天からの贈り物じゃないけど、黙って受け取って?

Gift番外編』

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ギフトプチ番外編188話後編『戌年がやってきた』

 

<これまでのお話>

ぐずぐずしているうちに、もうとっくの昔に2006年は来ていたが、まだ早坂兄弟は12月31日だ。
上野のアメ横で楽しく大量の買い物をし、それらを冷蔵庫に収めるべく冷蔵庫の整理整頓清掃を始めていた。

「うわ!!」
「うわぁ・・・」
平均よりはマシとはいえ、所詮男の二人暮らし。でかい冷蔵庫には死角が山盛り。
「なんだこれ・・・」
「んーー、フリーザーパックに入っているのに、とろけてる・・・」
「こえーー・・・」
「兄ちゃん、これって何ゴミ・・・?」
「生だろ!」
「だって、袋は?」
「あーーあーーあーーーーー」
「分別はどーすんの!?」
「きーこーえーなーいーーーー」
ゴミ袋にフリーザーバックごとぶち込み、由紀夫は黙々と冷蔵庫の中を減らしていく。
「ぐおっ」
「な、何、兄ちゃんっ」
「なんだ、これは・・・」
中身が見えるフリーザーバックは、ある意味いい。どんなとてつもないものであっても、何か解れば、なんとはなしに、気が落ち着く。しかし・・・。
「アルミホイルかあ〜・・・!」
手のひらに、ちょっとあまる程度の大きさ。
「なんだろ、それ・・・」
「あー、なんだろなー、アルミホイルで何包むよ」
「えっとね、えっとね・・・。えーー?でもなー、ラップがなかったから、ホイルで包むってこともあるしー・・・」
「開けないほうがいいのは解るんだ、解るんだけど・・・」
「そうだよ、兄ちゃん!開けない方がいい!いいんだよ!そのままゴミ袋にぽんってするのが正解なんだよっ!」
「って言いながら、てめ、何割り箸渡してくんだ!」
「どうせ捨てる割り箸だよ、兄ちゃん・・・!」
長さのそろわない割り箸を、正広は由紀夫に差し出している。
「俺に開けろってか・・・」
「俺と兄ちゃん、どっちが器用だと思ってんの・・・!」
確かに、正広がこのアルミホイルを開けたとるすと・・・。『わーー!何これーーっ!』と驚いた表紙に、そこらにぶちまけて、中に入っているであろう、何かが、何かがあちこちに被害を広げ・・・っ!
「俺が開ける・・・」
「兄ちゃん・・・」
正広の顔は、はらはら、の奥に、はっきりとわくわくをはらんでいる。
正直由紀夫もそうだった。
アルミホイルを、そっとシンクの中に置き、由紀夫は割り箸で、まずはつついてみる。
「か、感触は・・・っ?」
「がちがちしてる・・・」
「固いんだ・・・!」
「いや、アルミホイルが」
「あ。あぁ・・・」
正広は、徐々に、徐々にアルミホイルに近づいていっている。由紀夫は、慎重にアルミホイルの端を探った。
「んー・・・、ここか・・・!」
「兄ちゃん・・・!」
ぺりぺり、がさがさ、そんな音の中、徐々にアルミホイルがはがされていき・・・
「またアルミホイルが!」
「ホイルの上にホイルってことは、この中身は、なんかもっと大変な・・・!」
「怖いー!兄ちゃん、怖いよぉぉぉーーー!!」

最終的に、中からは、緑色をした、何か解らないものが出てきた。
その緑色のものがなんだったのか知りたい衝動は、もちろん早坂兄弟の中にあったのだが、部屋の暖房のせいで、乾いた緑色が、湿った緑色になってきており、さらには、なにやらバッドなスメルまでがしてきたため、さらにアルミホイルで包んで包んでゴミ袋にぶちこむことにした。

「すげー、スリリングだなーー!」
「楽しいねー兄ちゃんー!」
「その感想は間違ってるぞ!確実に!」
なおもスリリングな冷蔵庫掃除は続き、しかし、いつかそれにも終わりは来る。
すっかり綺麗になった冷蔵庫に、買ってきた品々を収め、やれやれーと思った時は、そろそろ紅白も始まるわ!という時間だった。
「なんで、冷蔵庫の大掃除しかできねーんだよ・・・」
「すみずみまでやったもんね」
「イクラのしょうゆ漬け今から作るかー」
「その前におなかすいたー。テレビも見るー」
「何食おうか」
「えっとえっとー。なんだろ、この冷蔵庫の中でぱぱっと作る晩御飯ー!」
「なんだろな。ま、なんでもあるか」
ある材料で、ぱぱっと夕食。そんな、働くママ的なことをテキパキと由紀夫はやった。正広もお手伝いした。レンジで味噌汁をチンとかもした。
「うわ、熱そ・・・」
時間を適当にチンしたものだから、なんだか、とても、熱いような気がして、正広は、そぉっとそぉっとカフェオレボウルを取り出した。
二人分の味噌汁を、まとめてチンしていたのだ。
「できたー?」
「うん、もってく、ね・・・」
由紀夫は、冷凍庫の中の、いつのだかは解らないが、まだ食べられるだろうと判断したご飯を使ってチャーハンを作っており、最後の仕上げが、正広がチンした味噌汁だ。
チャーハンに味噌汁。
見事なあり合わせっぷりだ。

正広は慎重だった。
とても慎重に歩いてテーブルまでやってきて。

とん!

とカフェオレボールをおいた途端。

「ぎゃっ!」
「何っ!」

味噌汁が爆発した・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

のちに、それが「突沸」という現象であるということを、早坂兄弟は(マンガ喰いタンを読んで)知ることになるのだが、その時は、ただ呆然とするばかりだ。
「・・・えっ?」
「に、兄ちゃん、熱くないの・・・っ?」
「えっ、あ、あつっ!」
由紀夫は立ち上がって、膝をばたばたはたく。
「味噌汁かかってる!」
「だから熱いって!」
「か、顔じゃなくってよかったね・・・」
「いや、おまえも手熱くねぇのか」
「え?あっ、あつっ!」
その正広も、右手をぶんぶん振る。熱かった。
そして、あたりは、汚れまくっていた。

こうして、早坂兄弟の2005年は、掃除とともにおわることになったのだった・・・。

「ここからえられる教訓は?」
「冷蔵庫掃除は、しばしばやろうということですか・・・」
「そういうことだな」
2006年の早坂家は、こまめに冷蔵庫掃除をし、味噌汁をレンジでチンするのはやめることになるのだろう。


2月なのに!2月なのに・・・!だって、サザエさんと同じ国に住んでる人たちだからいいの。そんなことは・・・いいの・・・!

てことで、次回は来週の水曜日!の予定は未定にして決定にあらずってことを人々はもう知りすぎている!

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