◆銃と魔法
著者(川崎康宏)、イラスト(草薙啄仁)


◆第1巻「銃と魔法」

というわけで、第五回ファンタジア長編小説大賞準入選作である本書。
ファンタジー世界の亜種族である、エルフやドワーフ、ゴブリン、トロール、オークなどが洋モノの警察ドラマを演じるのが本作で、
今回はエルフのケインと、ドワーフのオコーナーの二人の刑事コンビが、
取り逃がしたストリートギャングのボス、ヒッツを追ってのドタバタアクションが行われる。
まあ、個人的にはまあまあ。
確かにそれぞれの亜人種が現代の世界で生きているって感じを描き、それぞれが事件に上手く絡んで行くのは非常に良いんだけども、
やはり個人的にはもっと、魔法やらのファンタジー色が世界に絡んできてくれた方が良かったな。
なんか、字面だけだとホントにハードボイルドもの刑事アクションなんだもんな。
最後の必殺のとどめに使われると思っていたケインの「魔法」も、結局は使われなかったしね(笑)
あと、独特の押さえ気味な淡々とした文体も、ちと俺向きではなかったかもね。
まあ、ハードボイルドなものよりポップでライトなものの方が好きだからなあ、俺。
でもひたすらしぶとく逃げ回るヒッツを、ひたすら悪戦苦闘して追いかけ回してのガンアクションは、やっぱり面白かったですな。
それぞれのキャラや事件を、上手くラストへと絡ませてオチへと向かわせる所も良いしね。
あと、草薙さんの重さを持ったイラストも上手くマッチしていると思う。
でも、草薙さんの絵でエルフのケインっていうと、やはりSWリプレイのスチャラカ冒険隊のケイン君を思い出すよね(笑)


戻る