天からの贈り物じゃないけど、黙って受け取って?

『Gift番外編』

yukio

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ギフト番外編117ちょっと特別版『レポートを届ける』

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「あぁ!うっそぉ!!ビデオー!兄ちゃんビデオぉぉーー!!」
年末は28日まで働きますよ、な、早坂兄弟は、ふと思い立ち、26日の夜、掃除をしていた。
「あ?ビデオ?」
台所担当として、重曹やら、洗剤いや子さんやら、べっぴんしゃんやらを駆使していた由紀夫は、ウェーウワイパーで家具のホコリを取っていた正広の悲鳴に顔を出した。
「正広?」
「び、びでお、びでお・・・!あっこっ、これ・・・っ!」
正広はテレビの前に座り込んで、わたわたしながらビデオのセットをしている。
「よかったー!ビデオ残っててーー!」
ふひーー!
ばたーん!と仰向けに倒れた正広は、何事かと自分を見ている兄に気付き、ほらほら!とテレビ画面を指差した。
「何?あ、木村拓哉じゃん」
「そぉなんだよぉぉーーー!!」
その日は、笑っていいとも年末特大号がある日だった。正広は、ビデオに撮るつもりだったのだが、なんか勢いで掃除をはじめてしまい、ビデオテープを買いにいくヒマがなかったのだ。
なのに、途中で木村拓哉にまで出てこられては、正広だって黙っていられない。多分残っているはず!と使いかけのビデオを必死に探し出し、ここだ!!と録画をスタートさせたところだった。

「あー、もー、びっくりしたー。でもなー、編成のももこってところで気付けばよかったんだよねー」
「編成のももこ?」
友達か?
「木村くんがラジオで言ってたんだよねー、編成のももこって」
画面には、木村拓哉と、大騒ぎの客席、何事か!?と慌てる出演者たちばかりが映っていたが、その後ろにちまっとした感じの女性がいて、それが『編成のももこ』らしい。
ボックスの中にいる木村拓哉は、じっと黙ったままで、少々顔が青白く見えた。
その彼を見て、客席はすざましい声を上げ、名前呼んじゃだめー!と司会の久本雅美から叱られていた。
『呼ぶんだったらタモリって呼んで!』
「タモリー!」
正広は嬉しそうにテレビに呼びかけ、テレビの中の木村拓哉は、『タモリ?』と口を動かして笑っている。

『すごいな、誰?』
「えー!中居くん、ほんとに知らないのかなーー!!」
いや、そんなはずないんじゃあ・・・?と思いながら、いかんいかん、そろそろ排水溝がいけるはずだと由紀夫はキッチンに戻った。
排水溝に重曹をまき、1時間ほどおいてから一気に流すと、いわゆるパイプスルーのような働きをしてくれるのだ。
由紀夫が気持ちよーく水を流している間、正広はどんどん興奮していた。

「でもねー、兄ちゃん。・・・兄ちゃん!?」
「あぁ?」
「何してんの?」
「・・・掃除」
「それはいいじゃん!後でも!」
「えぇ〜?」
こい!早くこい!!
正広はかなり真剣な顔で、来い!と兄を手招きする。
せっかく排水溝が綺麗になったのに・・・と思いながら、仕方なくべっぴんしゃん片手に、由紀夫は正広の斜め後ろに座った。
「これねー、これで解らなくなったんだー」
正広は、画面に出ている、『水着だーい好き事件』を指差す。
「水着大好き?」
「なんかね、犯人は、海が好きで、海に人を誘うのが好きだって言ったんだよね。それで、この人はプールに誘われて、白のビキニでこい!って言われたんだって」
・・・白のビキニ・・・
由紀夫は、画面にちまっと映っている女性を見て、この彼女に白のビキニ・・・というのは、オヤジか?と首を傾げる。
「結局行ってないらしいんだけど、なんか、プールって違うかなぁ、と思って。それでビデオ出すのが遅れたんだよぉぉーー!!」
じたじたじた!と正広は慌てる。
見てたんならいいじゃねぇか!と由紀夫なんかは思うが、どうもそうではないらしい。

「あっ、次の事件簿だ」
わくっ!と起きあがった正広はテレビに齧りつく。
「楽屋ピンク事件だってー」
「はいはい」
誰の楽屋がピンクだろうが、金色だろうが、関係あるのかい、と思うが、正広はわくわくだ。そして画面の中では、解答者たちが、客席がうるさくて聞こえない!とアピールをしている。
『あんたたちー!!いい加減にだまらないと乳出すよ!』
『この人、ほんとに出しますから!』
『卵産んじゃうわよっ!!』
客席を黙らせようと司会者たちも張り切っている。しかし客席にとって一番キツいのは、久本の乳でも、久本の卵でもなく、扉を閉められることだなと由紀夫は確信を持った。
「あー、ジーンズ可愛いー。穴開いてるー」
黒のPコートで、紫のシャツで、髪もちょっと切っている。
こーゆーのもカッコいいなー、と正広は思った。
事件自体は、ドラマの撮影中、楽屋が殺風景だったので、マネージャーが撮影中に、楽屋にピンクのカーペットなんぞを引いたというもの。
「マネージャー、頭悪いのか」
「頭おかしいのかも」
「ピンクって・・・」
「ピンクっておかしいよね、明かに・・・」
別に、木村拓哉がピンクが好き、という訳でもなく、ただ、よかれと思ってしたらしい。
「それで、これがヒントになるんだね。1ヶ月、ドラマの撮影をしていたって」
「はぁはぁ。・・・でも解るだろ」
「だって、中居くんたちだって、解らないって顔してんじゃん!」
確かに画面の中で、比較的全員がきょとんとした顔をしている。中居正広は、役者さんですね?と尋ねたっきりだ。

なおも客席は大騒ぎで、こっちにも芸能人たくさんいますから!と注意されている。
そのうち、久本が、小窓を開けて、犯人木村拓哉をのぞきこみ。
あぁぁ!!と倒れ込んだ。すかさずタモリが上に乗る。
『クルね!』
「クルよぉー!私いま、見ただけで妊娠しちゃいました♪」
想像でしょう!想像ね♪とひたすら浮かれる久本に、木村は少々困った顔をしながらも笑っている。

『犯人から質問があるそうですけど。質問、あるよね』
ボックスの中を再び覗きながらいう久本に、木村は小さくうん頷いた。タモリが後ろで、変換機を通した声真似をしている中、フリップに書きはじめる。
「うん、って可愛いー・・・!」
『何やっても様になるなー!』
久本と同じタイミングで、何がそんなに嬉しいのか、正広がきゃあきゃあになっていっていた。
そして、様になるなー、と久本、タモリは、背伸びしながら、小窓を覗いている。いつもはある踏み台がないらしい。
ここで、自分が持っていたボードで、自分のお尻をつついてしまった久本が、隣のタモリにセクハラされた!と慌てるシーンなどもあったが、そこでフリップが差し出され。その内容が。

『25日は、中居はなにしてた?』

え?と中居が不思議そうな顔になる。
「えー!字で書いたら解っちゃうよー!木村くんの字だって、わかるよねー!」
「字って言うか、中居のことを、中居って言う時点で、消える人は多いんじゃねぇの?」
『・・・いや、普通にお仕事はしてましたけど・・・』
『寂しいクリスマスじゃなくて』
『いや、普通に仕事してました』
不思議そうに答える中居の返事を聞きながら、久本はボックスに戻って言う。
『普通にしてたって』
それに対し、ふーん、と、唇をつんとさせる木村だったが。
『吸い込まれていくね!!首が伸びるかと思った!!』
何!とタモリも覗きこみ、そのまま、うふぅ〜ん、な気分になったようだ。
「はいはい!」
「えっ?」
「25日!みんなでパーティーしましたーー!!」
「・・・おまえは聞かれてないから・・・」

次の質問は、久本のスネを直撃。しかしもちろん、それが嬉しい久本雅美。嬉しい・・・!という久本を見て笑う木村だ。

『剛くん、電話の声、どうして暗いの?』

んっ!?
と、金曜コーナーの草g剛が、驚いた顔になる。
『電話・・・?電話ー・・・、電話、しました、ねぇ〜・・・?』
はてな?はてな?になっている剛に、中居が尋ねた。芸能界で、自分の電話番号を知ってる人って?と。
そして、剛は、はてな?はてな?のまま、そぉっと、中居と、香取慎吾を指差す。
その、そぉっと具合がおかしくて、中居も慎吾も笑ったのだが、剛は、うそぉ!?と自分の想像に驚くばかりだ。

さらにやってきた、久本のすね直撃の質問、というか、ご意見は。

『どっちかっていうと、ピーコさん派!』

『解ってる。そうなの』
「えー、ピーコさん、解ってんのかな」
「解るだろ。この騒ぎで!」
「えー、えー、だって、剛くんとかもきょとーんなのにぃ!」
このSMAP3人のきょとんっぷりが、まさか本物のはずはなかろうと由紀夫は思うのだが、それにしてはやたらと、うまい。
ピーコの言葉に、木村は破顔しながら次を書き始めていた。

しかし、まだ事件簿は続いており、3つ目の事件簿がオープンされる。

『あのー、曲がってますよ事件』

「曲がってます?」
首を傾げた正広の耳に入っていきたのは、衝撃の事実だった。
時代劇の白熱した殺陣の最中、真剣にやりすぎて、相手の刀が鼻に当たり、ぽきっと曲がっちゃったと!!
「いやーー!!!」
自分の鼻を押さえ、ベッドに飛び込んだ正広は、イヤイヤイヤ!と首を振る。
「木村くんの鼻がぁーーー!!痛いぃーー!!」
「えぇ〜!?」
由紀夫は逆に、テレビにくっついた。
ケンカ、というよりも、もっと卑怯な事を色々やってきたので、怪我についても詳しい。鼻?と見ていると、テレビでは、その時に整体師がいて、すぐに治してもらえたというのだが・・・。
「別におかしくは、ない、か・・・?」
「でもでも、痛いよぅー!痛いってー!」
「いったいわな・・・」
しみじみと由紀夫が言い、兄がそういうってことは、めっちゃめちゃ痛いんだ!木村くんっ!!と泣きそうになる。
そして解答者席では、マイケルジャクソン!?という声が。
『鼻取れちゃったんでしょ!?』
「いくらのマイケル・ジャクソンでも、鼻は取れないだろ・・・」
ピーコの叫びに静かにつっこんだ由紀夫だったが、その鼻、という単語で、正広がまた悲鳴を上げた。

木村は、取れてません!という顔をして、マジ大丈夫?という久本に、再びフリップを出す。
『テンション高いもん、今日』
中居から言われた久本は、嬉しそうにそのフリップを受け取った。

『ぷりんぷりんがんばれ!』

突如名指しされたぷりんぷりんは、多くの芸能人たちの後ろに控えていた。
『えっ?知り合いですか!?』
驚くのはぷりんぷりんたちだけでなく、久本も一緒。
『あれ?知り合い?』
『・・・イヤ、俺、イツモ、アノー、テレビデ。イイトモ見テイテ、イツモ、影ナガラ応援シテマス』
「あっ!木村くん、しゃべった!」
突如復活して、正広はベッドの上に正座する。
「ぷりんぷりんがいいとも出てるって、火曜日だよ。メンバーが出てる日は見てんのかなっ」
「たまたまじゃねぇの?」
「でもなー、俺ねー、最近三瓶好きなんだよねー」

「「三瓶です」」

息も動きも揃ってしまうのが、早坂兄弟。

そして、テレビでは、小さな小窓から、握手してもらっていいですか?と久本が手を入れており、木村がその手を握っている。結構離さなくて、引っ張られる♪と大喜びの久本が、タモリから叩かれていた。

そして最後の事件簿は、『省略しないで事件』

あーって笑う木村で、ははっ、と口が開いた。
名前を省略されることが多いので、それがちょっと・・・というものだったが、そこですかさず中居が、ミスチル!チャゲアス!といい始め、最終的には、デパートメントストア!にまで発展。
途中入ってきたハマコーは、ハマコーが剛と電話するか!と却下されてしまった。

『あんまり、縮めるのいやなの』
久本から訪ねられ、ボックスの角にもたれていた木村は、うん、とうなずいた。
「か、可愛くないっ!?なんか!こーゆー、口好き!これ!これこれ!!」
と、拗ねたように突き出した唇の上を、これ!これ!!と正広が叩く。
「テレビ壊れる!」
「こーゆーの可愛いー!」
今度は、椅子をグルグル右に左に回しているのが可愛いらしい。

解答者からの質問は、0930は会ったことがあるか。

『アル』
『超会ってるよ』
久本からもいわれ、二人はかなり驚いた。会ったことある!?
『ドツイタ』
笑いながらの声に、あーーー!!って気がつく0930たち。
『電話で喋ったっていうんですけど、それはなんか、最近ですか?』
剛も聞いてくる。
ボックスの中で、木村はにこっと笑い、最近といえば最近と答えた。
『めったに喋らない?』
『電話デハ、アンマリ・・・』

「薄いしりあいってー!木村くーん!」
剛とは薄い知り合いですとゆった木村に、きゃはきゃは正広は笑い、剛くんと知り合いってことは、僕とかもまぁまぁ知ってる?という中居の質問に。
『あんまり』
と答えたことで、なお笑う。
時々、赤子の手をひねるより簡単なことで、正広は大笑いするのだった。
そんな様子が伝わったかのように、木村も笑い、横目で見ていたりして、なおも客席を騒がせる。

誰かが、面白い顔の人?という質問もあり、面白い顔じゃないけど飽きないと久本が答える。
『飽きないの?寅さんシリーズ出てる?』
『飽きないもんねー!』
関根勤の言葉に、飽きないと付け加えた剛には、由紀夫もわらってしまったが。
『寅さんシリーズ、出てる?』
『マダ(笑)』
「これ!!これ、得意だよね!」
笑っていた正広が、ついに画面にひっつく。
久本雅美も、唇および、歯が伸びていきそうになった、上目遣いの「うん?」っていう表情。
「これ好きー」
「そうかそうか。好きか」
「木村くんだったら、俺はこの顔好きー」

もう残り時間もないようで、ジャンルは何か?という質問もでた。
『・・・ワカンナイ』
と、木村は答えるしかない。確かに、ジャンルを聞かれると、はっきりしないのが彼らだ。
ドラマも出るし、バラエティーにも出るし、歌も歌うし、踊りも踊るし、海にもいくのだから。
しかし、その踊りに、全員が食いついてきた。
踊り!?なんの踊り!?何が得意!?と食いつかれ、おどおどと、『ぶ、ブレイクダンス・・・』と答えた外では、藤娘!?という激しい意見も出ている。
「フジ娘ってなに?」
「日舞じゃねぇの?」
「日舞・・・。ひょっとして、綺麗かな」
「歌舞伎の人とかもやるんだから、やってやれないことはないんじゃん?」
「富士山の踊りか・・・」
「・・・それは、違うんじゃないかな・・・」

そしてついに、それはやってきた。エステとか行ったりします?という質問が来たのだ。続いて、岸辺一徳さんとなんか、近くで、と。
あぁ、と微笑む木村。
『エステとかも、ねー』
『嫌イジャナイスネ』
久本に返事をし、薄くても嬉しいもん!!と喜ばれた。小窓を薄くあけてみているだけでもうれしい。司会なんてもうしたくない!という久本。

そして、最後の質問が出た。

『最後の確認ですけど、お父さんは、あなたより年上ですよね?』

「年上だよぅー!」
正広は、また赤子のようにひねられて笑っていたが、残念なことに、木村拓哉は、赤子ではなかったらしい。
何っ?と言う困った顔で、久本を見上げるばかりだ。
その困った顔に、
『付き合わなくていいです』
と、きっぱり言う久本だった。
答えを書いている間にも、『お父さん・・・?』と木村は考えこんでしまい、解ってないー!と正広を喜ばせた。

解答者席では、香取慎吾が中居に叩かれていた。
どうした?という司会者に、左手を広げた中居が、右手の人差し指を、左の手のひらにくっつけて文句を言っている。
「あ・・・!」
「え?」
「吾郎ちゃんだ」
「は?」
「だって、5と、6!」
片手を開いて5、その手のひらに別の手の人差し指をあてて、6、とやってみせた正広が、嬉しそうな顔になる。
「慎吾くん、吾郎ちゃんの名前書いちゃったのかな♪」
「あぁ、ご、ろ、ね」

解答者席のフリップは、木村くん、木村、木村拓哉、木村拓哉、中村勘九郎。
「中村勘九郎!?」
だって、踊り上手いし!という関根勤だが、その間にカメラが映したのは、『吾郎見てるかぁ〜?』というフリップをもち、ぺろっと舌を出す木村だった。
「ああああ!ごろちゃん!!」
ごろちゃん、見てるーー!!と、正広まで手を振る始末。
しかし、関根はなおも言っていた。名前省略されるしと。
『ムラカンって言わない!!』
と注意されていたが。

そして、ついに木村がボックスから出る時がやってきた。すっと出てきて、挨拶し、答えを確認する木村。剛に向かって、電話、というジェスチャーをしてみせた。
「うわー、うわー・・・!なんか、背が高くなったような気がするぅー・・・!」
立ちあがった木村を見て、正広が言う。
『カッコいーー・・・!肌のツヤが違う!中居くんとー!』
そんな東野の発言を聞きながら、そんなに違うのか?と由紀夫はしみじみテレビを眺める。肌荒れしてそうにも見えないことはないけれど、おそらく、本人がそこにいる、というのは、テレビ画面で見るのとまるで違うのだろう。
当然、ただ出てくる訳もない木村なので、年末時代劇の大きなパネルが出てきた。
「うわー、カッコいいー・・・」
正広の顔には、『欲しい』と描いてある。
「ああぁ!タモさん、じゃまだよぅー!」
ポスターの横にいく木村の、前に、前に、タモリがわざと移動してくるのを、手で払いよけようとする正広を見て、なんでこんなに無邪気かな・・・と、ちょっとこみ上げてくるものを感じてしまう由紀夫・・・。
さらに、中居の、Pコート!Pコート!という声に、それも不思議な言い方だな、と首も傾げた。

『見所とか』
『見所ですか?見所はやっぱり・・・』
邪魔するタモリを押しのけて、隣で聞いていた久本は、斜め後ろから声がしているということに大喜びだ。
そのうち、タモリが木村の手をとって、久本の肩におき、木村も、反対側の肩に手を置いて、マッサージしながら見所を話そうとしたが。
「ああ!倒れた!」
そのままくちゃんと倒れてしまい、またタモリに乗っかられる。
慌てて木村がタモリを引き剥がしたのだが、入るかと思った!という言葉で、一緒に久本を突き飛ばす。
きゃはきゃは笑っている正広は、シモネタだって大丈夫だ。

そんな騒ぎの中、突然。

『木村くん!留守電聞いてくれた!?昨日!留守電いれたんですよ!』
「つ、剛くん!」
タイミングもへったくれもあったものじゃない騒ぎに、正広は大喜びする。正広は、剛のこういうところがとても好きらしい。
『20秒なんですよ!入り切らなくて2回入れたんだけど、聞いてくれたんだ!』
『聞いた、聞いた』
『あれ?もしかして、すごい憧れの人?』
久本にからかわれても、剛は必死だ。
『あれ結構難しいんですよ!20秒にまとめるの!』
『理想の男性(笑)?』
『だから、昨日出なかったんだぁ〜!』
『ごめんなさいね、興奮してて』
こんな剛に、正広が息も絶え絶えになっていたのは言うまでもない。

そして、慎吾は物静かに立っている木村に、決まってますね、と一言呟く。
『渋いよね。でもあれでしょ?4人揃うって、今年最後じゃないの?そうでしょ、紅白でないから』
「あ・・・」
正広は、一瞬にして黙った。
「・・・そうだ。紅白、ないんだ・・・」
だから、これが今年最後の、全員揃ったSMAP。
すごい・・・。ありがとうスタッフの人!
正広は心から思う。
並んで並んで、という久本さんにもありがとう!!と。

『仕事いっしょにやった後に、よいお年をって言わなくって、すごい、なんかね』
言いながら中居も出てきて、4人がステージ上で並ぶ。右から剛がいて、木村、陰陽師、ウォーターボーイズ、冷静と情熱の間をイメージした衣装の慎吾、そして中居。なのだが。
剛の外側にタモリがいた。
違う違う!と中居はいい、また、手で、吾郎を示す。タモリ、剛、木村で、吾郎の真似をしてみたり、吾郎見てるかー!っと木村が言ってみたり。
「すっごい・・・!」
正広は感動していた。
中居と一緒に、5・6!5・6!と手で示し続け、CMになった時には、すっかりぐったりしていた。

「はー・・・」
ビデオはまだ回っていて、正広は、どうにかこのまま取り続けたいと思っていた。
「今年は、なんか、大変だったー・・・」
「そうだなー」
「来年は、いい年になるといいねぇ」
「今年もそこそこだったけどな」
「そだね。楽しいことも一杯あったよね」

ニコ。
ニコ。

微笑みあった早坂兄弟の、兄の方は。

「だから、さっさとほこりとっていけ!」
「えーー!!まだやるのーー!!!」

お掃除モードが抜けない兄に、すっかりのんびりモードになってしまっていたため、悲鳴を上げる正広だった。


今年ももう最後ですか。
んー、10年1日のごときギフト番外編は、2002年も、サザエさん並の日々をだらだらと過ごすことを誓います。激しくね!それはもう、激しく!!

では、皆様よいお年をーー!

次回更新は、来年最初の水曜日!の予定は未定にして決定にあらずっ!

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