天からの贈り物じゃないけど、黙って受け取って?

Gift番外編』

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ギフト番外編184話プチ前編『伝説に挑戦したい』

 

ココリコ黄金伝説、というテレビ番組があった。
今は、いきなり黄金伝説という名前で、別にココリコが何かしている訳ではないが、今でもテレビっ子正広のお気に入りの番組だ。

「ねぇ兄ちゃん」

今日も今日とて、正広はのんびりテレビ観賞をしていた。
「何」
由紀夫は、奈緒美から押し付けられた高級そうめんを食べている。
「どの伝説だったら挑戦してもいい?」
「ど、どの伝説?」
テレビの中では、アンタッチャブルが、まぐろ1匹を丸々食べる、という伝説に挑戦しているようだ。
「まぐろ1匹を完食するまで他は何も食べられないってキツいよね」
「そりゃキツだろ」
「でもね?前に、ココリコ田中は、ノリだけ食べて1ヶ月とかってのやったんだよ?」
「1ヶ月!?」
「・・・1週間かも」
「ノリしか食わないで1ヶ月って、それもう人間じゃねぇだろ!」
「だから一週間だったかも!」
「それはやだ」
「やだよねーー。・・・あれ?なんか決まった量があって、それを全部食べなきゃいけなかったんだっけ」
「どっちでもやだ」
「だったらマグロの方がいいよね」
「ノリとマグロしか選べないんだったらな」
「後ー、じゃああれは?1ヶ月1万円生活!」
由紀夫は、そうめんを箸にひっかけたまま、じーーーーっっと正広を見つめる。
「・・・何?」
「俺一人ならできるよ」
「・・・どーゆー意味よ」
「別に俺、間食しなくても平気だもん」
「・・・一ヶ月オヤツなし・・・?」
「なんだー、野菜の切れっぱしを乾燥させた野菜チップスとかはできんじゃねーの」
「えーーーー!甘いもん食べたいー!」
ひどいひどいーー!!とソファで正広は暴れたが、誰もそうしろと言ってる訳じゃねーだろ!と捨て置いて、由紀夫はそうめんの残りを一気に食べきった。

「俺、あれだったらいいな」
ささっと片づけをして、さーて、買ってきてた雑誌よーもおっとしていた由紀夫に、正広が声をかける。
「何」
「えっとねー。デパ地下の甘味全部食べる伝説!」
「そんなのあるんだ」
「いや、ないと思うけど」
「やりたいだけかよ!」
「いやさー、俺って甘いの好きじゃない?」
「アホみたいにな」
「・・・実際どれくらい食べられるものか、ちょっとやってみたい・・・、という欲望はある」
「そんな欲望は捨ててくれ」
「一ヶ月一万円はできないしー、ノリばっかり食べるもやだなー。小豆ばっかりはどうかなぁ。あんこばっかり・・・。んー、でもばっかりはやっぱ無理かなー」
別に挑戦してくれなくてもいいじゃないか、と由紀夫はしみじみ思うのだった。

「野長瀬、あれやりなさいよ」
翌日、腰越人材派遣センターでは、どの伝説ならやってみたいか、の話題で盛り上がった。
「な、なんですか?社長」
「あれ。無人島無一文生活」
「あー、似合う!あれでしょー、『取ったどぉーーー!!』」
ケラケラ笑った典子は、ふとシリアスな顔で、由紀夫を見つめた。
「・・・な、何」
1年365日、24時間、年中無休でノンキな連中だぜ、と思っていた由紀夫は、その強い視線に、少々びびる。
「あたし、あれがいいなー・・・」
「だから、何・・・」
「早坂兄弟のスケルトンハウス暮らし1週間〜!」
「いい!!典子それいい!!」
奈緒美がいきなり立ち上がる。
「いいわ・・・。それ・・・!」
「えーー!やですよー!」
正広も負けずに立ち上がった。
「なんだよ、それ」
「え、兄ちゃん知らない!?スケルトンハウス!」
「知らねぇ」
「透け透けハウスで暮らすんだよー。外で人が見てんだよーーー」
「・・・ありえねぇ」
よしっ!!と奈緒美は、受話器をつかんでいた。
「小型でもいいから、それリフォームの匠に作らせて、そこで由紀夫とひろちゃんを住まわせてぇ〜♪」
「目を覚ませーーー!!」
ぱしーーん!!
奈緒美の顔の前で、ぱしーーん!と両手を叩いてみる由紀夫だった。
何よーー!!まわり車だっていれてあげるわよーー!!
人をハムスター呼ばわりすんじゃねぇぇーーー!!
兄ちゃんはハムスターよりもーちょっと可愛いと思いますー!
てめぇも目ぇ覚ましやがれーー!!
ちなみに俺は、子猫ばりに可愛いですっ!
あぁ、可愛いよ、可愛いよ!奈緒美んちのスケルトンハウスいれてもらえ!

1年365日、24時間、年中無休でうるさい腰越人材派遣センターだった。

こうして、正広の中に、なんだか伝説に挑戦したい熱が高まっていった。
内職に挑戦、みたいなのもあったなー。やってみたいなーー。後ー、大昔は、つなわたりに挑戦なんてのもあったけど、うるるんっぽくなっちゃうかなー。ま、挑戦する場所もないしなー。
でも、やっぱり食べ物関係が面白いと思うんだーー。

・・・が、ただ、そう考えているだけで楽しめていた正広は、ある日からいやおう無しに伝説に挑戦させられる羽目に陥ることをまだ知らなかった。


黄金伝説、やっぱり好きで見てしまいます。そして、やっぱり食べ物系が好きだと思ってしまうのです(笑)かつてやってた、ファミレス全メニュー食べつくす、とかまたやって欲しいにゃ〜♪

てことで、次回は来週の水曜日!の予定は未定にして決定にあらずってことを人々はもう知りすぎている!

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