◆風の聖痕(スティグマ)
著者(山門敬弘)、イラスト(納都花丸)
◆第1巻「風の聖痕(スティグマ)」3
著者(山門敬弘)、イラスト(納都花丸)
というわけで、第13回ファンラジア小説大賞、準入選作品である「風の聖痕(スティグマ)」
今巻は、凄腕の「風術師」八神和麻は4年ぶりに帰国した日本で、古より陰から日本を支えてきた「炎術師」の一族神凪家の術師の惨殺事件に巻き込まれ、疑いの目は一族から追放された和麻へと向けられるのだったって話。
まあなんというか、非常にライトノベルらしいというか、ファンタジア文庫らしい作品で、凄い力を持つスーパーヒーローとスパーヒロインによるキャラクター主導型な少年漫画的な伝奇アクションで、なかなか面白かった。
文章も、そこそこ上手いしね。
しかしお約束の「性格破綻者(ドキュン)」である和麻は、キャラクター自体は立っていて良いのだけど、やはりどうもアレでナニなためか、ちと好きではないキャラだな。
まあ「BASTARD」やら「スレイヤーズ」以降の、超パワーを持つ性格破綻主人公ってのは、お約束でもあるけどねえ。
基本的に目新しい部分ってのはないんだけども、普通なら和麻の弟である煉は、「妹」にするところを、「弟」にしてショタな雰囲気を出しているのは、良いね(笑)
まあ、今後に期待って事で。
◆第2巻「魂の値段」3
著者(山門敬弘)、イラスト(納都花丸)
というわけで、「風の聖痕」の第2巻。
今巻は、和麻は神凪家の宴の席で、大神家の娘である操に命を狙われるって話。
う〜ん、基本的に1巻の時の感想とほとんど一緒だな。
いかにもなライトノベルな作りでもあり、勢いあるキャラクターでガンガン押して行き、ストーリーと設定はまあ「普通」っつうか、「ありきたり」というか、「ステロタイプ」というか・・可もなく不可もなく。
文章自体はそこそこ上手いんでチープさがそんなに出てないのは評価できるかな。
これで文章下手くそだったら、めちゃくちゃチープに見えるだろうなあ。
まあそれにしても、相変わらずキャラクターに勢いがあるのは良いとは思うけど、どうもヒーローである和麻も、ヒロインである綾乃も、今回の敵役である操にミハイルも、その他もろもろも、みんなみんな自己中心的で自分勝手で傲慢で、なんかチンピラみたいで好きになれないなあ・・特にやっぱり和麻。
なんか、マガジンのヤンキー漫画の主人公みたいでもあり、あの自己中心ぶりは鼻に付く。
しかも、やたらと「無敵最強」だったりするから、さらに感情移入度が下がる下がる。
「スレイヤーズ」のリナなんかもその流れではあるんだけど、あっちは仮にもギャグテイストでごまかしがきいてるけど、こっちはないからなあ。
まあ、その代わりと言ってはなんだけど、唯一の「良心」である弟の煉だけは、「ショタ」臭くもあり、可愛いです(笑)
次巻は、煉の話らしんで、一応楽しみにしとくか。