◆セブンス・ヘブン
著者(土門弘幸)、イラスト(藤本英明)
というわけで「五霊闘士オーキ伝」で、電撃ゲーム小説大賞「大賞」を受賞した土門弘幸の第2段、「セブンス・ヘヴン」の第1巻。
今巻は、主人公である14歳の生方ミオが地球連合管理下の有名エリート校・聖あるか学院に入学し、そして異世界に通じるドーム「聖地」を巡る戦いに巻き込まれることになるって話。
う〜ん、まあまあ。
設定とかは、まあよくありがちな感じでそれほどオリジナリティはなく、少々「エヴァっぽく」もあるのはいいとしても、なんつうか文章がちと読みにくかったかな。
お約束な設定やら展開とか、キャラとかは結構良いとは思うんだけど、やはり妙に格好つけた装飾の多い文体で情景描写が多く、読んでてちと辛かった。
何かなかなか全然話が進んでくれないんだもんなあ・・特に前半。
後半は結構良かったけど。
ライトノベルなんだから、もちっとサクサク話が進んで欲しいよなあ、っていうのがちょっとあったかも。
まあ「世界設定」などを、絵ではなく文章で表現しなければいけないから、長くなってしまうんだろうけどねえ。
なかなかにビジュアルテイスト強いので、アニメや漫画の方が向いてるかも。
あと学園ドタバタを想像していたのだが、思ったより全然暗かったしねえ。
まあそれはともかく、ありがちな感じではあるが、このあと設定やら伏線やらキャラの絡みなどがどのように収束していくのかが楽しみである。
◆第2巻「魔人と魔剣」4
著者(土門弘幸)、イラスト(藤本英明)
というわけで、セブンス・ヘヴンのの第2巻。
今巻は、徐々に聖地との戦いに慣れていくミオ。
そして、遺物探索中に「代行者」と呼ばれる敵に体を乗っとられたネラと戦うことになるミオ達って話。
この作品の世界観や文体にも慣れ始め、それぞれのキャラも立ってきて大分面白くなってきた。
それぞれのキャラのやり取りやら葛藤やら、謎や秘密とかがいい感じである。
暗い展開やドラマが良いねえ・・ちょっとエヴァっぽいけど(笑)
で、特に今回は、父親である威亥の胸で泣き崩れる未緒とか、自信を喪失してしまうライラとかのキャラの感情の揺れ動きが良いね。
あと意外にももう死んでしまったネラのラストとかもいい。
さらば・・アルカイックスマイル・ネラ・・。
そういや遺物探索は、なんかTRPGを思い出して、ちょっと燃えたなあ。
で、どうやら事態は少しづつ推移しているようで、一巻の最初に出てきたシーンの回想が少し出てきたりと、今後の展開が楽しみである。
果たして代行者とは、斬神の刃とは、遺物とは、聖地誕生の秘密とは、そして御前の目的とはって感じである。
◆第3巻「魔人と魔剣」3
著者(土門弘幸)、イラスト(藤本英明)
というわけで、セブンス・ヘヴンの第3巻。
今巻は、竜人達の大飛翔の護衛をするミオ達に再び襲いかかる「代行者」。
そして、その「代行者」に倒されたジブを見て暴走をするミオって話。
どうやら、話は竜人絡みで進んで行くようである。
果たして、影で画策されている事とは何なのかって感じである。
つか、話引っ張り過ぎでよくわからないなあ・・というかこれってホントに「エヴァンゲリオン」なのだな。
ちと影響受け過ぎな気が(苦笑)
もうちょっと、エヴァと違える努力は欲しかったかな・・。
キャラメイキングや、ストーリーテリング自体はそれほど悪くないからねえ。
少しあからさま過ぎですな。
まあ、エヴァに対するオマージュなのかもしれないが・・。
◆第4巻「霧の降る時代」3
著者(土門弘幸)、イラスト(藤本英明)
というわけでセブンス・ヘヴンの第4巻。
今巻は、常盤津タツヤが起こした「大降来」により、世界中の大都市が失われ、ミオ達はそこで常盤津の配下と戦うことになる。
そんな時、ティグも自らを鍛えるべくある訓練施設を訪れていたって話。
相変わらず暗い展開で、ミオは主人公なのに意識不明になるは、未緒の同僚のリタは死ぬは、ティグは孤独に戦ってるは、ハイリョオは勝手に覚醒するは、ジブも裏で暗躍してるはと、なかなかにそれぞれがバラバラの展開である。
まあ、このあとにこれらをどのように収束させるかに期待です。
しかし、キャラが多くて、「誰が、いつ、どこで、誰と、何をしてるのか」っていう5W1Hが分かりにくい小説だな(苦笑)