかったよかった。

<その頃のゴルフ場>
危うくボールが当たりそうになりぶち切れる婚活女王。このちょいちょいぶち切れるところが、彼女の婚活を阻害しているのかもしれません。
しかし、そこで助けに現れたのが勝。
センスよし、キャディさんを名前で呼ぶ、物腰柔らか。外も中も完璧・・・!新たなターゲットにロックオン!

<どんどん墓穴を掘っていくゆっきー>
区長「いんじゃない、春見区の婚活事業。出会いのみならず、現代の草食系男子を鼓舞し新たな人生へと導く。さすが結婚の茨の道をくぐりぬけてきた雨宮くんだわ」
ゆっきー「いやそんな」
区長「だって、結婚が奇跡って言えるなんて素敵よねぇ」
ゆっきー「奇跡というのは、うちの父親からの受け売りというか」
区長「お父様の?素敵なお父様なのね!」
ゆっきー「全然そんなことは」
弟「ただのしがないトンカツ屋です」
区長「私トンカツ大好きなの!」
そしてそれはさくら地蔵商店街であることを口走ってしまう弟。
この後の予定が、19時半からママさんコーラスの鑑賞があるだけなので食べにいきましょう!って区長。
ゆっきー「どちらのとんかつやさんに」
区長「おたくに決まってるじゃないの。結婚式の主賓としては早く親御さんに挨拶しなくっちゃ」
ゆっきー「ちょっちょ、今日はだめですね」
区長「なんで?」
ゆっきー「僕、窓口が終わった後、残業が残っておりまして、ご案内するのが遅くなりますので今日は無理です」
区長「じゃ弟さんに」
弟「いや僕もこの後予定がありまして」
区長「じゃ私たちだけで行きましょう」
あぁ!どうして今日は定休日っていえなかったのゆっきー!
ゆっきー「ちょっと待って下さい。弟がご案内したいって、言ってる・・・」
何が!?って弟に、時間を稼げ!と指示するゆっきーでした。

<ゴルフ合コン終了>
カップルはできなかったゴルフ合コン。
疲れたわーって匠のところに勝が。大事なお客さんからのお土産の博多人形、的なものを押し付けられる匠。
匠は、人によって態度をきちっと切り替える男です。
しかし優子は、匠の知り合いか!情報出せ!と詰め寄る。
どうなる、優子と勝!

<ゆっきー急ぐ>
区長が帰ったところで、ゆっきーも急いでおうちへ。
そこへようやくやってくる、山田優の残念な弟。
ゆっきー「なんだおまえおっせーよ!」
残念な弟「ごめんなさい!ちゃりで一生懸命来たんですよ!」
ゆっきー「ちゃりできたの!?」
そのちゃりで急ぐゆっきー。
次の手も打ちます。真琴にお願いごと。私にできることならって言ってくれたよね!協力して!
そこで約束を取り付けられて、後はとんくにに急ぐばかり。
でも、春乃から電話。
ゆっきー「どした?」
春「どしたってなによ!昼間の電話」
ゆっきー「あれは解決したんだけど、今もっとやばい状態でさ、区長がトンカツ食べに来るって、説明してるヒマがないんだよね」
春「ちょ、なによそれ!」
ゆっきー「大丈夫、真琴に頼んだから。急いでるから悪いね、はい!」
それを聞いて切れる春乃。
春「なんで真琴さんなのよ!もう帰る!」
茂とご飯食べる予定はあっさり廃棄でした。
<さらに急ぐゆっきー>
ゆっきー「やーばいやばい!」
商店街で自転車とめて、とんくにに急いで飛び込むゆっきー。
邦夫「いらっしゃい!なんだおまえか」
店はがらーん。
ゆっきー「はーはーはー!間に合ったーー!おやじさ、頼みがあるんだけど」
邦夫「なんだ」
ゆっきー「ちょっと、あの・・・」
邦夫「なんだよ」
どう説明すればいいのやらと思ってるところで、区長が来てしまった。説明する時間なし。
邦夫「え!なんで区長さんがうちに」
区長「やっぱり。あなたの方が早かった。弟さん、道にお詳しくないみたいで」
邦夫「邦之おまえ」
区長「お父様でいらっしゃいますね。この度はご子息の結婚おめでとうございます。私、スピーチをさせていただくことになりましたのどうぞよろしくお願いいたします♪」
邦夫「区長さん、そのことなんですが」
ゆっきー「区長ががですね、トンカツが大好きとおっしゃってまして。まずは、とんかつですよね。仕事もあることですし。ひれでよろしいですか?」
区長「それでお願いします」
ものすごい目で邦夫ちゃんを見つめるゆっきー。邦夫ちゃんも黙ってトンカツ揚げに行くしかないですよ。そんな目で見られたら。
邦夫「・・・かしこまりました」
区長「ちょっと待って!」
きたーー!ってゆっきー。
区長「やっぱり・・・ロースでお願いします」
ゆっきー「(ほっ)どうぞこちらにどうぞ!」
席を勧めた後は、邦夫ちゃんのところによっていくゆっきー。
ゆっきー「ごめん。おやじごめん・・・」
って小声で言ってるのが可愛いーー!
邦夫「仕事の邪魔すんな。あっち行ってろ」
でも、ゆっきー心配です。

<ロースカツ定食3つ完成>
なおも心配そうなゆっきー。
区長「美味しい!お嫁さんになる方が羨ましいわ〜、こんな美味しいもの毎日いただけるなんてー」
お互い気になるゆっきーと邦夫ちゃん。
区長「お嫁さんになる方はトンカツ好きなの?」
邦夫「区長さん」
区長「はい?」
ゆっきーを見る邦夫。ゆっきー、ぎゅーーーっと目を閉じるばかり。
邦夫「あの。この肉は、餌に、花の種しか与えてないひまわりポークってやつでして。品質だけじゃなく、味にも自信がらいまして、甘みと食感の中に蕩けるような舌触りが特徴でして」
区長「なるほどねー。確かにホントに甘くて美味しいわー。で、ご結婚後はこちらに同居されるんですか?」
邦夫「そして常にとんかつと同居しているキャベツにもこだわりがありまして。無農薬で栽培された」
そうして、次々説明していく邦夫ちゃん。ゴルフ場からいっそいで帰ってきた春乃が、こそっと扉を開けたところで、パン粉の話にまで進んでました。
春「どういうことー???」
邦夫「以上がパン粉の説明でして、後、ソース」
区長「ソースがまたとても美味しいのよねー」
邦夫「ありがとうございます。これ、死んだ女房と何度も試行錯誤してやっと完成したものなんです」
区長「奥様お亡くなりに」
邦夫「もう大分前になりますね。邦之がちっちゃい頃に2人でこの店始めて、苦労ばっかりさせて、でもよく頑張ってくれました。正直に生きてればきっといい事があるっていつも笑って。素材選びも調理も接客だって、嘘つかないで真っ直ぐにやっていこうねって二人でそう約束してね。今こうやって、店、なんとか続けてられるのもその約束を守ってこれたからだと思ってます」
じーん。ええ話・・・。区長もじーん。
区長「奥様、天国でよろこんでらっしゃるでしょうね。息子さんのご結婚!ごめんなさい。私なんか・・・」
区長「いや、こっちこそ、申し訳ありません!ほんとに、申し訳ありません!あ、後、えーー、米なんですけど、うちのトンカツに一番合う新潟の」
ゆっきー「おやじ。おやじもういいよ。ごめん。もういいから・・・」
区長「雨宮くん?」
ゆっきー「区長申し訳ありませんでした」
区長「えっ?」
弟「兄貴」
ゆっきー「実は。あの実は僕。結婚なんて、結婚なんてしないんです」
区長「はあ?どういうことかな。つまり、嘘だってこと?」
春「首になっちゃうじゃない・・・!」
区長「嘘なの?」
ゆっきー「はい」
区長「ちょっと待って!あなたは結婚するっていうから採用したのよ?
結婚式に来ていくドレスだって結局は新調したしスピーチだって完成したし、嘘だってどういうことよ!」
区長「申し訳あり」
春「ちょっと待って下さい!区長。スピーチお願いします」
区長「あなたは?」
春「初めまして、雨宮邦之のフィアンセの、飛田春乃です」
ゆっきー「は?」
春「私が悪いんです。昨日大げんかして結婚なんかしないって言っちゃって。間に受けちゃったみたいで」
邦夫「春乃ちゃん、あの」
春「ここまでやってきたんだから、もうちょっと頑張ろう!私も頑張るから!お父さん、解ってください。お願いします。邦!」
ゆっきーにも頭を下げさせる春乃。
区長「あらま。そういうことだったの。雨宮くんたら、人騒がせな言い方するから」
やれやれひと段落と思っていたところに、遅れてきた真琴が登場。
真「雨宮のフィアンセの高倉真琴と申します」
区長「え?」
真「区長。私は、邦を愛してます。二人で素敵な家庭を築いていきたいと思っています」
区長「あなた二股かけてるってこと?」
ゆっきー「いや。二人がちょっとあの」
この、意外に抜けてる真琴がいいですね。意外に抜けてる。綺麗で基本有能だけども意外に抜けてる女の人は人気高そうだ!
邦夫「区長さん、ちょっと勘違いがありましてですね。こちらの真琴ちゃん、私のフィアンセです。私が再婚することになりまして。私の名前も邦夫って言いまして。真琴ちゃんに邦って呼ばれてるんです。ね、まこっちゃん♪」
真「はい。そうなんです♪」
区長「やだ私、二股なんて♪」
春「私と邦が結婚するんです♪」
あー、よかったよかった、収まった、で最後の登場人物が茂。
茂「春乃を愛してるのは俺だ!春乃と結婚するのは俺だ!」
・・・・・・・・
弟「何わっけの解んないこと言ってんの!茂くん!」
連れ出される茂。
区長「・・・なんなの今の。ねぇ、彼女が結婚するのにねぇ」

<ようやく区長帰るの巻>
ゆっきー「みんな。ありがとう。春乃もありがとな」
春「ううん」
ゆっきー「真琴も」
真「私は、何かタイミング悪かったね」
ゆっきー「おやじ、色々すみませんでした」
邦夫「俺はよ、春乃ちゃんも真琴ちゃんもあそこまでやってくれたから。だから別におまえのウソをのこと認めた訳じゃない。みんなの気持ち嬉しいじゃないか。その気持ちにちゃんと応えろよ」
ゆっきー「ありがとう」
邦夫「最後はちゃんとけじめつけるんだぞ」
ゆっきー「はい」
じゃ、家に戻りましょう。
そんなうまくいったねー。やりきったねーという充実感に包まれた人たちから離れたところで、がっくり座り込んでいる茂。
春「あぁ!」
弟「茂くんさ、大丈夫だったんだから、そんな落ち込まないでよ」
真「でもさ、私も相当ひどかったけど、しげには負けるわ」
春「しげやってくれるよねー!」
茂「嘘じゃない」
春「え?」
茂「俺のは嘘じゃない!」
ゆっきー「はぁ!?」
きらーん!と登場、エンゲージリング!
茂「春乃、俺と結婚してくれ」

<お母さんに謝るゆっきー>
ちーん。
手を合わせて謝ってるゆっきー。
邦夫「ちゃんと謝ったか」
ゆっきー「うん」
邦夫「あーあ、なんだか疲れたな〜。ほんとお前のせいでよ」
ゆっきー「だから悪かったって言ってんじゃんか。・・・トンカツの話」
邦夫「え?」
ゆっきー「ほんと真っ当な仕事してるんだって思ってさ」
邦夫「気がつくの遅いんだよ。よそうかとんかつ」
ゆっきー「いらなーい」
小さな声とポーズつきのいらなーーい可愛いです。
邦夫「ちぇ。いやー、しかし驚いたな。茂が春乃ちゃんにプロポーズとはねー」
ゆっきー「あぁー」
うんうんうんなゆっきー。
しかし、その頃匠は、さくら地蔵通り商店街の再開発計画という書類を目にしてしまっていたのだった・・・!

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