◆GEAR戦士電童外伝「天空の乙女(ベガ) 蒼天の騎士(アルテア)」A
原作(矢立肇)、著者(吉野弘幸)、イラスト(久行宏和)

というわけで、サンライズ久々のオリジナルスーパーロボットアニメ「GEAR戦士電童」のノベライズ作品、GEAR戦士電童外伝「天空の乙女(ベガ) 蒼天の騎士(アルテア)」
作者は、本編でシナリオも書かれていた吉野弘幸さん。
で、この外伝は幼少ベガ様の話で、電童のプレストーリーとなり、ベガとアルテアの冒険と、そしてガルファの暴走により惑星アルクトスが崩壊し、ベガがメテオでアルクトスを脱出するまでが描かれている。
いや、面白かった。
「正伝」の方は、正直、本編のダイジェストで設定資料的意味合いが濃く、あまり小説の様相は呈していなかったが、こっちはホントにオリジナル展開であり、きちんと小説の様相を呈していて、かなりいい感じであった。
もう幼少ベガ様萌え萌え(笑)
しかも文章もきちっとしていて、「ある星の悲劇」という、ひとつの物語として楽しめて面白かった。
そしてなんといっても、電童本編で出てきた様々なギミックのネタばらしや細かい解説、様々なクロスオーバーなどがあり、世界観もなかなかSF的ギミックがあり凝っていて、かなり楽しめた・・まあ後付けなんでしょうが、それでも良かった。
正直、この世界観で他の話も見たいぐらいであった。
微睡みの平和と幸福に満ちた生活から一変して、戦いと悲しみに満ちた悲劇へと変わるところがもう泣かせます。
あと、本編では語られることのなかった「ガルファの真意」、宇宙規模の自然環境の保全という「矛盾」した部分が見れたのも良かったですな。
もちろん、幼少のべがやアルテア、ユーディクス、バロス、レアの三騎士、そしてアルクトス王家の人々など、本編で数カット出てきた人達の過去の生きざまを見れたもの良いです。
スバルの母であるセアと、三騎士のレアの話を絡めるあたりも良いんだよなあ。
あと、最初のベガの誕生と、最後の北斗の誕生で閉めるあたりも上手いんだよなあ。
それと、久行宏和さんのオリジナルイラストが見れるたのも嬉しい限り。
いや、本編に数カットのみ描かれた過去の情景や、本編で与えられた情報から組み上げたとは思えない完成度でした。
「ノベライズもの」って、たいていダイジェストだったり、文章とか描写が稚拙な感じになりがちなんですが、これはたっぷり枚数使って、ホント、面白かったです。
でも、やっぱり女子高生織絵さんのラブラブ話や、GEAR創設話とかも見たかったですねえ、やっぱ(笑)


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