天からの贈り物じゃないけど、黙って受け取って?

『Gift番外編』

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このページの画像は、すべてyen様の作品です♪

ギフト番外編37話前編『ダイエッターを届ける』

前回までのあらすじ
「ちまたにだんご三兄弟が溢れる中、正広はだんごを買いに走っているのだった。由紀夫の出張中に、そんな正広に起こった恐るべき出来事とは!?」

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「くしにささぁって、だんごっ♪」
スーパーママちゃり正広号に乗って、正広は歌っている。
春らしい、暖かい午後だった。
郵便局へ行って、銀行へ行って、ミーハーな腰越人材派遣センター一同のために、おやつの団子を買いに行くところ。
「自分が一番、次男っ♪って俺も次男かぁ」
ちゃんと、三つ揃った団子を買って、事務所へ向かう。おいしそぉ〜!早く食べたーい!と正広は思っていた。

「あ、ひろちゃん、おかえり」
「帰りましたぁ。だんご三兄弟買ってきまーしたっと」
「はいはいはい、それじゃ、お茶にしましょー!」
野長瀬がお茶を入れ、奈緒美、正広、典子に野長瀬の四人でのおやつタイムは、和気藹々としたものだった。
「今日は暇ねぇ〜」
奈緒美が次男を齧りながら言う。
「エース不在ですからねぇ〜」
二組目の三男までいってしまっている野長瀬が答えた。
「由紀夫さん、すごかったわねぇ」
一人、ルイボスティーを飲んでいる千明が正広を見る。
「・・・俺、そんな頼りないかなぁ」

「「「うん」」」

全員に声を合わせて言われ、むぅ!と正広は膨れた。

実は、由紀夫は今朝から出張中。お得意先の社長じきじきのご指名で、1週間ばかり、北海道の各地を回らされる事になっている。
『人でなしー!人買いぃー!山椒太夫〜〜っ!』
『人聞きの悪いっ!あたしは、お客様が満足できるサービスを提供しようとしてるだけでしょー!』
『嘘つけー!金に目がくらんだだけのくせにぃーっ!てめぇ!売れるもんなら親でも売る女だろぉー!』
おほほほー!と、小切手で自分を扇ぎながら奈緒美は高笑いした。
『売れるほどの親になってもらいたいものねぇ〜』
『正広っ!おまえ俺担当じゃねぇのかっ!』
『そ、そぉですよ、奈緒美さぁん』
『ひろちゃん、ちょっといらっしゃい』
手招きされた正広は、小切手の額面を見せられてギョっとする。
『に、兄ちゃん・・・、行っといた方がいいかも』
『奈緒美二号〜っ!!』

そして、ドナドナをバックに由紀夫は売られて行った。女性向アクセサリーを扱う、その会社の社長は、自社の新製品発表会の会場に、由紀夫を使って新製品を届けさせる、という企画を思い付いた時から、わぁくわくしていたのだった。

一週間のどさ周りに出るにあたり、由紀夫は、こんこんっ!と正広に言って聞かせた。夜更かしするな。悪い連中(具体的に名前を挙げて指示)と付き合うな。戸締まり、火の始末をちゃんとしろ。体の事で何かあったら森医師にすぐさま電話しろ。あーでこーで、あーでこーで。
いちいち、はい、はい、とうなずく正広が、首が痛い、と思い出すほど、由紀夫の注意は続いたのだった。

そして、今朝、由紀夫は売られて行き、正広は、初めての一人暮らしをすることになる。
「ひろちゃん、でも、ホントいいですよ。うちは。智子ちゃんもいますし。しぃちゃんも一緒に来たらいいじゃないですか」
「野長瀬さん」
「あらうちだったら、野長瀬のうさぎ小屋よりずっと広いわよ」
「いや、奈緒美さんまでぇ!あのね、俺だって一人で大丈夫ですよぉ」

『心配』と顔に書いてある3人に手を振って、正広は定時で家に帰る。途中の商店街で晩御飯の買い物をして玄関にたどり着くと、ポストには、よくある無料配布の情報誌が入っていた。安売り情報とかが乗っていて、正広がよく眺めるもので、今日もそれを見ながら階段を上がる。
「ふーん、来週安売りかぁ。なんか買っとこっかなぁ〜・・・」
テーブルに買ってきた食材を置き、晩御飯は簡単に肉野菜炒め(肉>野菜)にする予定の正広は、お米を研ごうとキッチンへ向かおうとして、ふと立ち止まった。
「・・・肥満度チェック・・・?」

ごく小さなコラムだった。肥満度を出せる計算式が乗っていて、その数値がこれくらいなら大丈夫、というもの。
「俺は163・・・いや、165・・・、5、あるよ、な?うん、あるっ!165cmっ!だからぁ」
うにうにと筆算して、正広は目が点になった。
「肥満っ!?俺、肥満なのっ!?」
このぺらい体が肥満・・・?隠れ肥満か・・・っ!?

正広は買ってきた食材を、冷蔵庫に仕舞い込んだ。
食ってる場合じゃないだろう!と思う。
「ダイエットしなきゃ。えーっと、ダイエットするには?ん?どうするんだ?・・・トキノに行けばいいのか?」
白肌の女王の顔を思い浮かべ正広は思うが、どうも映像は、「すま子」の映像。
「でも、あれだよね。食べなきゃ痩せるよね?」
しぃちゃんは、首を傾げた正広にそう問い掛けられ、そ、そうですか?と逆方向に首を傾げたが、その気持ちは正広に伝わらない。

こうして正広の間違ったダイエットはスタートした。

 

翌朝、空腹で目を覚ました正広は、おなかはすいているものの、食べる気はしない、という最悪な状態で出社した。
「おはよーございますぅー」
「おはよっ。ねぇ、ひろちゃん、お願いがあるんだけどっ!」
挨拶するなり典子につかまった。
「はいぃ?」
「これ配るの手伝って!」

とある会社から依頼されていた、フェアのちらしが山積みされていた。
「どしたの、これ」
印刷所のポカミス!日付間違ってたのを入れ直させたら、ギリギリになっちゃって。お詫びにって、バカだから、倍刷って来たのよ!」
「倍!?」
「郵送の予算なんか、お客さんとことってないし、この倍のチラシを配らなきゃいけなくなったのよぉ〜」
「うわぁー・・・」

会社の近所にあるうちの、ポストにどんどん入れていく、という方式。それを聞いた瞬間、正広の瞳がきらぁ〜ん☆と輝いた。
ダイエットをするには、入るエネルギーを減らして、出ていくエネルギーを増やせばいい!
「俺、いきます!」
ぴしぃっ!と手を上げた正広を、ど、どしたの・・・?と典子は見詰めた。

スーパーママちゃり正広号を置いて、正広は歩いて近所を回った。天気はいいし、そろそろ桜が見られるし、歩くたびに痩せられる様な気がして、しまいに正広は走り出してしまった。

「お、終わり、まし、たぁ〜・・・」
「ひろちゃんっ?」
「ちょっと大丈夫ー!」
ドアを開けた途端、疲れのあまり倒れそうになった正広は、典子と野長瀬の手でソファに運ばれ、ぱたぱた扇がれる。
「ひろちゃん、随分張り切ってるわねぇ」
奈緒美に言われて、えへへ、と正広は笑った。
「がんばって、まぁーす!」

その日、うちに帰ってドキドキしながら体重計に乗った正広は。
「えぇ〜?」
微動だにしていない針を見て、不服らしい声をもらす。
「1日食べてないのにぃ〜っ!」
んもぉーっ!!と、正広はしぃちゃん用の小松菜に噛み付きそうになって、あわわ、と手を離す。
「これはしーちゃんのっ!俺はぁ〜・・・」
おなかすいた、と開けた冷蔵庫の前にしゃがんで、心で呟く。
・・・お肉、食べよっかなぁ〜・・・。
と思った目の端に入ってきたのは、すりおろしりんごジュース。
「リンゴジュース・・・」
確か、りんごダイエットってのがあった。リンゴだけを食べつづけるとか言う・・・。

「それだ!!」

時期はずれだろうとなんだろうとお構いなし!正広はりんごを買いに商店街に向かって走った。

つづく 


現在さっぱり効果のでないダイエット中の私。赤い怪獣と私は今同じ状態です。入ってくるカロリーは、かなり低い。お菓子も食べない、夜食も食べない。そしてそれが苦しいとは一切思わない。その点について、赤い怪獣の後輩は彼女に言ったのです。「ということは、最初っからそのカロリー量で生きていけるって事じゃないですか」
ががーん!!!
つまり、私と赤い怪獣は、今、ようやく、代謝とイコールになるカロリー量になった、というだけで、今がイコールだから、ここからさらにマイナスさせなくてはいけない!ということなのね!?これ以上カロリーをマイナスにするのはむちゅかしいため、後は代謝量を増やすしかない。つまり運動しなくてはいけない。何年もかけてこつこつ貯めた脂肪は、1月やそこらで小ゆるぎもせず、いつか私が雪山で遭難する日に備えているのだった。
昨日、夜中にやっていた再放送情報番組で、ダイエットによるホルモンバランスの異常というのを見た。男性ホルモンが多くなっている女性が多い、というヤツの目安として、Uゾーンのにきびがあげられている。
・・・あるんだな、これが。
どうやら私は男性化しているようだ。これが結婚を遠ざけている遠因かもしれん(笑)若い女の子で、好きなブランドの服を着るためにダイエットしつづけている子がいたが、ある一日の食事は、チョコパフェのみ、とう食事内容。それは明らかにおかしいやろ!!また、12年間ダイエットしつづけている、というお母さんは、この12年家族と食事をした事がない。そのお母さんは、家族の食事を作って、一緒にその場で喋ったりはするけど、自分のごはんは、夜中に一食だけで、暗い部屋の中で、好きなビデオを見ながら食べるというのであった。
・・・明らかにおかしいやろ!!!
ダイエットの道は意外に平坦なれど、長いのであった。あぁ、でも早く痩せないと、母からのバイト代が出ない・・・。
そしてひろちゃんのダイエットは成功するのか!そもそも減り代はあるのか!?

次回更新は、来週水曜日!の予定は未定にして決定にあらずっ!

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