◆世界が終わる場所へ君をつれていく 全1巻4(70点)
著者(葛西伸哉)、イラスト(尾谷おさむ)

というわけで、「世界が終わる場所へ君をつれていく」
青森県に突如現れた巨大な「銀の樹」をきっかけとして僕は彼女と出会い、「銀の樹」を見るために彼女と共に自転車を走らせるって話。
ジュブナイルな雰囲気のある青春小説であり、オチも非常にさわやか。
最初のイメージは「セカイ系」で「エロゲー」な感じだったんだけども、どっちかっていうとライトノベルより児童文学に近いかもしれない。
宇宙からやって来た謎の生命体「銀の樹」というギミックはSF風味ではあるが、基本は「僕」と「彼女」によるボーイミーツガールであり、「日常」に突如やって来た「銀の樹」という「非日常」を切っ掛けとしての少年と少女の出会いと触れ合い、でもってそれぞれの成長である。
描写もできうる限り「リアル」に臨場感を持って描こうとしており、感情移入度は大きめ。
「七姫物語」(まだ読んでないけど)なんかも描いてる尾谷おさむの絵柄もジブリチックであり、「海がきこえる」や「耳をすませば」なんかのジブリの「青春もの」を思い出させてくれて、ビジュアルは想像しやすかったな。
まあそれゆえ非常に地味でもあり派手さには欠けたのだけど、一本の青春映画を見たような感じでもあり、なかなか面白かったです。


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