マイナーゲームマスター 略して
MGMへの道

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第6章 消えゆく付属アイテム・周辺機器

第7章 すぐれた説明書とは
 
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第6章 消えゆく付属アイテム・周辺機器

 今回はちょっとゲーム自体からは離れて、ファミコンの付属アイテム・周辺機器についてふれてみよう。ファミコンには、ただ単にソフトだけではなく、たくさんの周辺機器が存在した。そしてそのほとんどは、廃れ、用いられなくなり、いわば「マイナー周辺機器」となっていった。以下にその歴史を概観してみよう。
 マイナー周辺機器の歴史は、古くは「ファミリーベーシック」にまでさかのぼる。この商品のコンセプトとしては、ファミコンを用いて、あたかもパソコンのようにプログラミングができるということであろう。しかし私が思うに、これは某M○Xの二番煎じに過ぎなかったのではないだろうか。よってこれは廃れていったのであろう。ちなみにいまだにファミリーベーシックと、付属のテープレコーダー、ロボットをすべて持っている人間は、まさに生きている化石と言うことができよう。あと、この頃のものとしては、「ワイルドガンマン」や「ダックハント」に用いられたガンがあったが、これについては後に述べる機会があろう。
 その後、シューティングゲーム(特にハドソンの「スターフォース」「スターソルジャー」あたり)のブームにつれて、さまざまな連射機能付きコントローラーや、ジョイスティックの類が登場した。メジャーものとしては、「ジョイカードマークU」であろう。(ただし「桃太郎伝説」の修行では使ってはいけないとされていた。)16秒間に1連打・・・じゃなくて1秒間に16連打が売り物であった。少々マイナーな方に行くと、ジョイボール(製作なんとHAL研究所)、ホリコマンダー、レーザーコマンダー、ハドソンジョイスティックなどがあった。中でもレーザーコマンダーは1秒間に40連打とかいわれていたが、1画面に映る弾の数には限界があったはずなのでたいした意味はなかったのではないだろうか。
 そして、ここで忘れてはならないものが登場する。そう、ディスクシステムである。当時これの何が売りであったかといえば、ディスクによるセーブ、ロード機能、そしてディスクライターにより500円でゲームの書き換えができるということであった。そんなわけで、当初は名作も多かった。「ゼルダの伝説」「謎の村雨城」「ザナック」「スーパーマリオ2」あたりか。しかししばらくすると、ファミコンソフトに「バッテリーバックアップ機能」なるものが搭載されるようになる。(私の記憶ではその第1号は「未来神話ジャーバス」だったはず)これにより、ディスクシステムの売りであった、セーブ、ロード機能がたいした意味をもたなくなり、おまけに読み込みに時間がかかるディスクシステムは廃れていくことになったのだ。いまだにディスクライターのある店はあるだろうか?またこのころ、これに便乗して、「ツインファミコン」なるものが登場した。これはファミコンとディスクシステムの両方の機能が使えるものであったが、製造元が任天堂ではない、今考えてみればあやしげなものであった。
 さらにその後登場したマイナー周辺機器として、「ファミリートレーナー」があったのを覚えているだろうか。私は持っていた。たぶん今も家に現存していると思われる。私の持っていたのは「アスレチックワールド」と「風雲たけし城」だけであったが、これ関連ではかなりマイナーゲームが多かった気がする。そして瞬く間に消えていった・・・。あとこの頃では、「井出洋介名人の実戦麻雀」についていたゲーセン風のコントローラーが印象的であった。
 そして、これは少々メジャーになるが、ポケット型ゲーム機として「ゲームボーイ」が発売される。これは従来のゲームウォッチなどの類のものからすれば、かなり進化したものである。さらに旅行などに持っていくのにも便利だから、かなりの売れ行きを見せた。(少々脱線すると、同じ頃対抗機種として「ゲームギア」がセガから発売された。こちらはカラー画面で、しかも別売りのチューナーをつければテレビが見れるといったものであったが、ゲームボーイほどの売り上げの伸びはみられなかった。これはセガの販売戦略の稚拙さに原因があるのではないかと私は思う。セガの他の対抗機種に関してもそうだが。)しかしここのところ、あまり新しいゲームが出ておらず、徐々にマイナー化の道をたどっている。唯一目新しいものとして「ポケモン」か。
 そして時代はスーパーファミコンへ。ここでもまた多くのマイナー付属アイテム・周辺機器が登場することになる。私としてはインパクトが強いのが、「マリオペイント」に付いていたマウスである。このマウスを使ったゲームとしては、私の記憶では他に、名前は忘れたがマリオをゴールまでうまく誘導する、昔なつかしの「チクタクバンバン」みたいなゲームがあったはずだが、他に何かあっただろうか。どうせなら、「信長の野望」でもマウス対応にすればやりやす・・・くはないな。そもそもパソコンは大抵机の上に置いてやるものだからちょうどいい高さにマウスが置けるが、基本的に床に置くファミコンにマウスをつけたところで、操作性が良くなるとは思えない。
 さらなるマイナーアイテムとしては、「ヨッシーのロードハンティング」についていた訳の分からんバズーカみたいなやつがある。前述した「ワイルドガンマン」「ダックハント」のガンのスーファミ版とでもいえようか。あと最近では、「スーファミターボ」とかいうものも出ているようだが、もはや存在を知る者はどれくらいいるであろうか。
 やはり極めつけは、「バーチャルボーイ」であろう。これは一昔前のバーチャル・リアリティのブームのあおりを受けて登場したものであると思われる。しかし今となってみてはどうだろう。ソフト5本付きで本体がン千円で売られているといったありさま。さらにこれ、かなり目に良くないという話を聞いたことがある。個人的にはこれで「ウィザードリィ」を出したらどうなるか興味深かったのだが。
 まとめ・・・ゲーム同様、周辺機器も作られては消え、作られては消えていくものである。一時のブームに乗って作られたものにおいて、その衰退は顕著にあらわれる。「長い目で見た周辺機器」の製作を求めたいものである。(岩崎淳)


第7章 すぐれた説明書とは

 今回はゲームの説明書について言及してみよう。一口に説明書といっても、その形態はさまざまである。やたら分厚いもの、うすっぺらなもの、見開き(折り込み)式のものなど、いろいろである。また、ゲームのタイプによって、記されていることもさまざまである。例えば、STGでは代表的な敵キャラ。RPGでは代表的な武器、道具、魔法など。SLGでは各コマンド、パラメータの説明などが記されている。傾向としては、アクション系のゲームよりも、戦略系のゲームの方が、コマンドの数などの関係により、説明書はより厚いものとなる。が、説明書の一番の基本的記載事項は、なんといってもコントローラーの操作方法である。これが分からなくては「話にならん」。誰でも最低限ここだけは必ず読むはずである。しかし、他の部分についてはどうだろうか。
 そもそも、一般的に、説明書とはどの程度しっかり読むものなのであろうか。私なんかは、説明書はすみからすみまで読み終わるまでゲームを始めないという性格であるが、中にはゲームを買ってきてすぐにはじめて、分からなくなったときにはじめて説明書を開く、という人もいるだろう。人によって読むときも、読む程度もまちまちである。そんな中で説明書が提供するべき情報とは何か。簡単に言ってしまえば、「そのゲームをするにあたって必要な最低限の知識」であろう。ここで言う必要最低限の知識の中には、もちろんコントローラーの操作方法も含まれている。あとの内容についてはゲームのジャンルにより異なるであろう。アクションゲームであれば、アイテム、武器、敵キャラの説明とか。戦略系のゲームであれば、まず画面の見方からはじまって、コマンドの説明、パラメータの説明など。まあ結果として行き着く形がそれぞれの説明書の形態なのである。まあときどき広告や宣伝のようなものが入った説明書もあるが、そんなところを真剣に読む人間はほとんどいないので、ページ数が増えるというだけの問題であろう。
 ただ、ひとつ言えることは、「説明書≠攻略本・ガイドブック」ということである。説明書に必要なのは、すべてのユーザーに必要な、最低限の知識だけである。よって各項目の説明もそれほど詳細に述べる必要はないのである。詳細な内容が知りたければ、攻略本やガイドブックを買えばいいのであるから。そうすれば、もっと説明書の紙面の簡略化がはかれるのではないだろうか。あまりにも厚い説明書を一目見て読む気を無くし、いきなりゲームを始めて操作方法が分からなくなる、そんな経験はないであろうか。
 もちろん、なんでもやたらめったに簡略化すればいいというものでもないことは言うまでもない。時にはあまりに説明書の内容がお粗末で分からないというケースも、いやむしろこちらのほうが多いかもしれない。そのあたりの釣り合いをうまく考えるのが、ゲーム制作者に与えられた説明書に関する課題ということになるであろう。
 以上、簡単に内容についての問題を概観したが、問題はこれだけではない。表現方法という課題もある。すなわち、ただ字で書き並べるだけよりも、実際の画面写真などを用いてビジュアルな説明書にしてみたり、最初の当たりのテストプレイの例みたいなものを載せるのも理解の助けとなるであろう。「個性的・簡潔・理解しやすい」といった要素が、すぐれた説明書の三大要素であるといっても差し支えないのではないだろうか。(岩崎淳)