天からの贈り物じゃないけど、黙って受け取って?

『Gift番外編』

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ギフト番外編151話中編『GWに届ける」


 

ゴールデンウィーク。
黄金週間。
そんな、キラキラ輝く日々を、早坂兄弟と野長瀬は、列車の中で過ごしていた。
どこにいくのか、それは誰にも解らない。この列車はミステリー列車なのだから。
「どーゆー謎なんですかね!」
今ごろ、置いていかれたペットのミニウサギ、野長瀬智子(大にして、♂)が、彼の部屋を壊滅状態にしていることなど知るよしもない野長瀬は、ウキウキ気分で尋ねた。
「3人で、って言ってるんだから、きっと力合わせなきゃダメなんだよね!」
正広の目もキラキラだ。
「じゃあ、これを」
そんな期待で胸一杯の二人に、由紀夫が封筒を出した。
「どしたのそれ!」
「席にあった」
3人が座っているのは、二人がけの指定席を向かい合わせているもの。
そこに、その封筒があったと由紀夫は言った。
「あぁ、こういう席なら智子ちゃんを連れてくれば・・・!」
まさにそう野長瀬がつぶやいた瞬間に、智子が野長瀬の羽根布団を噛み千切ったのだが、そうとは知らない野長瀬は、空いている4つ目の席に座る、野長瀬智子の姿を思い浮かべた。
「多分、まず、そのシートを食い千切るな」
「え、そ、そんな・・・」
「それから、肘掛を破壊した後、車内販売のおねえちゃんに襲い掛かる。野獣のように」
「こ、こわっ!」
由紀夫と、野長瀬智子は、人間と動物という垣根を越えて、徹底的に気が合わない。正広にとっては、可愛いうさぎの智子ちゃんなのだが。
「そ、そこまではしない、よぅ・・・」
その正広にしても、智子が乱暴である、という事実を否定することはできない。
「智子ちゃぁ〜ん・・・♪」
その乱暴ものに、日々痛い目に合わされているはずの野長瀬だけが。
「あぁ・・・置いてくるんじゃなかった・・・!やっぱり一緒に・・・!智子ちゃんはウサギなのに!さびしいと死んでしまう、そんなウサギなのにぃ!」
と、野長瀬智子を、なんだかとてもか弱いものだと思っているのだった。
「智子ちゃんのことは、どうしてるんですか?」
「あの、稲垣アニマルクリニックに頼みました」
当然頼まれたのは、稲垣アニマルクリニック助手の、草g剛だ。
この世に存在する人類は、手下か敵、という野長瀬智子にとっては、180%手下、という草g助手。
彼はこのゴールデンウィークに地獄に見ることになるのだが、それは彼の胸の中だけに、そっと、そっと、しまいこまれているらしい。

「あっ、それより!その封筒何っ?」
智子のことを思い、このまま泣き崩れそうな野長瀬には付き合いきれず、正広が尋ねる。
「ヒントが書いてあんだろうな・・・」
ぺら。
封筒から取り出した四つ折りの用紙を広げる。
「・・・タコ・・・」
「タコだな・・・」
その白い紙の右斜め上辺りに、コミカルなタコの絵が描いてある。
「『タコ焼8ケ入りパックを15パック完食するんたこ〜』」
「えーーーー!!!」
そのタコのセリフを無感動に由紀夫は読み上げる。
「15パック・・・・・・」
げんなりした由紀夫だったが、正広の目はまたもやキラキラと輝いた。
「すごい・・・!やっぱり3人いないと難しいよね!一人5パックかぁ〜・・・!」
「いや、ここは任せてください!8パックはいけます・・・!」
「はぁ!?」
「よかったぁ、おべんと食べる前でね〜」
にこーっと笑う正広を見て、車内のたこ焼きなんてそんな美味しいもんでもないのに・・・。不憫な・・・と思う由紀夫だが、ともかく食べねばならない。
たこ焼き15パックを買い込み、これをあっさり完食。
「で?」
ぷっくらめの唇に青海苔をつけた由紀夫が、正広と野長瀬を見る。
「どうするって?」
「ど、どうするってー・・・」
確かに、タコは、完食するたこ〜と言ってるだけで、だからどう、とは言っていない。
これは、ただ、単に、たこ焼きを買わされただけなのか・・・!?という空気がただよい出した時、由紀夫が立ち上がった。
「とりあえず、このパッケージにはおかしなところなさそうだから」
「あっ!そうか!!」
正広が、ソースにまみれたパッケージをひっくり返した。
「完食するってことは、これをあけなきゃいけないってことだから!」
「なるほど!ヒントはこの中にあるんですね!?」
野長瀬もパッケージをひっくり返し、あっちやこっちを見ている。舞い散るかつおぶし。迷惑そうな顔の由紀夫。
「15個ってのも、なんか怪しいよね・・・」
「つまり、この1つずつが文字をあらわしていて、15文字からなる文章に!」
「なんだろう15文字・・・!」
あーでもないこーでもないと、15個の空き箱を次々に確認する正広と野長瀬だったが、あっ!と正広が手を叩く!
「よしっ」
「えっ!?ひろちゃん、解ったの!?」
「洗ってきましょう!!」
すっく!と立ち上がった正広は、たこ焼きの箱を積み重ね、洗面台に向かおうとする。
「待て待て待てって!」
「兄ちゃん!」
止めようとする兄を厳しくいさめたりもする。
「もっと真剣にならなきゃ、お宝なんて手に入れられないんだからねっ!」
「ひろちゃん、こういうのはどうですかね。15個をたてに並べると、側面に何かが現れる」
「そーれだーー!!」
いけーーー!と洗面台に突撃する二人を見送るだけの由紀夫だった。

洗面台では、一生懸命、丁寧に箱を洗った。なんならもう1度使うかい?くらい丁寧に扱った。
しかし。

「・・・なんもなかった・・・」
「だろうなぁ〜」
気の毒そうに言う由紀夫は、じゃあこれ、と、新しい封筒を取り出す。
「えぇーーー!??なんでーーーー????」
「俺らが完食したってのは、誰が見ても解るだろうからなあ・・・」
スタッフらしき人から渡された、と、その封筒を正広に渡す。
「なんだよー、なんだよ、もぉー」
ぷりぷりしながらその封筒をあけ、用紙を取りだす。
さっきと同じ白い紙。
そのほぼ中央に。

「・・・・・・・たまねぎ」
「たまねぎだな・・・」

『あたしを一杯刻んでね♪』

恐ろしい言葉を吐いている、それはたまねぎの絵だった。
肉感的な赤い唇が描かれているところを見ると、どうやらセクシー系たまねぎ。
「き、刻むの・・・?」
「刻むんじゃ、ねぇのか・・・?」

新幹線の中で、たまねぎを刻む!?
そんなシュールなことがあっていいのか!?

等という思惑が渦巻く中!

それいけ、ごーるでんうぃーく!

<つづく>


旅行といえばツアー。コンサートツアー。あぁ〜。夏がくる〜、きっとなっつがっくるぅ〜(笑)

次回更新は、来週水曜日!の予定は未定にして決定にあらずっ!

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