天からの贈り物じゃないけど、黙って受け取って?

『Gift番外編』

yukio

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ギフト番外編91話『ひろちゃんの日記』

色々忙しくなると訳の解らない更新が増えまする。

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○月×日

今日は、湯布院温泉に行きました。
兄ちゃんは、宮崎シーガイアに届け物があったので、現地で待ち合わせることにしました。
泊まった旅館には部屋に露天風呂がついていたりして、すごかったです。
うちにも露天風呂が欲しい!と兄ちゃんに言いました。
兄ちゃん、作ってくれるかなぁ。

 

「作れるか!!」
「兄ちゃん!人の日記を見るなんて、どーゆーつもり!?」
「これが日記か!」
ばしん!
と由紀夫はテーブルを叩いた。そこには、コピー用紙を繋ぎ合わせて作られた、大きな用紙があり、でかでかと正広の字が踊っている。
「日記じゃん!日付も書いてあるし!」
「行ってねぇだろ!湯布院にも、宮崎にも!」

「・・・・・・・兄ちゃんって、意外につまんないんだから」
「どーしておまえの旅番組好きは治んねぇんだよ・・・」
「いや、露天風呂を見たのは、鉄腕dashだったんだけど」
「何でもいいよ・・・」
「だって、普通のおうちなのに露天風呂があるんだよ!?露天風呂だよ!庭に露天風呂だよ!?」
「ここで作ったら、あっちこっちから丸見えだぞ」
「あー、ピーターのうちにすみたーーい」
「ぴぃたぁ?」
「ピーターのうちって、伊豆だか、どっかだかの高台にあって、露天風呂から海が見えるんだって。いいよねー、いいよねぇーー」
「だから、あの人、あんなに色黒になったのか」
「なるほど!納得。じゃなくってー!」
「さっさとこの紙くずどかせろ。夕飯どーすんだ!」
「ぷくー」
「城西支部の中村検事ほど可愛くはないけど、どっかの看護婦よりはマシじゃん?」
「ぷくぅーーー!!」

 

▲月◎日

今日はイチゴがりにいきました。
やっぱり時代はイチゴです。
食べ放題なので、たくさん食べました。採れたてのイチゴって、すっごく美味しくて嬉しかったので、僕は50個くらい食べました。
でもお腹は壊さなかったよ。
でも、もうイチゴは当分いいや。

 

「ホントにいいんだな」
「・・・50個も食べたもん・・・」
その『日記』は、由紀夫用のクローゼットの中にぺらりと落ちていた。
「はっ!そうじゃなくって、兄ちゃん、よくも人の日記を!」
「だからこれが日記か!」
ソファでぐずぐずしている正広の前につきつけたそれは、いまどき珍しい裏白ちらしに書かれている。弱弱しい字で。
「楽しかったなぁ〜・・・、イチゴ狩り。50個も食べたんだよ、赤い美味しいイチゴぉ〜〜」
「雨降ったんだろうが!」
「うううう・・・・・・・・」
正広が、3週間前から楽しみにしていたイチゴ狩りは、豪雨天であっさり中止となっていた。
「そうとでも思わなかったら悔しすぎてぇぇ〜・・・!」
「おまえは、野長瀬以上に子供だなっ!」
年が相当離れている野長瀬の方が子供だと位置付けられているのも悲しいが、正広も、野長瀬さんより子供だなんて、ぐっすん、と思う。
「と、とにかく、今日はもういいの!イチゴはもういいのぅー!」

「ふーん。じゃあ、俺一人でたーべよっと」

「え?」

由紀夫がテーブルの上に置いたのは、一粒一粒が薄紙に包まれたような超高級イチゴ!
「きゃーーー!!」
「何やって食べよっかな。ここはあえてイチゴミルクか!?」
「きゃーーー!きゃーー!!きぃやぁぁぁーーーー!!!」
「・・・やめて、正広。窓ガラス割れるから・・・。ほら、しぃちゃんも落下してるし・・・」
「すげーーすげーー!!綺麗ーー!どうしようー!どうするぅーー!!」
騒ぎまくった正広は、急にストップした。
「・・・あれ、食べたい・・・!」
「何」
「前、奈緒美さんにお昼ごはんをごちそうになった時、出てきたデザート・・・」
「は?」
「白い、メレンゲみたいなヤツの上にかかってたイチゴのソースが、この世のものとは思えないくらい美味しくてー!美味しくてー!奈緒美さんも、これ瓶詰めで欲しい!ってゆってた、あれが食べたくてー!食べたくてー!」
「解った、解った。おまえは奈緒美に聞いてそれを食え。おれはこれを、あえてイチゴミルクで・・・」
「いやー!!俺も食べるぅーー!」

 

☆月★日

やっぱり兄ちゃんはすごいと思いました。
今度の僕の誕生日には、免許をあげようって言うんです。
そうです。
免許は買えるんです!すごい!早く誕生日がきたらいいなぁ。

 

「買えるか!」
「買えるよぅ〜」
この『日記』は、可愛いポストカードに、精一杯可愛い字で、精一杯可愛い色ペンで書かれており、ドアに貼られていた。
「あ、でも。もー、兄ちゃんったら。そんなに俺の日記が気になるのぅ〜?」
「ありませんよ!全然!」
「だって、毎日、毎日ぃ〜」
「ともかく、車の免許なんていらないだろ、別に」
「だって、兄ちゃんが買ってくれるって」
「免許は買うもんじゃねぇの!」
「うそぉ〜。兄ちゃんの免許だって買ったもんじゃーん」
確かに。
早坂由紀夫と言う人間が、書類上この世に存在しないだけに、由紀夫が持っている免許は、偽造されたものだ。
「だから俺も♪いてっ!」
びしぃ!と由紀夫のチョップが、正広の頭頂部にヒット。
「俺は元々免許持ってんの。元々運転できんの」
「オートマだったら運転できると思うぅ〜・・・」
「そーゆーヤツには免許は渡せません。おまえ、あれ見てただろ!」
「教習所物語ぃ〜・・・?」
ビデオ見返せ!とビデオを渡された正広は、しぶしぶビデオを見なおして、最終的に号泣した。

 

「日記って楽しいよね・・・」
「た、楽しい・・・?」
典子が振り返る。
「なんか楽しいから、最近毎日書いてんの。典子ちゃん、日記とか書く?」
「書かないよ、そんなの〜」
「でも、ちょっと面白いよ?」
「日記ぃ?」
まるで共感してもらえなかったが、正広は、今日の日記は何にしようかなあと考えていてワクワクしていた。

もちろん。
野長瀬が鍵のかかる日記帳に、毎日、ちまちま日記を書いていることは、みなが知るところであり、多分その中を見てしまったら、抱腹絶倒過ぎて死ぬかもしれないということから、「野長瀬の予言書」と呼ばれ恐れられている。
野長瀬の留守中に、なんだこりゃあ、と、鍵をぶっちぎって中を見た野長瀬智子(巨大ミニウサギ・オス)が文字を読めなかったことは幸いとしかいいようがない。


野長瀬の予言書・・・。ものすごいことが書いてあるのね。きっと・・・!きっとぉ!!

次回更新は、来週水曜日!の予定は未定にして決定にあらずっ!

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