天からの贈り物じゃないけど、黙って受け取って?

Gift番外編』

このページの画像は、すべてyen様の作品です♪

ギフト番外編52話前編『毛糸を届ける』

木村拓哉のドラマの詳細が解ってきた。常盤貴子は図書館で働いており、木村拓哉は、なんかセンシティブな感じの役のようだ。そして常磐貴子の役名は「杏子」
果たしてこれがどういう発音なのか・・・!「キョウコ」なのか「アンコ」なのか「アンズコ」なのか・・・!キョウコであれば私の本名!吾郎様の舞台におけるヒロインサヨコに続き、また美味しい想いができるのか!?どうなのか!どーなのかーーー!!

yukio
 

GLAYの生放送が金曜日にあって、その翌日、土曜日。
「成城の社長」こと早坂由紀夫は、「成城のぼっちゃん」溝口正広に連れられて、その商店街にやってきた。
「こんなとこに商店街なんかあったんだ」
「来たことなかったよね」
二人の家から駅までの間には、もうちょっと賑やかな商店街がある。
そこよりも、もうちょっと、というか、結構というか、さらにというか、こじんまりとしたその商店街の入口に、早坂兄弟は立っていた。

「それで?その貴子って子は?」
「それなんだよねぇ〜」
酒屋は開いている。電気屋も今は開いていた。乾電池を譲ってくれたおばさんのうちも解っている。
「貴子さんのうちが解らない・・・」
「まぁでも解るだろ。この商店街に」

「車椅子の美女はそうそういない」

「そうそう」

「「え?」」

二人は背中からの声に振り向いた。
「あたしをお探しかしら?」
「貴子さん!」
「几帳面ねー!昨日の今日よ?」
コンビニの袋を手に、貴子が笑っていた。
「あの、兄です」
「はじめまして」
由紀夫が頭を下げると、貴子もぺこん、と頭を下げる。
「すごい!こんなに若いのに社長!?」
「社長?」
「成城で、外車3台乗り回してる」
「俺が?」
「どこまで話大きくなってんですかぁー!」
「困ったなぁ、もうみんなすっかりその気になっちゃってるのに」
ケラケラと笑いながら、貴子は二人の間を通りぬける。

「お!貴子!」
「おじちゃん」
「こんにちは!」
店からふらふら出てきた酒屋のおやじに挨拶をすると、お!と驚いた顔をされた。
「ぼっちゃんじゃねぇか!馬車はどーした!馬車は!」
「馬車はもう帰しちゃったのよ。こんな狭い商店街に邪魔じゃない」
「なんだよぉ、見たかったのに〜」
「・・・貴子さん」
Tシャツにジーンズ姿の自分のどこをどう見てそんな話に・・・。
「ぼっちゃん、社長連れてお礼参りか」
「おじちゃん、なんか微妙に間違ってるよ・・・」

その酒屋のおやじのところを筆頭に、近所のお店や、おうちにお邪魔して、社長だの、ぼっちゃんだの呼ばれるだけ呼ばれた。正広は、新品の乾電池と、朝から作った手作りおまんじゅうも持参して、まぁ、ちぃちゃいのに偉いのねぇ、と可愛がられる。
「はー、それじゃあ届け屋さんの社長で」
「えぇ、そうなんです。まぁ、所詮俺なんて二代目なんで、実務は昔からのものがやってるんですけどね」
次第に由紀夫もノリノリになってきていた。
「正広は、来年あたりハーバードにでもつっこもうかと思ってまして」
「はー・・・港にねぇ〜・・・」
ハーバー=港、という発想の電気屋女主人(推定72歳)との会話は盛り上がりに盛り上がる。
「まさちゃんは、水泳が得意なんだねぇ」
「はい。イルカのまさちゃんと呼ばれてました」
「あらー。イルカ。それじゃあジャンプも得意だぁ」
「そうよー。まさちゃんのジャンプすごいんだから!ね、おにーさん」
「垂直飛びが2mいきますからね」
「・・・俺って、なに・・・?」

のんびりしたおばあちゃんとの楽しいトークを、主に貴子と由紀夫だけが楽しんで、店を出たらもう夕方。
「・・・一軒、一軒に力こめすぎだろ・・・」
「兄ちゃん、性格変わった・・・」
「兄さんやるわね!」
「いや、とてもお姉さんにはかなわないですよ」
会話はノリが命!とばかりに喋る貴子に、まったく遜色なく喋りつづけた由紀夫。
腰越人材派遣センターの、トーキングマシーンたちとの生活は、門前の小僧にも有効だったらしい。
「気に入ったわ!兄さんたち!さ、飲んでいきましょ」
「飲んでいきましょじゃねぇーだろぉー!!」
自分の家のように気軽に、ガラっ!と酒屋のドアを開けながら言うと、おやじの怒声に迎えられる。
「あら?社長とぼっちゃんをおつれしたのにその態度!さてはいい酒がないのを見破られるのが怖いのね!?」
「バカ言ってんじゃねぇぞぉ?てめ、こら」
「ごめんなさぁ〜い、こんなガサツな店で」
立ち飲みのカウンター式になっている店なので、車椅子の貴子にはカウンターが高すぎる。しかし貴子は。
「これ便利なのよねぇ〜」
荷物運搬用のリフターに車椅子ごと乗り、ちょっとリフトをあげるだけで由紀夫たちと同じ高さになれる。
「すご!対、貴子仕様?」
「ううん。単なる荷物運搬用」
「そーだよ、社長〜。うちゃあな、こー見えても、人気の酒屋だからよ、こんなもんでもなきゃ配達できねーんだよなー!」
うひゃひゃ!!と自慢しながらコップ酒を煽ったおやじは、はっ!と固まった。
「どーしたんですか?」
自分は飲ませてもらえるのかなぁ・・・と考えていた正広が尋ねる。
「わ、忘れてた・・・・・・・」
「なにを?」
「配達だ、配達!」
「え!?」
何飲もうかなぁ〜、と身を乗り出していた貴子も、えっ!?とおやじを見る。
「どーすんのぉ!?そんな顔で運転してたら一発だよ!?」
「社長!」
がしっ!!荒れた手が由紀夫の両手をつかんだ。
「あんた、届け屋だろ!?この注文とどけてくれねぇか!?」
差し出されたメモには。

「ビール3ケースに?日本酒が、ん?1・2・・・8本。烏龍茶3リットルペットボトル1ダース。リザーブシェリー樽仕上げ3本。氷パック2ダース・・・・・・・・・・」
「あら!それは大変。すぐ降りるわね」
うぃーん、とリフトを操作して、さっさと降りた貴子は、そのリフトとともに店の奥に入っていく。
「あ、僕も」
店の奥はコンクリート打ちっぱなしの倉庫になっていて、そこにビールだの、烏龍茶だのの入ったケースがおいてある。リフトが出入りするからには、当然車椅子でも出入りが簡単だった。
「ビールはね、あっちの奥。みつけるだけみつけといて。リフトですぐいくから」
「1ケースずつなら持てますー!」
「まー、ぼっちゃんったら。乾電池より重たい物持ったことがないのかと」
「ありますよ。おまんじゅうとか」
「どっちが重いのかな、おまんじゅうと乾電池・・・」
「結婚式の紅白まんじゅうVS単5だったら、おまんじゅうの圧勝ですよね」
「勝負になんないよね。あ!知ってる!?あーゆーおまんじゅうって、おまんじゅうの中におまんじゅうを入れるみたいにして、二つに割ったら層になってるのがあるんだって!」

「それ、うちの社長が友達の結婚式でもらって、散々バカにしながら食べてたな」
由紀夫も手伝いに入り、すべての荷物をリフトに積んだのち、車に積み込む。
「場所聞いたら近くだったから、正広ここで待ってろ」
「え?でも手伝い」
「届け屋の社長は、一人でこれくらい持てるんだって」
リフトもあるしな、と、由紀夫は一人運転席に乗る。ツーシーターFFミッドシップカー、その名も軽トラ。
「ってことは、あの七色の紅白まんじゅうをバカにしながら食べたのは、やっぱり兄さんなのね?」
「いえ、それはうちの先代です」
奈緒美が聞いたら、誰が先代よー!!!と怒り狂いそうなことをさらっと言い、由紀夫は配達に向かった。

由紀夫が帰ってくるまでの間、乾杯はまた後でね!と酒のつまみをつつきながら、正広は貴子と喋った。
「面白いおじさんですよねー」
他の客と、真っ赤な顔になって盛り上がっている酒屋のおやじを見ながら正広が言うと、突然貴子がカウンターに突っ伏した。(リフト無き今、貴子を支えているのはビールケース)
「たっ、貴子さん!?」
「・・・哀しいお知らせがあります・・・」
「え・・・?」
「実は・・・、あたし・・・」
「ど、どしたんですか・・・・・・・・?」
「あたしっ!あのオヤジと血縁関係なんですぅぅぅーーーー!!!」
「えぇぇーーーーー!!!!!!」

「おまえもそんなに驚くな!」

オヤジから紙コップを投げつけられ、見事後頭部にヒットさせてしまった正広だったが、それにしても驚いた。
「え、あの、お母さんの、妹さんの、ダンナさんとか?」
「うまい!よくその関係を見抜いたね!」
「あ、じゃあ、血縁じゃないじゃない・・・」
「その関係だったらよかったんだけどなぁぁーーーーー!!!」
「何が恥ずかしいってんだよっ!」
「母親の兄なんだもんなぁーーーーー!!!!!」

それじゃあ、めちゃめちゃ血のつながりがあるんじゃん・・・。

「あ。まさちゃん、今ちょっと呆然としたでしょ」
「えっ?いや、そんな」
貴子は、控えめにいっても美人だった。
「ゆっとくけどあたしは母親似だからね?」
その貴子に似ている母親と、その兄・・・・・・・・・・・・・

「何見てんだよっ!!」

タオルを頭に巻いている、血色はいいが、人相の悪い酒屋のおやじとは・・・・・・・・

「・・・似てないですね」
「うん・・・・」

「何しんみりしてんだよぉぉーー!!!」

「あたしは今、一人暮らしなの」
「一人なんですかぁ」
ここ、と言われたのは平屋の一軒家。
「あのおじさんの妹であるうちの母親は、父親の転勤に伴ってついていきました」
「貴子さん、じゃあ、一人で大変じゃないですか?」
「うーん。まぁ、家の中のことはできるし、仕事は在宅だし、そうでもないんだな」
カラカラと引き戸をあけると、軽いスロープが作られている。
由紀夫が車椅子を押し、これはラクチン!と貴子は笑う。
「あー、楽しかった。ごめんなさいねー、あのドン・ペリ!」
酒屋のおやじにして、高子の叔父、しげるは、日本の酒には詳しかったが、シャンパン=ドン・ペリ=発砲ワイン、という人だった。
「シャンメリーでもドンペリなんだな」
「ねー!」
これは子供でも飲んでもいいぞ!と正広にやたらと出されたのが、クリスマスによくある、シャンパンと言いはったサイダーであり、その甘さと炭酸に、今ちょっとキテいる正広。
「また遊ぼうね」
でも、とての楽しかったから、はい、と元気に答える。
日本酒で、ほんのり赤くなった貴子も綺麗だな、となんとなく感じて。

うきうき帰る帰り道、けぷ、とげっぷが出て、赤ちゃんか!!と由紀夫に笑われた正広だった。

<つづく>


ちょっとほんのり恋の予感か!?がんばれ正広!そして酒屋のおやじはもちろん泉谷しげる(笑)

てことで、次回は来週の水曜日!の予定は未定にして決定にあらずってことを人々はもう知りすぎている!

今までのGift番外編へ

What's newへ

SMAPレポートへ

SMAPメニューへ

トップへ