『摸倣犯を見た。』

02/06/09

中居さんが、摸倣犯という映画をやると聞いたのは、どれくらい前だったか覚えていないが、その時、特別に何かを感じた訳ではなかった。
宮部みゆきは、多分1冊くらいしか読んでいないし、摸倣犯もどんな話かしらない。ベストセラーなのは知っていたけども、ハードカバーのベストセラーというものには、よほどのことがない限り手が出ないのが私だ。

だって、貧乏だから!

ハードカバーの本なんて買えないから!!

ぐすん・・・。そんな哀しさはどうでもいいけれども、だから、原作を知らないという段階で、それは単に中居さんが映画に出る、というものでしかなかった。
ま、その程度のテンションだった私を、もう1歩後に下げさせたものは、『中居くんが冷酷な犯罪者をやるのー!きゃーー!!』という空気だった。
多分、原作を読んでいて、そのピースを知っていて、ピースも好き、中居くんも好き、だからあのピースを中居くんがやるなんて、きゃーー!!って言う人もいるんだろうけども、なんせ、それを知らないもんだから、アイドルの女の子が映画で濡れ場をやって、アイドル脱皮、と似たようなニュアンスを感じてしまい、えぇぇぇ・・・・・・?と(笑)

まぁ、そんな訳で、映画周辺との激しい温度差を感じながら、今日までやってきた。
でも、せっかくの映画だし楽しまなくては!と、私がやったことは、摸倣犯情報をカットすることだった。ミステリーだけあって、そうそう情報を流すようなこともなかったけども、私はもう、ピースって名前を聞かされただけで、がっくり!くるほど情報を入れたくなかった(笑)
共演者なんか知りたくもなかったけど、さすがにそれは耳に入ってくる。
公開が近づけば近づくほど、テレビやら雑誌やらへの登場回数は増える!

それならいっそ試写会を見て!と思ったけども、さーすーが、中居正広。高松の試写会が当たらなかった。うそぉ!高松の試写会なんか、ハガキ出したら当たるんちゃうの!と思っていたけども、当たらなかった。
こんなに溢れかえる情報の中、公開まで待たねばならんのか・・・!
しかも私が見に行けるのは、最速でも、6月12日(水曜日)。なぜって水曜日はレディースデーで映画が1000円になるから。1000円で見られるなら、1000円で見るのがお利口さんだなと思う私は、水曜日以外に映画は見ない。
高松では舞台挨拶なんかもないから、初日に見に行くメリットは、ただ公開と同時に映画が見られる、以外になにもない。
(確か、シュートの時には、各映画館で、舞台挨拶のテープが流れたような気がする。・・・でも、ラモスだったような気も・・・。小学生がたくさん来ていたなぁ・・・。あの時は、1000円がどーとか言わずに、かなり見に行った(笑))
舞台挨拶がある、東京の一部映画館の周囲には3000人が並んだという公開初日、私は何気なく公開映画館まで行ってみた。
水曜日に見に行くのはいいとして、上映時間をチェックしておこうと思ったのだけども。

ん!?なんですって!
土曜日を覗き、最終上映は1000円!?

てことは、明日日曜日の最終上映7時にくれば1000円で見られるってこと!?マジで!?
6月9日は、サッカーの日本戦があり、応援しているチームが負けるジンクスを持つ私は、絶対にそれを見てはいけなかった。だから、赤い怪獣からも、日曜日に映画にいけば、公開2日目にしてがらっがらの映画館が見られましよ!といわれていたのが、実現できる!?
よっしゃ!これはええ感じや!ま、公開初日でも、混んではないと思うけどね!高松だから(笑)!

こうして、6月9日。天声慎吾を見た後、私はふらふらと出かけた。
その途中本屋さんで本を買い、早めの晩御飯を食べ、映画館で時間の確認をしてみたら。

ぎょ!!
1300円!?
え!?昨日見た時は、1000円だったと思ったのに、1300円!?ん!?私の見間違いか!?それとも、この明かに上から貼られた紙の下に1000円って言葉があるのか!?
むむぅ・・・!
しかし、いくらなんでも、映画館の前まできて、1000円じゃないから帰る!っていうのも大人げ無さ過ぎる(笑)
ま、いっかーと、1300円払って劇場に入ったところ、まだ前の回をやっていて、あんまり音が聞こえない場所に座って、本の続きを読む。
なんか、感想とかいいながら出てくんなよー!と思ったけども。

・・・どうやら、公開2日目にして、相当客は少なかったらしく(笑)
静かなもんだった(笑)
いや、高松はこんなもんです。

6時55分に前の回が終わり、7時から次がスタートするってことで、残り5分、どこまで買った本が読めるかなー!読みきりたいなー!と思っていたんだけど、さすがにタイムアップ。
劇場が暗くなって、あー、あ。と思ったら。
音はするのに映像が出ない。
男女共同参画のCMが流れているらしいが、映像が出ない。
あり?と思っていたら、音声もおかしくなってきて、そのうち明かりがついてしまい。
だって、5分前まで、ふっつーに映画が上映できていたのに、わずか5分の間に何が起こった!?と思いながらも、もうちょっとでこの本終わるし、最後まで読ませてねー!と読みつづけ、読み終わり、しかし、まだ明かりはついたまま!
音声だけで、「明日があるさ・ザ・ムービー」とかゆってるだけで!
もう読み終えちゃったから〜、映画みたいなぁ〜、と、後を振り返る私。
私がいたのが、劇場のちょうどど真ん中くらいで、私の前に人はいない。振り向いて数えてみたところ、劇場にいた人の数は。

13人。

縁起悪ぅーーー(笑)!!!!

私は一人で来てるけど、当然二人連れとかの人もいて、なんならお喋りしててもいいはずなのに、シーーン。人間、人が少なすぎる場所では喋れないもんですね。
13人が、しーーーーん!と黙りこくったまま、映画が上映されるのを待っている状況。こ、怖い・・・(笑)
ホントに私たちったら羊のように大人しいわ、と思っていたところ、さすがに20分が過ぎたので、おっさんが一人文句を言いに行きましたが(笑)

しかしその直後から、ついに映画が始まり、やれやれと思った私。
ついに、摸倣犯を見ることができたのだった。(金城武の映画の予告が気になった。あれはどういう映画なのかしら。面白いのかしら・・・)

そもそも。
摸倣犯という映画は、中居さんが出る、ということでもなければ、絶対に!見ないタイプの映画だ。
私が好きな映画は、わくわくとか、ふわふわとか、にこにことか、そういう言葉が似合うタイプのもの。帰り道は、ほんわかいい気分を抱えて帰りたい。
だから、人が殺されたりとかいう映画は、全然好きじゃない。
始まって早々に、伊東美咲が帰ってこなくなった、というあたりで、もうかなりどんより。どんよりすぎるーー。
ネットワークの匿名性とかも嫌いーー。どんよりーー。ネットの書き込みとかのとこが嫌いだー。
あぁ、どんより、どんより。たっぷりどんより気分を味わう。
しかし、小池栄子は好きだ。素敵だ。小池栄子(笑)まさかお嬢様の役だったとは思わなかったよ、小池栄子(笑)
彼女はちゃんとした役で出ていたけども、パフィーやら、山田花子やら、佐藤えりこやら、爆笑問題やらが、ちらりと映っているのが、昔の『心はロンリー、気分は・・・』みたいだった(笑)
そうこうしているうちに、どこかラーメンズの小林さんとかぶるなぁ、という印象の津田さん登場。
肉の後にそばを思い出させるなよ!なんてセリフがとっても小林さんチック(笑)
でも、ここで、訳もなくキレて小池栄子を殺してしまった津田さん、ピースに助けを求めて沖縄へ。
(・・・こうして書くと、すごくおかしな状況よね・・・)
オープンカー大好きっこたちが、沖縄でオープンカーを乗りまわし、パイナップルを食べる。この後も、この二人のシーンは、何コントか解らないこみ上げてくるおかしさと戦わせていただいた。
おかしい。なんかおかしい。なんか面白いことになってないか!?こう、なんか・・・、カリカチュアされたっていうか??何をカッコつけておるのか、よく解らないというか(笑)???
あぁ、そりゃあ、中居さんは、前髪下ろしてくれたらもっと好きだけど、眼鏡は似合うし、素敵だと思うけども、一体この人はなんなのか??ってことが解らなくって、やっぱりどんより。
後、あまりにアップになると、肌がのっぺりして見えて、唇だけくっきり色がついてるところが、またもやバットマンの敵キャラみたいに見えてしまって・・・!もうちょっと!もうちょっとだけ遠くから撮ってくれろ!きっとその方が私は好き!って感じで・・・。
私の中での好きだった中居さんは、埋めてるとことと、豆腐屋の前を通ってったところかなぁ〜。あそこが好きだ。

他に好きだったのは犬!そして男の子!
気持ちわるっ!と思ったのは(色々あるけども)、藤井隆のイチゴの食べ方(笑)!食べるシーンが結構あったけども、その時の音っていうのは、大抵気持ちの悪いもんですね。うわー、なんかー・・・って。

津田さんのナンパ(!?)の仕方も、そーーとーー!気持ち悪かったですが!
後、木村佳乃の、登場した時から、不幸の匂い漂う喋り方はどうなんでしょう・・・。なんであんな喋りなんでしょうか。ものすごい不幸を背負ってる人かと思ったっす。しかも、かなり長い間、寺脇さんと夫婦っていうのには気がつかんかったし。

そしてもちろん!途方にくれたシーンは!

ピース爆破!!

えぇ〜・・・・・・・・・・????
そんなもんスタジオで爆破されたら、落ちついてられんでしょうー!丈夫な時計が飛んできたからといって、あぁ、あなた、ぎゅぅ、とかできないでしょう(笑)!!

ものすごい高音で、一気に炭化とかしたらええのかもしれないけども、いやーなものが飛び散ってきてますよー?しんみりなんてできないですよー?
そんで、首飛んでるって・・・(笑)
あれはもう・・・。途方にくれてしまって・・・。

あれ?もしかして摸倣犯って、SF?それか、ファンタジー?ピースは本当の悪魔で、悪の世界に戻っていったとかそゆこと?あの飛んだ首が黒くなるのが悪の象徴とかってこと????
昔、ワーグナーとコジマという映画を見た時、なんだかおかしなシーンがあって、これは笑うとこ!?って思ったことがありましたが、これは突っ込むところじゃないの!?と思ってしまった訳です。家で見てたらきっと声出して笑ってしまっていたに違いない・・・。

そんな風に途方にくれた私でしたが、赤ちゃん入りケースが、埋められていた日にゃあ。
一体、どこの誰が、どんな遺言に従ったら、その日、そこに置いておけるんだか・・・。
心配だから、そのあたりで見ていたって思うことにしてしまいます・・・(笑)

なんか、山崎務も、男の子はもう大人だからええとして、この年で赤ちゃん預けられても大変そうで・・・。
クールな中居さんっていうのは、自分が死んだ後に、赤ちゃんを残さなくてはいけない、という不文律があるのか(笑)?
時々そういうのあるけど、死んだと思った犯人が、実は生きていた、っていうラストなのかなーと思っていたけども、さすがに爆破じゃあ無理かぁ・・・。
爆破なのに、やっぱり生きていたっていうのがよかったかなぁ。爆破されたのは、そっくりさんで。

こうして、摸倣犯は終わり、私はこれといって、なにか深い感銘を受けることもできず、果たして原作の摸倣犯ってゆーのは、どーゆー小説なんだ??という疑問を感じながら、劇場を出た。
出口のところで、上映が遅れまして申し訳ありません、というスタッフさんがいて、いやいや、と出ていったら、あの!と追いかけられ、6月の無料招待券をもらった!
ラッキー!!
ただで映画が見られるー!!

・・・でも、摸倣犯は1回見られたらそれでいいかな(笑)
中居さんがどーこーじゃなくって、そもそも好きなタイプの映画じゃないんだよぅ。
今度は、うきうき、ふわふわ、わくわく、みたいな映画に出てくれたらいいのになぁ〜。
どうなってんだか解らない木村さんの2046も、実際のところ、やろうがやるまいがどーでもいいのだ。だって、絶対好きなタイプの映画じゃないから(笑)!

木村さんが出てるから、中居さんが出てるからだけじゃあ、乗り越えられない壁があるよね・・・。


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