公式サイト 
http://www.kinonotabi.com/
WOWOW
http://www.wowow.co.jp/drama_anime/kino/contents.html


◆第13話(最終回)4
「優しい国(Tomorrow Never Comes.)」
「砂漠の真中にて・b(Beginner’s Luck・b)」
脚本(村井さだゆき)、絵コンテ(佐藤卓哉、わだへいさく、中村隆太郎)、演出(小林孝嗣)、作画監督(津元美尾、丹下由紀子)

というわけで、ついに「キノの旅」も最終回。
今回は、旅人から評判の悪い国へとやって来るキノは、その国で思わぬ歓待を受けるって話。
原作と同じく、悲しく切ない話であった。
この国は、キノが初めて滞在を望んだ国でもあり、「森の人」をもらった国でもあるんだよな。
そして、キノと同じような境遇でありながらも、自らの国で死ぬことを選んだ少女・さくらのいる国でもあると。
その辺、アニメはさらに強調して描かれていたな。
しかし、何も一緒に滅びることを選ばなくても、とはやっぱり思ったり(笑)

で、総論。
「キノの旅」4(80点)
なかなか面白かった。
「残酷な寓話」であるこの作品をきちっとアニメ化していて、なかなか良くできていた。
オリジナル話やアレンジ話なども、ちゃんと「キノの旅」風に仕上げていて、「そのまんま」でない面白みもあったしね。
特に演出作画が頑張っていて、「キノの旅」の世界観を上手いこと表現していた。
まあ原作よりも良くなってる話もあったけど、原作より良くない話もあったのも確かなのではあるが、それでもこの出来は良かった。
あと、キノの声の前田愛とかの、本物の「声優」さんでない人なども使ったことで、どこか「ナチュラル」な感じがあったのも悪くなかったな・・まあ、ホントにヘタなのもあったけど(笑)
というわけで、スタッフの皆様お疲れさまでした。
続編は・・別にいらないですから、次は「アリソン」をお願いしたい・・あれも好きなんで(笑)


◆第12話「平和な国(Mother’s Love)」4
脚本(村井さだゆき)、絵コンテ(中村隆太郎)、演出(江島幸男)、作画監督(津元高尾、丹下由紀子)

というわけで今回は、キノは人々が平和に暮らす国へとやって来るって話。
「キノの旅」は、コメントに困るような非道くてアホな話が多いんだけど、この話はトップランクに位置する非道くてアホな話だな、やっぱ(笑)
ようは、「戦争で、自分や自分の家族、そして友人は殺されてはいけない」ってことなのだろうが、「他人だったらええんかい!」だよな、やっぱ。
まあ、人のエゴイズムをはそういうもんかもしれないかもな。
代替案としては、「それゆけ!宇宙戦艦ヤマモトヨーコ」のようなゲーム感覚の「人の死なない戦争」はどうかと一応、言ってみる(笑)
で、次回は最終回「優しい国」


◆第11話3
「彼女の旅(Love and Bullets)」
「賢者の話」
脚本(村井さだゆき)、絵コンテ(中村隆太郎、佐藤卓哉)、演出(巨樹)、作画監督(福世孝明、増谷三郎)

というわけで今回は、キノは旅をする女性たちに出会うって話。
ちなみに、「彼女の旅」は原作(6巻)では2編あり、今回はそれぞれ別の話であるそれらを1話として作ってます、ちなみに幼少キノの話も別の話。
さらにちなみに、「撃ち殺される男の話」はもっとエグエグで後味悪くて「非道い話」で、「撃ち殺す男の話」はもっとさわやかで後味良くて「非道くない話」です・・っていうか、やっぱ原作の方が良かったかな・・特に、彼女達の「語り」が(笑)
それはともかくとして、今回の前半は幼少キノを含めた、3人の「彼女の旅」だったわけですが、最初の彼女は「愛のために銃を取り」、次の彼女は「愛のために銃を捨て」、そして逆に最初の彼は「愛のために銃を捨て」、次の彼は「愛のために銃を取った」わけですが、そのココロは・・よくわからない(笑)
やっぱ、原作の方が良かったせいか、どうも深読みできないなあ(苦笑)
「愛」と「暴力」は紙一重ってことかもしんない・・もしかしたら。
しかし、キノの「師匠」が出てきたのは嬉しかったけど、この話にはあまり意味がなかったかもな。
で、今回は久々に複数構成で、どうやらこの「賢者の話」はアニメオリジナルな模様。
これまた濃い話で・・っていうか、またもやよくわからん(笑)
今回は、前回と違ってわかりにくい話ばっかだなあ・・。
え〜と、人間にとっては、「自意識」こそが幸福も不幸を生み出す「種」なのかもしれない、ったらしれない(笑)
つうか、やっぱ今回はどっちも、もちっと話の描き込みが欲しかったかもしんない(苦笑)
で、次回は平和な国・・。


◆第10話「機械人形の話(One−way−Mission)」3
脚本(村井さだゆき)、絵コンテ(わだへいさく)、演出(小林孝嗣)、作画監督(松田文男、福世孝明)

というわけで今回は、キノは自分を機械人形と名乗るおばあさん(京田尚子)と、その奇妙な家族と出会うって話。
前回とは違いきちんと原作どおりの話で、相変わらずのテーマ投げっぱなし(笑)
まあテーマを一言で簡単に済ませてしまうと、
「人は一人では生きてはいけない」
ってヤツだ。
でも、それだけでは身も蓋ないので(笑)、考察してみると・・、やはり人というのは、誰かや何かのために生きたり、誰かや何かに必要とされたり、まあそういう「大義名分」がないと生きてはいけない・・生きにくいということなのだろう。
それは友達や家族かもしれないし、ひいては国家や社会、夢や思想かもしれない。
それは相互依存であり、関係性の問題でもある。
爆弾テロにより夫と息子を失った彼女は、自分を機械人形と思い込み、突如失ってしまった「家族から必要とされる自分」を演じつづけてきた。
これは、前回の「虚構うんぬん」のネタにも絡む話なのだが、彼女は自らが生み出した「虚構(物語)」の中で生きているのだ(「気が狂った」ともいうが・・)
なぜなら「それ」が彼女には必要だったから・・彼女には「誰かに必要とされること」が必要だったのである・・生きるために。
そして、その「家族ゲーム」の役者として、彼女が作り出した機械人形たちは「彼女を必要とする家族」として演じ続けてきた。
そう、機械人形たちも「誰かに必要とされること」が必要だったからである。
う〜ん、書いてて自分でもなんだかよくわからなくなっても来たのだが(笑)・・まあそれはそれとして、この悲しき「相互依存関係」は彼女の死によって終焉する。
そして、キノによって拒絶され、「必要とされなく」なった機械人形たちは、自ら死を選ぶことになるのである。
まあ結論としては、「人もロボットも一人では生きてはいけない」ってことだね(笑)
・・まあ、「キノの旅」にしてはわかりやすい話だったから、まあ無理矢理深読みしてみました(笑)
しっかし、やっぱキノはドライだよなあ・・どっか、他の国にでも連れてってやれよ(笑)
あと今回のおばあさんの声優さんは、お約束のように京田尚子さんでした・・やっぱおばあさんといえば京田さんだよな(笑)
それにしても、子供役の声優(じゃないだろうが)は、ちょっと下手くそすぎだったな。で、次回は彼女の旅。


◆第9話「本の国(Nothing Is Written!)」5
脚本(村井さだゆき)、絵コンテ(佐藤卓哉)、演出(江島幸男)、作画監督(増谷三郎、松本文男)

というわけで今回は、本を書くことを禁止されている国へとやって来るキノって話。
原作を大胆にアレンジ・・というかまったくの別物(笑)
村井さだゆき節全開で、まさしく村井さだゆき版「本の国」といった感じであった。
でも、これはこれで面白かった・・メチャクチャ濃かったし(笑)
まあ、一回だけではよくわからなかったりもしたんだけどね(苦笑)
で、今回は前回と同じく佐藤卓哉の絵コンテで演出的にも非常に濃くて、中村監督の「lain」のように、虚構と現実が入り交じった構成となっていて、「虚構と現実」というのを縦軸に、マルチなテーマが展開されていた。
「虚構にのめり込むのは危険ですよ、旅人さん。どんなに楽しくてもそれは現実ではないのですから」
「虚構と現実という区別こそ、人間が作り出した虚構だよ、モトラド君。人生は自分と他人の区別がついた時から始まる。その瞬間から世界は自分を主人公とする物語の舞台となる。全ての人間が自分を主人公とする虚構を生きているというわけさ」
現実の中の虚構、虚構の中の現実・・いやそもそも虚構もまた現実であり、そして現実こそが虚構なのである・・という感じで虚構を否定しつつ、実は現実と虚構の間にはたいした隔たりはないという論拠が面白い。
「人間は本能の壊れた動物であり、壊れた本能の代わりに『物語』や『幻想』を頼りに生きているにすぎない」
という、岸田秀の「史的唯幻論」やら、
「『本能が壊れた動物』である人間にとって、最大の本能は“自己幻想欲”である」
という、中島梓の「物語欲(自己幻想欲)」を思い出したな。
多くの場合は、「世界(理想)」と「自分(現実)」とのその差異、その埋め合わせとして「虚構(幻想)」があったりするわけなのだが、「作家」はその差異を埋めるために自らを第3者である「作家」となることで「世界の支配者」となり、心の平安を保つ。
っていうか、それってキチガイじゃん!(笑)<「作家なんてもともとまともな人間がなるものじゃないよ、エルメス」
といった感じで、
「虚構を否定する者=男」「虚構の支配者となる者=作家(浮浪者)」「虚構の中で生きる者=キノ」「虚構と自らを一体化する者=レジスタンス」「虚構を批評する者=批評家」「虚構を独占する者=厚生大臣」「虚構を作り出そうとする者=行き倒れの男」
と多種多様な「虚構」と関わり、依存する者たちが出てきていて、それぞれの言葉や行動が、それぞれの「虚構(物語)」とのスタンスとなっていた。
自分は、「虚構を独占する者=厚生大臣」としてのスタンスが一番近いかな?
「虚構(物語)」とは快楽であり、辛くて苦しい「現実」を忘れさせる「夢」「幻」だからね。
「現実(うつしよ)は夢、夜の夢こそ真実(まこと)」by江戸川乱歩
で、脚本家である村井さだゆきは果たしてどのスタンスなのであろうか?
なんだか一番「さわやかさん(笑)」だった、「虚構を作り出そうとする者=行き倒れの男」なのか、それともその成れの果てで虚構を作り出すことで自らの心の平安を保つ「虚構の支配者となる者=作家(浮浪者)」なのであろうか?
最後の、
「物語ることを、止められる?(Can you end telling a story?)」
っていうのは、自らに語りかける言葉だろうなあ。
しかし、
「蘊蓄を垂れるだけの輩。したり顔で本を採点して悦に入ってる連中。作品を貶して偉くなった気でいる者達。ヤツらは、人の楽しみに水を差す亡者どもです」
というのは誰のことですか、誰の!(苦笑)
まあ、あんに「批評家批判」というよりも、そういうスタンスで虚構と共に生きる人もいるって感じだと思うけどね。
虚構とは、人の作り出した夢、幻・・そしてこの現実も人の作り出した夢、幻なのかもしれない・・。
ってことで(笑)
深く考えるとどんどん深くなるし、深く考えないと、「つまんねえ話」で終わる話だったなあ・・まあ、「キノの旅」はそういう側面がデカイからねえ。
で、今回の行き倒れの男の声はかわのをとや、前回の小島愛と同じく、またキンゲ声優かあ。
で、次回は切なく悲しい「機械人形の話」


◆第8話「魔法使いの国(Potentials of Magic)」4
脚本(村井さだゆき)、絵コンテ(佐藤卓哉)、演出(えんどうてつや)、作画監督(宮田奈保美)、メカ作画監督(渡部高志)

というわけで今回は、ニーミャ(小林愛)という女性が、空を飛ぶ夢をかなえようとするって話。
「キノの旅」にしては珍しく嫌みさのない、さわやかさ全開のちょっといい話であるこの話を、なかなか短くテンポ良く綺麗にまとめていて、なかなか面白かった。
何と言っても、原作以上にニーミャのキャラが立ちまくっていて、なんだかちょっぴり宮崎駿の世界(笑)
なんかほとんど「キノの旅」っていうより、「ニーミャの挑戦」って感じだったからな(笑)
っていうか、ニーミャの声優さんの声どっかで聞いたと思ったら、「ターンAガンダム」のリリ・ボルジャーノン、「キングゲイナー」のサラ・コダマをやっていた小林愛さんであった。
富野由悠季は声優発掘するのはホント天才的だよな(笑)
まあそれはともかく、背景や細かいパーツなどにも凝っていて、相変わらず雰囲気作りが上手いよな。
つうか今回は、絵コンテに佐藤卓哉(Near_7)、演出にえんどうてつや(ヒカルの碁)、作画監督に宮田奈保美(スレイヤーズ)、メカ作画監督に渡部高志(ミトの大冒険)、原画に安藤正浩(セーラームーン)、プロップデザイン近藤高光(ミトの大冒険)って感じで、何やら豪華メンバーだったな。
どうりで非常に雰囲気ある画面作りだったわけだ、納得。
しっかし、最後の「魔法使いうんぬん」ってのは、アーサー・C・クラークの第うん法則だったかの、
「充分に進歩したテクノロジーは魔法と見分けがつかない」
ってのを思い出したよ(笑)
人間のポテンシャル(可能性)というものは、既存の概念や考えを打ち破ることにあり、そしてそれは容易ではない、って感じの皮肉があったのかもしれない、と思ったり(笑)
で次回は、本の国。


◆第7話「コロシアム(後編)(Avengers)」3
脚本(村井さだゆき)、絵コンテ(わだへいさく)、演出(平田豊)、作画監督(伊藤良明)

というわけで今回は、キノは決勝でシズ(入江秦史)という剣術使いの青年と戦うことになるって話。
どうもアクションに物足りなさを感じたせいと、原作から変えられたセリフや描写とかが好きだったせいもあってか、ちょっといまいちだったかな。
「最後に一人くらいは、派手にぶっ殺してやろうと思ってるんですよ」と、
「復讐なんて…、ばかばかしいですね」(「むなしいだけですよ」でなく)、
がなかったせいもあってか、どうも最後に漂う「復讐のむなしさ」ってのが感じられなかったからなあ。
原作では丁寧に描かれていた弾丸の製作描写も(原作ではあの弾丸はホローポイント弾を改造した炸裂弾)、ちょっとわかりにくかったしねえ・・なんかアニメじゃトンデモ弾だったけど(笑)
それぞれの参加者や人々が人間味溢れて描かれていたり、王様(加藤精三)の狂行を人形劇として表現してたのとかは上手かったんだけどね。 
ま、こんな時もあるさ。
で、次回はキノのしては珍しいさわやかさ満開の話、魔法使いの国。


◆第6話「コロシアム(前編)(Avengers)」3
脚本(村井さだゆき)、絵コンテ(わだへいさく)、演出(小林孝嗣)、作画監督(大森英敏)

というわけで今回は、ある国へとやって来たキノは、そこで殺し合いのトーナメントに参加することになるって話。
「キノの旅」の中でも、アクション性の高い本編。
期待のアニメの方のアクションはまあまあだったかな。
できればもうちょっと派手な方が良かったが、まあそこそこの出来ではあった。
まあ、前編ってことなので、後編に期待って感じです。
で、次回はコロシアムの後編。


◆第5話4
「レールの上の三人の男(On the Rails)」
「仕事をしなくていい国(Workable)」
「多数決の国(Ourselfish)」
脚本(村井さだゆき)、絵コンテ・演出(中村隆太郎)、作画監督(松本文男)

というわけで今回は、キノは列車のレールの上を走っている時に、ある三人の男と出会うって話。
いやあ、なんていうかアニメで見ると・・笑えるなあ・・なんてアホな話なんだ(笑)
原作どおりに完全に「テーマ投げっぱなし」で、なんだかとってもツッコミ所の多い不条理の世界になってるな。
基本的にキノの世界は、「答えのない答え」を描く世界であり、「出題はするけど答えは用意してません」「後は自分で考えてください」だからな・・なんで、結構「だから何が言いたいの?」「俺にどうしろって言うの?」な感じを受けやすかったり(笑)
で、今回のテーマは「仕事」であり、前回の「大人の国」の話もあって、原作では別の話だった「レールの上の三人の男」と「仕事をしなくていい国」を交ぜることで、「仕事」というものの「意味」や「意義」に対して、懐疑さが爆発(笑)
まあ、「仕事」なんていうのは基本的に「自分」のためだったり「誰か」のためだったり、それ自体は大して「意味」や「意義」はなく、「生活」や「快楽」や「消費」や「生きるため」という何らかの「対価」を得るために、「代価」を支払うだけの空しい行為に過ぎず、どちらの「仕事」も同じである・・ひいては人間の経済行為そのものへの懐疑である・・という皮肉なのかもしんない(笑)
まさしく、「職業に貴賎なし!」(笑)<しかし、カギカッコの多い文章やな(爆)
なんか、どこぞの拷問である「自分で掘った穴を自分で埋める」みたいだな。
『自分の仕事を疑うのはよしたまえ。
 それがどんなに意味不明で甲斐のない仕事に見えても、
 実際に「その通りだ」という事実に直面するよりはマシだ』by霧間誠一(VSイマジネーター)
と、ブギーポップから引用・・いやあ嫌な話だったなあ(苦笑)
しかし、「仕事をしなくていい国」はちょっと短すぎたかな。
この流れだと、「多数決の国」に意味があんまりないし、「仕事をしなくていい国」の密度を上げれば、テーマとしてももっとグっと引き締まったのにねえ。
その余波で、「多数決の国」も短くなって密度も下がっていたからね・・結構どちらも細かいキノとのやり取りがテーマへとつながっていた部分が多かったから、ちと残念・・話もわかりにくくなってたしね。
あれではホントに頭悪そうに見えるからな(笑)
初っ端の「進むべき方向」と絡めたのかもしんないけどね。
それにしても、1巻からの引用が多いな・・いや、それともほとんどの話をやっていくつもりなのかな?
で、次回は「コロシアム」で、大アクション満載・・そして、「キノをつけ回すロリコンストーカー」シズ様と陸登場!(笑)


◆第4話5
「紅い海の真ん中で(Blooming Prairie)」
「大人の国(Natural Rights)」
脚本(村井さだゆき)、絵コンテ・演出(小林孝嗣)、作画監督(松本文男)

火曜ラノベアニメは非道い話多いよなあ・・。
というわけで今回は、もうすぐ12歳の誕生日を迎える少女は、キノ(井上和彦)という旅人と出会うって話。
いやあ、もう「これでもか」という感じで「キノの旅」というあの嫌みたらしい、テーマ投げっぱなしな非道い世界を完全に表現してるなあ(笑)
もう、「初代キノ」の声の井上和彦、最高すぎ!
というわけで、言うまでもなくこの話は「キノがキノになった」時の話で、あの超絶非道い国、「大人の国」を完全再現(笑)
モラトリアム(責任猶予期間)からの離脱を、科学的に一晩で行うという、
「大人のすることか〜!」byゲイナー(キングゲイナー)
な世界が最悪でいいよね(笑)
まあ相変わらずテーマ投げっぱなしの、「あとは自分で考えてください」な世界ではあったが、キノが旅人キノと出会い、キノがキノとなり、エルメスと出会い、最初の旅立ちとなる話をきちっと、はしっと完璧に作ってあり良かった。
何より原作ではビジュアル的には出てなかった、「女の子」な頃のキノや(激萌え!)、初代キノのビジュアルが出ずっぱりなのがいいよね。
あと原作ではなかった、「大人(12歳の誕生日)になるまであと何日」を意味する汽車のカレンダーとかのビジュアル面での追加やら(あの印の顔が「笑顔」なとこがもう最低)、原作では4巻(「大人の国」自体は1巻)にある「紅い海の真ん中で」と一緒の話にすることで(あと、二人のキノが歌っている歌が一緒なとことかも)、「非道いなあ。こんな非道いことをするのは(いったい)誰?」の重みが増したりするとことか、あの紅い印や、キノの紅い服、紅い夕焼け、飛び散る紅い血、紅い花等、「紅」で彩られた画面作りとか、脚本面、演出面と非常に統一感があり上手いね。

流石は「lain」の中村隆太郎に、「ブギーポップ」の村井さだゆきといった感じか。
正直、原作既読者的には、これは原作アニメとしての出来はかなり良いと思う・・「キノの旅」という世界観を十二分に表現してるもんな。
これからの話もかなり楽しみだ。
それにしても、「少女キノ」の声を聞くと、前田愛が「コメットさん☆」の前田亜季の姉妹(そうだよね?)って思うよね・・雰囲気とかクリソツ。
で、次回はレールの上の三人の男。


◆第3話4
「満天の星の下にて・b」
「予言の国(We NO The Future)」
「伝統(Tricksters)」
「悲しい国」
「予言の国・そして満天の星の下にて・a」
脚本(村井さだゆき)、絵コンテ(中村隆太郎)、演出(小林孝嗣)、作画監督(松本卓也)

というわけで今回は、「世界が終わる」という予言のある国に来るキノって話。
結構大胆に、原作をアレンジするようになって来て、原作知ってても楽しめる感じになってきたな。
それぞれの話を絡めながら、短編集でありながら、ひとつの話を作っていて面白い。
演出作画的にも、童話アニメのような淡々とした作りにしていて、ひとつの寓話や童話として作られてるしね。
それにしても、「猫耳の国」は、もうちょっと見たかったな(笑)
で、次回は大人の国。
次週は休みか。


◆第2話「人を喰った話(I Want to Live)」4
脚本(村井さだゆき)、絵コンテ(小林孝)、演出(中村隆太郎)、作画監督(松本卓也)

というわけで今回は、雪の中で遭難している男たちを助けるキノって話。
原作でもすごく嫌な話であり、もちろんアニメでもすごく嫌な話(笑)
そのすごく嫌な話を、流石というか・・淡々と、残酷に、完全に忠実に完璧にアニメ化しているのは素晴らしい。
だがそれゆえに原作読んでる人間としては、オチまで分かってるので、言うべきことはないというか・・ホントに嫌な話だよね(笑)
基本的に「残酷な寓話」だから、感想って言ったら、「嫌な話だなあ」ってのが多いからねえ。
まあ、でも出来はかなり良いね。
で次回は、予言の国。


◆第1話3
「砂漠の真中にて・a(Beginner’s Luck・a)」
「人の痛みが分かる国(I See You.)」
脚本(村井だだゆき)、絵コンテ・演出(中村隆太郎)、作画監督(松本文男)

ライトノベルな火曜日。
というわけで、「ブギーポップが笑わない」と同じく、電撃文庫の人気作、時雨沢恵一の「キノの旅」が復活のWOWOWノンスクランブルでアニメ化。
スタッフは、監督は中村隆太郎、キャラクターデザインは須賀重行、脚本は村井さだゆき、アニメ制作はACGT、で「lain」な構成。
で今回は、言葉を話すモトラド・エルメス(相ケ瀬龍史)と旅をする少女・キノ(前田愛)は、町の中に人のいない国へとやって来るって話。
まあまあ面白かった。
自分は原作は読んでいるんですが、やっぱ捨てプリと同じく、声優とキャラデザのイメージはちょっと違ったかな。
でも、あの「素」っぽい感じの声質は悪くはないと思う・・ナチュラルな感じで。
内容の方は、あの原作の淡々とした、暗くて重いイメージはきちっと表現してあったのは良いです。
作画も細部までこだわった丁寧な作り込みがされてあるし。
けど、あの途中に入る文字はいらない気がするな・・ちょっとうざくてテンポが悪くなる、なんか意味がないし。
それと、やっぱっり元が「残酷な寓話」って感じの世界なので、文章の方が向いてる気はするな。
基本的にキノとエルメスの語りで進むし、どうも映像で見ると、「人の痛みが分かる国」の人達が馬鹿に見えるからな・・そんなのやる前に気づけよって感じで(笑)
メチャクチャ地味な内容だしねえ。
まあ原作にはアクションシーンとかもあるから、その辺りやらにも力を入れてもらって、あの、ちょっといやみたらしいブラックな世界(笑)を表現できれば良いのではないかと思う。
というわけで、今後に期待。
で、次回は人を食った話。


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