◆しずるさんシリーズ
著者(上遠野浩平)、イラスト(椋本夏夜)


◆第1巻「しずるさんと偏屈な死者たち(The Eccentric Dead In White Sickroom)」3
著者(上遠野浩平)、イラスト(椋本夏夜)

というわけで、富士見ミステリー文庫での上遠野浩平の作品、「しずるさんと偏屈な死者たち」
今巻は、しずるさんとよーちゃんは、不思議な事件の解決に挑むって話。
まあまあ面白かった。
基本的には、どこか狂気と虚無感のある「上遠野節」っぽさのあるミステリ−にはなっているのだが、やはり異能者もSFもないせいか、ちょっと物足りなく思う。
なんかちょっと「普通」な感じなんだよな。
とはいえ、しずるさんとよーちゃんのラブラブ百合っぷりが結構イけるので、その辺楽しみかもしんない(笑)


◆第2巻「しずるさんと底無し密室たち(The Bottomeless Closed−Rooms In The Limited World)」4
著者(上遠野浩平)、イラスト(椋本夏夜)

というわけで、上遠野浩平のしずるさんシリーズの第2巻。
今巻は、「密室」に関わる不可思議な事件を解き明かすしずるさんとよーちゃんって話。
相変わらず今巻も、テーマとしては「密室」と言いながらも全然密室っぽくなかったり、どこか虚無感漂う空虚な感覚があるのがいかにも上遠野的ミステリーって感じである。
謎自体も最初は奇妙で不可思議極まりないのに、トリック自体が明かされるとそれは人の「ごまかし」によるちょっとした「盲点」や「錯覚」という「ずれ」でしかなかったりする辺りやら、そこに「切なさ」みたいなのが入ってくるとこもとっても上遠野的で、「チクタの冒険」のような童話っぽいのを挿入してるのが良いアクセントになっている。
確かにアクションとかもなくて淡々としてて地味なんだけど、この「不気味」な感覚は結構好きになって来たかもしれない。
まあなにより、しずるさんとよーちゃんの百合百合ラブラブっぷりが非常に微笑ましくもあり、萌えてしまうのがやはり一番ではあるが(笑)
そういや、いつもながら上遠野ワールドとのリンクがあったな。
しずるさんはブギーポッポの凪と同じくMPLSな病気なのかな?・・病院は「ホーリー&ゴースト」のスリムシェイプと同じっぽいし。
あと、富士見ミステリー文庫は2004年から装丁デザインが変わったようで、しずるさんシリーズももちろん変更・・1巻新しいのに買い直さないとなあ。
でも、この装丁デザインは非常にすっきりして美しく、どこかやぼったかった前のに比べると全然良いですな。
富士見ファンタジア文庫もそろそろ変えてもいいかもねえ・・デザイン関係では電撃文庫に比べると遅れまくってるしね。


◆第3巻「しずるさんと無言の姫君たち」3(60点)
著者(上遠野浩平)、イラスト(椋本夏夜)

というわけで、「しずるさんシリーズ」の第3巻。
今巻のモチーフは、御伽話のお姫様たち。
いつもながら、しずるさんとよーちゃんが病室でイチャイチャしつつ殺人事件を推理するというこのシリーズなわけであるが、相変わらず読後感はなんというか、とても不思議な感覚である。
謎が謎でなかったり、二人が語る哲学っぽい話が事件の真相へとつながっていたり、まさしく上遠野節によるミステリーであり、この不思議感覚と百合百合感覚が、このシリーズならではの特徴なんだよなあ。
まあそれはそれとしても、しずるさんとよーちゃんのやり取りはいつもながら心和むのであった(笑)
しかし、どうやらよーちゃんもMPLSっぽい匂い今巻からは感じさせられたわけだが、そういう部分って明かされたりするのかな?
まあそういう全体的なストーリー部分に重きを置いてるわけでもない感じだし、そういうのは伏せられたまま、ずっと進んで行きそうな感じではあるなあ。


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