Indian Wedding インド結婚式
ここで紹介しているのは、98年ブッダガヤの結婚式です。インド人と日本人の国際結婚なので、 インド人同士の結婚式とは少し違います。
インド人同士の場合は、1ヶ月前からいろいろ儀式が あり、1週間前から毎日手足にハルディ(ターメリック)を塗るのでお風呂にはいれません。 田舎ではほとんどの人が両親の決める相手と結婚します。事前に写真だけ見ることができます。 その時、よっっっぽど気にいらない場合だけ断ることもありますが、ほとんどは半ば強制的に 結婚させられます。そして、式の中でも花嫁は下を向いて顔を隠し、結婚が成立して 花輪をかける時はじめてお互いの顔を見ることが出来ます。
新郎と新郎の親戚友人が新婦の家へ行き、結婚式とパーティをします。そして、新婦を車に乗せて (馬や象の場合もあります)、新郎の家へ連れて行きます。その道中、親戚友人一同踊りながらついて 行きます。パレードさながらです。新郎の家でもパーティをします。
花嫁は式から1ヶ月 間、美しく着飾って部屋でじっとしています。その間に遠い親戚や近所の人たちがお祝いを持って花嫁の顔を 見に来ます。その後、花嫁は半年ほど実家に帰ることが多いようです。でも、なぜか結婚式後2,3ヶ月で 妊娠している人が多いです。さすがインド人。
私達の場合は、1ヶ月前からの儀式も省略し、日本まで親戚みんなで花嫁を迎えに行くのは不可能 なので、近くのお寺で式を挙げ、そのまま新郎の家へ行きました。そして、2日後にパーティをしました。 それでは、結婚式からパーティまで順にお話します。

結婚式の日
式は朝からの予定でしたが、朝から大雨が降り、結局お寺に向かったのはお昼頃 でした。お寺に着いてから祭壇などの準備が始まりました。おいおい、朝からの予定やったんとちゃうんか と思いつつ、ひたすら待ちます。親戚たちはお弁当を食べますが、新郎と新婦は式の日は食事を口に してはいけません。ただ、お菓子やフルーツなどの甘いものはOKです。祭壇の周りを棒で四角く囲って、 それに白い花(たぶんジャスミン)がついた糸をたらしていきます。そのころにはカンカン照りになって、 暑さと空腹に耐えながら、親戚の女性群に囲まれてうつむいていました。 準備が整ったのは3時頃だと思います。祭壇の前に新郎新婦が座り、お坊さんが本を読みながら、いろいろ 始めました。この時、新郎の頭にはハンカチをのせます。新婦はサリーで顔を隠します。 式の日のサリーは普段着用の綿のサリーです。儀式の中でいろいろあるので汚れても良いものを着ます。 儀式はとーっても長いので主なものを紹介します。
*花嫁の父が花嫁の手を両手で包み、花婿の両手に花嫁の手をのせます。 この時、花嫁の手には花やら水やらいろいろ入った巻貝を持っています。 花嫁の父が花婿に娘を渡す、という意味があるそうです。
*花嫁の周りを布などで囲み、花婿がシンドゥールという赤い粉を花嫁の額から 頭のてっぺんにかけて塗ります。その後、お互いの両親がハルディ(ターメリック)を 新郎新婦の頭、肩、ひざにつけ、それから親戚の女性たちがハルディを新郎新婦の顔に塗りたくります。 そして全員に思いっきりライスシャワーをかけられます。
*花婿と花嫁にかけられた布の端を結び、祭壇の中心に火をたいて、その周りを5周します。
*花婿と花嫁はお互いの首に花輪をかけあいます。すると、全員が「ジャーイ!!」と叫びます。 これで結婚が認められたということです。

式が一通りすんでから、お寺の控え室で新しいきれいなサリーに着替え、結婚式用の アクセサリーをつけます。マンガルスーツ、頭から額に垂らすもの、イヤリング、金の首飾り、 金のブレスレット、5個の指輪とブレスレットがくっついたもの、ビチヤという足の指輪を 身に付けます。そして車で家に行くのですが、すぐには車から降りられません。親戚一同が バスで全員家に到着するまで車内で待ちます。2時間ほど待ちました。親戚たちが到着したら また儀式です。家族や親戚の女性たちが代わる代わる、車の中の花嫁花婿の目の下側に カジャルという黒いものを塗り、そして火であぶった葉を花嫁花婿の両頬にくっつけます。 それが終わって車から降りるのですが、花嫁は地面を歩いてはいけないので、木で編んだ ザルのようなものに片足、片足入れて家の中まで入ります。花嫁花婿の部屋の前まで来ると、 兄嫁さんたちがとうせんぼしています。お祝いをくれないと部屋に入れないぞ、とねばります。 花婿がお金を渡すとやっと通してくれます。部屋に入ると、親戚でいっぱいです。 私はお寺で式と聞いていたので、まさか親戚全員家まで来るとは想像だにしていなかったのです。 なんと洗濯物が干しっぱなしです。あわてて隠しましたが、後の祭り。
それからまだ儀式があります。儀式といってもお遊びのようなものですが、ベッドの上で花嫁と 花婿が座り、金の鎖をお互いに相手のコブシから取ります。これはたぶん、お見合い結婚で初めて 式で顔を見た二人をうちとけさせようというものだと思います。そして、花嫁花婿はお互いに お菓子を食べさせあいます。この時、親戚のおばさんが力いっぱい腕をひっぱるのでなかなか 食べられず、みんな大爆笑でした。そして両親の足に手を触れてあいさつしました。 夜は更けていって、夜中になってもみんなでチャイを飲んでいました。その夜は花嫁は顔を 洗ってはいけないので、シンドゥールやハルディでむちゃくちゃなまま朝を向かえました。

結婚披露パーティー
パーティは結婚式の2日後に行いました。10月で雨期も 終わりのはずなのに毎日大雨で、パーティの準備は大変でした。何十人という人たちが 雨の中テントをはったり、テントの入り口の大塔の飾りを作ったり、電球のついた線を 張ったりしてくれました。当日も大雨でパーティの始まる夕方になっても晴れません。 とうとう停電のままなので、発電機で電気をつけることになりました。家の周りには、2ヶ所テントが 設置され、その中でパーティに来てくれたお客さんに料理がふるまわれました。招待したのは百人ほど でしたが、来る客は拒まずなので、結局500人ほど来てくれました。打ち上げ花火や爆竹の音が 激しい中、花嫁はじっと座っていなくてはなりません。窓から花火を見てもいい?と聞いたら、 やはりダメと言われました。トイレにも立てず、ひたすら座り続けました。 花嫁と花婿はきれいに飾りつけられた椅子に座ります。 花婿は王様のターバンのようなものをかぶります。椅子の前には親戚の女性たち が陣取り、来客を見守ります。夕方から夜中までひっきりなしに町中の人たちが お祝いを持ってあいさつに来ます。お祝いの御祝儀は桁がいくつであっても、最後が1にします。 それがめでたい数字なのだそうです。お祝いは、指輪やサリー、チャイのグラス、シンドゥール、 化粧箱、チュリー入れの箱などです。お祝いをもらってから、手を合わせて挨拶をします。 だんなさんの20歳の弟が友達を何人か連れてきました。だんなさんからは握手を求められても 決してしないように、と言われていたのですが、弟は友達と握手をしてくれと言います。 出来ないと言っていると、一番目の兄嫁さんが「もう今日だけで明日からはだんなさん以外の 男性の手に触れることは一生ないから握手しなさい」とむりやり手をつかんで握手させられました。 お義母さんや親戚のおばあさんたちは、私のラハンガの頭にかけている布を深くかぶりなさいと ひっぱります。ところが、親戚の若い女性たちはそんなに深くかぶると格好良くない、あさく かぶりなさいと言います。同じ地域に住んでいても世代間で少しずつ感覚が変わってきている のだな、と思いました。来客は夜中まで続き、眠ったのは結局朝方の4時でした。こんなに 盛大に祝ってもらえて本当にありがたいと思います。