◆アリソン
著者(時雨沢恵一)、イラスト(黒星紅白)
◆第1巻「アリソン」4
著者(時雨沢恵一)、イラスト(黒星紅白)
というわけで、「キノの旅」の時雨沢恵一による、初の長編「アリソン」
巨大な大陸が一つだけある世界・・その大陸は二つの連邦に分けられていて、長い間戦争を繰り返していた。
その東側の連邦に暮らす学生のウィルと軍人のアリソンは、ホラ吹きで有名な老人と出会い、「宝」・・「戦争を終わらせる事ができる、それだけの価値がある宝」の話を聞く。
しかし二人の目の前で老人が誘拐されてしまい、そして二人の冒険の旅が始まることになったって話。
なかなか面白かった。
「キノの旅」と同じく、どこか古めかしい感じのする童話的世界観の中で、まるで往年の宮崎駿のような冒険活劇的な話の展開が、淡々とかつテンポ良く語られていて面白かった。
ジブリで映画にして欲しいって感じである(笑)
特に、空軍パイロットの暴走少女であるアリソンのキャラが非常に生き生きしていて魅力的で、アリソンとヴィルの二人の楽しい掛け合いが面白かった。
しかし、ちょっとのんびり屋学生であるヴィルの影が薄くなってしまったけどねえ・・題名も「アリソン」だしねえ・・。
アリソンが「肉体労働」、ヴィルが「頭脳労働」って感じだからな。
なんか「星界の紋章」のラフィールとジントを思い出しました
男の子より、女の子の方が強いってのは、やっぱ時代ですかな。
あと、オチの「宝」は、まあまあかな。
予想できていた範囲ではあったし、あれだけで戦争がそう簡単に終わるかなあ、っていのもありましたしね。
でも、躍動感ある冒険活劇を描き、解放感あるハッピーエンドへと収束させたのは、やはり良かったです。
アリソンとヴィルの未来に幸あれ。
そいや恋愛関係では、もう一押し欲しかったかな(笑)