◆ラスト・ビジョン 全1巻3
著者(海羽超史郎)、イラスト(ヤスダスズヒト)
というわけで、第7回電撃ゲーム小説大賞「選考委員奨励賞」受賞作家である海羽超史郎の「ラスト・ビジョン」。
高校3年生の初乃素直は、最後の最後の夏休みを利用して、クラスメイトの間ノ井忠、神無月さよりと共に、同じくクラスメイトの高井深奈が招待してくれた彼女の故郷である人工の離島、大企業・高井産業の研究施設へとやって来た。
なかなか深奈に会うことができない初乃たち3人は夏休みを満喫していたが、研究所内の事件に巻き込まれてしまうのであった、って話。
まあまあ面白かった。
第一印象は、「高校生たちのひと夏の冒険」みたいなイメージだったのだが、蓋を明けてみれば、「タイムリープ」(高畑京一郎)のような、「時間ものミステリー」であった。
でも正直、人や場所や時間がコロコロ変わる描写と、ちと読みづらい独特の文体のせいもあってか、ちと話がわかりにくかったな。
「タイムリープ」と同じく、パズルのピースのように少しづつ真相が明かされて行くのは良いんだけども、なんか若干疾走感に欠けていた気がする。
ラストも、ちとわかりにくなかったしねえ。
青春ものの雰囲気と、ミステリータッチの手法は良かったのであるが。
やはり、「タイムリープ」の方が、一枚上手な気はしました。