天からの贈り物じゃないけど、黙って受け取って?

Gift番外編』

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ギフト番外編159話ちょびっとだけエピローグ『プレゼントがたんまり届いた』



<これまでのお話>

それは11月13日。自分の誕生日に、各地に散らばるファンからたくさんのプレゼントをもらった由紀夫。大荷物とともに帰ってきた由紀夫が、慣れ親しんだ事務所で見たものは、なぜか、クリスマスツリーだった。足元に大量のプレゼントがおかれたクリスマスツリー。
そして、机の上に残されたメッセージ、『一つだけお持ち帰りください』。
大量のクリスマスプレゼントの中から、由紀夫が選んだものは、こともあろうに事務所の備品、ぬくぬくブランケットだった!
そして時は経ち!?

「クリスマスだねー・・・」
「はやっっ!」
時はもうクリスマス。クリスマスったらクリスマス。
驚く兄はそのままに、正広はクリスマスイルミネーションに彩られた街を眺める。
「テンションあがるよねー・・・」
この時期に、あえてテンションを上げないように心がける人とは友達になれないと、正広は思っている。
そう。祭りなのだから。
祭りにはのっかっていくべきなのだから!
「どうしようかねぇ、今年のクリスマスねぇ」
朗らかに兄に尋ねると、由紀夫は少し困った顔になった。
「何ぃ、でかけるでしょー?どこいくのぉー?やっぱりね、俺はディズニーランドにいきたいなー!いーきたーいなぁー!」
「・・・クリスマスのディズニーって、また無茶なことを・・・」
「だって、クリスマスだよ!特別な夜じゃん!いかなきゃダメじゃん!」
「それは、クリスマスの夜にキリスト教徒でもない人間が、面白半分に教会のミサに行くようなもんだぞ?」
「・・・よく解んない・・・・・・」
「こんな時期のディズニーランドは、真のディズニーファンのためにある!ってことだ」
「・・・えせディズニーファンはおよびじゃないってこと?」
「年間パスポートも持ってないような人間に用はないってことだな」
「だって地方のディズニーファンの人はどーすんの!」
「地方であろうとも!ディズニーフリークともなれば、年間パスポートなんか持ってて当たり前なんだよ!!」
由紀夫は思い込みで喋っていた。
クリスマスイブのディズニーランドなどというものには、絶対近寄りたくなかったからだ。
最悪、中に入っている間は我慢できるとしても、帰りのことを考えると、ヘリを飛ばせー!といいたくなるに違いなかった。
もしくは自転車で帰るかだ。
「じゃあ〜・・・」
しかし、祭りに生きる日本の男、溝口正広は大変不満そうだ。彼にとって、ディズニーランドとはあくまでも夢の国。
帰りが大変などという卑俗なことなど、彼の頭にあるはずがないのだった。
「解った!今日からスタートだよ!るみなりえ!」
「ミレナリオ!」
「それ!」
神戸のルミナリエに対抗するかのように、いつの間にか始まった、東京のミレナリオ。
覚えるのに一苦労するこのネーミングのイベントは、毎年恐ろしい人数を動員していた。
「今日スタートだったら行かなきゃね!」
「自殺願望でもあるのか!?」
ミレナリオに行くくらいなら、ディズニーランドにいく!と由紀夫は心の中で言い切った。
口に出さないのは、立ったら行こうと弟に言われるからだ。
「だぁってーーー、外行こうよぅぅぅーーー」
じたばたと正広は暴れる。
「外いかなきゃ、つまんないよぅーーー!」
そう。だって、冬なのだから。
「せっかくのーー!!可愛いセーターやー!マフラーがぁぁぁーーー!!!」

それが、一月ばかり前、正広が由紀夫に贈った誕生日プレゼントだった。
いつもシック目か、クール目を来ている由紀夫に、思い切りふんわかとかわいらしい綺麗な色のニットをプレゼントしたのだ。
冬になると、コートの色はベージュとか、黒とかで、街がモノトーンに沈んでしまうから、その中にぱっと綺麗な色と思って。
「ユニクロで買ったのにー!!さくらーー!買ったのにぃぃーー!」
「なんでおまえはそんなにユニクロが好きなんだよ!!」
「可愛いじゃん!あのCM!ピースもあるでしょ!ピースも!」
あの日、毛布を持って帰った挙句に、バカかおまえは!的ののしりを散々受け、すべてのプレゼントを絶賛することを強要された由紀夫だったが、それぞれのプレゼントがどれも、気に入っていた。
・・・一部を除き。
正広のプレゼントも、普段自分では着ない色ばかりで、ものめずらしかった。
これ着て出かけてねと言われて、着たこともある。
クリスマスもこれきてどっか遊びに行こうねとも確かに言われた。

「ねーー!!じゃあ、どこいくのよーー!!お台場ーーー???」

「そんなことは、熱が38度になってから言え!!」

クリスマスイブの夜。
正広はベッドの中から3日ばかり出られていなかった。
大風邪をひいて、うんうんうなっていたのだ。
すでに熱に慣れてしまい、起きたままうわごとを繰り返している。どうなんだよ、我が弟よ・・・!氷まくらを替えながら、るみないえ?えみないお?など呪文に近い言葉をぶつぶつとつぶやいている弟に、不憫な・・・と目頭が熱くなる。
「クリスマスイブーーなのにーーーーー」
「しょうがないだろ、そんな体で出かけたって面白くもないだろうがよ」
「ぐーりーずーまーずーーー」
「ほらほら〜、兄ちゃん、さくら着てるぞ〜♪」
「部屋の中で見たいんじゃなあああいい〜〜」
そして、ついに由紀夫は言ってしまったのだ。

「じゃあ、熱下がったら、ディズニーランド行こうな」

などと。

正広の熱が下がるのはこれから1週間後。大晦日に全快することを、由紀夫はまだ知らない。


あー、ほんとに短かったわー。ごめんなさーーい!

次回更新は、来週水曜日!の予定は未定にして決定にあらずっ!

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