羽生局

秩父鉄道の始発駅、羽生駅の目の前にある郵便局です。
絵柄は、川俣関所跡の碑、勘兵衛松並木、ムジナモとその花、田舎教師の碑です。

個々の説明。
川俣関所とは、江戸時代の関所で、日光街道の裏ルートでした。
現在、この碑は、道の駅はにゅうの中にありますが、本来は道の駅はにゅうを背にすると、正面の道路の向こう側の土手の中にひっそりと立ってました。
昭和橋は、その頃の渡しの跡なんですね。
勘兵衛松並木は、家光が日光に行った際に、関東郡代が、家臣の勘兵衛に命じて作らせた松並木です。最初は、69本ほどあったそうですが、今は4本のみ。
ムジナモは、日本で唯一、羽生三田ヶ谷に自生する、食中植物です。レッドリストに掲載されています。
田舎教師とは、小説です。館林出身の小説家、田山花袋の作品で、あらすじは、簡単に言ってしまうと、明治時代後期、若い青年教師が、貧しいが故に、自分のやりたい事が出来ずに結核で世を去ってしまう、というもの。

四里の道は長かった。その間に青縞の市の立つ羽生の町があった。田圃にはげんげが咲き、豪家の垣からは八重桜が散りこぼれた。赤い蹴出(けだし)を出した田舎の姐さんがおりおり通った。 (出だし)

この青縞とは、藍染めの織物。舞台はまさしく羽生なんです。
この青年教師はモデルがいて、小林秀三さんという人です。彼の墓所が、建福寺にあります。碑は、弥勒の小学校跡地にもあります。

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