同人PBM『隔離戦区・人魔神裁』第2回 〜 神州中部


MJ2『 御怒りの大いなる日が来たのだ 』

 大山崎分屯地は、ヘブライ神群の四大元素天使による京都支配からの解放と、魔群(ヘブライ堕天使群)による伊丹制圧と大阪の状況悪化という二大要件で急遽設営された場所だ。大阪の魔群の動きを警戒監視し、そして京都への侵攻の際には防波堤となる要である。
 大阪の伊丹駐屯地からの偵察から一時撤退した、橘・柑奈(たちばな・かんな)二等陸士と リリア・エイミス(―・―)、そして マリー[――]は、京都の大山崎にて傷と疲れを癒していた。
 当初は携帯情報端末で記録を送るだけのつもりだったが、最寄りの部隊からの強い要請で足を運んだのだ。信太山駐屯地へと寄るには魔群の追跡や哨戒を考えて断念。代わりに信太山や伊勢分屯地の戦友宛に、万が一の場合に備えて遺書を送っている。
 さておき3人からの報告書に目を通しているのは第36普通科連隊長(一等陸佐)と、大久保から出向して分屯地司令を兼ねている神州結界維持部隊中部方面隊・第4施設団第7施設群長(一等陸佐)だった。報告書から顔を上げずに第7施設群長が苦笑する。
「……京都が天使共の巣窟となっていた時は大久保で北の様子に怯え、解放されてからは大阪という南を警戒する事になろうとはな」
 天使が京都を支配していた時、大久保駐屯地の役割は監視塔として敵の様子を観測し、有事の際には周辺へと警告を発する事であった。主な対空武装は12.7mmブローニングM2重機関銃キャリバー50だけで、基本的に天使共との交戦は命じられておらず、撤退を厳守されていた。
 だが京都が天使の巣窟になっていた時に比べれば、戦力が潤っている現状は未だ気が楽な方らしい。伊丹駐屯地から脱出してきた第36普通科連隊の主力が大阪を睨んでいるからだ。そして『黙示録の戦い』――超常体同士の争いに積極的に介入せず、駐屯地等の堅守を絶対命令にされている事から、魔群が京都に攻め入ってこない限りは平穏と言えよう。事実、魔群は人類が籠る駐屯地等の施設を狙うのでなく、天使や他の超常体の排除を優先している。勿論、京都に侵入する超常体は少なからずいるが、封印から解放された 宇迦之御魂[うかのみたま]の力により弱体化し、そして維持部隊の火力で撃退されている。
「――しかし6月末ぐらいから、何故か天使だけは宇迦之御魂神の影響を受けての弱体化が見られていないのだが……」
 首を傾げる第7施設群長に、第36普通科連隊長が咳払い。注意を集めると、
「天使の動きも警戒すべきですが、やはり当面の脅威は大阪の魔群でしょう。――すまないが書面だけでなく口頭でも再度の状況の説明を願えますか?」
 日本語に未だ不慣れなリリアやマリーにも解る様に、流暢な英語で報告を促してくる。気遣いは嬉しいが、アメリカンでなくてクイーンズイングリッシュなのを内心で苦笑。
 兎も角、先ずは敵の戦力分布を広げられた地図を示しながら説明する。完全侵蝕魔人兵の総数は1個大隊規模。其の内4割は元維持部隊員で伊丹に。他は元米兵で、米海軍空母キティホークに詰めていると思われる。超常体は師団規模だが大多数はリザドマンやインプといった低位超常体であり、ビーストデモンやファイヤードレイクといった大物は少ない。超常体は伊丹に3割、そして住吉大社に7割といったところだ。
「サタンが伊丹で“地獄門”を開く準備中か。そして――住吉大社?」
「はい。記録映像を御覧になられた通り、超常体の大群が住吉大社を包囲、そして守備の天使を殲滅していました」
 柑奈の説明に、第36普通科連隊長は眉間に皺を刻む。
「……天使ですか。超常体の巣窟だったミナミへの警戒が強い余り、住之江は余り注目が行ってなかった訳ですが……信太山の第37普連からも報告は上がっていませんでしたし」
 言われてみたら、柑奈も住吉大社に関して詳しく知らない事に気付いた。
「取り寄せた記録では、住吉大社には駐日米軍が派遣されていたとあるな。――実体は天使の群れか」
 駐日亜米利加合衆国軍(※駐日米軍)の中で、天使や魔群が勢力争いをしているのは、リリアやマリーも伊勢での騒ぎで学んでいた。とはいえ第7艦隊の米海兵隊でなく、超常体が住吉大社を襲撃したというのは、一応の体面を気にしての事か。
「そして異形戦車か。北部方面隊に照合してもらったが、千歳に顕れたという魔王級戦車に違いないな。名前はプールソンというらしい」
 七十二柱の魔界王侯貴族の端正王 プールソン[――]の名を持つ異形戦車は、針鼠の様に全表面から砲身を出して生成した弾を吐き出し、千歳・恵庭や北海道大演習場で暴れまくったという。札幌の北海道神宮に封じられていた 大物主[――]の攻勢波動を受けても尚、稼働を続け、そのまま姿を消したと聞いていたが、
「――大阪に顕れたとは」
 第36普通科連隊長が大きく嘆息を吐いた。伊丹が叛逆した完全侵蝕魔人兵に占拠されただけでなく、超常体の巣窟となっているのだから、其の心中察しても余りある。加えて住吉大社制圧だ。そして第36普通科連隊長は柑奈達に北部方面隊から取り寄せた書類を開示する。
「魔王級戦車に間違いなければ、近くには呪言系能力を持つオリアスも居るかも知れません。魔王級戦車を回収すると言っていた記録が残っています」
 星幽侯 オリアス[――]と呼称される存在が、維持部隊員だった頃の写真が掲載されていた。柑奈は書面の記録を頭に叩き込んだ。後でリリアの携帯情報端末に英訳したデータを送信しよう。
「……何にしろ大阪は敵だらけです。戦力を貸し与えたいところですが、専守防衛が私達に課せられている厳命です、申し訳ありません」
 柑奈やリリア達の活動は何故か黙認されているが、原則的に戦闘行為は許されていない。補給や情報交換等の間接的な支援は出来ても、結局は遠くから見守るしかないのだ。
 其れでも充分です、と敬礼して退出しようとする柑奈。続くリリアとマリーだったが、
「ちょっと待った。もう少し大山崎で羽を休めていけ。何か伊勢から力強い仲間が来るらしいぞ?」
 笑いを含めた第7施設群長の言葉に、思わず顔を見合わせるのだった。

*        *        *

 先日に来襲した“ 這い寄る混沌ニャルラトホテプ[――])”の化身が1つ“ 悪心影「アクシンのカゲ]”は、伊勢神宮を護る部隊に少なからぬ犠牲と損害をもたらした。死傷により生じた欠員を埋めるのは、紆余曲折合った末に帰化したり、MIA(Missing In Action:作戦行動中行方不明)として処理されたりしている米国軍人である。
「反対意見もあったが、背に腹は代えられないしな」
“悪心影”が暴れ回る前から、或る程度の任務を熟してもらっていたとはいえ、其れでも警務科の監視の上だ。より上の自由と権限を与える事に警戒する考えも解る。だが何時迄も疑って掛かるのは、其れこそ“這い寄る混沌”の思惑通りかも知れない。
「……兎に角“這い寄る混沌”は捻くれ捲っているというからな」
 荒金・燕(あらがね・つばめ)准陸尉は溜め息を吐いた。超常体に支配されている第7艦隊に思うところあってMIA扱いとして戻らず、其のまま伊勢分屯地で働いていた ラリー・ワイズマン(―・―)二等兵が大仰に肩をすくめて見せる。
 筋骨隆々としているがグリーンベレーの経歴もあって潜入工作に長けているラリーは、春の戦いでも伊勢分屯地を苦しめた強者だ。また通称『侍女部隊』といわれる殿下の近衛部隊からの恨みも強い。作戦任務中とはいえ近衛の前隊長であった化野陸曹長に止めを刺してしまったのはラリーだからだ。当然ながら要注意人物として警務科でも指折りの実力者が監視に付いている。……タキシードに仮面を付けた荒金の外見は気にしてはいけないし、ラリーももう慣れた。
 兎も角、同僚と共に荒金はラリーと3人組で周囲の警戒に当たっていた。神宮の周辺を、殿下の影響力を無視するかのように天使が時折飛んでいるが、“悪心影”のように強襲するには実力が足りない。恐らくは此方の様子見程度の偵察なのだろう。そう考えれば、先日の襲撃が嘘のように平穏と言えた。
「――ツバメ。あんたの言う通りに罠の再設置を終えた。念の為に確認しておいてくれ」
 ラリーの言葉に、荒金は覗き込む。天照坐皇大御神[あまてらしますすめおおみかみ]を祀る皇大神宮の南側――鎮守の森。“悪心影”の来襲で発動したり、突破されたりした罠の幾つかを設置し直す作業。スネア(輪罠)に、デッドフォール(落とし穴)、そしてスピアやボウ・トラップといった爆博物を利用したモノではないが、力仕事や細かい指先作業においてラリーは重宝される。
「――問題無いな」
「とはいえ、また“悪心影”みたいな大物が来たらどれだけ役に立つか」
 ラリーが訝しむと、荒金は頷き返した。
「其れでも、和歌山の熊野本宮神社を占拠している沙地亜剌比亜王国軍――其の内部に潜んでいるだろう阿剌伯諸国連盟の部隊が消え去った訳ではない。特殊部隊が壊滅したとはいえ、此方に侵入してくる可能性は想定しておくべきだ」
 本体でなくとも牽制攻撃が発生する可能性はある。再度の襲撃は無いだろうが、もしもの場合の損害が笑えない事になる。従って警戒を怠れ無いのが、嫌な話だと荒金は愚痴を吐露した。
「『遊戯』とやらの規範は、勝利を前提とせず“規範を守る気が無い”プレイヤーの存在を想定してない、という問題があるようだ。愉快犯や確信犯相手には無力かな」
 呟いてから荒金は疑念が沸いた。話に聞く限り『遊戯』は太古から、そして“此の世界”とも異なる時空でも繰り返し行われていた可能性がある。“這い寄る混沌”のような存在は幾度となく顕れただろう。
(……想定していないのではなく、敢えて“ゲームマスター”なる存在は、そういった奴を見逃している?)
『遊戯』の“ゲームマスター”とは高位上級超常体が度々口にしているという“ 唯一絶対主 ”に違いない。超常体同士を『遊戯』で相争わせ、そして人類社会を巻き込み、苦境を圧しつける。“ 唯一絶対主 ”を考えると、知らず、荒金は唇を噛んでいた。
「……荒金二士。そろそろ大休止を取る時間だ。内宮に戻るぞ」
 同僚の言葉に、我に帰る。ラリーを先頭にして、荒金達は内宮に戻った。食事の準備をする3人へと近衛部隊長代理が声を掛けてきた。ラリーを前にしても表情は変わらないが、其れでも視線が怖い。しかし近衛隊長代理は荒金にでなく、ラリーの方へと用件を伝えてきた。
「殿下よりワイズマン二等兵へ是非にと。リリアさん達より受信したメッセージです」
 受け取ったメッセージに目を通し、ラリーは眉間に皺を刻んだ。天を仰いで呻き声を漏らす。
「……まるで遺書じゃないか」
 そして荒金に向き直ると、
「ツバメ。すまないが俺の監視を解いてくれ。そしてイセから離れる許可が欲しい」
「あなたの様な要注意人物の監視を解けと? そして私は未だ伊勢から離れるつもりはないのだが……」
「リリア達は決死の覚悟で魔王共に挑むつもりなんだ。戦友の援護に行きたい。頼む!」
 ラリーの勢いに、同僚と顔を見合わせる荒金。助け舟ではないが、近衛部隊長代理が言葉を続けた。
「……殿下はワイズマン二等兵の解放に関して問題無いと仰っておられます。また必要な物があれば可能な限り揃えなさいと」
「――殿下の言葉があるのならば仕方ない。だが、くれぐれも維持部隊に対する敵対行為はするなよ」
 荒金は溜め息を漏らすと、直ぐにでも出ていこうとするラリーを引き止める。
「大阪に向かうのならば、遠回りに思えるだろうが滋賀と京都を経た方が早い。リリア達も現在は京都の大山崎で傷と疲れを癒しているらしいし。其処で合流を果たせ」
 それと……と視線を同僚に送ると、
「クーガーが1輌空いているそうだ。餞別だ、持って行け。しかし官品だから、必ず生きて、返しに戻って来いよ」
 荒金達に、ラリーは敬礼。そして固く握手を交わすと足早に大阪へと向かうのだった。

*        *        *

 石川・福井・岐阜にまたがる白山連峰。維持部隊と協力して、襲来してくる天使共や魔群を撃退していた駐日露西亜共和国軍(※駐日露軍)のヨシップ・グリゴロフ少尉――正体はスラヴの獣神 ヴェーレス[――]は当惑を隠せなかった。辰口丘陵公園跡地の駐日露軍陣営からの通達によると、東海地域に版図を広げているデーヴァ神群から、北陸に肩を寄せているスラヴ神群へと宣戦布告が発せられたというのだ。
「“柱”を立てるのに失敗した神群を相手にするなんて余程暇なのか?」
 恨み言を呟いてみたが、成程、デーヴァ神群にとってスラヴ神群の立場は歯痒い存在に違いないだろう。“柱”を立てるのに失敗した事で『遊戯』決戦に挑めずとも、主神格である雷神 ペルーン[――]は健在だ。
「……ペルーンが駐留地に引っ込まずに、ちゃんと『夏至の日』迄に討たれてさえいれば、面倒な事にならなかっただろうに」
 溜め息を漏らす。兎に角、デーヴァ神群が北陸に進出してきたら迎え撃てというのが、ペルーンからの指示だった。
「――デーヴァ神群の撃退に、維持部隊が協力はしてくれそうか?」
「……生憎と難しいでしょう」
 部下は頭を横に振る。態々、スラヴ神群を名指しして宣戦布告する事で維持部隊の介入を阻止したのだ。維持部隊は原則的に『黙示録の戦い』に介入は許されていない。駐屯地の堅守が絶対命令だ。巻き添えにならない限り、戦力は振るわない。逆にデーヴァ神群もスラヴ神群も各々が維持部隊と友好的関係を築いている以上、巻き込む事も許されない。
「デーヴァ神群との争いに、維持部隊が不介入というならば……当然、媛祇も動かないか」
 ヴェーレスの予測通り、白山連峰の主とも言える 菊理媛[くくりひめ]は、勝手に外津神々は争い絶えれば良いと冷たい怒りの返事を寄越してきた。無論、菊理媛や眷属だけでなく、維持部隊員にも誤って被害が及んだ場合は恐ろしい程の報復がなされるだろう。
「しかし、よく北陸へと進出してきたものだ。長野はどうした?」
「ヴィシュヌの側近であるガルダとハヌマーンが直々に赴いて、建御名方と八坂刀売を説得したそうです」
 当初はデーヴァ神群の主神(の一角)たる ヴィシュヌ[――]自身が赴いて説得するはずだったらしい。しかしデーヴァ神群側から猛反対され、結局、側近の ガルダ[――]と ハヌマーン[――]が赴くという形で落ち着いたとの事だ。ヴィシュヌでなくとも有力な側近2柱だ。建御名方と八坂刀売の顔を立てるには充分だったろう。
「……俺達も早々にデーヴァ神群へと白旗を振った方が良い気がするぜ」
 ヴェーレスは再び溜め息を吐くと、AK-74M(アブトマット・カラシニコバ・1974年近代型)機関騎銃を担ぎ直して哨戒を再開するのだった。

 デーヴァ神群が版図を広げていっているのは長野だけではない。ついに愛知との境にあった豊川の制圧を完了させ、近畿ひいては関西へと進軍する中継基地を手に入れた。
 約束通り維持部隊に豊川を開放すると、ヴィシュヌは名古屋の守山駐屯地を表敬訪問する。警戒する維持部隊の視線の中でも、悠々と振舞うヴィシュヌの姿は王者の風格が漂っていた。和歌山の天使共や大阪の魔群に対する作戦行動における支援を求めており、8月頭には三重の久居駐屯地にも挨拶をしてから奈良へと進軍するらしい。
 伊勢神宮にも表敬訪問を考えていたが、其れはデーヴァ神群からも時期尚早との声が上がり、ヴィシュヌは苦笑するしかなかったようだ。
 こうして守山の表敬訪問は大事無く終了したが、草薙剣についての行方を気になっていたようだ。預かっていたはずのWAC(Woman's Army Corps:女性陸上自衛官)によると、特殊部隊所属を称する双子の兄妹が改造の施された96式40mm自動擲弾銃と引き換えに草薙剣を持っていたという。
「でも憑魔が寄生してないから、前のより威力が落ちているんだけど」
 頬を膨らませるWACを前にして、ヴィシュヌの目が丸くなっていたのが印象的だったとか。

*        *        *

 96式装輪装甲車クーガーから降りた人物に、リリアは眼を大きくする。軽く挨拶するラリーへと、マリーが再会を祝して抱擁すべく駆け寄るが、寸前で握られた拳骨で頭を叩かれてしまう。
「――莫迦が! あんな遺書めいたメッセージを送ってくるんじゃないっ! 心配するだろうが」
 リリアもお叱りの説教を受ける。そして柑奈の視線に気付いたラリーは敬礼すると握手を求めてきた。
「戦友が世話になりました。ラリー・ワイズマンです」
「橘です。どうやら同じ階級の様ですし、其れに年齢を考えたら本当は私の方こそかしこまらないといけないのですけれども」
「……確かに歳は上だが、立場としてはMIA扱いで肩身が狭いものでね。ならば互いに遠慮無く接しようか」
 ラリーがフランクに語り掛けると、柑奈が微笑みを浮かべて返した。
「しかしラリーの旦那。よく刑期を終えて出て来られたな?」
「あんた等が無茶しなければ、未だお勤め中だっただろうがな」
 リリアの軽口に、ラリーが悪態を交えて返す。兎も角、力強い応援にリリアの口元が綻んだ。しかし、直ぐに気を引き締めると、
「では――行くわよ」
 合図に、皆の目付きが真剣なモノに変わった。

 大山崎から京滋バイパスと第二京阪道路を経由して、門真で近畿道へ。そして松原で降りる。足であるクーガーを擬装して隠すと、徒歩で住吉大社へと慎重に進めた。上空をワイバーンが哨戒し、大通りをコボルトやリザドマンの群れが周囲へと視線を巡らせている。先行するリリアが手信号で誘導。指示に従い、物陰に潜んだり、廃墟の中を突っ切ったり、裏路地を駆け抜けたりして目的地へと迫る。
 目的地である住吉大社は、全国に約2,300社ある住吉神社の総本社である他、下関の住吉神社、博多の住吉神社と共に「日本三大住吉」の一社としても数えられる。主祭神は合わせて「住吉三神」と呼ばれる底筒男命・中筒男命・表筒男命と、息長帯姫命(神功皇后)の4柱だ。住吉三神は伊邪那岐が黄泉国の汚穢を洗い清める禊を行った際に生まれ出たとされており、瀬の深いところで底筒男命が、瀬の流れの中間で中筒男命が、水表で表筒男命が顕れたという。其の為、通説では海神と言われる。
 ……なおトンデモ説によると「筒」は、古くは『星』の意もあり、住吉三神はオリオン座の三つ星――オリオンの帯の象徴ではないかという。オリオンの帯が冬における航海の指標と考えれば、其のトンデモ説でも星神とされる住吉三神が、海神という事にもなる。
 ――閑話休題。
 廃屋の中から目的地を眺める。松原――東側から着たリリア達が見ると、住吉大社の裏手となる。魔王級異形戦車は住吉鳥居が在る西側正面に居座っており、境内にはリザドマンやコボルトがたむろっている。住吉大社駅跡地より更に西側、住吉公園跡地にビーストデモンやファイヤードレイクが布陣していた。
「此のまま裏手から侵入すれば、プールソンの後背側面を奇襲する事が出来るわね」
「……境内のリザドマンやコボルトは雑魚だけど数が多い。常に移動を繰り返し、ヒット&アウェイを心掛けないと。ラリーさんからも何か意見は?」
 状況を把握しながらリリアに続いて、柑奈が戦術を練る。話を向けられたラリーは肩をすくめると、
「同意見だ。ビーストデモンやファイヤードレイクが境内に応援に来る迄にはプールソンを仕留めたい。気掛かりなのは……」
 住吉大社で警戒待機しているのがプールソンだけとは思えない。事前情報によるとオリアスも異形戦車の近くにいる可能性が高い。――本殿か?
 住吉大社の本殿は「住吉造」といわれており、神社建築史上最古の特殊な様式だ。また配置も全国的にも珍しく、住吉三神がそれぞれ祀られている第一本宮から第三本宮までは直列、そして第三本宮と息長帯姫命が祀られている第四本宮とは並列に配置されている。あたかも大海原を往く船団の様に立ち並んでおり、「三社の縦に進むは魚鱗の備え。一社のひらくは鶴翼の構えあり。よって八陣の法をあらわす」とも言い伝えられていたとか、いないとか。
 兎に角、どれが当たりだろう? 其れとも全て外れで別の建物に潜んでいるのかも知れない。
「悩んでいても仕方ないわ。プールソンを優先的に狙う。ラリー、マリー、カンナ、援護をお願い」
 リリアの合図に、一同が得物を構えた。

 110mm個人携帯対戦車弾パンツァーファウスト3の有効射程は、固定目標で400m、移動目標で300mとされる。プールソンは住吉大社境内で動こうとしていないようだが、リリアは北に位置する住吉警察署庁舎の廃屋に陣取る。
「――念の為にカンナから化物銃を借りてきたけど」
「パンツァーファウストは1発しかないからね」
 隠密潜入で〈消氣〉として使っていた能力を、弾頭に注ぎ込む。発射されるのは爆発反応装甲に対応できる二重弾頭のタンデムHEAT弾だ。
「――射てっ!」
 マリーの合図と共に発射! 反動を相殺する為、後方へカウンターマスと呼ばれる重量物が撃ち出された。そして発射された弾頭は、直後に安定翼が展開。更にロケットモーターに点火して加速。飛翔して目標に直撃した。
 リリアが練り込んだ氣と、成形炸薬によるモンロー効果で、直撃を受けたプールソンの装甲は耐え切れずに爆発炎上する。だが装甲が派手に吹き飛び、周囲に爆炎を撒き散らしたものの、遅れて反撃が来た。予測していた通り、装甲を吹き飛ばす事で核を護った様だ。異形系の魔王級戦車は撒き散らした炎に照らされながら、砲塔を回転。住吉署へとラインメタル120mm滑腔砲を向けてきた。更に図体が盛り上がると、93式近距離地対空誘導弾クローズトアローの8連装発射装置に似たミサイルポットを生み出す。44口径ラインメタル120mm砲弾に続いて、直径80mmのミサイル8発が住吉署を襲った。
 吹き飛び、崩れゆく住吉署。だがリリアとマリーはパンツァーファウストを撃ち放つと直ぐ、着弾を確認する事も無く逃げ出していた。崩落する瓦礫の雨を掻い潜って地上に跳び出すと、勢いのまま近くの廃屋にと滑り込む。柑奈から借り受け、事前に組み立て、準備していたXM109ペイロードライフルを担いだ。
「――覚醒状態とはいえ、やはり重いわね」
 愚痴りながらも次の狙撃ポイントに移る為に駆け出した。住吉大社や周辺から溢れ出したリザドマンの群れがリリア達を探し出すべく集まってくる。
 だが待機していたラリーが群れの中心に向かって、ダネルMGL140グレネードランチャーを撃ち放つ。焼夷擲弾を浴びて、阿鼻叫喚の図が生まれていった。
「空からも来るぞー!」
 住吉公園跡地のワイバーンが追撃すべく空へと舞い上がる。しかし其れも予測通り。住吉公園跡地を担当していた柑奈が担いでいたバーレットM82A2で発砲。12.7x99mmNATO弾を叩き込んで撃墜してみせた。
「小型の飛行型超常体も、私が撃墜して見せるわ。リリア達はプールソンに次の攻撃を一刻も早く叩き込んでいって!」
『――援護は任せろ』
 通信機から聞こえてくるラリーの頼もしい言葉。柑奈自身も敵の追撃を振り切るべく路地裏や廃屋を突っ切って攪乱する。そして時折、振り返り様に飛行型超常体を撃墜していった。
「……やはり数が多いな」
 駆け回りながらグレネードランチャーを撃ち放つだけでなく、事前にM240 7.62mm機関銃を設置していた場所に跳び込んで弾幕を張る。低位超常体が薙ぎ払われていくが、
「――すまん。カンナ、対物ライフルを頼む」
 屍骸を踏み越えて更に押し寄せてくる超常体の群れの後ろ。ビーストデモンの影を認めて、流石のラリーも苦笑いを浮かべるしかない。
『――ロケットランチャーはどうしたの?』
「カンナみたいに、リリア達に貸しているんだ」
 クーガーに戻りさえ出来れば、車載されている擲弾発射機で……。いや、威力が足りないか? そもそも万が一、破壊されたら移動時に厄介だ。
 悩む間にもビーストデモンは逃げ遅れたリザドマンやコボルトを踏み潰しながら迫ってくる。手持ちの7.62×51mmNATO弾で倒し切るには掃射しても足りるかどうか。
 しかし砲声に似た轟きが、ラリーの危機感を払拭する。側背から12.7x99mmNATO弾の直撃を受けたビーストデモンが体液と肉片を撒き散らしながら崩れ落ちていった。ラリーは笑みで戦友に礼を言う。
「助かった。……リリア達は?」
「たった今、ジャペリンをプールソンに叩き込んで、3つ目に向かったところよ。……中々倒せないわ」
 其れでもプールソンからの対応速度が、1回目より遅い。反撃の砲弾が、ラリーと柑奈が話している間にようやく2つ目の攻撃地点を吹き飛ばしたのだ。聞いている証左だ。異形系といえども回復力より勝る損害には徐々にでも衰えを見せ始めている。
「援護を続行しよう。大物や空のは頼んだ」
「押し寄せる群れは任せたわ」

 結局、プールソンの動きを完全に止めたのは、全てのミサイル、ロケット弾を叩き込み、そして〈探氣〉で見つけ出した核を25×59mmNATO弾で貫く事に成功してからだった。
「……もう走れねぇ」
 構えていた89式5.56mm小銃BUDDYを地面に投げ捨て、マリーが荒い息を吐く。もう一歩も動けない程の疲労がリリアとマリーを襲うが、超常体の群れの追撃は止まない。
「――2人とも乗り込め!」
 クーガーが超常体の群れを轢き殺しながら、駆け付けてくる。跳び下りた柑奈が両脇に其々2人を引き摺りながらも抱えると、慌てて乗車する。運転しながら、ラリーが悪態を吐いた。
「――プールソンを倒した事で戦意を喪失して逃げ去るかと思ったが……中々崩れない」
 半狂乱になっているのとも違う。粗はあるが、其れでも組織的に此方を追い詰めてくるようだった。
「……そりゃそうだろう。半月ばかりとはいえ、俺が仕込んでやったんだからな」
 ラリーの言葉に、男声が応じた。柑奈が眼を見開く。何時の間にか、何処からか、顕れた男がクーガーの後部乗員席に座っていた。操縦手席のラリーが気付かなかったのは仕方無い。だが同じ後部乗員席に座っていた柑奈達が気付かなかったのは――。
「初めてだな。俺は“暴食”を掌る大魔王バールゼブブ……の“借り物の器”だ」
 リリア達の驚きを無視して、バールゼブブ[――]と名乗った男は続ける。斑に脱色したボサボサの頭髪に、左腕にコブラの刺青をしており、首には銀の鍵をした飾りが下がっていた。
「本当は首を掻っ切ってやろうと思って“跳んで”きたんだが、余りにも疲労困憊なようなので辞めた。とりあえず今日の処は挨拶だけしたら、お前ら見逃してやるわ。――また来いよ」
 言うだけ口にすると、空間が一瞬だけ歪み、そしてリリア達の追及を待たずに掻き消えた。呆気にとられるが、見逃して貰えるというならば言葉に甘えて撤退すべきだろう。其れだけ傷の痛みや疲労が溜まっている。しかしリリアは全員に伝えるべき事があった。
「――私が日本人ではないからかも知れないが……」
 リリアがプールソンの核を発見する為に〈探氣〉を使った際、当然ながら住吉大社も感知範囲となる。だが住吉大社――住吉三神からは何の接触も無かった。何とか感じられたのは微弱な存在。其れ等は、まるで瀕死の抜け殻という表現が妥当のモノ。
「どういうことなの……?」
 訝しむ4人だったが、答は中々出て来なかった。

 クーガーを見送るバールゼブブに、慌てて青年が駆け寄る。
「――アイツ等を殺っちゃわなかったっんスね」
 オリアスの問いに、バールゼブブは軽く頷き返す。
「ああ。面倒だし。所詮、此の体は“借り物の器”だからな。メッキが剥がれて襤褸を出すよりマシだろう。……大丈夫。俺を殺る目的でまた住吉に来てくれたら、充分に役割は果たせる」
「もしかして陛下の攻略を諦めて、サタン様の下――伊丹に行くんじゃないっスか?」
「だったら、お前、伊丹に行くか? 退場したヴァッサゴの替わりに、アムドゥシアスが護衛に就いたと聞いているが、肉盾は多い方が良いだろうし」
 バールゼブブの意地の悪い笑いに、オリアスは頭を掻いてから、
「陛下と一緒に住吉大社で楽させてもらうっス」
「……ルキフェルに叱られても知らねぇぞ?」
 オリアスの言い様に呆れながらも、バールゼブブは笑みを浮かべるのだった。

*        *        *

 ――悲報を耳にして、思わず目頭を押さえる。
「そうか……プールソンが退場したか」
 国家安全保障問題担当大統領補佐官ルーク・フェラーの肩書と名を持った最高位最上級超常体“七つの大罪”が1つ『傲慢』を掌りし大魔王 ルキフェル[――]は天井を仰いでから、報告者へと振り返る。
「思えば千歳の撹乱から充分に働いてくれた。相応に報わねばならんな」
「かしこまりました。端正王もようやく肩の荷が下りたと安堵しているようです」
 主天王 ペイモン[――]が苦笑交じりに答えた。ルキフェルは美しい金の前髪をかき上げながら、
「プールソンの苦労を活かせれば良いのだが。『遊戯』に勝つのは未だ難しいな。……パールゼブブは何と?」
「――『役割遂行なう』」
「随分と“借り物の器”の影響を受けているようだね、バールゼブブも……」
 呆れるべきか笑うべきか複雑な表情しか出来ない。兎も角、伊丹駐屯地に居る サタン[――]が目的を果たし終える迄、バールゼブブには役割を果たしていて貰わなければならない。
「果たして、何時迄、喰らい付いてくれるか?」
「サタン様によると8月上旬には“柱”を立てるようになると……」
「事が成就した際にはヒトから非難が来るかな? 騙されたと怒りの声を上げて」
 ルキフェルの茶化すような口振りに、糸目の白人女性は鼻で笑い返す。
「騙そうが騙されようが、結局、選択したのはヒトです。情報収集は狭く、分析判断は浅く、そして御都合的な展開や救済を望むような弱さ。――恨むのならば自身の甘さだ。八つ当たりは迷惑なだけ」
 ペイモンの厳しい声に、ルキフェルも苦笑するしかない。――と場を変えるように通信があった。相手を確認してルキフェルは溜め息と吐くと共に受け取る。
「――ゲイズハウンド国務長官。私と君は其れ程迄に親しい間からではなかったはずだが?」
『伝えるべき事項が3つある』
 ルキフェルの皮肉に応じず、ゲイズハウンド国務長官――其の正体は“ 神の眼ザフキエル[――])”は淡々と言葉を続ける。
『――先ず1つ目。国防総省へのハッキングが収まった。他の6ヶ国も同様と思われる。但し飽く迄も表面上の話だが』
 もしも完全に乗っ取られてしまったとしたら、そういった情報工作が為されているという可能性。
『次に2つ目。オハイオ級原子力潜水艦の所在を消失。現在、血眼で行方を追っている』
 オハイオ級は、原子力弾道ミサイル潜水艦の総称とも言うべき存在だ。元々、秘匿度の高い存在であるが故に、首脳は居場所を確実に押さえておかなければならない。其れが消失した。
『……露西亜連邦、仏蘭西共和国、大貌列顛及北愛蘭土連合王国(※英吉利)もまた同様と考えるのが相当だろう』
 北大西洋条約機構(NATO)が付けたコードネーム『タイフーン型』と『デルタ型』に、仏国のル・トリオンファン級、そして英国のヴァンガード級全てが各国上層部の指揮連絡網から消えたという事は。
「――世紀末覇者伝説でも始めたいのか、“這い寄る混沌”は?」
 ジョークを飛ばすしかない。だがザフキエルは取り合わない。
『最後の3つ目だ。――維持部隊のイチガヤに連絡が取れなくなった。ハッキングの件と戦略弾道ミサイル潜水艦について通達しようとした矢先だ。どうやら通信が乗っ取られた。イチガヤだけではない。維持部隊全ての駐屯地や関連施設への電波通信は届いていない。届いていたとしても工作された情報が流れていると思われる』
「此の通信自体も“這い寄る混沌”による工作の可能性は?」
『――ありえなくも無い。私の言を信じるかどうかは貴様に任せる。全ては “ 主 ”の御心のままに』
 そして通信が途絶えた。ルキフェルは重い嘆息を漏らす。
「此方としては淡々と“遊戯”を進めるしかない。求められれば支援をするが、結局はヒトの動きに任せるのみだ」
 最悪でも――また別の“遊戯盤”で最初から遣り直せば良いのだから。
「――? 何か疑問がありそうだな、ペイモン」
「中国人民解放軍海軍の原子力潜水艦は挙がっていませんでした」
 何だ、其の事かと嘲笑を唇の端に乗せた。
「NATOコード『夏級』は、前世紀からドック入りしたままの、名前だけで使い物にならない欠陥品だ。流石の“這い寄る混沌”も玩具の良し悪しは判るのだろう」

*        *        *

 7月も末に差し掛かる中、神宮は平穏無事だった。来月上旬にはデーヴァ神群のヴィシュヌが、三重を通過して奈良に進攻する為、久居駐屯地に挨拶しに来るとは聞いているが、伊勢には寄らないらしい。
 其の報告を聞いて、御簾の向こう側で殿下は朗らかに笑っていたという。ヴィシュヌと率いるデーヴァ神群が幾ら破竹の勢いで進撃していても、殿下の影響力が強い三重では未だおとなしくする他ないのだ。
「――そういえば神州各地の上空を騒がせていた天使共も最近は少なくなったらしいな」
 7月に入ってから伊勢の偵察に飛び回っていたエンジェルスの編隊が姿を消した。隣接する奈良や和歌山、愛知では未だに空を飛び回っており、魔群と小競り合いを交わしているようだが、三重上空を侵犯する姿は無い。一度だけ高位のパワー数体が和歌山から越境してきたが、直ぐに弱体化――動きを鈍らせて失速、其の侭、墜落していったのが観測されている。
「とはいえ警戒レベルを簡単に下げられるかどうかは別なのですが」
 同僚のボヤキに、荒金は違いないと苦笑する。1人とはいえ優秀な腕が減った御蔭で、戦闘が無い割には忙しい。防衛設備の損害復旧、罠の敷設強化や、警備体制の再確認等、やるべき事は山積みだ。
「……其れでも荒金二士は此処で燻っている器じゃないと思うのですが」
 ――そうだろうか? そうかも知れないし、其れでも伊勢で警戒待機をするべきなのかも知れない。殿下に尋ねてみたところ、
「伊勢を離れても良いし、また居残っても良いのです。選択するのは荒金さん自身ですから」
 そう返していた殿下にとって、自身の安全や『バベル』の防衛よりも、最も気掛かりに思っているのは“這い寄る混沌”の事だ。本体が隠れ潜んでいる居場所と倒す手段を探し求めている事が、時折の言葉の端から伺えられた。
「そういえば――最近の通信番組を見ると、電波妖怪が“這い寄る混沌”に乗っ取られたなんて事は無いかな。どっちも神出鬼没で正体不明だ。捕捉する手段すら無い」
 何気ない荒金の呟き。耳聡く聞き付けた近衛部隊長代理が眉間に皺を刻む。
「もしも乗っ取られているのならば……電波妖精セスナが居る場所に“這い寄る混沌”の本体の手掛かりもあるのでは?」
 しかし、どうやって電波の世界に行けというのか。また“這い寄る混沌”の本体を倒すには、
「――世界を滅ぼす程の炎と熱、そして光。核弾頭のような比喩ではなく、実際にそういう武器を如何様にして入手するのか?」
 課題は未だ殆どが解決されていなかった……。

 


■作戦上の注意
 当該ノベルで書かれている情報は取り扱いに際して、噂伝聞や当事者に聞き込んだ等の理由付けを必要とする。アクション上でどうして入手したのかを明記しておく事。特に当事者でしか知り得ない情報を、第三者が活用するには条件が高いので注意されたし。
 また過去作のノベルを参考にする場合、PCが当事者でない場合、然るべき理由が確認出来なければ、其の情報を用いたアクションの難易度は上がり、最悪、失敗どころか没になる事もあるので注意されたし。
 全体的に死亡率が高く、下手な行動は「即死」と考えて欲しい。加えて、常に強制侵蝕が発生する事態を念頭に置かれよ。
 基本的にPCのアクションは超法規的活動であり、組織的な支援は受けられない。

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