天からの贈り物じゃないけど、黙って受け取って?

Gift番外編』

このページの画像は、すべてyen@galleryhttp://www.alles.or.jp/~yen/様から使わさせていただいております!皆様も遊びにいらしてくださいね!

ギフト番外編161話ミニミニプロローグ編『怪盗あらわる』



2004年になり、腰越人材派遣センター近辺では、不穏なうわさが漂っていた。
なんでも怪盗がいるというのだ。

「いません」
「いるんだって!」
正広からそれを聞いた瞬間、由紀夫は言い切った。しかし正広は食い下がる。
「いるんだよ、このご近所に怪盗が!」
「だから、怪盗とかはいないだろう!」
「なんでよ!」
「なんでって!」
このおバカっ!と声を上げた由紀夫だが、『なんで』と聞かれれば少し弱い。
いるはずはないが、いないと断言できるだけのデータを、由紀夫が持っているわけではないのだ。
「・・・なんなの、それ」
「あのね、あのね、怪盗がいるって言うんだよ」
「泥棒じゃなくて?」
「泥棒じゃなくって」
「その差はなんなんだよ、怪盗と泥棒の」
「そりゃ怪盗の方がカッコいいじゃん」
「・・・イメージ先行だなー・・・」
「盗みはすれども非道はせずって感じでね」
「おまえ好きだな、時代劇・・・。それで、怪盗ってどーゆー話なのよ具体的に」
「え。だから、この近所に怪盗がいるってゆー」

「よーしよしよし、かわいそうになーー」

「もー!人をアホの子みたいに撫でないでよー!平板に喋らないでーーー!!」

ていっ!と兄の手を払いのけ、正広は今日聞いたばかりの話を由紀夫にしたのだった。
聞いた先は、おやつを買いにいった近所のケーキ屋。話してくれたのは、その店のアルバイトをしている女の子だ。
『さっきお客さんから聞いたんだけどね』
好奇心で目をキラキラさせながら、その子は言った。
『なんかこの近所に怪盗が出るらしいの・・・!』
『か、怪盗??』
『そのお客さんのね、近所に怪盗が入ったって言うのよ!』
『えー!ルパン三世みたいなー!?』
『ルパン三世かどうかは解らないけど、でもなんかおかしな怪盗らしいのね』
『どんなどんな?』
『盗まれたものがね・・・』
『うん・・・!』
『・・・ぬいぐるみなんだって』
『・・・ぬいぐるみ?』
『なんか、そそられない・・・!?』
『ぬいぐるみ泥棒・・・!』

「だから、泥棒ってゆってんじゃん。自分で」
「怪盗ぬいぐるみ泥棒だよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
それは、馬に乗馬するなどとは違う種類の言葉なのかどうか、由紀夫はじーっと考えるのだった。

その頃。
ある一人暮らしのOLは部屋で旅番組を見ていた。
いいなーヨーロッパと言いながら見ていた彼女の目に、可愛らしい陶器の置物が入ってきた。
小さな小さなそれは、指ぬきだという。
そこで彼女は思い出した。以前、友達からもらったヨーロッパ土産で、なんだか解らないものがあったのだ。
あの小さな陶器は、指ぬきだったのかー。
解らないままに可愛いからと引き出しの中にいれていたものを、じっくり見てみようと引き出しをあけて、彼女は首をかしげる。
「あれ・・・。ない」
小さな引き出しなのに、指ぬきが見当たらない。
「どーしたんだっけ?」
しかし、そこから出した記憶もないし、彼女のほかに部屋に入る人間もいない。
『まさか、怪盗・・・!?』

ぬいぐるみに続き、盗まれた指ぬき!
果たして怪盗の狙いとは!?
ともかく、『怪盗ぬいぐるみ泥棒』の名前だけは返上しなくてはいけないこと間違いなしだ!

つづく


赤い怪獣と話をしていた時に、突如あらわれたキャラクター(笑)なんなんだ、怪盗って笑い!

次回更新は、来週水曜日!の予定は未定にして決定にあらずっ!

今までのGift番外編へ

What's newへ

SMAPレポートへ

SMAPメニューへ

トップへ