◆第7話「見えない言葉」
脚本(大野木寛)、絵コンテ(大畑清隆)、演出(矢野篤、滝川和男)、作画監督(深澤学、陳梅花)

時夫君、とうとう浮気か!?
というわけで、今回のお題は言葉。
言葉か・・。
そのお題であるところの、「思念の実体化」「言葉の具現化」の描写がなかなかに面白い。
やはり言葉が力を持ち、事象に影響力をなすという「言魂」ってことなのかな?
ああいう風に、言葉を形にして描写するというのは、漫画とかではたまにあるけどアニメでは始めてかも?
士郎正宗の仙術攻殻オリオンでは、頭柱のチャクラから「語連虫」という、想念が具現化した文字みたいなものが物質を変化させたり、動かしたりするんだよね〜。
言葉に想いを乗せることで、物事や事象を変化させるというのは魔術や呪術の基本だしね。
そして、それは実生活でもそうかもしれないね。
まあ、しかし今回は言葉に縛られるな、ってことだったが(笑)
いや、強い想いがあれば、どんなことでも変えることができるという取り方もできるか。
そして、今回はシンディも大活躍であった。
どうやらシンディは自らの力の暴走により、両親を殺してしまったようである。
そしてその時、クリスに出会ったようだ。
シンディ、可愛いじゃねえか。
そうか、クリスはラージャを自らの体に封じこめて、生かそうとしていたのな。
う〜む。
で、とうとう樹奈は、時夫を危険な目に会わせたくないため、時夫に別れを告げる。
はてさて、どうなることやら。
しかしアルジュナは、そのテーマの直球ぶりにだけ目が行きがちだけど、
デジタルな演出や作画など、新しい表現を試みているところは確実に評価に値するね。
で、次回予告はさらに飛んじゃってますな(笑)


◆第4話「転生輪廻」
脚本・絵コンテ(河森正治)、演出(松本憲生、星河影次)、作画監督(松本憲生)

お・・美味しんぼ・・(笑)<一部、味っ子あり
というわけで、21世紀最初の説教・・もといエコロジーアニメ、地球少女アルジュナ第4回。
今回のテーマは「自然農法と食」。
っていうか、笑った(笑)
だって謎の老人の声優さん、大塚周夫(海原雄山)さんなんだもん(笑)
老人「士郎、相変わらずお前は何もわかっておらんのだな。このうつけが!」
時夫「なんだと、雄山!」
樹奈「やめて、山岡さん!」
とか言い出すかと思ったよ(笑)
しかし、アルジュナってテレ東でやるアニメじゃないなあ。
これは、間違いなくNHKでやるべきものだね(笑)<実際そうだったらしいし
完全に教育アニメなんだもんなあ。
これがNHKで放送されてたら、誰も文句など言わなかっただろうに(笑)
CGを使ってるところとか、地球少女っていうタイトルもいかにもNHKだもんね。
でまあ、今回は自然農法なんだけども、ああいうやり方もあるってことだね。
しかし、現実的には無理だろうなあ。
まあ見た目とか衛生面とかもあるだろうが、やはりあれでは量は取れないだろうからね。
日本の1億以上の人口を賄う足るべき食料供給は、アレでは賄えるとは思わない。
ただでさえ、日本は外国にその食料供給の大半を依存してるからねえ。
まあ、先のエネルギー問題にしろ、圧倒的に人口が多すぎるんだよなあ。
山に隠遁生活をして、物質文明と離れて自給自足な生活をするならあれでも可能だろうけど・・。
そも、人間という存在が何のために生き、存在すべきなのかという命題へともつながる・・かな?(笑)
あと、日本では食料供給は事足りてるけど、未だに世界のいくらかの国々では、その日の食料もままならなかったりするものなあ。
地球に優しくなどというものは、金持ちで幸福な人間(主に先進諸国)のエゴという気もする。
というか、世界的貧富の差がありすぎるのかもなあ。
う〜〜む。
でまあ、「食べ物」というものが、やがて自らの血となり肉となりっていう事を、食べ物に未来の姿を写すことによって描写するというやり方は面白いね。<ちょっと味っ子入ってたし
転生輪廻といか、食物連鎖だねえ・・「万物は流転する」でもいいかな。
そいうや子供のころ見たNHKの番組か何かで、
魚が自分より大きな魚に、順々に食われていくっていう描写があって、
「命は命を食べることによって、生きているのです。こうして命は、次の命へと受け継がれていくのです」
みたいなセリフとかがあって妙に関心した覚えがあったなあ。
でまあ、なんつうか 「食料問題」か・・難しいところだ。
しかし、問いかけっていうのは必要かもね。
でも、問いかけたからといって、答えが見つかるとは限らないんだけどね(苦笑)
まあ、個人的には人類は地球という星と共に生き、共に死ぬという選択肢ではなく、
地球という星が死ぬ前に、宇宙へと飛翔し拡散し、命の種子を宇宙へと撒き散らし、未来永劫栄えるという方が好きだ。
「エコロジー」ではなく、「エゴロジー」っと読んでいます(笑)
まあ、それが正しいことなのか、正しくないのかはわからないけども、進み続けることが、人類にとっての宿業だと思うので。
それで倒れたらそれまでの事だしねえ。
「倒れるときは前のめり」です(笑)
まあ、「人間は人間を肯定する」ものなのです。
今回はEDも変わっていた。<「空気と星」
で、なんといっても笑ったのは次回予告。
いきなりSDキャラのへたれ絵なんだもん・・しかもなんかNHK教育っぽいし(笑)
まさか、次回予告が間に合ってなくて・・とかじゃないよね?(不安)
ああしかし、アルジュナの感想っていつもわけわからなくなるよな(苦笑)


◆第3話「森の涙」
脚本(大野木寛)、絵コンテ(佐藤英一)、演出(山本裕介)、作画監督(大久保宏)

うう、今回も説教臭いなあ・・(苦笑)
ホント、直球だなあ。
まあしかし、こういうアニメがあるのもたまにはいいか、と割り切ってみる(笑)
というわけで今回は、森に置き去りにされるジュナ。
そこに描写されるは森、植物、動物、昆虫、あらゆる森羅万象。
すべてのモノは地球(自然)とひとつであり、そこには弱肉強食や、食物連鎖という一定のルールが存在する。
しかし、人間は科学や知識という力を手に入れたことにより、地球の生命とは異質の存在へと進化を遂げた。
ようするに、アウト・ロー(無法)、アウト・オブ・スタンダード(規格外品 )なんだな。
まあ、そのようなことが言いたいであろうことはよくわかった。
アニミズム的発想が無論その原点にはあるのだろう。
しっかしなあ、痛い話なんだよなあ。
物質文明にどっぷりひたった人類・・日本人にはなかなかそう、利便さやら、消費や快楽から手を離すことはできない。
ラージャを殺すことを真っ先に考えてしまうジュナを咎めるクリスの描写にあるように、
たぶん地球との共存共栄が、人類の生きる道だと言いたいのであろう。
まあしかし、それはアクティビティな人類には難しいことであろうと自分は思う。
だから人類にもっともふさわしい危機への回避は、内的世界(地球)との融和ではなく、
外的世界(宇宙)への進出だと自分は信じている。
無論それには限界もあろうし、単なる対処療法で問題への忌避かもしれない。
しかしやはり宇宙は広い。
チープな言い方だが、宇宙こそが人類に残された最後のフロンティアなのだ。
もう地球は限界だし、人類にとって地球は狭すぎる。
まあ地球が使い捨てみたいで悪いけどな・・。
で、今は地球(自然)との共存と、宇宙への進出の両側面から攻めて行くのが良い解決策ではないかと思う。
っていうか、ほんとエコロジーアニメだなあ・・(苦笑)
でも、やはりそういったものをテーマとすえて描き出す手腕と度量は褒めれるものではある。
あとはそのテーマにどういう決着をつけてもらえるかだね。
まあ、考えなきゃならん問題だしね、・・難しいけど。
で次回は、なんかじいさんが出てくるらしい。
前回今回が原子力発電で産業廃棄物だったから、今度は自給自足とかかな?
はてさてどんな説教が聞けることか楽しみだ(笑)
そういやシンディがいいキャラになってきたっていうか、乳チラが(笑)


◆第2話「青い光」
脚本(河森正治)、絵コンテ(河森正治、佐藤英一、渡辺純央)、演出(大畑清隆)、作画監督(谷津美弥子)

うう、説教臭いなあ(苦笑)
というわけで今回は反応炉っていうか、原子炉の暴走を止めるジュナであった。
青い光っていうのはチェレンコフ光ですか?、炉心崩壊ってメルトダウンですか?
もしかして、あと一歩でチェルノブイリですか!?
というわけで直球勝負なのな、アルジュナって・・(苦笑)
ヒゲのオヤジさんに説教聞かされてしまいました。
最後まで諦めず責任を果たそうとするおっさんの姿勢は格好良いけどね。
いやまあ、あなたの言ってることは正しいんだけどね・・。
なかなかそうはいかないんだよなあ。
原子力発電はリスクがでかすぎるからなあ・・。
でも、おっさんに理路整然と言われるよりも、電童のエリスに「電気を大切にね!」って言われる方が電気を大切にしそうだなあ(笑)
まあしかし、やはりエンターテイメントが主流である今のアニメに風刺を入れるのは難しいね。
どうしても説教臭くなってひいちゃうからね。
で今回も、映像はやはり素晴らしかった。
デジタルの新しい可能性を模索している感じで非常に良い。
でも、やはり守護神アスラは少し浮いていたな。
CG絵と、セル絵の融合はやはりまだ難しいかな?
こういうのを見ると、やはりゾイドは偉大だと感じるな。
そういや、アスラとかガンディーバとか独鈷とかの描写を見ると、アルジュナのネタはインド神話や密教からなんだね。
チャクラも回ってたしね。
その辺も楽しみである。
あと、ジュナの格好とかラージャとか普通の人には見えないようだ。
オーラ(プラーナ)って奴かな?
あれではまるで電波少女だね・・電波少女アルジュナ(笑)
で、次回はジュナ森に置き去り。
ひでえ奴だな、クリス(笑)


◆第1話「時のしずく」
脚本・絵コンテ(河森正治)、演出(佐藤栄一)、作画監督(岸田隆宏)

鳥肌が立った・・素晴らしい、流石は河森さんである。
脚本、演出、作画、美術、音楽、声優。
すべてが、独自性に現れ独特の画面を、情感を作り出している。
限りなくアニメ的でない、実写を意識した作りのおかげか、一般的なポピュラリティもある。
無論、その代わりにオタ的なポピュラリティは無いんだけど(笑)
ジュナ萌え〜〜!、とかこの作品では言え無さそうだもんな(笑)
いや、しかしマジで良い。
写実に近い、あまりデフォルメされていない絵柄に、程よく各所のCGもマッチしている。
無論、ある程度浮いた感じがあるのは否めないが、それでもやはりかなり良い。
流石、初めてエスカフローネでTVアニメにCG加工技術を持ち込んだ人だけではある。あの時よりも無論、格段に進歩しているしね。
エスカがそうであったように、またもやこの作品がデジタルの未来への可能性というものを提示しそうである。
あと、たぶん批判の対象になるかもしれないであろう樹奈の声であるが、
個人的には、あのあか抜けていない素人臭い声が、非常にアニメ的でなく、日常感を醸し出していて良い。
その代わりに、時夫の声が関智一のアニメ声なので少し違和感を感じてしまうな(苦笑)
(全然関係ないけど、樹奈役の東山麻美さんは、メガレンジャーでメガピンクをやってらっしゃいました(笑) )
そういう主人公を地に足をつけるために素人臭い声を選ぶという方法論は、ストレンジドーンでもやっていた。
でも、あれはちょっと下手くそ過ぎたせいもあってか、失敗だったかな?
っていうか、アレは作品自体が失敗だったからな(爆)
ともかく、ストドンのような失敗は「いろんな意味で」、アルジュナには踏んで欲しくないな。
あと、音楽も良い<この辺もストドンを思わせる
アニメ音楽界の名作曲家、管野よう子によるアコースティックな楽曲が、一層作品世界を盛り上げる。
神戸の美しい町並みを描いている美術とかも良い!
時のしずく、時の化身、星の力、SEED、地球の死、クリス、終末、ラージャと、
まだ作品は始まったばかりで、さっぱりわからなことだらけだが、これからどんな価値観、メッセージを提示してくれるのかが、非常に楽しみである。
う〜む、褒めまくりだな(笑)<ホントはまだ褒めたりないんんだけど
いややっぱ、独自性を出しつつ、新しい方法論や、価値観を作り出そうとするその挑戦精神に心引かれるのだよなあ(笑)
作品的にはストドンもそうだけど、AKIRAとかlainとか思い出したな。
いや、河森さん、やっぱ凄いです。
というわけで次回から楽しみです。


話数 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督
時のしずく 河森正治 河森正治 佐藤栄一 岸田隆宏
青い光 河森正治 河森正治、佐藤英一、渡辺純央 大畑清隆 谷津美弥子