◆粛正プラトニック
著者(秋口ぎぐる)、イラスト(たけひと)
◆第1巻「少女と嘘とボストン・バッグ」2
著者(秋口ぎぐる)、イラスト(たけひと)
というわけで、秋口ぎぐるによる「粛正プラトニック」の第1巻。
今巻は、北摂高校2年の少路桔平はドイツでの修学旅行の途中で、マフィアの一員である少女と出会う。
しかも桔平の悪友である竜介の暴走で、大金入りのバッグは行方不明となり、彼女は仲間から命を狙われることになるって話。
ハリウッド映画的な、事態が転がり始めてクライマックスを迎えるという、お約束の展開やネタ自体は悪くないのだが、どうも平板すぎるキャラクターや文章やイラストやらが弱過ぎで、かなりパっとしない印象であった。
特に、ライトノベルにしてはキャラクターに魅力が感じられないのは痛いな。
何と言っても、全ての元凶であり自分勝手過ぎるキャラである竜介が好きになれないなあ。
そのせいで、展開が強引でいい加減な印象が出てきてるしねえ。
「ドイツ」という異国ならではの魅力が出てないのも痛いかな。
漫画やらアニメやら映画なら、その辺り絵で表現できたりもするんだけどね。
どっちかっていうと、ビジュアル的に見せた方が良かった小説って感じでした。
◆第2巻「南国少女の海底戦艦」3
著者(秋口ぎぐる)、イラスト(たけひと)
というわけで今巻は、日本からはるか離れた南の島国に、祖父の乗っていた奇妙な戦艦「和泉」の引き上げ作業を見学にやって来た桔平達は、浅黒く日焼けした少女キキと出会う。
しかし、その南国でのおだやかな日々の中、桔平の持っている懐中時計を狙う謎の美女が現れるのであったって話。
まあまあ面白かった。
謎の戦艦「和泉」の秘密をめぐりテンポ良く話が進み、アクションなどもそれなりに派手なのは良かった。
あの和泉の秘密である「アイデア」も、ちょっとトンデモな感じではあったが面白い。
クライマックスの、お約束の宮崎駿的空中決戦も熱かったしね。
でも、スートリーの良さに比べると、やはりキャラクターの魅力が薄い。
どうも好きになれないキャラが多いしね・・特にいつもながら竜介。
あと、たけひとさんのイラストも、薄めで魅力に欠けるのはやっぱり痛い。
ライトノベルでは絵は重要だと思っているので、やはりもっと読者の想像力を喚起する魅力ある絵が欲しいところ。
なんかメカとか全然描いてないしねえ・・まあ、この頃の同人系やネット系のイラストレーターには多いんだけどね(苦笑)
相変わらず、ビジュアル向けな小説って感じでした。