天からの贈り物じゃないけど、黙って受け取って?

Gift番外編』

このページの画像は、すべてyen様の作品です♪

ギフト番外編47話インターバル編『オーストラリア旅行を届けたい』

前回のあらすじ
「早坂兄弟のうちに忍び込んでいたのは、なんと、由紀夫の父、岸和田であった。岸和田は、父の日に何もしてくれなかった息子たちを怨んでいたのだ!頭おかしいんか!岸和田(笑)!
その頭がおかしい岸和田は、27時間テレビ愛は地球を救う、もとい!照れずに楽しく照れずに愛してのスーパーバスケに出るという野望を持っていたのだった!」

yukio
 

「1番ってないんだー!」
「そうそう。4番から」
由紀夫が一仕事終えて帰ってきた時、腰越人材派遣センターは、何やらさまざまな落書きがされたコピー用紙(裏紙)(←地球に優しい腰越人材派遣センターとしてISO14000の取得、もしくは都知事からの表彰を待っているらしい)が飛び交っていた。
それを見ながら難しい顔をしていた正広は由紀夫の帰りに気づいて、おかえり!と元気に声をかける。
「だから、やっぱり兄ちゃんが14でしょー?」
「はい?」
荷物を置いて正広たちの輪に入ると、どうやらナンバーを決めてるところらしい。
「11じゃなくて?」
典子に言われて、正広は難しい顔をする。
「うーん・・・、11か、14か・・・」
あんまり難しい顔をしてるので、一人麦茶なんぞを入れて、がばがば飲んでいると、話し合いはエキサイトしてきた。

「11は!11はこの野長瀬が!」
「えっ!?」
奈緒美が思いっきり仰け反る。
「11!?どあつかましいにもほどがあるわね!あんたなんか背番号なくったっていいくらいよ!」
「なんでですかぁ!由紀夫ちゃんが14なら僕が11.由紀夫ちゃんが11なら僕は14でしょー!」
「えー・・・、俺はぁ〜・・・?」
「ひろちゃんは6番」
「・・・やっぱしそれかっ!!」
「あたし、5番ね」
奈緒美が有無を言わさず決定し、後はおすきにぃ〜、と言いながら、
「野長瀬は、11も14も許さないわよ!あんたは4!」
「えぇーーーー!!!」

あまりに真剣なやり取りに何がどうしたって言うんだ、と思った由紀夫は、輪の真ん中を覗き込んで、激しく脱力する。
「ス、スラムダンク・・・!」
そこには、野長瀬文庫に置かれていたスラムダンクが全巻並べられていた。
(注:野長瀬文庫とは。野長瀬が外出先で買った漫画、雑誌などを並べている3段ボックスのことである。長編マンガが全巻揃ったりして、社員を喜ばせる。現在、全巻並んでいるのは、あぶさん、美味しんぼ、ガラスの仮面、ナニワ金融道などである)
「でもやっぱり兄ちゃんは、流川ってゆーより、三井だよね!」
「お、俺ぇ?」
「あぁ、そうそう。昔不良だったところがそっくりそっくり。やっぱり由紀夫が14ね」
由紀夫はちゃっちゃとメモをして、後残るのは、正広と岸和田。
「ひろちゃんは、でも6でしょ」
「うー・・・。それはチビだから?」
「まっ!そんなこと誰も口にしなかったのに!その通り!」
「奈緒美さん、ひどいぃぃーーー!!」
「そうすると、あなたが、桜木花道か、流川楓ねぇ〜」
その時、ニコニコしているだけだった岸和田が、びしっっ!とひとさし指を立てた。
「1番・・・?」
「いや、ですから、岸和田さん、1番ってのはバスケでは」
「10番」
『ないんです』と言おうとする野長瀬を遮って、岸和田は笑顔を見せる。
こうして、『岸和田と四匹の小猫チーム』のラインナップが決定した。

「待てぇーーー!!!なんだそのチーム名はぁーーーーー!!」

百歩譲って正広がうじゃうじゃいるんなら、小猫でもいいかも!しれないけど、それにしても、なんだ小猫って!

「ねー!ひどいでしょおー!?」
由紀夫の抗議に正広が反応した。
「俺はね、俺は、KZHがいいってゆったんだよ!?」
「なんだよ、KZHって」
「腰越、人材、派遣センター」
「ひねりなさすぎだろ!!」
「あ!はいはいっ!」
野長瀬も手を挙げる。
「僕が考えたのは」
「あー、もぉいい、もぉいい」
「何でですかっ!聞いてくださいよっ、由紀夫ちゃんっ!」
「なんてんだよ!」
「TEAM−N」
「は?」
「Nですよ、N!腰越奈緒美のN!」
「嘘つけ。野長瀬のNだろーが」
「はっ!なんで由紀夫ちゃんにまでバレて・・・!?」

「あたしはねぇ、もうちょっとエレガントな名前はないかって思ったのよ?
「例えば?」
「花鳥風月」
「・・・・・・・・・・・・・・・」

軽いめまいを覚えた由紀夫の肩を、ぽん、と叩いたのが岸和田だった。
「それでまぁ、もめてね。これで肩をつけたんだ」
余ってる方の手が握りこぶしの形で見せつけられる。
「え!?殴り合い!?」
「ううん、じゃんけん」
正広が手を挙げた。
「こないだテレビで、じゃんけんは世界を救うってやってたから、じゃんけんで決めたんだぁ〜」

エントリー表は次のようになった。

『岸和田と四匹の小猫チーム』

名前 続柄 スラムダンクだと。
岸和田裕次郎:10 カップル 桜木花道。天才桜木だが、ずぶの素人(笑)
腰越奈緒美:5 カップル 木暮公延。ラブ(笑)可愛い可愛いめがねくん。
早坂由紀夫:14 腰越の会社の社員 三井寿。元MVP。元不良。ミッチー。3ポイントシューター
溝口正広:6 腰越の会社の社員 宮城リョータ。背ぇ低い。でも有能ポイントガード
野長瀬定幸:4 腰越の会社の社員 赤木剛憲。ルックスがゴリ(笑)

「それじゃあ、練習にでも行こうかな」
就業時間って、一体何?という昼下がり、『岸和田と四匹の小猫チーム』一同は区立体育館に向かった。

この先、目立たなきゃいけないとかってなんか飛んでもないこととか考えるんじゃねぇんだろうな・・・!

そしてその由紀夫の危惧は現実のものとなった。

<つづく>


ISO14000って、なんなん?そもそも(笑)そして、香川では環境に優しいオフィスとかゆーて、そーゆーの県知事が配ってたような気がする。市長やったかいな、よーしらんけども(笑)まぁ、裏紙がどーとかではいかんものやろうね(笑)
今日当たりが最高潮忙しく、もうめためた!!勘弁してねー!!

てことで、次回は来週の水曜日!の予定は未定にして決定にあらずってことを人々はもう知りすぎている!