◆レディ・スクウォッター
著者(都築由浩)、イラスト(純珪一)
◆第1巻「レディ・スクウォッター」3
著者(都築由浩)、イラスト(純珪一)
というわけで、都築由浩の「レディ・スクウォッター」
ランダル軌道運輸の新米であるアルは、難破宇宙船観光ツアーの事前調査中に、その難破船の中で、宇宙生活者スクウォッターの少女ディーと出会い、そして謎の宇宙生物「リッパー」と遭遇するって話。
なかなか面白かった。
ハリウッドのB級アクション映画的展開で、「エイリアン」と「タイタニック」を足して2で割ったような感じの、ストーリーやキャラも、非常にステロタイプなスペオペではあったが、話に大きな矛盾や破綻もなく、丁寧に描いていってるのが良かった。
まあ、お約束展開ではあったが、それぞれのドラマが微妙に絡み合い最後に終結するっていう感じはやっぱり良いね。
そこそこのSFっぽさもあったしね。
最後に船長が生きていたのはちょっと意外ではあったが(笑)
新たなるランダル軌道運輸に幸あれ。
◆第2巻「灼熱のロングショット」4
著者(都築由浩)、イラスト(純珪一)
というわけで今巻は、最新宇宙戦艦を占拠した一味は、ふたたび事件に巻き込まれた、アルとディーの運命はって話。
相変わらず地味な作りではあったが、非常に丁寧な作りで、SF的な雰囲気もきちんとあり、なかなか面白かった。
「クレギオン」を思い出すなあ。
前回は、謎の宇宙兵器「リッパー」で、今回が星間兵器に改造されたエネルギー搬送衛星システムである「スサノオシステム」ってアイデアはありがちではあるが、良かった。
次巻にも、期待です。
◆第3巻「雷雲のライフライン」4
著者(都築由浩)、イラスト(純珪一)
というわけで今回は、ガス巨星ザイマカ6を調査中の探査船が消息を絶ち、アル達はその救助を依頼されるって話。
古代の生体兵器リッパー、星間兵器を占拠したクーデター犯との戦いなどのトラブル続きのランダル軌道運輸の次なる相手は、ガスジャイアント。
ガスジャイアントへのダイブ、そしてその中での異星生物との遭遇というのは、「クレギオン」の話とかぶったりはするのだけども、こっちはこっちで次から次へと危機また危機の訪れる「スペオペ」らしいドキドキワクワクに、「SF」らしいリアルっぽさ溢れる巧みな描写があり、非常にバランスの良い作りとなっていて面白かった。
何と言っても、ガスジャイアントの中で生きる「風船」と「傘」のアイデアがよく出来ていて、それらを絡めてのガスジャイアントへのダイブ、そして脱出というのがスリリングに描かれており、最初から最後まで非常に楽しめた。
ビジュアルイメージは、常に「天空の城ラピュタ」でした・・やっぱ、雲の中でどうのこうのってのはラピュタだよな。
「SF」に「ドラマ」に「アクション」と、このシリーズは映画のようなバランスの良い作りで、今後も楽しみである。
しかし、ザイマカ星系だけでやるにはそろそろネタがないかもね(笑)