フルメタル・パニック!
著者(賀東招二)、イラスト(四季童子)


◆第1巻「戦うボーイ・ミーツ・ガール」5

というわけで賀東招二による、SFアクションコメディ「フルメタルパニック!」の第一巻。
今巻は、世界各国の諜報機関に狙われる女子高生・千鳥かなめを守るために、秘密の軍事組織「ミスリル」の戦士・相良宗介が高校に入学。
そして日常のドタバタのあと、ハイジャックによって北朝鮮へと連れてこられた二人は、そこで敵からの大逃走劇と戦いをするって話。
いや面白かった。
自ら「B級アクション映画」(そういえばA級アクション映画というのはあるのだろうか?)というだけあって、「それ」風の盛り上げ方が良い。
前半が宗介の日常とのギャップを巡る学園ドタバタの「ギャグとコメディ」
中盤が修学旅行に行くはずの旅客機がハイジャックされてかなめが実験される「スリルとサスペンス」
で、後半が日常では間抜けだった宗介が戦士として活躍し、敵からの逃走と戦闘の「アクションとバトル」
って感じで構成が上手く、色々なものを詰め込んだ、自らあとがきでも言ってる「ごった煮」な所がいいねえ。
特にラスト辺りのクライマックスである、宗介とかなめの触れ合いと、宗介対ガウルンのアームスレイブ戦闘の格好良さは素晴らしい。
ネタも、「ウィスパード」(ささやかれた者)という謎の存在を絡めたSFテイストと、様々な漫画やアニメや映画からのアクションとロボテイストも良いです。
自分はなぜか「士郎正宗」(ミリタリー・メカアクションテイスト)と「宮崎駿」(王子様がお姫様を守るエスコートファンタジー)を思い出しました。
で、どうやら宗介たちの世界は、その「ウィスパード」によりもたらされた「ブラック・テクノロジー」(存在しない技術)の影響により、今の世界とは違う様相を呈した「パラレルワールド」って感じのようです。
ソ連はそのせいで未だ崩壊せず、米ソの冷戦構造は解体されていないって感じなのでしょうな。
ブラック・テクノロジーをもたらすウィスパードや、ガウルンが属していた背景組織などの謎はまだ明かされていないので、今後はそれらがどのように明かされて行くのかが楽しみです。
あと宗介とかなめの活躍も。


◆第2巻「疾るワン・ナイト・スタンド」4

というわけで、「フルメタルパニック!」の第2巻。
今巻は、あの事件から2カ月が過ぎた6月の下旬に、謎の少年・タクマを巡って、宗介、かなめ、そして「トゥアハー・デ・ダナン」の美少女艦長・テッサを巻き込んでの、たった一日の逃走(チェイス)と戦闘(バトル)って話。
で、今回の見所は、宗介を巡ってのかなめとテッサの三角関係、そしてかつて不良少年少女達だった「A21」による「巨大ロボット」ベへモスによる東京壊滅計画でした。
1巻ではあまり出番がなかった美少女艦長テッサが、今巻はかなりクロ−ズアップされ、彼女の人間味や可愛さが出ていて良かったです。
特に、彼女が宗介に密かに好意を抱いていたり、そしてそれがゆえにかなめに嫉妬し、劣等感を感じるとかの描写が良いですね。
今後の宗介、かなめ、テッサの関係がどうなるのかが楽しみです。
「宣戦布告」もしましたしね。
あと、どうやらテッサもかなめと同じく「ウィスパード」のようです。
その辺りも今後どうなるかが楽しみす。
で、今巻のもうひとつの見せ場、お約束の「巨大ロボット」ベヘモスとのバトルも良かったです。
巨人との戦いはやはりいいですな、ダビデとゴリアテです。
しかし「東京ビッグサイト」壊滅。
向こうの世界では、夏のコミケはないかもしれないすね(笑)
まあ、ハリウッドの「B級アクション映画」的に、今巻も追跡(チェイス)のあと戦闘(バトル)という同じ展開だったので、今度は違う展開もみたいですね。
で、今回の事件には前巻の時と同じく謎の組織「アマルガム」が関与していて、そしてあの「ガウルン」も生きているようです。
その辺りの展開も楽しみですな。


◆第3巻「揺れるイントゥー・ザ・ブルー」4

というわけでフルメタル・パニック!の第3巻。
今巻は、夏休みの終わりの日に宗介と一緒に強襲揚陸潜水艦トゥアハー・デ・ダナンへとやって来たかなめは、生きていたガウルンによるデ・ダナンのシージャック作戦に巻き込まれるって話。
というわけで今回は、アクション映画のお約束である「占拠(ジャック)」もの。
これまでの「逃走(チェイス)」とは違った緊迫感とスピード感ががあって良かったです。
なんといっても今回は、今までそれほど活躍がなかった強襲揚陸潜水艦トゥアハー・デ・ダナンが舞台となり、大活躍っつうか大ピンチでした。
巻末にナイスなデ・ダナンのメカデザインのおまけ付きです。
そして今回は、あのガウルンも大復活し、その悪逆非道ぶりを見せつけてくれました。
まさしく猛毒(ヴェノム)って感じでしたな。
果たしてガウルンの再復活はあるか?
あと今回は、潜水艦パサデナ、ビンゴ大会のキス、写真立て、戦闘での不協和音、完全自動モード、ウィスパードの共振など、前半で様々なネタふりをしながら、それを後半で刈り取っていたのも上手かったですねえ。
なかなかのバランス感覚です。
それと今回は、ウィスパードやラムダ・ドライバなどの謎が少し明かされると共に、また謎が増えたりもしました。
その辺りも今後どのように明かされて行くかが楽しみです。
あと、テッサを「出来の悪い妹」という彼や、クルツの彼女、そしてかなめを守る「影の護衛」とかも気になるところです。
しかし、美少女艦長の水着姿は見たかった(笑)


◆第4巻「終わるデイ・バイ・デイ(上)」4

というわけでフルメタルパニックの第4巻。
今巻は、初の上下巻。
で、今巻は、ミスリルを裏切ったブルーノをシチリアのマフィアから取り戻す宗介達。
そして、デ・ダナンジャック事件の事後処理が行われる中、宗介に東京からの帰還命令が下りるって話。
前巻の「揺れる」から、「終わる」の下巻へと続く中継ぎみたいな話でした。
出だしの「ブルーノ誘拐作戦」の、まるでスパイ映画のようなスピード感あるカーアクションがなかなか良かったです。
しかし、車にフィアットを使ったのは、やはり「宮崎ルパン」に対するオマージュですかねえ。
マフィアと銃撃戦を繰り返しながら逃げる3人は、めちゃくちゃルパン、次元、不二子に思えました(笑)
で、今回は「国際紛争の阻止」を目指す機関であるミスリルの全貌も見え隠れしまた。
まあどうやらミスリルも一枚岩ではないらしく、なにかとその組織内では様々な力学が働いているようです。
そして、その影響がついに宗介とかなめの間にも出て、ついに宗介の東京からの帰還命令が。
まあ、実際的に考えたらこの展開は十分ありでしたからね。
「宗介とかなめの散髪話での触れ合い」という静かな日常描写から一転して、どん底に叩き落とされる感じが良いですな。
もちろん、自分の感情を剥き出しにしてしまうテッサも。
果たして、この展開がどうのように時間で収束されるのか楽しみです。
ふむ、しかし幽霊(レイス)の正体とはいったい誰なのでしょうな。
今まで出てきたキャラなのかな?
にしても、短編とはホントに雰囲気が違いますなあ(苦笑)


◆第5巻「終わるデイ・バイ・デイ(下)」5

というわけで「フルメタル・パニック!」の第5巻、「終わるデイ・バイ・デイ」の下巻。
今巻は、東京から帰還させられ、新しい上官・クルーゾーとのAS戦にも敗れた宗介は、自分自身の無力感を感じていた。
そんな時かなめは何者かに襲われ、テッサの兄・レナードと出会う。
そして、香港で謎のASが出現し、宗介達は戦争回避のために香港へと向かうって話。
いやもう、今までのアクション映画風の展開とは全然違った、終始、緊張感と焦燥感のある展開でフラストレーションたまりまくりの話でした。
だからこそ、「相良宗介だ!」と宗介がついに「自己」に目覚め、自立し、自分で決め、行動して勝利するという、あのクライマックスのカタルシス溢れる解放感ある痛快な展開は最高でした。
これでようやく宗介とアーバレストも「主役」になったわけですな。
上層部相手に一歩も引かないやり取りと、ラストのかなめの涙も良かったです。
しかし、アーバレスト強すぎ。
しかも「香港での戦い」で、多数の敵を千切っては投げって所が、思わず「Gガンダム」を思い出せました(笑)
で、どうやらテッサの兄であるミスタ・シルバことレナードもその姿を現し、そしてかなめの護衛であるレイスも登場しました。
まあ詳しいレイスの正体はまだ不明ですが・・でもかなめには弱みを握られたようで今後その正体も明らかになるかもです。
あと、ついにあのガウルンも死んだようです・・合掌(涙)
いい悪役キャラだったのに・・。
でももしかしたらまだ生きてるかも・・あれで生きてたら凄すぎですが(笑)
あと宗介とガウルンのやり取りはかなり良かったです。
で、これからはアマルガムとの戦いも本格化していくようですな。
というわけで今後が楽しみです。


◆第6巻「踊るベリー・メリー・クリスマス」5
著者(賀東招二)、イラスト(四季童子)

というわけで今巻は、陣代高校の臨時旅行で、12月24日のクリスマス・イヴに、豪華客船のクルーズに参加することになったかなめ達。
実はその日はかなめのバースデイでもあったのだが、そこでまたもや大変な事件に巻き込まれることになるって話。
いや、メチャクチャ面白かった。
今巻の話は、ドラゴンマガジンに連載されていたものを加筆修正したもので、自分も連載時は実は読んでいたのだが、やっぱ連載で読むのと、単行本で一気に読むのではスピード感が違うなあ。
連載では「面白かったなあ」って感じだったのが、単行本だと、「メチャクチャおもれ〜!」って感じであった(笑)
最初はスロースタートで、かなめと宗介ののすれ違いやら、メイドテッサ萌え萌え〜って感じのまったりした雰囲気で進んでいたのだが、一度スイッチが入り始めるやいなや、士郎正宗のブラックマジックM66を思わせる「アラストル」との豪華客船内での燃える追撃戦に、「公爵!」マデューカスによる超絶熱い対潜水艦戦闘、そして格好良くも切ない空中での大救出劇と、「ハリウッドアクション映画」もかくやの、畳み掛けるようなアクションに次ぐアクションで、その疾走感ときたら、もう(笑)
ちょっと長めがゆえの冗長感を感じさせないテンポの良さで、見所満載で、一気に読んでしまった。
秋山瑞人ほどではないが、やはり非常に文章が上手くて、ミリタリ描写やら心理描写に畳み掛けるようなリズムがあるんだよねえ。
で、どうやらかなめ&宗介&テッサの恋の三角関係にも決着がつきそうな感じで、物語もそろそろクライマックを迎えそうなようで、今後の展開が楽しみである。
つうか、失恋テッサは泣ける・・、いや男の決断をする宗介は格好良かったではあるが。
でも、なんか引きずりそうだなあ。
あと、どうやらまたもやアニメ化のようで、今度は短編の方みたいで楽しみである。
で、作品完結の暁には、「終わるデイ・バイ・デイ」以降をアニメ化して欲しいですなあ。



◆短編1巻「放っておけない一匹狼?」

というわけで、賀東招二のバイオレンス(笑)学園ラブコメ「フルメタル・パニック!」の短編集。
これは書き下ろし長編の本編とは違い、月刊ドラゴンマガジンに連載されている短編で、本編が持つシリアスさやハードさはなく、純然たる学園ラブコメな作りとなっている。
なので残念ながらミスリルやアームスレイブは出ない。
で、内容は基本的に相良宗介を中心として、長編の方にもあった、彼と日本の平和的日常とのギャップを笑う構図になっている。
その宗介の「戦争ボケ」の描写がかなり笑えて面白い。
ドラマガデ連載された5本の短編と、一本の書き下ろしという構成で、スレイヤーズすぺしゃるのアレと同じ構成である。
で、今巻の内容は。

1話目は、宗介にラブレターが来る、「南から来た男」
下駄箱を爆破し、そしてラブレターの相手に数時間もアンブッシュ(待ち伏せ)する宗介が笑えます。
でも、佐伯恵那さんはちと可哀想でした。

2話目は、かなめを落書きで中傷した犯人を探す、「愛憎のプロパガンダ」
かなめが「凄い秘密」を握られて、脅迫されてると勘違いする宗介が良いです。
軍隊式拷問・・見たかった(爆)

3話目は、夏の浜辺での、金持ちの少年との出会いである、「鋼鉄のサマー・イリュージョン」
またもやかなめが謎の拷問をされていると勘違いし、屋敷に潜入する宗介が良いです。
かなめの拷問・・見たかった(爆)

4話目は、宗介が瑞樹の恋人の代わりを務める、「恋人はスペシャリスト」
「君たちは素人だからな」「核兵器の政治的価値と同じくらい大切だ」「これは俺の携帯電話だ」「俺なら爆破する」
とズレまくる宗介が良いです。
何と言っても、白井を指して「あの男は精神異常者だ・・」というのが笑えます。
もちろん、ラストのラブコメっぷりも良いです。

5話目は、写生会の絵のモデルである宗介を巡っての熾烈な追跡戦、「芸術のハンバーガーヒル」
まるで「ランボーひとりに振り回される警察」のようなかなみ達が良いです。
というか、ともすれば宗介は戦争のためにPTSDになった、ベトコン帰還兵って感じですよね(爆)

そして6話目は書き下ろしの、おとぎ話の「シンデレラ」のパロディである、「シンデレラ・パニック!」
フルメタらしい、歪んだパロディっぷりが良いです。
夢落ちにするかと思ってましたが、違いました。

・・短編の感想って難しいな・・(苦笑)
で、流れとしては、第1巻の「戦うボーイ・ミーツ・ガール」のあとの話のようである。
しかし宗介って、ホントにこち亀のボルボだよな(笑)
「君は素人だからな」という決めセリフが好きです。
あと、あとがきに各話ごとのコメントがあるのがいいですねえ。


◆短編2巻「本気になれない二死満塁?」

というわけで、短編集の第2巻。
どうやら、短編のタイトルには冊数に対応した数字と、ラストに「?」がつくようです。
で、今巻の内容は。

1話目は、ヤンキー軍団に捕まったかなめを救出する、「妥協無用のホステージ」
とても主人公とは思えない、悪逆非道な救出ぶりが素晴らしいです(笑)
まあ、対テロ特殊部隊の突入作戦のごとく、スタングレネードとかで無力化させてゴムスタン弾で次々撃沈とかのスピーディな突入戦も見たかったですが、まあそれじゃギャグにはならないわな。

2話目は、宗介が家に忘れたかなめのノートを、昼休みに取りに行く、「空回りのランチタイム」
せっかくやった宿題を家に忘れるのって、衝撃的ですよね。
俺もそれで泣いたことあるです・・そもそも忘れ物が多すぎでしたが・・。

3話目は、かなめがバイトをしている神社の本殿に突入する、「罰当たりなリーサル・ウェポン」
かなめの巫女さん姿が素晴らしいです。
しかし、「核地雷」という勘違いっぷりが凄すぎ・・。

4話目は、弱小ラグビー部を、かなめと宗介が鍛える、「やりすぎのウォークライ」
軍隊式訓練と罵倒により変貌するラグビー部員が笑えます。
軍隊の訓練って、思想そのものが変わったりするらしいですしねえ・・こわ・・。
しかし、あの伏せ字だらけの罵倒の数々の内容は知りたいですな、やはり。
広〇涼子についてはノーコメント(笑)
関係ないですが、吉田聡の「ちょっとヨロシク!」は良い漫画です。

5話目は、かつての初恋の先輩に再会したかなめが、その先輩と秘密のデートをする、「一途なステイク・アウト」
やはり、ラブコメ全開フルスロットルぶりが非常に良いです、ふもっふ。
しかし、ボン太君結構いいキャラしてるかも、ふもっふ。

6話目は、いつもの書き下ろしで、宗介とクルツのふたりが、ミスリルの西太平洋基地があるメリダ島に眠るキャプテン・アミーゴの財宝を探す、「キャプテン・アミーゴと黄金の日々」
かなめ達といる学園生活とはまた違う、宗介とクルツのちょっとハードボイルドちっくな感じが良かったです。
まあ、オチのオチはアレでしたが(笑)
しかし、やっぱ兵器って高いよなあ・・。


◆短編3巻「自慢にならない三冠王?」

というわけで、短編集の第3巻。
で、今巻の内容は。

1話目は、宗介とかなめが学校でパンを販売することになる、「すれ違いのホスティリティ」
パンの販売の描写がなんかリアルで良いです。
フルメタはなにげに学校描写がリアルなんですよねえ。
しかし学食のない高校とかもあるんですかね、やっぱ?・・自分は中学はそうでしたが。

2話目は、学校の球技大会の中止を巡る騒動である、「大迷惑のスーサイド」
フルメタらしくなく、何げに暗いネタと、オチてないオチにびびりました。
「何でも上手くこなせるヤツ」っているんすよねえ、確かに。

3話目は、女の子をポニーテールにする変態との戦いである、「押し売りのフェティッシュ」
一歩違うとチャバイネタですね、これも。
しかし、ボン太君可愛いな、ふもっふ。

4話目は、神楽坂先生と水星先生の恋愛話である、「雄弁なポートレイト」
何だかんだと、宗介以外にも変な人多いんですよねフルメタは。
この話は後で結婚話に発展したりするのでしょうか?

5話目は、宗介を怖がらせるために廃墟の病院に行く、「暗闇のペイシェント」
偽幽霊相手に全く動じず、あくまで軍事的に対処する宗介が良いです。
しかし、オチはなにげにブラックですな。

6話目は、書き下ろしの、マオとテッサの喧嘩と仲直りの話である、「猫と子猫のR&R」フルメタで一番の萌えキャラであると言われているテッサのエピソードだけあって、ムキになって頑張るテッサが可愛いです。
やっぱ書き下ろしは、さらに外伝風で面白いなあ。


◆短編4巻「同情できない四面楚歌?」

というわけで短編集の第4巻。
といいながらも、今回は中編が多かった。
で、今巻の内容は。

第1話は、絶滅危惧種である貴重な貝「ダイクウマリュウキングガイ」をかなめが食べてしまったことで大騒動になる、「磯の香りのクックロビン」
「だ〜れが殺したクックロビン〜♪」はパタリロでしたね。
思わぬ事態に焦りまくるかなめの挙動が面白かったです。
なんか、「うる星やつら」を思い出してしまいました。
にしても、食うか普通!(笑)
しかし、「ダイクウマリュウキングガイ」という、ロボアニメ「大空魔竜ガイキング」からのネーミングは笑えました。

第2話と第3話は、短編集初の前後編での中編、しかも林水先輩の過去を巡るシリアスな話である、「追憶のイノセント(前編・後編)」
短編では珍しいシリアスな話で、なかなか面白かったです。
あんなスチャラカ生徒会長っぽい林水先輩にも、あんな過去があったんですねえ。
ラストの「学園生活への憧憬」っていうのが良かったです。

第4話は、学校近くのいかがわしい店に、かなめが潜入調査をする、「おとなのスニーキング・ミッション」
瑞樹の言い方がナニでアレなのが心地よいです(爆)
男ってアホですよね、とほほ。
まあそれはともかく、こういう「コスプレ」みたいな変身願望っていうのはあるすよね。
しかし、バカ話でしたな。

で、最後の第5話は、書き下ろし中編である、宗介、クルツ、マオの3人の出会いと、ウルズチーム結成秘話である、「エンゲージ、シックス、セブン」
キャラの過去話ですね。
第1巻以前の3人が見れたのが良かったです。
やはり他のキャラの過去話というのも見てみたいですねえ。
まあしかし、あんなお馬鹿なゲリラはいないんだろうなあ(笑)


◆短編5巻「どうにもならない五里霧中?」

というわけで短編集の5巻。
この巻は、かの「NYテロ」事件を受けた後の発売である。
そのため予定されてあったTVアニメも延期となったのであった。
その辺りもちょこっと触れられている。
で、内容は。

第1話は、大導脈流を継承する使い手でド近眼かつ恋のライバルになるかもしれない椿一成登場の話である、「純で不純なグラップラー」
・・なんか、「らんま1/2」みたいになってきたな(苦笑)
正直、男の恋のライバルキャラはうざいかな(爆)
まあ、それはともかく宗介と空手馬鹿一代達の「実戦」が面白かったです。
宗介ひでえ(笑)

第2話は、宗介と一成が用務員さんを手伝う、「善意のトレスパス」
なんか、ホントに「高橋留美子」の世界になってきたな(笑)
まあ、用務員さん、ご愁傷様です。

第3話は、お蓮さんの実家のヤクザ屋さんを助ける宗介達の、「仁義なきファンシー」
ボン太君シリーズの第3段。
あと、密かに萌えキャラであるお蓮さん絡みのお話。
ボン太君による特訓と、ボン太君による組への討ち入りが笑えます。
ボン太君ってアップルシードのランドメイトみたいですな、ふもっふ。

第4話は、小学生の講演の領有権争いの仲裁をする宗介の、「放課後のピースキーパー」
今の御時世ではかなりヤバメの話です(笑)
つか、「アソコ」が原因となってアニメが延長になったとも言えますからねえ。
ま、それはともかく、争いは常に不毛だってことですな。
かなめに「いいとこ見せよう」とする宗介が良いです。

第5話は、元帝国海軍中尉であるかなめの祖父と宗介が盗まれたカバンを探す、「迷子のオールドドッグ」
う〜ん、いい話です。
宗介と中尉のやり取りが良かったです。
そして、なんといってもお約束ではあるオチが良かった・・泣けます。
あと、やはり薬局での宗介とかなめのやり取りも良かったですなあ・・ああいうのは萌えます(笑)

第6話は、お約束の書き下ろし。
今回は、美少女艦長テッサの平凡なある一日を描く、「わりとヒマな戦隊長の一日」
もう狙いまくりな話でしたが、正直・・萌えました(笑)
流石はフルメタいちの萌えキャラです、やってくれます(爆)
やっぱ出だしの「お寝ぼけテッサ」がメチャクチャ良いですなあ・・サービスカラーイラストもあるし(笑)
あと、それぞれのキャラの意外な一面などが見れたのも良かったです。
なんつうか、今回は「パトレイバー」って感じでした。
しかし、宗介に惚れた女性は苦労しますねえ(笑)


◆短編6巻「あてにならない六法全書?」4
著者(賀東招二)、イラスト(四季童子)

というわけで、フルメタル・パニック!の短編集の6巻。
今巻は全部で6編。

「ままならないブルー・バード」4
部室獲得のために、ナンパ大会を行うクラブ達って話。
なかなか面白かった。
宗介独特の、ナンパに対するズレっぷりが笑えた。

「的はずれのエモーション」3
瑞樹が椿一成に惚れて、宗介がそれを阻止しようとする話。
まあまあ面白かった。
宗介のボケぶりが もう一押し欲しかったところだな。

「間違いだらけのセンテンス」4
神楽坂先生が、校長先生にパンフレットの原稿を頼まれるって話。
3者3用のパンフレットの違いってのが、なかなか面白かった。
あと新キャラの西野こずえ先生もなかなかいい味を出していたな。

「時間切れのロマンス」3
宗介とかなめは、映画研究会の映画撮影を手伝うって話。
まあまあ面白かった。
宗介流の強引な落とし方が笑えた。

「五時間目のホット・スポット」3
宗介が学校へと持ち込んだ細菌兵器が漏れだし、教室はパニックになるって話。
まあまあ面白かった。
こういうアイテムとかを使うと、うる星やつらを思い出すな。

「女神の来日(受難編)」4
休暇でテッサが陳代高校へ転校してくるって話。
もうお約束モリモリな展開で、萌え萌えである。
どうやら続きもあるようなので、他のも見てみたいですな。

「作者の極秘設定メモより」4
こういうものにはお約束の設定資料。
こういうのって作るの楽しいんだよねえ。
こうやって世界観を構築することによって、キャラや物語に厚みが出るからね。
でも、やり過ぎると設定中毒になって、設定を説明する話になってしまう罠。


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