◆まぶらほ
著者(築地俊彦)、イラスト(駒都え〜じ)


◆短編第1巻「〜にんげんの巻〜」3
著者(築地俊彦)、イラスト(駒都え〜じ)

というわけで、ドラゴンマガジンの第3回龍皇杯に勝ち、見事連載となった「まぶらほ」の短編集。
今巻は、エリート魔術師養成学校・葵学園に通っている式森和樹の所に、ある日宮間夕菜と名乗る少女がやって来て、「今日からわたしたちは夫婦です」と言ってきた。
そしてさらに二人の少女・・風椿玖里子と神城凜もやって来て、和樹の生活は一変することになるって話。
まあまあ面白かった。
お約束の「押しかけ女房」系で、「まぶらほ」という名前の通りに、マガジンに連載されていた「らぶひな」(赤松健)テイストもある、お約束のハーレム系なネタである。
でも、そのわりには文章も話も重めで、思ったよりシリアスな展開で、あんまり萌えない(笑)
正直、もう一押しはじけぶりや、ドタバタが欲しい感じだねえ。
シリアスなテイストも嫌いじゃないんだけど、それももう一押し足りないからな。
しかし、やはり「イリヤの空、UFOの夏」(秋山瑞人)でも活躍している、駒都え〜じのイラストはかなり良い感じである。
イラストに内容が、負けてるかもしれない(笑)
あのイラストから想像されるぐらいのドタバタぶりや、萌えっぷりを表現して欲しい所だねえ。
キャラや設定は良いんだけど、やはりどうもそれらを生かす描写力が足りない感じである。
どちかっていうと、やっぱ小説よりも、漫画やアニメ向きなネタだなあ。
で、どうやら短編というより連作短編形式で、和樹もいきなりアレになってしまったので、まあ今後の展開に期待かな。
番外編の「緑門事件」な感じのドタバタぶりだと良いかもしんない。


◆短編第2巻「〜ゆうれいの巻・うえ〜」3
著者(築地俊彦)、イラスト(駒都え〜じ)

というわけで今巻は、幽霊となってしまった和樹は、夕菜達と共に飛び散った塵を集めるために頑張るって話。
相変わらずネタやキャラ、でもってイラストは悪くはないとは思うのだが、どうにもこうにも文章力がないせいか、いまいち乗れない感じである。
なんかもう一押し欲しい感じである。
漫画やアニメにしたら、結構面白くなるかもしれないなあ。
それにしても書き下ろし番外編である「ハイスクール・カーニバル」は、なんつうか凄い感じだったな(笑)
本編とは違う殺伐ぶりが、なんか引いた(苦笑)


◆短編第3巻「〜ゆうれいの巻・なか〜」4
著者(築地俊彦)、イラスト(駒都え〜じ)

というわけで今巻は、人間となるために塵探しに頑張る和樹の前に現れた紅尉紫乃は、和樹を成仏させるために塵探しの妨害工作をって話。
ん、なんか化け始めたかもしれない(笑)
和樹争奪戦に凜も参入しはじめ、夕菜が嫉妬しまくり、変態美女である紫乃も登場し、わけのわからないパロディが満載で、でもって前巻からその傾向のあったB組の悪逆非道な暴走ぶりと、まるで往年の「うる星やつら」を思わせるノリで、作者がなにかふっ切れたのか、悪乗りしまくりで、なかなか面白くなってきた。
この路線で突き進んで行けば独自性もあって、結構面白くなってくるかもしれないな。
で、今巻は書き下ろし中編「バッド・バッド・ボーイズ・アンド・ガールズ」が1本。
前巻と同じく、B組みの悪逆非道ぶりと、千早との恋愛話がメインでなかなか面白かった。
千早はなかなかに萌えるキャラなので、再登場に期待である。


◆短編第4巻「〜ゆうれいの巻・した〜」3
著者(築地俊彦)、イラスト(駒都え〜じ)

というわけで、ついにアニメ化も決定した、まぶらほの短編集第4巻「〜ゆうれいの巻・した」
今巻は、最後の塵を手にいれれば人間へと戻れることになった和樹は、身体を取り戻せば記憶は永遠に失われることを知ることになるって話。
「ゆうれいの巻」最終章。
一応、感動のクライマックスでもあり、多分、2クールほどのアニメ化をするならここがラストになるであろう所である。
まあ正直、ハーレムもののお約束として、主人公である和樹のことを夕菜たちがなぜにそれほど好きなのかがいまいち理解できなかったりするせいか、彼女らの悲しみに、あまり感情移入はできないのであるが、なかなかの盛り上がりではあったのではないかと思う。
アニメ化した時に、その辺りの盛り上がりには期待である(笑)
っていうかこのネタって、「満月をさがして」のタクトのネタとメチャクチャかぶってるなあ(笑)
つうか、どっちかっていうと、B組暴走と、舞穂初登場の番外編の方が面白いかもしれないな(笑)
まあそれはともかく、ついにお約束のドラマガメディア戦略のアニメ化である。
「こつえ〜のおまけ」とか「所詮、イラストだけ」とか「核爆地雷」とか言われ続けながらもここまで来ました。
確かに、文章力があまりないせいか、それほど面白くはなかったりはするんだけども、「ラブひな」のようなお約束ハーレム展開と、「うる星やつら」のようなB組の極悪非道ぶり、コアでマニアックなネタ、夕菜の暴走「キシャー」(まだこれからだが)ぶりを表現できれば、結構イケるのではないかと思ったりします。
ネタ的にはお約束だけど、それほど悪くないからね。
なにより、駒都え〜じの絵をアニメでいかに再現できるかにかかっているでしょうなあ。

まあなにはともあれ、結構楽しみです。
ちなみに、次にアニメにするなら「EME」と「気象精霊記」がいいっすね


◆長編第1巻「〜ノーガール・ノー・クライ〜」2
著者(築地俊彦)、イラスト(駒都え〜じ)

というわけで、ドラゴンマガンジンで連載されている「まぶらほ」の長編書き下ろしの第1段。
今巻は、
ドラマガのお約束的な「長編」「短編」方式ではあるが、ドラマガの方が番外編としていつもは機能しているのだが、まぶらほの場合は長編の方が番外編っぽい作りである。
そのためか短編のコメディタッチとは違い、シリアスタッチな作りで、正直言って、違和感がある。
まあ、B級映画テイストな作りは嫌いではないし、まあまあ良くできてはいるんだけどね。
というか作者の人は、本当はこういうミリタリーやらアクションやらを交ぜた作りの作品の方がホントはやりたいのかもしれないなあ(苦笑)
しかし、これが最初に発刊されるのは、なんか変な話である。
短編が先でないと、設定とか理解できないからねえ・・まあ、ドラマガの方の連載を読んでるって前提の元かもしれないが。


◆長編第2巻「〜メイドの巻〜」3
著者(築地俊彦)、イラスト(駒都え〜じ)

というわけで今巻は、和樹達は南の島へとバカンスに向かう途中、いきなり飛行機が墜落してある島へと不時着する。
実は、その島はメイドさんが一杯の島で、和樹はそこでメイドさんを巡る戦いに巻き込まれることになるって話。
まぶらほ長編第2段。
今巻は驚天動地の特別編で、ドラゴンマガジン増刊である「ファンタジアバトルロイヤル」に掲載された短編、「まぶらほ特別編 仮想戦記小説The last of the Maid−gruppe」を大幅に加筆修正し、文庫化したもの。
そのためか、掲載時よりボリュームが増えたせいか、ちょっとテンポが悪く冗長気味な感じではあった。
まあでも、前作よりはコメディタッチには書かれているため、「まぶらほ」には合ってるかな。
しかし、メイド&ミリタリーっていうネタは悪くないのだが、どうもいまひとつノリが悪い感じではある。
メイド&ミリタリーというギャップある構図はかなり良いんだけど、やはりビジュアルで見せてくれないと、いまひとつそのギャップが楽しめないんだよね。
まあ、かなりお馬鹿でアホなノリは良いけどね。
いっそのこと、「うる星やつら」のごとく、押井守にでもアニメ化してもらうと良いかも(やらねーって)
でまあ、やはり今回特筆すべきは、既に趣味の世界である作者のミリタリーへのこだわりは良かったねえ。
あと、ちょっと逝っちゃったメイドやパジャマなどへの、オタ臭さとか。
きっと作者の人は、本当はミリタリーなものが書きたくて仕方がないんだろうなあ(笑)
それと今回は、夕菜が大暴走なのも良い感じである・・っていうか怖いって(笑)
でも、夕菜暴走と、メイドさん大活躍のせいで、いまひとつ玖里子や凜の出番がなかったの残念であった。
どうやら続編もありそなので、一応期待である。


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