◆ギャラクシーエンジェル
著者(水野良)、原作(ブロッコリー)、イラスト(重戦車工房)


◆長編第1巻「ギャラクシーエンジェル」4
著者(水野良)、原作(ブロッコリー)、イラスト(重戦車工房)

というわけで、ブロッコリー起死回生の一打である企画「ギャラクシーエンジェル」の、総監修である水野良自らによる小説版。
お気楽極楽かつ破天荒にかっ飛ばしまくっているアニメ版のせいで、いまいち影が薄くなっているが、こちらの方がまぎれもなく本家本元の正統派の原作である(笑)
しっかし、ああいうアニメ版のような、原作のテイストが崩壊しかねない作りってのは、たいてい忌み嫌われるものなのだが、原作よりも「邪道」の方が受け入れられたってのは、やはりアニメ版のパワフルさゆえの結果なのだろうねえ。
まあ、アニメ版の方が先行して始まったってのも大きいんだろうけどね。
それはともかく今巻は、士官学校を卒業したミルフィーユと蘭花は、聖母シャトヤーンのいる白き月に赴任される、そしてトランスバール皇国のクーデターに巻き込まれ、シヴァ皇子を守って戦うことになるって話。
うむ、なかなか面白かった。
お気楽極楽ドリフの大爆笑状態のアニメ版とは違い、こっちは水野良らしく、きちんとSFでスペオペで、物語とドラマをしている。
まじめなエンジェル隊も新鮮で良いものである(笑)
アニメ版の「いつ刺しても刺されてもおかしくない殺伐さ」(笑)とは違い、全体的にほんわかムードで、かなんの漫画版と同じく、「ときめき少女漫画ちっく」だからね。
キャラが全然違うからなあ・・まあ、アニメ版はスパーディフォルメ版って感じだわな。
小説版は特に、乙女チック全開な蘭花が可愛くて良いね・・まるでヒロインのような感じだし(笑)
ファンは原作版とアニメ版で、「修正」加えないといけないから大変だな。
それにしても、ミルフィーユ、蘭花、ミントとキャラ話が別れていたのに、ヴァニラとフォルテがちょい一緒くただったのは残念であるな。
そういうのちと、気になるからね。
あと、やっぱりスペオペ「サクラ大戦」って感じで、大きな流れの話があって、主人公であるタクトと、ヒロインであるエンジェル隊達との絡みがあってと、かなりギャルゲーテイスト満載ではあるねえ。
まあ、最初はブロッコリーもこういう予定だったんだろなあ(笑)
で、まじめで正統派なのは良いのだが、やはり問題なのはイラストかなあ・・。
ドラマガ増刊である「ファンタジアバトルロイヤル」の初出の時は、キャラクター原案でもあり漫画版の作者でもある「かなん」がちゃんと書いていたのだが、なぜかなぜだか小説版はイラストレーターが変わってしまい、はっきり言って、ちと萎えである(苦笑)
かなん絵柄の方は「正統派」ってイメージがあるからねえ・・そうやってアニメ版との住み分けしてるし。
まあ、かなんが忙しいからそういう選択になったのだろうけど・・。
でも、「ライトノベルは絵だよ、兄貴」と某公国の中将閣下も言っておられるように(嘘)、やはりライトノベルで絵は重要・・っていうか、タレ目のミルフィーユや蘭花なんて嫌だ〜!(笑)
とまあ、ちと雰囲気が変わるので、やはりイラスト変わったのは、痛いですな。
自分は小説版を読むときは、わざわざかなん絵を側において読んで、重戦車工房の絵は見ないようにしてます(笑)<すまん
というわけで、ドラマガの方でもお約束の短編も連載をしているので、「正統派本家本元」のギャラクシーエンジェルの今後の展開にも期待です。


◆短編第1巻「ギャラクシーエンジェルEX」3
著者(水野良、柘植めぐみ)、イラスト(重戦車工房)

というわけで、ギャラクシーエンジェルの短編集「ギャラクシーエンジェルEX」
水野良の長編と違い、こっちは柘植めぐみが書いていて、ドラマガで連載されたものに、書き下ろしと水野良の特別編も収録しての全7本。
で、内容はまあまあ面白かったかな。
正直、アニメのような殺伐とした毒気たっぷりのエンジェル隊ではない、ノーマッドも中佐もいない「いい人」ばっかりのエンジェル隊はやっぱり、ちょっと退屈ではあるが(笑)、まあこういうエンジェル隊もたまにはいいかなってことで(笑)


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