Anime
機動新世紀ガンダム]
製作 サンライズ
放送局 テレビ朝日
原作 矢立肇
富野由悠季
総話数 39話
放送期間 1996.4.5〜1996.12.28
CAST
ガロード=ラン (高木渉)
ティファ=アディール (かないみか)
ジャミル=ニート (堀内賢雄)
シャギア=フロスト (森川智之)
オルバ=フロスト (佐々木里)
総評 ★★★★★★★☆☆☆
ストーリー ★★★★☆
サウンド ★★☆☆☆
キャラクター ★★★★★
観賞日時 ????

概要
時は、A.W.(アフターウォー)0015。
地球圏すべてを巻き込み、最悪の形で終結した第7次宇宙戦争の終結から15年後の世界………
多くのコロニーが戦争によって落下し、地上は荒廃。地球連邦も壊滅し、地球の人口は1億人以下にまで減少してしまいました。
そんな地球には「バルチャー」と呼ばれる兵器回収業者と、自らのモビルスーツ操縦技術をウリにバルチャーに雇われて日銭を稼ぐ「モビルスーツ乗り」が跋扈する世の中となっていました。

戦災孤児の「ガロード=ラン」は、ジャンク屋やモビルスーツの回収を生業としていたが、ある日、一人の少女「ティファ=アディール」をバルチャーから救出するよう依頼されました。
無事、「ジャミル=ニート」の陸上戦艦フリーデンからティファを助け出したガロードだったが、逆に依頼人に追われることとなり、旧連邦軍の地下工場へ逃げ込んむことになる。
そこで「ガンダム]」を発見したガロードは、この機体で追っ手を撃破。ティファの能力を狙う、新連邦軍との戦いに巻き込まれていく………。

戦争の虚しさ………そして、戦後の荒廃した地上で人々はどう生きていくのか………

感想
私の中で、今までのガンダムシリーズで一番好きな作品です。
はじめは、ヒロインの声優さんが、かないみかさん。と言うだけで見始めた作品でもあります。(;^^)ヘ..
ただ、見続けているうちに、そんな事を差し引いたとしても、すばらしい作品だなと思いました。
とは言っても、実際問題として世間的には、あんまり人気の高い作品ではないんですよね。
そもそも、ガンダムとしてみると、U.C.シリーズではない為、従来のファンからすれば邪道となりますし、
アナザーガンダムとしてみても、前作ガンダムWの圧倒的な人気に対して、それ以上のファンを得られなかったと言う事になります。
まぁ、前者の方はしょうがないと思いますし、SEEDのレビューでも述べたかもしれませんが、「ガンダム」というネームバリューを用いてであっても、何か主題となるものを伝えられればそれでいいんじゃないかな?と私は思います。
後者に関しても、同様にしょうがないとしか言えないですかね?そもそも、Wがガンダムとしては非常に特異で、女性ファンを惹きつける作品であったことが大きいと思います。
そのWの時に付いた女性ファン、そして従来のガンダムファン、彼らを納得させた上で新規ファンを開拓する………はっきり言って、これは非常に難しいと思います。
そして、例えできるとしたら、それは続編にならざるを得ないんじゃないか?と思います。
そんな訳でして、結局、数字が伸びずに、ガンダム]は打ち切りとなってしまい、非常に不幸なガンダム作品です。

なんかしょっぱなから駄文になっていますが、その辺(↑)は置いておいて、本題に入ります。
まずは、私が考えるこの作品の主題ですが、「人の強さ」だと思います。
はじめは、それぞれのキャラクターが弱さを持っていました。
ガロードは、強者から。ティファは、自分の境遇から。ジャミルは、過去のトラウマから。………逃げていました。
物語の中で、それをいかにして克服し、前に進んでいくか?といった所が非常によかったんじゃないかな?と思います。

個人的な見所は………
最終話の3話前かな。フリーデンUで宇宙に上がる直前のお話ですね。
みんなが、それぞれの恋愛に決着をつけて〜って感じのお話です。(〃 ̄∇ ̄〃)
その中でも、やっぱりガロードとティファのやり取りというか、会話のシーンが印象的でした。
GXって、キーになるものが『月』なんですよね。究極の破壊力を持つサテライトキャノンの発動条件となるモノですから。
そういった恐ろしい兵器としての位置づけがある月が空に浮かぶ夜(たしか満月でした)に、その月が見守る中でお互いの気持ちを伝え、語り合う2人がなんかいい感じです。

もう1つはラストかな。
「ニュータイプ知ってるか?」とかって感じの問いかけに、ガロードがティファと顔を見合わせた後に、
「知ってるよ。」と答えるシーンが、なんか印象的です。色々と考えさせられてしまいました。
詳しい理由については、後述しますのでとりあえず端折ります。

また、打ち切りになってしまった為に、Gファルコンと事実上合体して戦えたのは、DXのみだったのですが、
その他の機体(ガンダム)と合体してのストーリーがなかったのが残念でなりません。(1カットくらいに端折られてました………)

最後に、GXは、U.C.ガンダムに対する、もう1つのニュータイプを巡る物語という位置付けの作品であったと言えると思い、ニュータイプ論に1つの答えをきちんと提示できていると思います。
そもそも、U.C.では「宇宙に出た事によって、眠っていた能力(DNA?)が覚醒し、認識力や直観力が発達した人類」という位置づけだったと思います。(いや、たぶん、私の認識だと)
なんというか、キュピーンとかなって、光速に近い(はずの)ビームをさくさく回避するみたいなあれですね。
だけど、ガンダム]ではというと、単なる「超能力」だと思います。いやまぁ、ジャミルやランスローなんかのパイロットは、U.C.のニュータイプに近いとは思いますけど、ティファを見る限りは、なんというか超能力者ですよね。
結局、]では何が言いたかったかと言うと、
ニュータイプというのは、人(いわゆる、軍の偉い人達)によって、戦争を有利に進める為に作り出された(?)ものであり、本当は居ない。
そして、特別な能力をもっていても、みんな同じ人間なんだ。という事ではないでしょうか?

でもって、荒廃した大地で生き抜いていく事は難しい事だけど、結局、一人一人が精一杯の事をやっていくのが重要だ。って感じでしょうね。

Write : 2004.05.16

Return