個室
     岸 七海


この色が好き そう指差した君を 僕は疑った。

黄色い帽子に 赤い花 なんでもないデザインに 僕は呆れた。

色も 姿も 僕には見えない。曇りガラスが 僕の前にある。

真実は雲のむこうで 雲の前には現実がある。

僕は疑った。ひとつの色に固執する君を。

僕は疑った。ひとつの形に固執する君を。

お友達の岸七海さんより、頂いた詩です。
『届きそうで届かない』って雰囲気を僕は感じたんですが、みなさんはどうでしょうか?