◆マリア様がみてる
著者(今野緒雪)、イラスト(ひびき玲音)


◆第1巻「マリア様がみてる」4
著者(今野緒雪)、イラスト(ひびき玲音)

ごきげんよう。
というわけで、今野緒雪の「マリア様がみてる」の第1巻。
自分は、コバルト文庫とかの少女小説とかは全く読んでなかったので、偏見はいかんと思って、評判の良いこの作品から読んでみる。
今巻は・・純粋培養の乙女たちが集う私立リリアン学園では、清く正しい学園生活を受け継いで行くために、「姉妹」と呼ばれるシステムが存在していた。
その高等部に進学してまだ姉を持っていなかった福沢祐巳は、憧れの「紅薔薇のつぼみ」である2年生の小笠原祥子から、突然「姉妹宣言」をされるがって話。
なかなか面白かった。
宝塚を思わせるゆりゆりな感じが萌え萌えで良いです(笑)
なんかお蝶婦人と岡ひろみの「エースをねらえ」を思い出しました。
最近だと少女革命ウテナって感じで、なぜセーラー服で、あの宝塚的衣装ではないのかって感じでしたってまあ、あそこまで逝くとやりすぎですからな。
まあそれはともかく、「女子校」という男には縁のない、神聖でお耽美なイメージのある世界が、少女漫画的な独特なあの乙女チックな感覚で描かれ、男が作ったオタさんとかに媚び媚びな女の子キャラとは違う、凛とした艶のある雰囲気があって良い感じでした。
「あずまんが」とはまた違った女の子描写。
ウテナの世界ほど逝ってもいなくて、地に足のついた現実感があり、「もしかしたら、こんなとこあるかも?」というを感じがあるのが上手いですな。
まあ、実際にはこんな感じではないのかもしれませんが、まあフィクションなんだからいいですよねえ。
これを読んだ小中高生の女の子やらは、こういう「乙女の花園」とか「聖域」とかの世界に憧れるのかもしれないですな。
まあ、男とかにもたぶんそれはあるでしょうな・・たぶん幻想だけど。
でも、なんだかそういう場所を「覗き見」してるような感覚があり(変態だ・・)、男でも十分楽しめる作品でした。


◆第2巻「黄薔薇命色」3
著者(今野緒雪)、イラスト(ひびき玲音)

というわけで今回は、今年度の「理想の姉妹」賞に選ばれた黄薔薇のつぼみの支倉令と、黄薔薇のつぼみの妹である島津由乃の、突然姉妹関係を解消する。
そして、二人の影響を受けた少女たちが自分のお姉様にロザリオを返す事件が相次ぎ、学園中は大パニックになるって話。
まあまあ面白かった。
前巻は紅薔薇の話で、今巻は黄薔薇の話にスポットが当てられていた。
まあ、流石にこの世界に慣れてしまったせいか、1巻ほどのインパクトはなかったかな。
でも、黄薔薇のつぼみである支倉令と、黄薔薇のつぼみの妹である島津由乃の、紅薔薇とは違う関係が、丁寧に描かれていたのは良かった。
そのせいか、黄薔薇さまの話はちょっと取ってつけたみたいな感じではあったな。
で、今度は白薔薇の話か。


◆第3巻「いばらの森」4
著者(今野緒雪)、イラスト(ひびき玲音)

というわけで今巻は、2学期の期末試験で落ち着かないリリアン学園に、学園をモデルにしたと思われる自伝的小説が出版され、しかもその作者が白薔薇様だという噂が流れる。
小説の内容は、二人の少女の禁断の恋を描いたものであることも加わって、学園は大騒ぎとなる。
祐巳と由乃は、真相の解明に乗り出したが・・って話。
紅、黄と来て、今回は白薔薇の話である。
そして、今回は2本立てで、前半は自伝的小説と白薔薇様を巡っての祐巳と由乃の活躍話をコメディタッチに描き、後半はその白薔薇様の過去の話をシリアスタッチに描いていた。
で、前半の「いばらの森」の話は、前回から友達となった祐巳と由乃がいいコンビとなっていて、特に由乃がキャラが立っていて、イケイケゴーゴーで、ちょっとキャラが変わり始めながらも、いい味を出していて可愛くて良かった。
「劇中劇」である、小説内小説の描写とかも、作者や出版社の描写をも含めてなかなか面白かったしね。
で、後半の「白き花びら」の話は、白薔薇様こと佐藤聖が2年生の時の過去話で、こちらは前半の話とはうってかわってシリアスタッチで、禁断の愛である、少女たちの友情とも恋愛ともつかない関係が、非常に切なく儚く描かれていて、面白かった。
なんつうか祐巳じゃないが、女性独特の心理描写の巧みさで、上手いよね。
あと、やっぱ女同士のせいか、やっぱ何か非常に「美しい」って感じの関係に見えるよね。
まあ、フィクションだからなんだろうけどね(笑)


◆第4巻「ロサ・カニーナ」4
著者(今野緒雪)、イラスト(ひびき玲音)

というわけで今巻は、3学期が始まったリリアン女学園では、生徒会役員選挙が行われることになり、2年生で「ロサ・カニーナ」と呼ばれる生徒が立候補をすることになってって話。
今巻も前巻と同じく、2本立ての構成でした。
で、前半の「ロサ・カニーナ」は、前回と同じく白薔薇の話で、前回は影が薄かった「白薔薇のつぼみ」こと藤堂志摩子の話である。
志摩子さんのキャラがやっと掘り下げられていて、白薔薇様と志摩子の微妙な関係が描かれていて良かった。
ロサ・カニーナこと蟹名静もいい味を出していたしね。
しかし、白薔薇様の空間は、本当にゆりゆりワールドになるなあ(笑)
白薔薇様がやっぱ、一番キャラが立っていて良いね・・黄薔薇様は、影が薄すぎだけど(笑)
で、後半の「長き夜の」は、前半の話のちょっと前の話で、お正月の祥子さまの家での大騒ぎを描いた番外編。
こっちはシリアスだった前半とは違い、コメディタッチのドタバタで、やっぱりこっちも白薔薇様がいい味出しまくりで、祐巳や天敵柏木との絡みが良かった。
祥子さまの家でのほのぼのコメディも楽しく、面白かったです。
最後の祐巳と祥子さまの、ラブラブぶりも良い感じだったしね。


◆第5巻「ウァレンティーヌスの贈り物(前編)」4
著者(今野緒雪)、イラスト(ひびき玲音)

というわけで今巻は、「ウァレンティーヌスの贈り物」の前編で、新聞部の三奈子の策略で、山百合会のつぼみの3人は、2月14日のバレンタインデーの日にある企画をすることになり、って話。
今回は、本編である「びっくりチョコレート」と番外編の「黄薔薇錯綜」の2本立て。
で、本編の方は、「バレンタイン企画」を中心にしたドタバタが楽しく、祐巳と祥子の小さなすれ違いがなかなかに切なく、面白かった。
蟹名静も再登場し、次はそれぞれのデートのようである。
しかし、相変わらず白薔薇様は美味しいところを取るのが上手いな(笑)
あと、番外編の黄薔薇チーム3人にまつわるバレンタインプレゼントの話である、「黄薔薇錯綜」はまあまあだったかな。
やっぱ、黄薔薇様は影が薄いなあ(笑)
で、次巻は、ラブラブデート?


◆第6巻「ウァレンティーヌスの贈り物(後編)」5
著者(今野緒雪)、イラスト(ひびき玲音)

というわけで今巻は、「ウァレンティーヌスの贈り物」の後編で、本編である「ファースト デート トライアングル」と、短編である「紅いカード」「紅薔薇様、人生最良の日」の3本。
で、本編である「ファースト デート トラアングル」は、紅、白、黄と、それぞれのつぼみ達のファーストデートが上手いこと交錯し合いながら、コミカルかつリリカルに描かれていて、非常に面白かった。
それぞれのキャラがさらに掘り下げられていて、それぞれの心の内の表現が凄く良かったです。
特に志摩子と静のやり取りと、その志摩子の心情みたいのが、女性作家さんならではの繊細かつ丁寧な描き方で、情感豊かに表現されていて、上手かった。
あと、もちろん田沼ちさとの、由乃への心情の吐露もいいね。
やはり、こういう心理描写の描き方は、女性作家さんの方が一日の長があるよな。
しかし、相変わらず白薔薇様が美味しすぎる・・あそこで登場するかあ?(笑)
で、短編である「紅いカード」と「紅薔薇様、人生最良の日」は、バレンタインの日の裏事情って話。
別の視点でのキャラの描かれ方や心情がどちらも秀逸で、なんか、ちょびっと「ブギーポップが笑わない」を思い出しました。
前巻の謎であった温室の少女の事と、そして紅薔薇様の願いもかない、本編以上にこちらも面白かったです。
ああ、でもやっぱり黄薔薇様の影が薄い(笑)
とまあ、キャラもどんどん掘り下げられ魅力的になり、文章や心理描写、話作りや構成なども上手くなってるって感じですねえ。
今後にさらに期待・・でも卒業してしまうのだな、薔薇さまたちは(涙)



◆第7巻「いとしき歳月(前編)」4
著者(今野緒雪)、イラスト(ひびき玲音)

というわけで今巻も、この前までと同じく、卒業スペシャルで前後編で、3本立て。
で、「黄薔薇まっしぐら」と「一寸一服」は、3年生が卒業を直前に控えた時期、黄薔薇様が複数の男性とつき合っているという噂が立ち、学園は大騒動になるというっていう話。
やっと黄薔薇様に出番が〜〜!、ってことで、黄薔薇様大活躍の話
まあ、オチはお約束であったが、ドタバタが非常に楽しく、それぞれのキャラも立っていて、なかなか面白かった。
それにしても、なんか作者の人がノリノリで書いているせいもあるのか、文章の切れがかなり良くなってきているなある。
しかし、最後に出番があって良かった、黄薔薇様(笑)
で、後半の「いと忙し日日」は、「3年生を送る会」と「薔薇様たちの送別会」を間近に迫った祐巳達の忙しい日々って話。
こちらも非常に面白く、3年生卒業前の日々の学園生活っていうのが、とても臨場感ある描き方で書かれていて、「あの時間」を思い出してしまいました。
そして、その日々の中での祐巳の頑張りや、その祐巳への仲間たちの気遣いなどが心優しい視点で描かれ心温まり、なんだかダイレクトに気持ちが伝わってきます。
特にラストの紅薔薇様の視点で描かれる「おまけ」が良かった。
もう「女子校の学園もの」としての雰囲気が出まくってるよねえ。
で、ついに次巻は薔薇様たちの卒業です(涙)


◆第8巻「いとしき歳月(後編)」5
著者(今野緒雪)、イラスト(ひびき玲音)

というわけで今巻は、薔薇様たちもついに卒業です!
ってことで、薔薇様たちの卒業が描かれる「Will」と「いつしか年も」。
面白かった!
三者三様に、これでもか!って感じで情感たっぷりに語られるそれぞれの出会いと卒業式の風景が、非常に素晴らしかった。
もう、それぞれの想いや気持ちが描かれる演出が上手すぎる!
もう間違いなく今回の主役は完全に薔薇様たちでした。
白薔薇様も祐巳との本懐を遂げられて良かったですね〜。
なんつうか、学園ものとしてのカタルシスが最高に表現された話でありました。
というわけで、紅薔薇様、白薔薇様、黄薔薇様、御卒業おめでとうございます!!!(号泣)

で、後半は聖と志摩子の出会いから姉妹の契りまで描かれた「片手だけつないで」
こちらは前半の卒業式とは違い、白薔薇様こと聖と志摩子の出会いと姉妹の契りを結ぶまでが、淡々と描かれていて、面白かった。
最後まで締めはやっぱり白薔薇様でしたな(笑)
あとがきを読むと、作者の人もやっぱり白薔薇様は好きみたいでしたしねえ。
しかし、志摩子さんの「悩み」とはなんなのでしょうな。
今は志摩子さんだけが、何か影を背負っているので、今後それらがどうなっていくのかが気になるところです。
で、一応これで薔薇様たちとはお別れのようです、えぐえぐ。
でも、次からは四月になり、祐巳たちによる新しい山百合会も始まるであろうし、これからの新展開が楽しみではあります。


◆第9巻「チェリー・ブロッサム」4
著者(今野緒雪)、イラスト(ひびき玲音)

というわけで今回は、私立リリアン女学園に入学した仏像鑑賞が趣味の少女・二条乃梨子は、桜の下で白薔薇さまの藤堂志摩子と出会い・・って話。
サクラサク・・って感じで新学期での、新展開。
まずは新キャラである仏像マニア・乃梨子と、悩める少女・志摩子さんの出会いで幕を明ける新学期。
「何だ、そんなこと悩んでいたの?」
というあとがきの言葉に象徴されるように、引っ張りに引っ張った志摩子さんの悩みは、あとがきでも本編でもそうであるように、結構あっさりと解決してしまい、流石に拍子抜けではありました。
もっと、すげえ複雑で深い悩みかと思ってたからねえ。
まあ、これまたあとがきでも触れられているように、こーいう悩みってのは本人は結構真剣だったりするけど、他人からすると結構単純だと感じたりしますからねえ。
とはいえ、元白薔薇さまこと、佐藤聖さまがいなくなってしまった志摩子さんに、幸せがやって来たので良しとします。
で、今巻は相変わらずなかなかに面白い構成で、乃梨子と志摩子さんの出会いである「銀杏の中の桜」が前編であり、その裏話でもある「BGN(バック・ラウンド・ノイズ)」が後編という展開。
前編の方は乃梨子と志摩子さん中心で、山百合会の皆様方の活躍が少なかったのですが、後編の方は祐巳を中心とした山百合会の皆様方の、いつもながらの活躍が見れて、前編のちょっとしたフラストレーションは一気に解消してくれました。
で、今巻からの新キャラである仏像鑑賞が趣味の乃梨子に、裏由乃といった感じの小悪魔キャラである瞳子は、なかなかに一癖も二癖もありそうで、今後の活躍が楽しみな感じです。
それにしても元白薔薇さまである、聖さまはきちと登場しまくりで、相変わらず美味しい役ですな(笑)


◆第10巻「レイニーブルー」4
著者(今野緒雪)、イラスト(ひびき玲音)

というわけで今回は、志摩子、由乃、祐巳、三者三様の雨模様って話。
山百合会2年生トリオ、白薔薇さま・志摩子、黄薔薇のつぼみ・由乃、そして紅薔薇のつぼみ・祐巳の話で、それぞれの姉妹の関係の「雨模様」をテーマとした今回。
同じ時間軸で、それぞれの視点での「雨模様」が語られていて、相変わらずそういう構成はなんだか「ブギーポップが笑わない」を思わせて、なかなかに上手い。
で、全部今巻で片が付くかと思いきや、最後の祐巳と祥子さまの話である表題作でもある「レイニーブルー」だけは時間への引きもたっぷりに続くのであった。
それにしても、卒業しても聖さまはやっぱり美味しいところを取るのが上手いなあ(笑)


◆第11巻「パラソルをさして」4
著者(今野緒雪)、イラスト(ひびき玲音)

というわけで今回は、雨の中、祥子さまにおいていかれたずぶ濡れの祐巳は、聖さまの傘に入れてもらいって話。
前巻の第3話「レイニーブルー」の続きとなる今巻。
「雨降って地固まる」といった感じの、雨のち晴れの見事なる解決編。
前巻では、「祥子さま、ひどーい」等とも思ったりしたわけではあるが(笑)、そこはそれ、ちゃんと理由もあり、そしてなにより祐巳の心情を中心に丁寧に語られる「復活」がきちんと描かれており、最後はカタルシスいっぱいでした。
で、今巻は相変わらず聖さまは美味しかったのですが、今巻は元・紅薔薇さまの蓉子さまもきちっと美味しいところを取っていきました。
つか、元・黄薔薇さまの江利子さまは、ちゃんと出番あるのかな?(笑)


◆第12巻「子羊たちの休暇」4
著者(今野緒雪)、イラスト(ひびき玲音)

というわけで今回は、夏休みを前にして、祐巳は祥子さまから避暑地の別荘へと誘われるって話。
雨模様から晴れ模様と、雨降って地が固まってより強固な絆となった紅薔薇姉妹の、ラブラブでまったりな夏の避暑地での休暇話。
前よりさらにラブラブを見せつける紅薔薇姉妹が微笑ましく、前巻のような大きな障害はなかったりもしましたが、まったりと描かれる二人だけの休暇はなかなかに面白かったです。
夏だからと言って、お約束の海ネタ水着ネタやらがない辺りは、やはり少女小説だわな(笑)


◆第13巻「真夏の一ページ」4
著者(今野緒雪)、イラスト(ひびき玲音)

というわけで今回は、もうすぐ二学期が始まる夏休みのある日、山百合会の秘密会合が招集され、祥子さまの男嫌いを克服させる大作戦が開始されるって話。
夏休みの出来事が描かれる3本構成な今回。
1本目が紅薔薇姉妹がメインで、2本目は白薔薇姉妹、3本目は黄薔薇姉妹(短いけど)となかなかにバランスの取れた構成。
もうラブラブ街道まっしぐらな紅薔薇姉妹はいいとして、やはり少しづつ関係を築き上げて行ってる感じの志摩子さんと乃梨子の白薔薇姉妹は、やはりなかなか微笑ましい感じがあって良いね。
黄薔薇姉妹は、まあ・・もうほとんど30年来の夫婦みたいだから言うことはないな(笑)
で、今回面白かったのはやはり2話目の「おじいさんといっしょ」。
初めましての志村タクヤ君は、サブタイトルやら挿絵やら描写やらで、騙しに騙されての意外(でもないが)なオチは、なかなかに痛快であった。
文章としての、読者を引き込み操る能力は、やはりこの作者高いよなあ。
読みやすくテンポも良く、でもって巧みだからね。


◆第14巻「涼風さつさつ」4
著者(今野緒雪)、イラスト(ひびき玲音)

というわけで今回は、学園祭シーズンとなった2学期に、山百合会は花寺学院との生徒会の顔合わせが行われるって話。
花寺高校の学園祭の話と、祐巳と一年生の可南子の話のふたつのネタで構成された今回。
二つのネタが微妙に組合わさり、相変わらずの文章と展開のテンポの良さもあいまって、なかなかに楽しめて読めた。
で、今回は瞳子とのライバルでもあるもう一人の祐巳と関わるストーカー一年生・可南子が登場。
今回は、紅薔薇姉妹の引き立て役となってしまったわけだが、まあ今後の活躍に期待かな。
キャラ絵がないせいで、いまいちどんなキャラかイメージわかなかったからなあ。
今回は、可南子のネタよりも、どっちかというと花寺の学園祭のネタの方が面白くて、「男嫌い」の祥子さまを相手にほとんど保護者状態となっている祐巳とのラブラブなやり取りが良かった。
花寺学院も、リリアン女学園に負けず劣らずの濃さがあり、花寺の学園祭もテンポ良く描かれていて、こっちはこっちだけの話で外伝でも読みたい感じだったからな。
花寺学院の方の今後の活躍にも期待である。


◆第15巻「レディ、GO!」5
著者(今野緒雪)、イラスト(ひびき玲音)

というわけで今回は、花寺学院の学園祭も終わり、リリアン女学園では体育祭が行われるって話。
いつもよりもさらに軽目の話でもあり、キャラも生き生きと、展開も文章も非常にテンポ良く描かれていたせいもあり、かなり面白かった。
なにより小説とはいえ、女子校の体育祭というのが萌える(笑)
マリみては、その「ソフト百合」な世界による、キャラ達の百合百合展開が売りではあるが、やはりもうひとつの売りは、日常感ある「学園もの」としての出来の良さであろう。
今回なんかは、いつも以上に臨場感と躍動感溢れて丸まる1巻使って細かく描かれた「体育祭」描写が秀逸で、もううん年前が実体験となる「体育祭」が、非常に身近に追体験できて、なんだか懐かしい気分となれた・・女子校の体育祭ではあるが(笑)
特に、今回はいつも以上に「イケイケゴーゴー!」な由乃が元気で、イけていた。
で、どうやら祐巳にも由乃にも、ついにの「妹」ネタがやって来るようで、誰が祐巳や由乃の妹になるか、楽しみである。


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