Game
CLANNAD −クラナド−
製作 Key
発売日 2004.4.28
対応 Windows 98 / 2000 / Me / XP
総評 ★★★★★★★★★☆
ストーリー ★★★★★
システム ★★★★☆
サウンド ★★★★☆
キャラクター ★★★☆☆
プレイ日時 2005.04.10 〜 2005.05.05

概要
春―――この桜舞う季節に―――――
校門へと続く坂道から始まる"奇跡"の物語―――――

私たちが、あたり前の事として過ごしてきた、ありふれた学園生活を―――
それを望む少女と、彼女をとりまく温かく優しい人々とその町で
光り輝く 14の想い――――――――

あなたは、奇跡を信じますか?信じる事ができますか?

感想
"Kanon"、Air に継ぐ、Key の3作目。
今回は、はじめから全年齢対象です(結構、ギリギリだと思いますが…)

前作『Air』に似たシステムで、ある条件を満たすと次のシナリオへと進んでいけるような感じ。
しかも、なんとなく『YU-NO』が入っている気がしなくもありませんが、それは気のせいでしょう。

発売から1年………よく考えたら、1年間プレイしていなかった作品。
"Kanon" も Air も、どちらもそれなりに良かったと思っていたので、なんで発売直後にプレイしなかったかと思ったのですが、このレビューページ見てて気がつきました。
私、去年の今頃、CANVASをプレイしていたのね。(;^^)ヘ..
しかも、記憶が確かならば、この手のゲームをプレイすること自体が1年ぶりです………

とまぁ、そんな訳で感想なのですが、一言で言うと…
「クオリティ高すぎ」でしょうか。
こんな一言で片付けられる内容じゃないのですが、それは後でシナリオ別に分けて書きます。
とにかく、本当に凄すぎでした。いろいろと………
なんか、この手のゲームをプレイする度に言っている気もしますが、本気で泣きました。
しかも、目に涙が程度ではなく、号泣(雰囲気的にです。さすがに大声あげたりはしてませんが)。
たかがゲームで、涙でディスプレイが見られないとか、絶対に経験することはないと思っていましたよ。

そんな訳で、シナリオ別 評価 兼 感想。(プレイ順)

伊吹風子 ……… ★★★☆☆
「おめでとう、おねぇちゃん。いつまでも、いつまでも、幸せに。」
今シナリオ中では、人に在らざる者。
誰に対しても当たり障りの無い選択肢を選んでいたら、初回プレイで風子シナリオに突入しました。(;^^)ヘ..
交通事故の為、意識不明のまま入院しているが、姉の為に生霊(?)として登場。
泣けるストーリーではありますが、ラス前の公子さんの結婚式(学校で)の場面で、(会社から仕事の)電話があり、現実に引き戻されたので、もう何がなんだか……………_| ̄|○ililil
結局の所、公子さん(風子の姉)が言っていた「呼吸が、停止しました。」というのは、死んでしまったという意味ではなかったのでしょうか?(;^^)ヘ..
エンディングが2通りありますが、どちらも風子が復活します。
恋人となるか、友達となるか。その違いです。

幸村俊夫 ……… ★☆☆☆☆
朋也が1年の時の担任。何かと良い先生。
教師生活を生徒指導に賭け、最後の生徒(=朋也と春原)を無事に卒業させました。
このシナリオは、渚シナリオからの分岐なのですが、幸村先生シナリオへ入っちゃうと渚はかわいそうな気はします。
私は、こんな教師にめぐり合えませんでしたが、今のこの世の中にもいるんでしょうね。
ちなみに、都合2回プレイしています。(風子の為に)

古河渚 ……… ★☆☆☆☆
「この学校は好きですか?」
メインヒロイン。
………Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)それだけっ!?
いや、なんか正直よくわからなかった………
健気でいい娘なんですけど、なんか………
むしろ、両親の方が印象に強いです。
それに、ハッピーエンド!?

柊勝平 ……… ★★★★☆
「…うれしい時に涙って…本当に出るもんなんだね」
クラナドが誇る男女。そして、朋也達より年上だったりする。
登場時から、杏に跳ね飛ばされるインパクトありすぎの人。
椋といい雰囲気になるのですが、実は明るい性格とは反対に、病気から逃げている。
病名は………『骨肉腫』つまり、癌。このシナリオは、切なすぎます。
なんつーか、クラナドも単なるギャルゲーだと思ってプレイしていたんだけど、ここで初めて、あー違うんだぁ。やっぱり Key だなと思わされました。
個人的にクラナドナンバー1カップルは、勝平×椋だと思ってます。
余談ですが、勝平の履歴書の内容は面白すぎ。あんなの書いて提出してみてぇ。(ぉ
絶対に落ちると思います。

藤林杏 ……… ★★★☆☆
「『恋人』になっていく二人のそばにいるのが辛いのよ…」
藤林姉妹(双子)の姉。こちらも学級委員。
妹とは違い、非常に活発。というか、口より先に手が出るタイプ。
校則違反の原チャリ登校をしつつ、朋也を何度も轢いている。(ぉぃ
双子で性格が正反対なのはこの手のゲームの王道だと思う。リボンも左右対称だし。
妹の為なら、自分の気持ちすら押し込める。そんな人。
個人的には、こういう性格というか気の使い方ってあんまり好きじゃないです。
でもって、この杏シナリオでのキーパーソンは春原だと思う。
杏の押し込めた気持ち、そして朋也の本当の気持ちに唯一(?)気づいていて、2人からその気持ちを引き出させたのが彼。
このシナリオは、杏も朋也も………そして、椋も………みんな、切ないです。
椋の一言一言が、見ている側としても、辛い。
でも、椋は、いつもオドオドで気の弱い娘だったはずなのに、最後は、強かった。
朋也よりも杏よりもずっと………

藤林椋 ……… ★☆☆☆☆
藤林姉妹(双子)の妹。物静かで恥ずかしがり屋の学級委員。
謎のトランプ占い(乙女のインスピレーション)ができる人。が、当たらない………
というより、ある意味あたってる。結果がすべて、逆をいく。
朋也と恋仲になってからの初々しさがなんかいい感じ………
あんなのいいですよね。つーか、あの時期が一番楽しくて、不安で………
一番、恋愛してるって気になれると思います。
が、なんか杏シナリオに比べて、いまいち………
心に残る台詞とかも無かったですし………
まぁ、椋の真の姿は、勝平シナリオなんでしょうね。

一ノ瀬ことみ ……… ★★★★★
「お父さん、お母さん…おかえりなさいっ」
独特の子供っぽさの為に信じられないが、超秀才の少女。天才ではなく、秀才。
しかも、学校どころか全国で10指に入る………
得た知識すべてを頭の中に整理しておける。そんな人。
正直、はじめは天然ボケとかそういうオプションとかいらね。
こいつ、うざ過ぎるくらいに思ってたよ。うん………
でもね。そういう次元じゃないんですよ。ことみは。
いやもう、なんつーか、あれだ。初々しいっつーの?
やる事成す事、すべてが初々しい。守ってあげたい。
そして、ことみが鋏で本を切り抜きしている理由………
それを知った時、ことみを庭の外へ、外の世界へ、連れ出すことができますか?
………
つーか、ダメ。マジで泣きました。深夜2時とかに………
私、何やってんの?明日(つーか、もう今日だよっ)、仕事ですよ?
というわけで、アフターストーリーを除けば、私的にこのシナリオが一番良かった。
ラスト、何度でも泣けます。

坂上智代 ……… ★★☆☆☆
「居てくれるだけで、幸せだったんだ…」
ものすごく強い人。そして、朝の目覚ましイベントがあります。
夢を叶える為、前へと向かっていく彼女、
夢見ることを放棄し、立ち止まっている彼。
彼女が生徒会長になって叶えたい夢………そして、譲れないその理由。
それを知ったとき、彼も彼女を支援する………
その達成が、立場の異なる二人の別れを意味する事になろうとも………
……………
だけど………一番大切なのはお互いの想い。
それに気づいたとき、二人はもう離れることはない。
本当に好きな人と、共に歩いていく。同じ方向へ向かって………
いつまでも………ずっと………

とまぁ、結局共に歩く道を選ぶものの、なんかこのシナリオは個人的にはダメ。
その道というのがレベル低すぎるもんなぁ………
朋也が少しでも努力して。って感じであれば、認められたんだけど。
できないわけじゃなく、怠慢なだけだし………
それが浮き彫りになってしまうシナリオでした。

で、1年経ってプレイしている今だから知っている訳ですが、この智代シナリオのアフターストーリーが Key の新作として発表されています。
そこでの朋也くんに期待しましょう。

相模美佐枝 ……… ★★☆☆☆
「ずっと、いつまでも…あたしのことを好きでいてください」
男子寮の寮母さん。生徒の悩み事相談なんかもしてくれちゃう人。
寮生でもない朋也を心配してくれてる所とか、健気でいい人です。
だけど、彼女の時間は、高校時代から止まってしまっている………
その時の想いを、現在(いま)へ繋げる事ができるでしょうか。

春原芽衣 ……… ★☆☆☆☆
「…あのね、おにいちゃん」
春原の実の妹。が、絶対春原の妹じゃねぇよ。なんだよこれっ!
ちなみに、芽衣シナリオは、春原兄妹シナリオになってます。
芽衣に「おにいちゃん」と呼ばせた時の、朋也の壊れっぷりが………
それから、このシナリオはメインが他シナリオである人が、結構、重要な役割を持たされています。
早苗さんの心の広さと純粋さ。
そして、幸村先生シナリオの補完。
全部のシナリオが1つになって、クラナドという作品を作っているという事を再確認させられたシナリオでした。
まぁ、それだけですけど………

宮沢有紀寧 ……… ★☆☆☆☆
「わたしは今、たくさんの仲間に支えられているんです」
資料室の主。そして、膝枕(する方)イベントがあります。
兄の死を乗り越え、兄の居た場所へと向かい、
誰に対しても自然体で接し、いつしか彼女の周りには人が集まり、
その温かみが、集まった人たちを癒していきます。
そして、朋也に対してだけ弱い自分を見せ、甘えることができる。
はじめは、朋也に兄を重ねていただけです………
でも、いつしかその想いは………

正直、なくてもよかったと思われる。

古河早苗(アフターストーリー中) ……… ★☆☆☆☆
「いつまでもおまえのそばにいる」」
渚の父親。
どんな人とでも、仲良くなれる。その人を笑わせられる。
そして、自分自身も共に笑い続けられる。
秋生さんがいて、弥生さんがいて………
そんな2人に育てられた渚は本当に幸せだと思う。

古河早苗(アフターストーリー中) ……… ★★☆☆☆
「でも、わたしなんかを必要としない状況になったなら…それが一番だなって…そう思います」
渚の母親。
夫の為、娘の為、朋也の為、そして出会うすべての人の為に………
精一杯の努力をしていく。そういった強さを持った人。
そして、その傍らに、愛する人が居る限り………
いつまでも笑顔で笑って、本当の自分を見失わない。

芳野祐介(アフターストーリー中) ……… ★★☆☆☆
「誰のためでもなく…好きな人のためだけに…」
朋也の仕事場の先輩。
プロのミュージシャンであった過去を持ち、渚の恩師であり、風子の姉である公子の彼氏。
その他、いろいろなシナリオに登場しては、重要な役割を担っている人。
………King of 助演男優。
自分だけで生きていく為の手段が、いつしか他人の希望となり、自分の為だけではなくなる………
理想と現実の違いに押しつぶされてしまった彼を救ったのは、夢を追っていた頃の町と、その頃に大好きなであった人………
夢を捨てた彼を救ったその女性は、今も彼に寄り添い支えてくれている。
そして、彼は再び夢を追っていく。自分のために………
つーか、伊吹先生って何歳なんですか?_| ̄|○

岡崎直幸(アフターストーリー中) ……… ★☆☆☆☆
「朋也も、元気で…」
精一杯、朋也を育ててきた父親。
それ故に、傷つけてしまった息子を昔のように「朋也」と呼べたとき………
彼の想いはきっと朋也にも届いたはず。
そしてその時、朋也もすべてを許せたんだと思う。
これからは、朋也も同じように歩んでいく………
父親として、父親に負けないように。



アフターストーリー ……… 評価対象外
「渚を俺にくださいっ!」
渚シナリオのアフターストーリー。

渚は、3度目の三年生………合唱部の仁科と杉坂と同じ学年です。
そういったわけで、渚との同棲生活の始まり。
結局、渚は5年かかって卒業はできたものの、自分自身の卒業式に出席することはできませんでした。
しかし、学生時代のすばらしい仲間達の手によって、無事に卒業式をあげることができました。

朋也は、大好きな人が自分を必要としてくれている………
それだけで強くなれる。変わっていける。進んでいける。
何度転ぼうが、這い上がっていける………そう思っていました。

渚の妊娠、そして、恐れていた発熱。
その状況のままでの出産………
そこから運命の歯車は狂っていったのでした………

というか、ごめんなさい。うまく書けません。ここから先は辛すぎる。
それに一呼吸おかないと、思い出してしまってディスプレイが見えません。
実際、7時間くらいぶっ通しでプレイしていたのですが、
最後の3時間くらいは、プレイしているんだか………
泣いているんだか………放心しているんだか………
本当によくわからないし、よく覚えてないです。
朋也の生き方は、父親として誉められたものではなかったかもしれない。
でも、それでも、渚を、汐を、本当に精一杯に愛していたと思う。

ちなみに、今、午前5時。こんなに時間経ってたのかっ!?_| ̄|○ililil
ついさっき、クリアしたところなんですが、確か、プレイ開始したのが昨晩22時ちょっと前………(;^^)ヘ..
せいぜい、まだ3時くらいだと思ってたんだけど、入り込みすぎ?
なんか感情移入しすぎて、嗚咽もらして、涙流して………
あげく徹夜して………ほんと、私、何やってるんだろ。
でも、哀しかったけど、本当に良かった。

アフターストーリー(共鳴) ……… 評価対象外
数々の想いが1つになる時、奇跡は起こります………

2人の運命はいくらでも変えられる。
お互いが力を合わせて、前に向かって歩いていけば………
きっと、夢は叶う。

あんなにも弱かった渚ですが、
朋也と会って、つき合って、結婚して………
そして、母親になって………
本当に強くなりました。

………アフターストーリー。
汐が産まれて、渚が亡くなって、本気で泣きました。
でも、こんなストーリーもあるんだな。とある意味で納得していました。
だけど、ラストで汐まで渚と同じ道をたどる………
こういった完結もあるのかな?とは思いました。
ハッピーエンドが必ずしも正しいとは限らない。確かにそうかもしれません。
だけど、こんなにも不幸なストーリーは哀しすぎる。そうも思いました。
そして、奇跡はやっぱり用意されていました。
これが、クラナドの行き着く先だったんですね。

そして、今日も岡崎家からは、こんな歌が聞こえてくることでしょう。

だんごっ、だんごっ………

Write : 2005.05.05

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