◆ナイトウォッチシリーズ
著者(上遠野浩平)、イラスト(中澤一登)


◆第1巻「ぼくらは虚空に夜を視る(The Night Watch into The Night Yawn)」4
著者(上遠野浩平)、イラスト(中澤一登)

なかなか面白かった。
「メガゾーン23」や「うる星やつらビューティフル・ドリーマー」「マトリクス」などと同じ、「現実と夢の狭間」の世界を描くパターンではあったが、それらとはまた一味違ったテイストで、テンポ良く話が進みながらも、上遠野ワールド特有の思春期の葛藤みたいなものもあり、何と言っても超光速戦闘機であるナイトウォッチの「超光速戦闘」シーンが面白く、主人公の工藤兵吾がなかなか格好良かった。
ラストに満天の星が見えるというのも泣ける。
で、どうやらこの世界は「ブギーポップ」や「冥王と獣のダンス」の世界と同世界であり、両者を読んでるとさらに楽しめるかもしれないです。


◆第2巻「わたしは虚夢を月に聴く(The Night Watch under The Cold Moon)」4
著者(上遠野浩平)、イラスト(中澤一登)

というわけで今巻は、虚空牙により太陽系の宇宙を制圧された人類の、月面での話。
なかなか面白かった。
これは「ぼくらは虚空に夜を視る」の続編で、「冥王と獣のダンス」と同じく、虚空牙により宇宙空間を占拠され、月面に閉じ込められた人類の話で、その月面世界の話を、この作者お得意の人や場所や時間を変えたオムニバス構成で描いている。
それぞれの主人公は、第1章が私立探偵の「荘矢夏美」、第2章が高機動戦闘ポッドのパイロットである「古都子ルーゼスク04」、第3章が月面探査ロボットの「シーマス」、第4章が女子高生の「醒井弥生」って感じで、それぞれが「ブギーポップ」のあの人・・イマジネーターこと「水乃星透子」と絡んで話が展開されている。
別の作品と同じ世界観だったり、別の出版社のキャラと絡める辺りが、上遠野節って感じではあるな。
まあそれはともかく、様々なものが巧みに絡み合い、ひとつの物語を形作るという構成はやはり面白く、そして上手い。
まあ、やり過ぎの感じもあるけどね(笑)
個人的には、3章の月面探査ロボットであるシーマスのお気楽なキャラは可愛くて好きである。
でも、3章まではわかったんだけど、何か最後の4章がよくわからなくて、正直前巻より消化不良なイメージが・・。
それぞれの話で、それぞれのキャラや世界を描いていたのは良いんだけどね。
テーマは「心」なんだろうが、それがどうなのかがよくわからなかったな・・(苦笑)
答えは自分の「心」の中にあるってことかな、やっぱ?


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