同人PBM『隔離戦区・神邦迷処』第4回〜 北陸:東欧羅巴


EEu4『 The stairs to the despair 』

 化学防護衣をまとって、神州結界維持部隊中部方面隊・第10師団第14普通科連隊員が、配布された携帯線量計セットでガンマ線の測定を行う。
『 ――放射線量に異常なし』
「……炉心溶融させる程の熱量やら何やらは全てチェルノボーグに食われとるんじゃな」
 同僚の報告に、明石・喜助[あかし・きすけ]三等陸曹が溜息を吐く。
『しかし明石三曹がいらっしゃって助かりましたよ。調査や偵察を頑張ってみても、俺達だけでは命が幾つあっても足りませんからね』
 喜助達が調査と偵察に赴いているのは、完全侵蝕魔人 クドラク[――]を自称する、久遠・楽太郎[くどう・らくたろう]が率いる集団『ストリゴイ』が占拠している高速増殖炉『もんじゅ』の周辺一帯だ。そして今やスラヴの “黒の神(チェルノボーグ[――])”の影響下にある。
 半月近く前に顕現したチェルノボーグだが、炉心溶融する程の熱量が必要としていた。其の為に放射能漏れが警戒されていたのだが……
「もしかして放射線も食っておるのかのぅ?」
 喜助の冗談に、同僚達は苦笑するしかない。とはいえ偵察するにも重装備が必要される中、喜助の存在は貴重だった。喜助は汚染された環境下でも支障なく動ける。何故なら喜助は人間でも魔人でもない、第三者の存在――日本古来の超常体“妖怪”だからだ。
 最早、超常体との戦いは各地で苛烈なものになっている。そのような状況の中で、人類側に味方する超常体・神群が確認されている今、妖怪の存在を語るのに言葉を選ぶ意味は無い。ましてや長年の間、妖怪の存在が暗黙の了解となっていた東北方面隊や北陸地方では言うに及ばすだ。
 妖怪が憑魔に似た能力を有しているのは長年の共闘関係で判っている事だ。また1つだけでなく、複数有している妖怪もいるらしい。
 喜助の持つ能力は、対ヘブライ神群戦で活躍した祝祷系と、そして異形系の2つ。喜助は伊予の喜左衛門狸一党、その生き残りを自称している化け狸であり、真に相応しい能力といえよう。
 だが喜助が重宝される理由は、異形系の能力故に過酷な環境下でも支障なく動けるという生物化学的なものだけではない。純粋に戦力的な価値もあった。
 完全侵蝕魔人であるストリゴイは、1体だけでも一個班から1個小隊に匹敵する戦闘能力を有している。対抗するには人数と装備、もしくは此方も魔人を以って相対させる事だが……
「チェルノボーグによる汚染――強制侵蝕現象があるから仕方ない」
 チェルノボーグが発する波動は日毎に距離と威力を強めていっており、多くの魔人が当てられて――狂った。暴走し、完全侵蝕魔人となった瞬間に、かつて頼りにしていた友は、恐るべき敵に変わる。価値観の変わったように彼等は振る舞い、魔王/群神クラスの高位上級超常体に付き従うようになる。魔人の隊員を駆り出すのは自殺行為に等しい。
 だったら強制侵蝕現象の影響を受けない人間の隊員ならば大丈夫かというと、並の実力者ではストリゴイの餌食だ。拉致された被害者達は、次の日から新たなストリゴイとして現れる。
「だから、わしの出番なのじゃ」
 チェルノボーグの波動も、元々が妖怪である喜助には影響を受けない。正確には其れなりの痛みを受けるものの、魔人隊員と違って人事不省に陥る程の衝撃を受ける事も、ましてや敵に回る恐れもない。
「とはいえ……わし、戦闘能力は高くないぞ?」
『いらっしゃるだけでも、充分に心強いですよ』
「そんなにおだてられてものぅ。可愛いお姉ちゃんならば嬉しいが」
 口ではそう言いながらも満更ではない様子で福のマフラーを風になびかせる喜助。
『確かに。でも明石三曹の株、上昇中じゃないですか。熱い視線を集めまくっているようですよ』
 そういえば最近はWAC(Woman's Army Corps:女性陸上自衛官)から、よく声を掛けられる。以前までは「エロ布袋」として名付けられて、嫌われる程ではないが、其れなりに逃げられていたものだが。
「……わしにモテ期が来たか!」
『ならばモテモテ状態を維持させる為にも、さっさと調査結果を部隊に持って帰りましょう』
「ははは。利用されている気もしない訳ではないが、確かにおまえさんの言うとおりじゃな。――とっとと逃げ帰る事にするぞ」
 笑いながら、だが瞳を真剣なものにすると喜助は89式5.56mm小銃BUDDYを撃ち放った。隠れ潜んでいたストリゴイが足を5.56mmNATO弾に撃ち抜かれて悲鳴を上げる。
『……よく気付きましたね!』
「わし、これでもサバイバルには自信があるんじゃよ? 狸だしのぅ。――ほら、異形系じゃないようだから今のうちに逃げるぞ」
 化学防護衣をまとって鈍重な味方を護るべく、喜助はBUDDYの連射で敵を薙ぎ払った。

 もんじゅ奪還混合団は、チェルノボーグの影響範囲が広がるにつれて、白木海水浴場を放棄。丹生へと後退すると、対ヘブライ神群迎撃部隊と合流して、陣を布き直した。
 第14普通科連隊本部のある金沢駐屯地より戻ってきた 桜屋・ひさ乃(さくらや・ひさの)二等陸士と、“白き神(ベロボーグ[――])”こと 鈴白・御幸[すずしろ・みゆき]が、もんじゅ奪還混合団長を兼任する第14普通科連隊長(一等陸佐)達のいる天幕に出頭した。
「……チェルノボーグに対抗する力のアテは見付かったか?」
 連隊長の言葉に、御幸は哀しい顔をすると、
「無理なの。少なくともスラヴ神話に縁あるモノ――チェルノボーグだけでなく、わたしやクルースニクになったモノ、そしてペルーンをはじめ駐日露軍兵士は菊理媛の怒りによって鏖殺されてしまうの」
「――何があった?」
 周囲からの問い掛けに、ひさ乃が代わって説明する。駐日露軍兵士達はスラヴ神群の連なるものであり、主神トリグラフの一角にして雷神たる ペルーン[――]や獣神 ヴェーレス[――]の指揮下に置かれている。そのペルーンやヴェーレス率いる駐日露軍兵士達が 菊理媛[くくりひめ]の力を狙って作戦を開始。菊理媛の力を制御する為の鍵を求めて、白山比盗_社等を焼き討ちにしたという。
「同じ台詞を繰り返すけれども……まがりにも自分を祀る聖堂を破壊されたの。怒らない訳がないなの。そして菊理媛は白山妙理権現の異称の通り、霊峰白山の化身でもあるなの」
 白山は休眠期にあるとはいえ、火山である。封じられ、そして神社が焼き討ちにあい、更には力を奪わんとするモノに対する怒りは、さぞかし凄まじいだろう。最近現れた新種の超常体――仮称、女芋虫も菊理媛の怒りの顕れだと、御幸はいう。
「これまた同じ説明だけれども……封印状態でも、眷属を外に顕し、侵略者――駐日露軍兵士やスラヴ神話系の超常体に抗しようという程の力の持ち主なの。もしも解放されたならば、其れだけで、わたしやクルースニク達も弱体化や抹殺されてしまうなの」
「……それほどに凄まじいのか、菊理媛という神は?」
 古事記には名が挙がらぬ神だ。全国各地から信仰を集めているものの、其の神格は謎が多い。
「一説には、正体は伊邪那美そのものと言われています。天父神たる伊邪那岐が天照大御神を後継者としたと対照的に、地母神たる伊邪那美は菊理媛を後継者としたという説もあるくらいですから」
 事実、最近の研究によると白山比盗_社の祭神は、本来は菊理媛でなく、伊邪那美だったとされている。ひさ乃の説明に、幹部連一同が唸る。
「……凄い神なのは解ったが、やはりペルーン達が制圧に乗り出したのは」
「間違いなく、チェルノボーグに対抗する為と思います。そして此れを契機に大きく躍進しようと企んでいるものと」
 何しろスラヴ神群は本拠で信仰を集めて力を付ける前に、ヘブライ神群によって頭を押さえ付けられた経緯がある。『遊戯』にて全ての決着が下される事に乗じて、覇権を唱えても可笑しくない。
「……実際、もんじゅの件もヘブライ神群が『ヨハネ黙示録』の記述に合わせて、儀式を行おうとしていたのよ」
 ――第三の御使いがラッパを吹き鳴らした。すると、たいまつのように燃えている大きな星が天から落ちてきて、川々の三分の一とその水源に落ちた。
 この星の名は苦よもぎと呼ばれ、川の水の三分の一は苦よもぎのようになった。水が苦くなったので、その水のために多くの人が死んだ(※ヨハネの黙示録・第8章・第10-11節)。
 そしてチェルノブイリ原発事故は、ヨハネ黙示録による予言が的中したものという説が流布したものだ。
「露西亜語で『茎、草』を意味する『bylija』と、『黒い』を意味する『chornyj』が組み合わさって、地名となっていましたから。但し『ニガヨモギ』を意味する露西亜語は別にあって、こじつけのトンデモ説に過ぎません」
 とはいえ、ニガヨモギとチェルノブイリ原発事故より連想されるヘブライ神群の目的は、
「チェルノブイリ原発事故を起こそうとしていたのか。炉心溶融させ、死の灰を降らそうと……」
「ヘブライ神群は、放射線汚染の影響を受けないなの。そして彼奴等の切り札である、黙示録の四騎士が力を付ける……」
「――だがチェルノボーグの介入によって邪魔され、そしてヘブライ神群は維持部隊から迎撃された……という訳ね」
 迎撃の立役者の1人、第10師団第10高射特科大隊・第1中隊第3小隊長の 大江山・椛(おおえやま・もみじ)准陸尉の発言に、御幸だけでなく全員が首肯した。
「こうしてヘブライ神群は戦力を損失し、北陸に進出する勢いは最早ない――としても、代りに重枷が取れたペルーン達も好き勝手遣り始めたとも見られますわね。どちらが事の順序として先か後かは別として」
 椛の指摘に、大きく溜息を吐くと、
「兎に角、一連の騒動の背後関係というか、各神群の思惑は大体解った。其の上で、当面の問題は、チェルノボーグにあるのだが……」
「私の隊は包囲に参加して、敵戦力を誘引し、突入部隊を支援するしかありませんわ。対空車両では原発に突入しても、本来の能力を発揮出来ませんからね」
「問題は突入部隊の人選ですね……」
 ひさ乃の言葉に、再び重い溜息が漏れる。
「クルースニク志願者がいると聞きましたが」
「一部には強硬意見もあったが、概ね『人間として』戦う事に皆も納得したよ」
「……そうなの。よかったなの」
 一番、安堵しているのは御幸に思えたのは気の所為だろうか。
「――兎に角、偵察が情報を集めてきている。正直、MAiR(Middle Army Infantry Regiment:中部方面普通科連隊)や特殊作戦群に出張ってきてもらいたいところだが……ないものねだりは出来ん。突入の計画を密に練る。準備を怠るな!」
 連隊長の言葉に、全員が起立して敬礼を送る。人々が散っていくところで、ひさ乃は御幸に尋ねてみた。
「……仮に菊理媛の力をペルーン達が奪ったとしたら、どうなりますか?」
「最初にチェルノボーグ排除に向かうのは間違いないなの。でも、其の後、維持部隊に降伏するよう求めてくるなの。クルースニクではない、スラヴ神群に従うモノとして」

*        *        *

 観光新道と砂防新道のコースは先の戦いで崩落し、白山の頂たる御前峰にある奥宮に辿り着くコースは2つに絞られた。露西亜空挺軍の第819独立親衛特殊任務連隊に所属する ウラジミール・ラドゥイギン[―・―]大尉は市ノ瀬野営場跡地をベースキャンプに選んでおり、死傷した部下を後送させたとすると……次に来るのは北側の釈迦新道と南側の別山市ノ瀬道のコースとなろう。釈迦新道より楽々新道に合流する北側、或いは別山市ノ瀬道から南縦走路(石徹白道)に合流する南側――
「……しかし南縦走路はグリゴロフが攻略中。競争相手の後塵を拝する事は、聞いた話の限り、ラドゥイギンはしないだろう」
 水上・三殊(みなかみ・みこと)二等陸士の指摘。ラドゥイギンと ヨシップ・グリゴロフ[―・―]中尉の仲の悪さは周知の事実だ。其れでも今のところ互いに邪魔し合う事無く、コースは違えども共同歩調で白山奥宮を目指している。面倒な事、この上ない。
「――ラドゥイギン相手に罠を仕掛けるならば楽々新道か。だがグリゴロフもまた接近してきている。そういえば傷の具合はどうだ、鬼部二士?」
 水上の視線の向こうで頑強な体躯をした巨漢が深く頷いて見せた。鬼部・智孝[おにべ・ともたか]二等陸士は難しい顔をすると、
「……魔人の回復力もあるが、やはり封印されていても尚、菊理媛様の力は健在なのだろうな。あれほどの傷や痛み、疲労がすっかり無くなり、もう十二分に動ける」
 それは重畳。水上もまた頷き返そうとしたが、
「しかし……やはり武器が、これでは」
 銃剣を頼りなさげに鬼部は見た。今までの得物だったグレートソードは先の戦いで腐食し、折れた。鬼部の身を守っていた金属製の篭手や脛充ても同様だ。標準装備のBUDDYと銃剣だけで戦わないといけなくなる。
「他には……っと、流石にこれを武器にする訳にはいかないだろう」
 先の戦いで辛うじて無事だった持ち物の中から取り出したのは、錆が浮き、刃も欠け、朽ちた古い剣。白山中居神社に奉納されていたモノ。
「調べたところ、雄略天皇の頃に護国鎮護の為、剣を奉納されたとあったが」
 鬼部の言葉に、水上は顎に手を遣ると深く考え込む。
「間違いなく、それが封印を解放させる為に必要な鍵の1つなのだろうな」
 そして背嚢から鏡を取り出す。陽射しにかざせば日光を照り返す。まるで其れ自身が輝きを発しているかのようだった。
「――地の底にありし月影、白山の頂に昇りて、天、照らす光となれ……」
「――剣にて紐を断ち、天照の光を映した鏡にて、地に封じられた魂を濯ぎたまえ」
 水上の言葉に続いて、鬼部が言葉を紡ぐ。果たして、鏡が照らし返した光が奥宮を包むと、浮かび上がったのは、括り紐。扉だけでなく、奥宮の社ごと厳重に縛り付けていた。
「……材質は判らないが、光によって照らし出されるまで見えなかったからには霊験的な何かだろう。そして見た目より強靭だ」
 危うく欠けてしまった短刀を見せる。尤も研ぎ直している為、知らぬ者ではそうと見えはしないだろう。
「これならば切れると?」
 朽ちた古剣を掲げる。錆の浮いていた刃は、だが鏡が照り返した光を受けて、自身も淡い輝きを放ち始めていた。
「では、これで一振りすれば……」
 御免!と菊理媛へと謝辞を述べてから、鬼部は振り下ろす。しかし鬼部の剛力を以ってしても括り紐は容易く切れてはくれない。気付けば全身から汗を噴出していた。
「……全力で以っても、ようやく1、2本切れただけか。快刀乱麻のようにはいかないものだな」
「それこそ霊的な、呪法のような仕掛けが施されているのだろう。しかし1、2本切れただけでも鏡と剣が封印から解放する鍵だと判明した。問題は……」
 菊理媛の封印を解くには生半可な覚悟では出来ないと言う事だ。
「呪法だとすると、解除には何らかの術式や儀礼が必要とか?」
「其処まで本格的なものは不要だろう。だが集中して解封に専念しなければならないのは確か。敵の猛攻を迎え撃つのと二者択一だ」
 そして敵がラドゥイギンとグリゴロフと2人いるならば選択肢は3つだ。しかも携帯情報端末が拾った暗号通信によると、ラドゥイギンとグリゴロフの正体はスラヴ神群の高位上級超常体――群神クラスの完全侵蝕魔人と推測出来た。鬼部にとっての相性の悪さや、また水上が人間である事を考えると……
( 相打ち覚悟も辞さないと勝てないだろうな )
 水上は奥歯を噛む。もう少し人数がいれば、水上は時間稼ぎに徹すれば良かっただろう。必ずしも敵対戦力を殺ぐ必要は無く、相手の警戒による進行速度の低下――遅滞を狙えば良かった。
(そうなれば自分が鏡を持っていく意味も無く、鬼部二士に預けるだけで済んだのだが)
 だが水上の観察では、鬼部は巌のような人物だった。見た目もさる事ながら、性格もだ。善く見れば努力家で求道者だが、悪く言えば窒息感を受ける。
 ――鬼部自身は菊理媛の解放を優先させたいところだろうが、それではグリゴロフを迎え撃つものがいなくなる。逆にグリゴロフを迎え撃つにしても、相性の悪さから……
(分が悪い賭けになるな)
 ならば鏡を預けるのは危険だと判断した。万が一、鬼部の剣が奪われたとしても、鏡があれば何らかの対抗手段が取れるだろう。
 ――剣や鏡は、菊理媛を封印から解放する鍵であると同時に、力を支配する祭器でもある。封印から解放せずとも力を利用する事は可能だ。無論、神ならぬ身、ましてや神器を用いて無理に力を行使しようならば……
(如何に、高天原の霊と、葦原の血肉に連なりしヒトの子といえども……激怒されるだろう)
 そして怒りは憎しみと変る。菊理媛の本質は母性だろうが、母もまた女に違いない。山は女心のようなもの、という言葉があった気がする。兎に角、女は恐ろしいという意味だ。――ちょっと違う気もするが。
「……人手がもう少しあればな」
 水上の思わずの呟きに、鬼部が顔を上げる。
「――そういえば、グリゴロフの追撃を受けた時に、露軍兵士の部隊による助けが入った気がする。アレは果たして味方だったのか」
 少なくとも剣が無事であり、また水上と合流するまでの間に簡単な応急手当を施してくれた点だけを見れば、味方だといえよう。……しかし何故?
「――“草”かもしれないな」
「……“草”?」
「平時から長い間を掛けて相手側に浸透し、そしていざという時に任務を果たす――そういう忍者だ」
 大体において説明は合っているはず。しかも自分より忍者らしい。水上は気取られぬように舌打ちした。
 さておき、
「第二次世界大戦末、ソ連に多くの日本人が抑留されたと聞くからな。その子孫が密かに味方してくれている……という事も考えられる。だが、いずれにしても味方と考慮して、作戦を立てるのは危険だろう」
 さて、と水上は装備を手に取ると、
「人手が足りないのは確定だ。ならば最悪の手段になるが、ラドゥイギンの動きだけでも殺いでおかなければならないだろう」
「――無理はするな」
「ああ、基本的に時間を稼げれば良い。封印からの解放が、今回は無理でも、次に繋げられれば良い。だから……」
 鬼部も無理するな。そう言い残して、水上は楽々新道へと足を踏み入れるのだった。

*        *        *

 白木トンネルへと向けられた銃砲の口。中でも大江山小隊の87式自走高射機関砲スカイシューター2輌の存在は、周囲の者にとって心強いものだった。
 捜索レーダー・追撃レーダー・射撃統制装置を搭載し、目標発見・敵味方識別・捕捉・射撃がコンピュータでコントロールされている。主武装はエリコン90口径35mm2連装機関砲であり、戦場防空のみならず地上目標に対しても有効だ。
「単独でも有効性は証明出来ますが、加えて指揮車輌に、うちの発射システムのレーダー装置とも情報共有しているからな」
「誰に向けてのものかは知りませんが、説明ありがとうございます」
 苦笑する椛に、第10師団第10高射特科大隊・第1中隊第2小隊長は肩をすくめてみせる。
「さておき……白木の外側に追い出された身としては、どう攻めるか……。特にうちのようなデカ物は、今度の戦いでは無駄でしかないからな」
 そもそもペトリオット発射システムの噴進弾は広域防空用であり、また上手く敵に落とす事が出来たとしても、威力が周辺施設をただでは済まさないだろう。
「もんじゅ自身が、人質……というか物質?――だからな」
「下手な攻撃を加えて、死の灰を撒き散らかす事になれば、致命傷を負うのは私達ですしね」
 だから攻略部隊の大部分は、こうして敵を引き付ける役目しかない。
「……いっそ白木トンネルを崩落させてしまいところだが――それでチェルノボーグ共を封じ込めた事にならないからな」
 超常体や魔人といえども、山間やリアス式海岸を強行するよりは、やはり道があった方が移動や展開がし易いのだろうと思う。尤もクドラクの性格や言動からして、ストリゴイが組織的に動くかどうかも、これまた怪しいのだが。
「――白木トンネル向こうに、多くの動体反応が検知されました。超常体の群れが来ます!」
 部下からの報告や、斥候から行き交う通達に、椛達は顔を引き締める。そして白木トンネルから溢れ出てきた超常体の群れへと、仕掛けられていた指向性対人用地雷M18クレイモアが鋼球をバラ撒いた。散り散りとなった敵へと、更にBUDDYや設置された5.56mm機関銃MINIMIが炎を上げる。
 怒声と叫喚が支配する戦場の中で、だが椛は堪えるように待機していた。緊張の糸が張り詰めていく中で無線を担当していた部下が顔を上げた。
「報告! 山道から、敵主力のストリゴイが襲撃してきました!」
「……相手の耳目を正面に集めさせておいて、主力は奇襲というのは、天使も吸血鬼も変わりませんわね」
 それは椛達にも言える事だが、今はもんじゅに突入していった選抜部隊の成否を祈る余裕はない。
「――予定通り、目標はストリゴイ! 一歩たりとも防衛線を突破される事のないよう!」
 椛の言葉に、部下から返答の唱和がなされる。同じくトンネル方向へと釣られずに待機していた部隊からも咆哮が起こった。そしてスカイシューターの90口径エリコン35mm機関砲に対抗するかのように、12.7mm重機関銃ブローニングM2が唸りを上げる。
 奇襲が失敗したと判断したストリゴイは、その自由気ままな有様を露呈する。あるモノは恐慌をきたして憑魔能力頼みに特攻し、また別のモノはさっさと逃げ帰ろうとする始末だ。組織として構成されておらず、チェルノボーグという強大な存在に寄り集まっただけの屑に過ぎない。その点、圧倒的な多勢を有機的に展開させていた天使の群れとは雲泥の差がある。
「……それでも油断は出来ませんわ!」
 個体能力としてはストリゴイの方が天使群の主戦力だったエンジェルやアルカンジェルよりも格段に強いのだ。また憑魔能力も異形系が大多数だが、操氣系や強化系だけでなく、五大系も少なからず混じっている。そして人間の時に装備していた銃火器類や、知識が厄介だった。
 統制の執れていない屑集団とはいえ、侮れば痛い目に遭うのは此方側だ。何しろ戦車や航空機も含めて単体戦力で最強とされるのは魔人に他ならない。取り付かれたらスカイシューター等、ものの5分も掛からずに破壊されてしまう。
「――敵戦力を引き付けつつも、接近を許さないように! 弾幕を張り続けなさい!」
 そして銃火や砲弾が戦場を埋め尽くしていった。

 ……白木トンネル防衛線において交戦が開始されたと同じ頃、もんじゅ敷地裏には、数人からなる突入部隊が潜入を果たしていた。
「――前に侵入した際に使ったトンネルが見付かっていなかったというのは幸いだったのぅ」
 周囲の様子を探り、喜助が笑みを浮かべる。
「……早く進むの。後がつかえているの」
 サイズをあつらえた迷彩服と抗弾ベストを着込んだ御幸が頬を膨らませる。後ろの者達も抗議の視線を喜助に送ってきた。
「悪かったのぅ。……待て、待て。そう急かすな」
 喜助は智拳印を組むと、カバー出来るだけの人員に光学迷彩が施された。加えて、御幸が〈消氣〉の結界で包み込む。
「……此れで少しは楽に動けるじゃろう」
「――だよなー! でも電波をビビッと受信するオレサマには目晦まし、気配隠しは効かないぜー」 でひゃひゃひゃ!と耳障りな笑い声が響いた。右手にMINIMI、左手にAKS-74(アブトマット・カラシニコバ・銃床折畳式1974年型)機関騎銃という東西混合の装備を構えている、オカシナ男が其処にいた。
 但し……
「正確に此方を発見した訳ではなさそうじゃな?」
 喜助の言葉に呆れが混ざるのも無理はない。クドラクが構える銃口はあさっての方に向けられ、どう考えても喜助達を射角に収められないのだから。
「……とはいえ、電波脳は厄介なのよ?」
「まったくじゃな」
 目配せで合図を送ると、頷いた同僚達が9mm機関拳銃エムナインで斉射。9mmパラベラムとはいえ無数の銃弾を受けて、クドラクは奇声を上げて悶絶する。止めとして焼夷手榴弾を投げ付けようとするが、遠くから銃声が轟くと、痛みで仲間が崩れ落ちた。
「――うぉぉぉぉっ。コシチェイ、ありがとー。愛してるー。嘘だけどな! でひゃひゃひゃひゃ」
 喜助の幻惑と御幸の〈消氣〉の御蔭で、此方を捕捉している訳ではないだろうが、それでも狙撃手としての勘を頼りに当てて来た。クドラクをフォローするようにSVD(Snayperskaya Vintovka Dragunova)――通称ドラグノフ狙撃銃を構えている コシチェイ[――]が潜んでいるのだ。
 さておきクドラクは異形系だという事を考慮に入れても尋常でない回復力で復活を遂げる。そして乱射を開始した。
「でひゃひゃひゃひゃ! ベロボーグちゃんもいるんだろ! まぁ、責任を感じて突入してきたのはいいんだろうけれども、このままじゃ電波のお告げによると無駄死にするだけだぜ! でひゃひゃひゃひゃ!」
 素早く弾倉交換。兎に角、処構わずに撃ちまくっているが、姿と気配を隠している此方を通せんぼするには最も有効な手段に違いない。悔しい事だが。そして言葉を続けるクドラク。
「――何故ならば、そこには『遊戯』に参加して、神々に対抗出来る資格を有するモノがいないからな! そこの狸は『遊戯』から下りかけているし! 資格あっても此処に突入する手段を持たないババアが外にいるだけだしな! そして、もう1人は遅刻というか未着」
 だからチェルノボーグを倒す事は誰にも出来ない。
「“運命”は、いつもオマエ達にとって最悪の結果になるように予定調和がされるようになっている。でひゃひゃひゃひゃ! このままじゃ北陸――そして東北も人類側の敗北で終了だ!」
 喚き散らかすクドラクを睨み付けると、
「――毒電波が絶好調なの」
「……結局どうするのじゃ?」
 喜助の問いに御幸は冷たい表情のまま振り返ると、
「――其れを、わたしに決めさせれば、まさしくアイツの言う通りの予定調和がなされるのよ?」

 ……白木トンネル防衛線が守られ、ストリゴイや超常体は再び彼方へと退いていった。それでもチェルノボーグの影響は抑え切れず、刻々と周辺を蝕んでいっている。
「――で、結局、明石三曹と美幸ちゃん達は逃げ帰ってきたんですか?」
 ひさ乃の咎めるような問いに、喜助はバツの悪い顔で返す。敵を退けたとはいえ死傷者は出ている。ひさ乃達、衛生科隊員は治療に走り回っていた。
「……兎に角、決定打がないんじゃな、わしら」
 喜助の呟きに、ひさ乃も仕方なく頷くしかない。一番の問題は、戦力というか人手が足りない事だろう。

*        *        *

 悠長に駐屯地に戻れず、武器弾薬は乏しく装備は心許無いまま。だが、女神解放の為には憂いを絶っておかなければならない。遣らなければならない時がある、……忍者的に。
 冬季迷彩が己の姿を雪肌に溶け込ませてくれる。だが今度のラドゥイギンの部隊は魔人兵の精鋭揃いだろう。操氣系は最低でも1人、氷水系や地脈系も確認している。強化系や異形系に至っては何人存命なのか。
 耳を澄ませて、雪肌を踏む音を聞きつけ、そして判断する。何らかの規則正しさを感じる、重々しい足音。間違いなく憑魔能力にだけ頼る事なく重火器を手にしている。――足音は、10人程の1個分隊規模か。
(……ラドゥイギンも除いても魔人兵が9名もいるのか。正直キツイ……が!)
 やらねばならぬなにごとも!
 ポイントマントして〈探氣〉で周辺の動向を探りながら先行している魔人兵に狙いを付ける。可能ならば一気に駆け寄って、短刀で首を刈りたいところだが、ポイントマンをカバーしている射角から逃げ切れる自信はない。やむなく伏射姿勢からBUDDYで3点バースト。
 しかし前回の罠で用心していたのか、咄嗟に氣の障壁が後続から飛ぶと、5.56mmNATOを弾く。衝撃で吹っ飛ばせたものの、致命傷には至らなかった。
(……2人以上いたか、やはり!)
 ヒットアンドアウェイが鉄則。素早く転がり起きるようにして立ち上がり、射撃場所から遠ざかろうとする水上。だが露西亜語の怒号とともに、
「――ぐっ!」
 電光が走り、衝撃に雪肌へと身を叩き付けられた。口の中に広がる血の味に、苦々しい表情を浮かべながら、それでも水上は殺到してくる魔人兵を睨み付ける。逃げ場を与えないよう手にしたAN-94(アブトマット・ニコノバ94年型)――通称アバカンを乱射しながら、雪肌を駆け上がってくる露軍兵士。水上もBUDDYで応戦するが、高低のハンデがあっても不利には違いない。――仕掛けている罠を発動させるには、まだ早いが、いざとなれば死なば諸共。
 水上は覚悟を決めると、隠していたクレイモアのスイッチを発動させようと手を動こうとした。瞬間――狼に似た咆哮が上がる。そして容赦のない銃弾が露軍兵士に降り注がれ、数名が絶命した。
 水上に集中していた視線が、敵を求めてさ迷った。地脈系と氷水系が土や雪で障壁を築くが、その隙に水上は飛び起きるとダッシュ! 弾雨の衝撃で舞い踊る土と雪の煙を目晦ましに、短刀を抜くと同時に身近な敵の首を掻っ切った。
『 ――ナニモノ!?』
 発音がどこかオカシイ英米語で怒鳴るラドゥイギン。だが奇襲を掛けてきた露軍兵士の格好をした連中は、無言で減音器を装着したAKS-74Uを撃ちまくる。
「――“草”か?」
 水上の漏らした呟きは、銃声によって掻き消されただろう。だが隊長と思しき男は、まるで聞こえたかのように軽く空いた手を振ってくる。
(……以心伝心とは、こういうものかも知れないな)
 込み上げてくる笑いを口の端に乗せると、魔人兵の側背へと水上は回り込んだ。ラドゥイギンの指揮により混乱から立ち直り、現れた謎の部隊に応戦を開始した露軍兵士は、水上の動きに苛立ちを見せる。地脈系の兵士はアバカンを捨てると、スペツナズナイフを構えた。
(……しかし悪いが、俺の狙いはお前じゃない)
 繰り出されてくるナイフの軌道を読むと、避けながら水上は腰に提げていた手榴弾のピンを片手で弾いた。軽い調子で相手と自身の間に放り出す。慌てて地面を隆起させて壁を作ろうとする露軍兵士だったが、爆発した手榴弾が撒き散らかされたのは衝撃と閃光。その隙に脇を抜けて背後に回り込んだ水上は、短刀で後頭部に突き刺し、そして抉る。
 雷光が走った。水上は無情にも崩れてきた露軍兵士の身を盾にする。そして目標との距離を測った。
(――ヒットアンドウェイが鉄則。……とはいえ、逃がしてくれる状況ではないな)
 心の内で舌打ちと同時に、苦笑。そして左右不規則な動きで撹乱させる。一瞬でも止まれば雷光を纏ったラドゥイギンから直撃を喰らう。ならばと水上は少しでも電撃を封じる為に露軍兵士の中に身を投じた。謎の味方からの流れ弾が当たる恐れもあるが、
(……雷神から致命傷を喰らうよりマシだからな)
 謎の味方は露軍兵士の中に紛れ込んだ水上にも躊躇なく銃撃を加えてくる。確かに危険極まりないが、其れは露軍兵士が水上へと注意を向ける余裕をも奪ってくれる。
 ラドゥイギンの怒声。部下達は慌てて守りに入りながら、水上から離れようとする。そして雷光が激しく瞬いた。だが――
(……楽に当てさせると思うな!)
 隠し持っていた、もう1つの閃光音響手榴弾。炸裂し、衝撃と閃光がラドゥイギンの視界を奪う。水上は一気に詰め寄ると、宙を舞うように背後に回り、そして――
「――もらった!」
 愛用の短刀で首を刈り落とさんとばかりに振り払う。だが……
「……敵ながら見事」
 次の瞬間、払いのけようとする手の動きに吹き飛ばされた。短刀は確かにラドゥイギンの首元に深手を与えたが……咄嗟に背負っていた荷物を割り込ませられて、致命傷まで至っていなかった。
 そして首元を赤く染めながらも、ラドゥイギンは立っていた。だが悔しそうに露西亜語で怒声を上げると、謎の味方と応戦していた部下達が撤退の動きを見せた。水上の接近を許さないように牽制の発砲を繰り返す。そして深手のラドゥイギンを支えながら部隊は此方の動きを警戒しつつ、白山を降りていった。
 さて……ラドゥイギンが捨てた荷物を思わず拾い上げた水上は一息吐きたいところだったが、謎の部隊への警戒感を露にして身構え直す。対して部隊の指揮官らしき男は御前峰を見上げ――
 ――頂上からの銃声の連続音に、慌てて部下を引き連れて駆け出した。水上も血相を変えて追う。

 ……御前峰の白山神社奥宮の前には、AK-74M(アブトマット・カラシニコバ・1974年近代型)機関騎銃を構えたグリゴロフと、1個分隊程の部下達が辿り着いていた。グリゴロフの足元には満身創痍の鬼部が転がされており、古剣が奪われているところだった。
 グリゴロフは鼻をひくつかせると、露西亜語で面白そうに独白した。
『もう1人、男がいるはずだ。……臭いからして近付いてきている。ん? ラドゥイギンの血の臭いか。どうもペルーンは退けられたようだぞ』
 口の端を歪ませて笑う。
『まぁ主神格と自負しているヤツの事だから、手酷い損害から完全回復するまで駐留地に引き篭もるしかないな。その間に、俺が女神の力を手に入れて、チェルノボークも退け、そしてペルーンに代わって主神格たるトリグラフの一角になってやるよ!』
 そして此方に視線を移すと、
『 ――お前と俺の仲だ。わざと独り言を聞かせてやってんだぜ、マエゾノ!』
 再び鼻をひくつかせると、
『俺の鼻を誤魔化せると思ったか? お前の臭いは嗅ぎ分けられる自信があるぜ!』

 グリゴロフの言葉に、水上は謎の部隊の指揮官――第14普通科連隊・第1037班甲組長たる 前園・賢吾[まえぞの・けんご]准陸尉へと振り向くのだった。

 

■選択肢
EEu−01)福井・原発施設に突入して交戦
EEu−02)石川・白山神社奥宮の封印解放
EEu−03)石川・白山連邦山頂で獣神乱舞
EEu−04)石川・駐日露軍と接触して暗闘
EEu−FA)北陸地方の何処かで何か


■作戦上の注意
 当該ノベルで書かれている情報は取り扱いに際して、噂伝聞や当事者に聞き込んだ等の理由付けを必要とする。アクション上でどうして入手したのかを明記しておく事。特に当事者でしか知り得ない情報を、第三者が活用するには条件が高いので注意されたし。
 なお福井の原発施設や石川の白山連峰では、強制的に憑魔の侵蝕率が上昇する事もあり、さらに死亡率も高いので注意されたし。
 また駐日露軍と接触する場合、露西亜語にも精通している事が望ましい。駐日露軍の幹部は英米語での会話も可能だが堪能という程ではなく、ましてや日本語はまったく喋れない。一般兵士に至っては英米語会話すら不自由である。
 第5回の白山神社奥宮は、この直後から始まる。第4回において他の場所にいたキャラクターも数分から数時間遅れて介入する事が可能だが、距離や移動手段によって出場のタイミングが判定されるので注意。飛行手段の場合、対空ミサイルで撃墜される危険性も考慮しておく事。
 また白山神社奥宮に施された封印を解放するには、必要な神器が全て集まっている(※所持者が02を選択する)事が最低条件である(※アクション上で儀式をする者に渡しておくのは問題ない)。だが獣神への対策をしていない(※03を選択しない)と、襲撃を受けたり、儀式を邪魔されたりするので、自動的に解放への行動は失敗すると考えても間違いない。
 クルースニクを望む場合は、本文中にある鈴白御幸(=ベロボーグ)嬢からの注意を念頭に置く事。現在のところ、無名の維持部隊員(※一般NPC)の中で成りたがっている者はいても断っているが、戦況次第でどう転ぶか判らない。御幸は誰かが連れ回さない限り、基本的に若狭で行動しよう(※選択肢01)とする。
 なお前園准尉と明石三曹(のPL様)が多忙により、NPC化申請を行っている。救援を必要とする場合は、アクションに明記する事。北陸ならば要望に応えて何処でも馳せ参じてくれるだろう。要望がない、或いは多数の場合、前園准尉は白山連峰で、明石三曹は原発銀座関連で秘密裏に行動する。但し選択肢が異なるような救援要請(※例:前園准尉達に敵の進行を止めてもらうよう要請し、本人は奥宮で解放の儀式を行う)は自動的に没とするので、此方も注意。


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