◆夏への扉 全1巻3
著者(ロバート・A・ハインライン)、訳者(福島正実)

というわけで、SFの大家であるハインラインの「夏への扉」。
天才肌の技術者である主人公のダニィは、ある日友人と恋人に裏切られて、自らの会社を二人に奪われることになる。
そして二人の罠でダニィは冷凍睡眠されて、30年後の2000年の未来に目覚めることになるのであったって話。
SFの「オールタイム・ベスト」ってことで、読んでみました。
まあまあ面白かった。
まさしく、「バックトゥザフューチャー」や「デモリッションマン」といった、「時間もの」の原点といった感じの話であった。
それがゆえに、「時間もの」としてはそれほど新しさも感じられなかったかな。
まあ、書かれたのは1957年で、今から45年も前の話だからねえ。
で、セリフや文章が少々冗長気味で読みづらくはあったけども、少しミステリタッチに淡々と進む展開はなかなかに面白かった。
でも、タイムマシンが出てきた辺りからの展開は、ちょっと強引だったかな。
ラストも結構ご都合主義的展開だったしねえ。
まあ強引さやご都合主義的展開は時間ものにはつきものではあるけどね。
あと、あの世界の「未来像」というのが、あながち間違ってなさそうなのは凄いと感じた。
今や2000年を過ぎて2002年だけども、来るべき近未来には、「文化女中機」や「窓拭きウィリィ」、「万能フランク」といった、「ロボット社会」というはかなりありそうだからねえ。
昔の作品ではあるが、それほど古臭さは感じなかったからね。
過去から未来、未来から過去という、「時間的ギャップ」がゆえの戸惑いや驚きというお約束もきちっと書かれていたのも良かった。
まあ、ダニィとピートの未来に幸あれ・・。
しかし・・出番少なかったが、リッキィは結構萌える妹ロリキャラかもしれないな(笑)


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