◆乃木坂春香の秘密
著者(五十嵐雄作)、イラスト(しゃあ)


◆第1巻4(70点)

というわけで、第4回電撃hp短編小説賞の最優秀受賞者・五十嵐雄作のデビュー作「乃木坂春歌の秘密」
今巻は、「白銀の星屑」の二つ名を持つ白城学園のアイドル・乃木坂春香には誰にも言えない秘密があって・・って話。
うむ、なかなか面白かった。
ネタとしては流行りのアキバ系をネタにした逆「電車男」という感じで、非常にベタベタなラブコメであり、春香の「秘密」というのもまあすぐにわかるものではあったのだが、その「秘密」を主軸にして軽快な文章でテンポ良く描かれる二人の出会いと交流は微笑ましく楽しく、なによりヒロインである春香が可愛くてなかなかに萌えた。
初見はしゃあさんのイラストは引くものはあったのだが、春香の「あの絵」を含めて本編にはあっていてなかなかに良い感じである。
まあ、「秘密」の部分の描き込みは、ちと薄いかなと思わなくもなかったが、あんまり濃すぎても間口として狭くもなるし、このぐらいライトでポップの方がわかりやすくていいんじゃないかな?
しかし、「電車男」とはまた違うベクトルでのオタの「ドリーム」ではあるよなあ・・ああ、主人公が羨ましい(笑)
とりあえず、電撃のお約束として続くようなので、続きを楽しみにしたい。


◆第2巻4(70点)

よ、よろしくお願いします…。
というわけで今巻は、夏休み、裕人は春香と共に「夏こみ」に行くことになるって話。
第1巻に引き続き、今回ももう直球でベタベタなラブコメをまっしぐら。
「コンサートの応援」「葉月さんの秘密」「二人の夏こみ」「春香の家出」
と、良くいえば王道、悪くいえば安直な展開ではあるのだが、相変わらずの一人称の軽快な文章と「お嬢様っぷり」を見せつけてくれる春香の可愛さもあってか、妙に尻座りがよく、裕人と春香のベタベタなラブコメぶりは微笑ましく、ほのぼのと楽しい。
各話ごとに区切りがあり、巻の終わりで盛り上がりがある感じも、非常に「アニメ的」であり、アニオタな自分にはなじみがありわかりやすい。
なにより、(都合よすぎるとはいえ)裕人にベタベタで、ちょっとオタ(アキバ系)な春香はなんだかツボをついていて、萌えます(笑)
願いとしては、全6巻・全24話というアニメ的な構成で、もうベタベタなラブコメを進んでもらいたい・・そしてアニメ化!!(笑)


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