婚カツ!

OL進化論25巻より (秋月りす著)
●35歳で独身で
1コマ目:汗を流したからこそ、ビールがうまい。
2コマ目:一週間忙しかったからこそ、週末の寝坊がうれしい。
3コマ目:二十歳で結婚して子供が3人。家事・育児・:借金・仕事・病気・介護。色々あったからこそ。
4コマ目:母「60歳の今が幸せ♪あんた今のままでいいの?」娘「・・・・・・」

09/06/01 『本気のプロポーズ』

<そして春乃は何をゆったの?>
春乃に待ち構えられていたゆっきー。
ゆっきー「ん?」
が可愛い!ん?爆弾!
そして春乃が何を言うのか!と思ったら、それは解らないまま翌日になってしまいました。
どうしたのか、あれから・・・

<翌朝の3人>
店の前を掃除のしてる茂。おはよーと出てくるゆっきー。春乃もやってきて、一緒にでかける二人。気になってついていく茂。
春「ね、今日も休日出勤?」
ゆっきー「婚活窓口に休みなしなんだよ」
春「自分の婚活はどうしたの?」
ゆっきー「まぁなかなか時間がなくて」
春「じゃあ結婚は?」
ゆっきー「まぁそれも色々な。春乃はどうなってんだよ。好きなやついるって言ってたじゃんか」
春「あ・・・いや。色々あるんだよ」
ゆっきー「だろ?人間色々あるだろー?」
春「うん」
ゆっきー「何ついてきてんだよ」
春「何ついてきてんだよー」
はっ!
茂「いや、自分の店の前だけじゃなくて、商店街の前も綺麗に〜」
春「あごめん、遅刻するわ」
ゆっきー「俺もだ」
そうしておいていかれる茂〜。

<周五郎さんはスイーツ合コンへ>
そこでも婚活女王と顔を合わせることに。
基本はたくさん出会うこと、量をこなして初めてそれなりの質が手に入るんですね。婚活も。
しかし、優子にはあっさり逃げられ、絶対つかまっちゃいけない!っぽいおばしゃんと出会う周五郎さんなんでした。

<色々と考えている茂>
茂は、婚活バーらしいことをやろうとハートのコースターを作っている茂。
茂「もしかして春乃は・・・邦之くん・・・」
はっ!
茂「でその邦之くんは、まこっちゃん・・・?」
そこに邦夫ちゃんがやってきて、区の説明会で結構やばい状況になっているという話しをしてくれました。
どのくらいやばいかは、区役所、婚活窓口のゆっきーとスミのおじさんのお話でどうぞ。

<婚活窓口で、商店街問題も聞くゆっきー>
スミ「説明会の後電話があって」
ゆっきー「はいはい」
お茶を出すゆっきーに、差し入れを持ってくるスミさん。なんと美しい図式でしょう。
スミ「うまいんだよ」
問題は立ち退き料で、それがさ、結構な額。
ゆっきー「スミさん、立ち退くんですか」
スミ「いや、俺だっていられるもんならいたいけど、サラリーマンやってる息子に、いまさら床屋の修行してくれって訳にもいかないもんな。その息子の婚活で来たんだよ。なんか、申し込み用紙あるんだよな」
ゆっきー「はいこちらありますんで」
その、プロフィールカードに記入してもらって受け取るゆっきー。
もう婚活は親がやらねばならん時代です。ばっちり子供のことを理解してる親同士なら、それでもいい!と思います。ちなみに私は、親の友達の息子とお見合いしたこともありますが、ダメでした。
・・・それでよかったと思っております・・・。強がりなんかじゃないっ(笑)!
ゆっきー「はい、すいません」
スミ「イベントあったら連絡してやってよ」
ゆっきー「はい解りました」
スミ「じゃね、はいどうもー。あそうだ!邦之くん、結婚どうなったの。しないとやばいんでしょ」
しー・・・!ってゆっきーでした。お休みでも、区役所の中でそれゆったらまずいです。

<その日の夜の婚活バー深澤>
茂「はぁ・・・心配だーーー!!いらっしゃい!」
ゆっきー「あいー」
茂「なんだ邦之くんかー」
なんだそれっていいますが、他にお客さんいないんでね・・・
ゆっきー「婚活バーらしくなってきたね」
茂「準備は万端な訳よ」
ゆっきー「もらうよ」
茂「あいよ。いらっしゃいませ!なんだ」
桜「なんだはないでしょ、なんだは。客がいないんだから、解らないでもないけど。今日のスイーツ合コン大盛況でさ。あ、ハイボールあるかな」
ゆっきー「どうだったんですか」
桜「それがさ、聞いて下さいよ。もう大変だったの」
おばちゃんから逃げられずに困っていた周五郎さんに電話をかけて助けてくれたのは優子。
しかし、その優子といるところを見られ、キレられる。
しかし、この屋上はどちらなんですかね。汐留あたりでしょうかしら。素敵ですねー。
桜「まぁあたしを気に入ってゆえの怒りなんでしょうけど」
茂「おかわりは」
桜「話聞いてないでしょ、二人とも。茂くん、マスターがそういう態度だからお客さんがこないんじゃないかな」
そうですね。来た!と思ったら、春乃と、弟。
さらに、次が山田優の残念な弟。
客来ませんねーー!
ゆっきー「いい人見つかるといいですね、周五郎さん」
桜「やっぱり、結婚ってしたいもん」
弟「何で今までしなかったんですか?」
茂「やす、それ失礼だろ」
桜「いいんだいいんだ。自業自得だってことは解ってますから。こう見えて猛烈な仕事人間だったの。仕事ができない奴なんて価値がないと思ってんのね。だから人を見下してるようなとこあったの」
ゆっきー「そんなことないですよ」
桜「ある日会社からぽいっとされて、それで目が覚めたって言うのかな?だからまぁ、今誰かのために、頑張れる人間にありたいの。優しい人間になってみたいと思ってるんですよ。まぁ、結婚なんてそういうもんなんじゃないのかなぁ」
にこってゆっきー。
桜「いい年して恥ずかしい話しちゃったな」
ゆっきー「恥ずかしいことないです!」
茂「全然ありです!」
桜「ありがとありがと。雨宮くんどうなの、結婚」
ゆっきー「はい?」
弟「やってんの?婚活」
ゆっきー「いや全然」
桜「あれ?・・・もしかして、好きな人ができたとか?」
山田優の残念な弟「誰ですか!?」
ゆっきー「なに、誰って」
茂「そんな話はおいといて、ぱーっと飲もうよね!」
弟「いいじゃん聞かせてよー!聞きたいじゃん。ねぇ」
うわっ、ふられたぜ、って春乃。でも、がんばって参戦。
春「そうだよね、邦の恋愛話って珍しいからね。ばーんと話してよ、ばーんと!照れてんでしょ、照れてんでしょ!」
ゆっきー「しつこいんだよ!」
お互いの顔をぐりぐりやる二人。おぉ!なんと可愛いのか!可愛いよ二人とも!
ゆっきー「そういうことするんだ。痛い痛い?ギブアップ?ギブアップ?」
春「やだやだやだ!」
そんな可愛い二人だけども、とてもとても心配な茂でした。

<打ち合わせする少子化対策課>
匠「まず考えるべきことは、いかに茂の店の客を増やすか」
ゆっきー「それにはやっぱ、猫好き合コンに続くイベントかな」
桜「あれは盛り上がりましたからねぇ」
ゆっきー「町を元気にできる何かが欲しいですね」
勝「それはこっちでやってるんだけど」
ポーズを決めて入り口に立つ勝。なぜわざわざこの地下の空間にやってくるのか勝よ。
勝「より具体的に実に順調にね」
ゆっきー「金をちらつかせながらか」
勝「まぁビジネスだからな」
桜「人の心を弄ぶビジネスってのもどうなんですかね」
勝「ん?君たちがどう思うか解らないけど、すでに我々の計画に賛同している住人がいること覚えておいてね」
つん、と去っていく勝。
匠「いるんだ・・・」
桜「余計なこと言って怒らせちゃいましたかね」
ゆっきー「いいえ、周五郎さんの言うとおりですよ。だらか俺らがあいつに対抗するために、いや、勝つためにはみんなの心を一つにしなきゃ」
匠「でもどうやって」
ゆっきー「考えようよ。手遅れにならないうちに」
その頃、スイーツ合コンで、絶対触れ合っちゃいけなかったおばしゃんから、区長に告発FAXが届いていたのでした・・・。
今後、上手に避けられていくことになりますが。

<とんくにに真琴ファミリー登場。盛り上がるゆっきー>
家に帰ったら、とんくにには真琴ファミリーが。
ゆっきー「ただーいま!」
真「この子達がおじさんのとんかつが食べたいって言うから晩ご飯」
ゆっきー「へー、そうなんだ」
邦夫「さー、できたぞー」
ゆっきー「ミニカー、3個もってんだー。ミニカー好きなんだ」
しんたろう「好き!」
邦夫「はいーお待たせー!」
ゆっきー「きたきたきたー!何回食べるのこれー」
邦夫「まこっちゃんどうぞー」
ゆっきー「好きなんだねー。美味しい?」
子供たち「うん!」
真「はいでしょ」
子供たち「はい!」
ゆっきー「真琴のおしんこ貰いまーす。おしんこばっかり食べてんだ」
春「邦夫ちゃーん」
元気にやってきた春乃は、真琴ファミリーにうおっ!とたじろぐ。
茂のとこに、クシカツセットをもってきてもらおうとしたんですね。
邦夫「できたら持ってくよ」
春「うん、よろしく」
ゆっきー「あったかいうちに食べな」
全然気にしてくれないゆっきー。
婚活バー深澤に帰ってきても、しょぼーーん。
茂「さんきゅー!」
茂は、うそちょびヒゲでシェーカーふってます。
茂「ん?どうかした?」
春「しげー、これやっぱり無理あるんじゃない?ぺらぺらの紙じゃさぁ」
ハートの紙製コースターにダメ出し。
茂「それは試作品でね、改良を重ねていくわけよ。例えば、いくつも張り合わせていくとかさ」
春「手間かかりそ」
茂「そんだけ心をこめて」
春「きっと、いつかやぶけちゃうんだよ?」
ゆっきー「はいよー」
子供とともにやってくるゆっきー。
ゆっきー「真琴とこの、まゆとしんたろう。茂お兄ちゃん」
子供たち「こんばんは」
ゆっきー「お姉ちゃんにあげて」
春「はーいありがとー!」
ゆっきー「はい、いこういこう!」
と子供らと戻っていくゆっきー。
茂「春乃・・・」
春「いっただきまーす!」
とんくにの、クシカツでか!
春「んー!おいし!」
そうやって春乃ががんばってる最中、神経衰弱でもりあがるとんくにファミリーなのでした。

<世の中にはどんな分野でも専門誌はある>
ゆっきー「なんですかこれ」
桜「商店街の専門誌。世の中にはいろんな本があるんですねー」
うちの商店街は、これで持ち直したなんてことが書いてある本です。
桜田さんは、婚活窓口でもがんばってますよ。
匠「なんだかんだ言っても助けてもらってるよな、周五郎さん」
ゆっきー「匠、俺さ、あぁいう年の取りかたしたいなぁ」
匠「え?」
ゆっきー「いくつになっても前向きじゃんか」
ほのぼのゆっきー。

<しんたろうが行方不明に>
婚活バー深澤に真琴登場。
茂「え、何々?おーカメラ」
真「遅ればせながら、婚活バーの開店祝い」
ゆっきー「これでお客さん撮って店に貼ったらさ、プロフィールがわりになんじゃないかと思って」
茂「その場にいなくても、俺に行ってくれればいいもんね!ありがと!」
真「どういたしまして、じゃあ」
茂「帰るの!飲んでかないの?」
真「今日はそれ届けに来ただけだから。じゃね」
ゆっきー「えー。真琴帰るのー」
春「ただいまー!」
茂「あ、春乃」
なんともいえない空間になるかと思いきや、真琴は娘から電話をうけ、しんたろうがいないことが判明。
ゆっきー「どした」
真「しんたろう、まだ帰ってないって・・・」
ゆっきー「え?」
真「何もないと思うけど、じゃね・・・」
ゆっきー「俺も行くわ」
茂「俺も行く」
春「待って!茂は連絡係」
茂「ちょっと!」
こうしてあちこち探す3人。しかし見つかりません。なぜって。
しんたろうは、とんくににいたからです。
ミニカーを忘れて取りにきたしんたろう。邦夫から直ちに真琴に電話。
先に戻ってきたのは春乃、そして茂。(店にいただけですし)
真「しんたろう!」
しんがろう「ママ!」
真「バカ!何やってんのよ!心配したんだから!」
ひしっ!と息子を抱く真琴。手がでかいです。
茂「よかったな」
春「うん」
そんな真琴を見ているゆっきー。なぜか悪い顔になってますよ!?

<匠ほめられてうき♪そして婚活バー深澤へ>
区長にほめられて嬉しいまま、婚活バーで写真取られてる匠。
匠「なんとかの町って?」
ゆっきー「いろんな商店街で、なんとかの町って押し出してるとこが成功することが多いみたい」
春「さくら地蔵商店街じゃなくて?」
匠「地方なんかにあるよね。名産の名前とって」
ゆっきー「例えば、婚活バーをやってる婚活の町って。いやダメだ!ま琴言ってたじゃん、婚カツしてるのは知られたくない人多いって。もう一度真琴にも相談してみよっか」
匠「でもさー、真琴のおかげで助かってるよねー」
ゆっきー「なんてってもプロだからね」
匠「邦之、真琴とどうなってるの?」
ゆっきー「ん?」
匠「なんか最近二人いい雰囲気だって聞いたよ?」
ゆっきー「なーんもないよー」
春「お酒もう1ほーん」
茂「(あせっ)取るよ」
春「いいよ。あっ、茂、ほこり〜」
茂「ウソごめん」
棚の上のほこりがついちゃった、と、茂の前掛けで指をふく春乃。ゆっきーと匠はあまあまトーク中。
ゆっきー「真琴見てると、力になってあげたいなっていうのは、あるかな」
匠「あーー、僕もそう思って結婚したなー」
ゆっきー「あーそう。そうなんだ。へー・・・。相手のためになりたいって、力になりたいって」
それを聞いているうつむいた春乃の頭の丸みったら!おぉ、なんと見事な丸みの髪型か!
春「あたし、明日早かったんだ。おやすみー」
常に春乃の明日は早い。
茂「ちょっと邦之くんさ!」
ゆっきー「なんだよ。こぉわい顔しちゃって」
きょとーんなゆっきー。
茂「・・・あ、ごめん。なんでもない。ちょっと送ってくるね」
ゆっきー「うん」

<そとで語る茂と春乃>
おまえが好きなのって、邦之くんだろと言われ、涙ぐむ春乃。
涙が光って、黒目に見えるためか、もうメーテルみたいな目になっているよ?
春「誰にも言わないで。邦にも絶対」
茂「あぁ」
春「絶対に。絶対だよ!」
茂「言わないよ」
春「うん、ありがとお。大丈夫!じゃあね」

<ゆっきー、プロポーズの巻き>
真琴と二人、土手を歩くゆっきー。
真「これ、おじさんにもらっちゃった。しんたろうにって」
ミニカーを持ってる真琴。
ゆっきー「へーおやじが。でも1個ってケチだねー」
真「そんなこと。でも、ほんとひやひやしたな、しんたろうには」
ゆっきー「まぁいいじゃない。あれくらい冒険できる方が」
真「確か、邦にもあったよね。行方不明事件。5年の時に決勝で負けて」
ゆっきー「あぁプチ家出事件ね」
真「私、大人の人が泣くの、始めてみたんだよね」
ゆっきー「ん?」
真「警察から電話かかってきて、邦が見つかったって解った途端、おじさん泣いたの」
ゆっきー「へーそうなんだ。めちゃくちゃ怒られたことしか覚えてないわ」
真「ぼろぼろ泣いてた。あ。ここじゃなかったっけ。あの時の決勝戦」
ゆっきー「あぁそうだー」
真「懐かしいね」
その頃、茂はせっせとコースターを改良。何枚も張り合わせて厚みを出していきます。
ゆっきーは、倉庫からグローブ出してきて、キャッチボールにさそう。
ゆっきー「久しぶりにどう?」
真「いいね。何年ぶりだろ。投げられるかな」
ゆっきー「しんたろうとやったりしないの」
真「あの子はサッカー専門」
ゆっきー「なんだもったいないなー。名キャッチャーの母ちゃんいるのに」
真「だよねー」
ゆっきー「よし行くぞー!大丈夫かなぁー。おいいくぞー」
真「おし!」
そうして始まるキャッチボール。そうして何度か投げ合っている中で、ゆっきーがプロポーズ。
ゆっきー「なぁ、真琴」
真「は?」
ゆっきー「俺たちさぁ。家族になれないかな」
真「え?」
ゆっきー「なんて言うんだろ。人生のバッテリーっての?」
投げられたボールを取り落とす真琴。
真「・・・それって。もしかしてプロポーズ?」
ゆっきー「うーん・・・。うん」
真「なら断る」
びしっ!即効も即効。食い気味に断る真琴。
真「もしかしたら、邦、まゆとしんたろうの父親になろうとしてくれた?」
投げ返す真琴。
真「邦は優しいからきっとそうなんだと思う。私のことも、きっと守ってくれようとしたんだよね。でもごめん!邦のこと大好きだし、すごく大切な、一生つきあって行きたい親友だと思ってるけど恋はしてない」
ゆっきー「・・・・」
真「60フィーと6インチ、覚えてる?」
ゆっきー「バッテリー間の距離だろ?」
真「私たち、ずっとのそ距離でいられないかな」
ゆっきー「暴投ピッチャーと、肝っ玉キャッチャーか」
真「こーんな太ってた私と、いつでも間の悪かった邦」
ゆっきー「それ言うなよ。今でも間が悪いんだから」
真「へへ!ごめん!」
ゆっきー「俺さ!あの町、絶対に生き返らせるから。あの頃みたいに、穏やかで、にぎやかで、みんなが、笑ってる町にさ」
真「うん!」
ゆっきー「真琴!」
真「うん」
ゆっきー「俺のことずっと見ててな!」
真「うん」
ゆっきー「これからもよろしく頼むわ」
真「うん」
ゆっきー「ありがとな」
真「ナーイスボール!」
このシチュエーションでうっかりうなずかないとは、ぶれてないな、真琴!

<ついにファックスが区長の目に!>
せっせと仕事をしてるゆっきーと周五郎さんところに慌ててやってくる匠。
ゆっきー「なんだようるさいな」
匠「周五郎さんが結婚してないことがばれた・・・!」
桜「なんで!?」
匠「告発分が届いた合コンで傷つけられたって」
あっ!あのおばしゃん・・・!
匠「周五郎さんに、区長室に来るようにって・・・」
桜「あ」
ゆっきー「僕も行きますよ。僕だって結婚するってウソついた訳ですし」
桜「それはダメです。雨宮くんは必要な人間だ。あなたまでいなくなったら」
ゆっきー「でも」
桜「大丈夫です。私はね、一度死んだも同然の人間ですから。何があっても大丈夫です」
匠「区長に、なんとか許してもらえるように僕からも頼んでみるから。・・・行きましょうか」
桜「あ、はい」
うわーってゆっきー。
どうしようどうしようと思うけれども、これまでのことを思いだされて、とてもこのままではいられない。
周五郎さんがやめるように言われてでてきた後、区長室に乗り込むゆっきー。
ゆっきー「失礼します。あの区長、あ、これ。これ、僕のことなんです」
区長「え?」
ゆっきー「ウソをついてるのは僕なんです」
区長「ちょっと待って雨宮くん。あなたが独身なことくらいは知ってるわよ。あなたはあの可愛い婚約者ともうすぐ結婚する。私は主賓で出席してスピーチする」
ゆっきー「それも全部、ウソなんです」
区長「はぁ?」
ゆっきー「区長、僕は、区役所に採用されたくて、これから結婚すると、ウソをつきました。ウソがばれないように、春乃、あの彼女に婚約者のふりをしてもらってまたウソを重ねました。とりあえず、誰かと結婚すればいいやって婚活合コンに出てました。そんな気持ちでしたから、合コンであった人の中には不快に感じた人もいると思います」
区長「じゃあ私が、区民のみなさんにした報告は」
ゆっきー「全部うそです」
区長「うそだというそれは、ほんと?」
ゆっきー「はい。間違いありません」
区長「じゃ、桜田さんが言ったことは」
ゆっきー「僕のことをかばおうとしたんだ思います。辞めなければならないのは、僕の方です」
区長「ずいぶな裏切りね!区民にも私にも!」
ゆっきー「申し訳ありませんでした」
区長「雨宮くん」
ゆっきー「はい」
区長「区役所を、辞めていただきます」
ゆっきー「はい」

<お片づけしてるゆっきー>
匠「邦之ー」
匠の情けない様子はとてもいい、と思います。
ゆっきー「なんだよ匠ぃ。そんな顔すんなよ!」
匠「でもさぁ」
ゆっきー「やっぱり俺さ、ちょっとウソが多すぎたんじゃないかな。この区役所もさ、周五郎さんみたいな人の方が絶対必要だと思う。前にも言ったろ。俺は周五郎さんみたいなジジイになりたいって。だから俺は、あの商店街で1から、ううん。ゼロからゆっくり、こつこつと頑張っていくから」
な、って匠を見上げるゆっきー。匠、くしゅーん。
ゆっきー「よし。じゃ、頼むな」
匠「邦之・・・」
ゆっきー「匠、ありがとう。なんだよ。俺たち幼馴染だろ!じゃな!」
荷物持って帰るゆっきー。周五郎さんも戻ってくる。
桜「雨宮くん、なんていうか色々」
ゆっきー「まままま!またお会いしましょう!」
桜「え!?」

<失業し帰ってきたゆっきー>
商店街を眺めるゆっきー。やはり凹みぎみ。
邦夫「らっしゃい!あぁ」
ゆっきー「ただいま」
邦夫「なんだよ、早いじゃねぇかよ」
ゆっきー「・・・区役所、首になりました」
邦夫「え?」
ゆっきー「ほんとのこと、全部言ってきました。という訳で、また、無職になりました」
邦夫「ふーん」
ゆっきー「色々、ごめん」
邦夫「・・・首になったってことは、後の職探しも大変だろうな。まぁ。がんばんだな」
ゆっきー「え?」
邦夫「なんだよ」
ゆっきー「ううん。また店手伝えって言うのかなと思って」
邦夫「はぁ!?うちにはお前を雇ってる余裕なんかねぇよ!」
プロポーズは断られ、再び失業。これからどうなるゆっきー!


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